2022年04月29日

『結婚が前提のラブコメ6』

栗ノ原草介 先生が贈る婚活ラブコメ。第6巻は“縁太郎”が“カレン”と“結衣”からの
好意を受け止められない理由と、業界再編の荒波に向き合う顛末を描く最終巻となります。
(イラスト:吉田ばな 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094530629


父親と婚活の考え方で揉めて、“縁太郎”の家になし崩し的に転がり込んできた“結衣”。
“マリア”のサポートを受けつつ、譲れない彼への不意打ちに焦りが隠せない“カレン”。
それでも選べない彼の心の頸木を解き放つために決め手となったあの一言がまず印象深い。

人生の伴侶を決めたとはいえ、「娘を一生しあわせに出来るのか」と相手の父に問われて
言い淀む“縁太郎”は不安を突かれた形で。しかも結婚相談所・連合会の解散危機という
重圧も掛かって。“誠”に相談に乗ってもらっても打つ手なし、からの逆転劇がまた熱い。

婚活って、より良い結果に向けて努力できる部分はあるものの、運命の人と出会えるかは
「縁」があるかどうか、それを掴めるかどうかが鍵なんだ。そんな想いを、自分の経験を
振り返りながら再認識させてくれたお話でもありました。無事完結をここに祝う次第です。

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2022年04月28日

『クラスのぼっちギャルをお持ち帰りして清楚系美人にしてやった話3』

「漫画エンジェルネコオカ」のマンガ動画で脚本を担う 柚本悠斗 先生が自ら編む恋物語。
第3巻は“葵”のもとを離れたはずの母親が来訪し、“晃”も彼女も選ぶ道を模索します。
(イラスト:magako 先生 キャラクター原案:あさぎ屋 先生)

https://ga.sbcr.jp/product/9784815614416/


“葵”の父親に対する肩透かしから一転、母親のクズさに対して怒り心頭に発する“晃”
には同意しかない導入部分。学園祭の準備で彼と彼女の雰囲気が更に睦まじさを増す中で
冷や水を浴びせる展開を前に、母と娘が出す結論を待つしかない彼のもどかしさたるや。

クズとはいえ、母親と一緒にいるのが娘として幸せかもしれない。そんな一縷の望みすら
打ち砕く現実に悲痛な思いを吐露する“葵”の、何と痛ましいことか。彼女を守れるのは
自分だけ、とうぬぼれていた“晃”自身との決別にも似た顛末にどこか虚しさが残ります。

タイトルにある趣意を反転させる学園祭の出し物、という演出もさることながら“泉”や
“瑛士”、バイト先の店長にも気遣われて何とか成功へ漕ぎ着けていく“葵”と“晃”の
様子が印象的。共に花火を見ながらつぶやいた彼女の願いがどこへ向かうか気になります。

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2022年04月27日

『公務員、中田忍の悪徳3』

立川浦々 先生が贈る、異世界エルフと邂逅した地方公務員の道義を描く異色作。第3巻は
“アリエル”が描く謎の紋様と2人目の異世界エルフの関連性について“忍”が探ります。
(イラスト:楝蛙 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094530636


後に“忍”が「魔法陣事件」と呼ぶ今回の騒動。2人目の異世界エルフがいると思われる
場所を突き止めて邂逅するのもさることながら、「見殺しにする」と“義光”たちに宣言
していた思惑とはかけ離れた「正しい行い」に至る彼の迷走っぷりに今巻も驚かされます。

そんな“忍”の迷いを、言葉が通じないながらも理解したと思われる“アリエル”。その
身をもって何とかしたいと示す彼女の意思を感じて、流石の彼も絆されないワケがない。
彼女の言動を見ては自然と「かわいい」と内心こぼす所からも兆しは見て取れましたし。

“徹平”や“義光”が呆れ、“由奈”が蔑視する、“忍”の我が儘を押し通した結果には
当初からは想像もつかない救いと、未来の可能性を感じて穏やかな雰囲気に包まれそうな
結末に釘を刺すあの一文。意想外の新たな未知は希望か、危険か。次巻も目が離せません。

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2022年04月26日

『高3で免許を取った。可愛くない後輩と夏旅するハメになった。』

『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる』の 裕時悠示 先生が贈る新作は青春冒険ラブコメ。
高校最後の夏を前に車の免許を取った少年と後輩少女が夏旅に至る顛末と決意を描きます。
(イラスト:成海七海 先生)

https://ga.sbcr.jp/product/9784815612924/


遅刻ゼロ実現を目指す風紀委員の“あやり”に目を付けられる、遅刻常習犯の“廉太郎”。
彼は敵同然の彼女に、校則違反となる「車の免許を取得していること」が知られてしまう。
家の都合以上に車での夏旅に懸ける情熱が元で至った経緯について彼は弁明に臨むが──。

“廉太郎”の事情を知りつつも、未成年者の事故発生率を懸念する“あやり”が提案した
「テスト」をクリアできるか。先生にバレたら停学の危機を回避するのに必至で浮足立つ
彼とは対称的に、彼を気遣いながらどこかはしゃいでいる様子の彼女が何ともいじらしい。

“あやり”もまた複雑な家庭環境下にあり、“廉太郎”とも浅からぬ縁があり、その上で
彼が夏旅で目指す先にも思う所ある、となれば彼女がタイトル通りの道を選ぶのも道理で。
いつか彼女の様々な想いが報われることを願わずにはいられないロードノベルに注目です。

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2022年04月25日

『王様のプロポーズ2 鴇羽の悪魔』

橘公司 先生が贈る新世代最強の初恋を描くファンタジー。第2巻は超人気動画配信者が
“無色”を勝手に彼氏として紹介し、「彼女」の座を懸けて“彩禍”との勝負に挑みます。
(イラスト:つなこ 先生)

https://fantasiabunko.jp/product/202109propose/322012001026.html


“喰良”に終始ふり回されっぱなしとなる今巻。魔術師養成機関〈影の楼閣〉との交流戦
にて“彩禍”と愛の三番勝負を挑むなど、トリックスターのように不可解な言動を見せる
“喰良”の原拠が、序章と終章の章題の付け方に表れている点は仕掛けとしても見事な所。

〈影の楼閣〉の“紫苑寺”学園長と“彩禍”との根深い因縁もあって、番狂わせな展開が
続く上に「彼女」の豹変から一気に世界の危機へと変貌していく状況。流石の“黒衣”も
後塵を拝する、〈庭園〉の存続にも関わる事態に“無色”の資質が問われる緊迫感が重い。

窮地の中、“彩禍”に託された想いを胸に、世界を救うためには手段を選ばないと決めた
“無色”が手にした最悪の手段。“シルベル”が開示したあの情報。“瑠璃”が抱く心の
わだかまり。ほころびが見え始める彼らの秘密、その行方も気になる次巻が楽しみです。

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2022年04月22日

『本好きの下剋上〜司書になるためには手段を選んでいられません〜第五部「女神の化身8」』

香月美夜 先生が贈る大人気ビブリア・ファンタジー。 第五部・8巻は“ローゼマイン”
による“フェルディナンド”救出作戦、本物のディッターで勝利を掴む顛末を描きます。
(イラスト:椎名優 先生)

https://tobooks.shop-pro.jp/?pid=163830849


“フェルディナンド”からの遺言めいた言葉に怒りを覚え、電光石火の勢いで、間一髪の
局面に“ローゼマイン”が間に合うまで、読んでいて気持ちが昂るのを抑えきれない展開。
復活早々にふてぶてしい彼を見た彼女が、喜怒哀楽の感情を巡らせるのがもう感慨深くて。

魔王が如く指揮を執る“フェルディナンド”も勇ましいものですが、やはり本質は研究者。
計画を台無しにした“ローゼマイン”を唆して「遊び場」を拵えようとする強かさは見事。
再会した“レティーツィア”に“ローゼマイン”が下した判断にも彼女の真情が窺えます。

それにしても“ゲオルギーネ”がしぶとい。事に至るまでの生い立ち、家の事情があるに
せよ、しでかしたことに対する同情の余地はなく。彼女が仕掛ける「最後の戦い」に対し
“ローゼマイン”と“フェルディナンド”がどう手を打つか。続きを待つしかありません。

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2022年04月21日

『占い師オリハシの嘘』

なみあと 先生が贈る新作は、カリスマ占い師でありながら失踪する癖もある姉を持つ妹が
普通の女子大生でありながら持ち前の推理力で占いを代行する顛末を描くミステリーです。
(イラスト:美和野らぐ 先生)

http://taiga.kodansha.co.jp/author/namiato.html#link9784065276556


「奏ちゃん、しばらく代役をよろしくね」と言葉を残した姉の“紗枝”はすでに音信不通。
妹の“奏”は神秘の力などないが様々な情報を分析し、依頼を代行すべく今日も奔走する。
評判の占い師“オリハシ”としてより良い未来を、迷える依頼者へと授けるためにも──。

“奏”なりの占いの仕方を、まずはお手並み拝見とばかりに「魔女と結婚運」にまつわる
依頼を通じて魅せつつ、続く短編からは別々の依頼が絡み合ってあるオカルトめいた謎に
迫っていくことになる連作としての構成の妙でも惹き込ませてくれます。実に面白い展開。

“奏”とバディっぽい関係にありながら適切な距離を置かざるを得ない“修二”には同情
を覚えずにはいられない。その上で、“紗枝”が失踪する「本当の理由」を知って驚いて
もらいたい物語かと。単巻で終わらせるのはもったいないので是非シリーズ化を希望です。

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2022年04月20日

『ちっちゃくてかわいい先輩が大好きなので一日三回照れさせたい4』

五十嵐雄策 先生が贈るラブコメディ。第4巻は先輩を喜ばせたいという“龍之介”の
深意を、「照れハラ」で照れさせる彼を意識する“花梨”と共に掘り下げていきます。
(イラスト:はねこと 先生)

https://dengekibunko.jp/product/kawatere/322109001012.html


“龍之介”は“花梨”のことが好きかもしれない、という推測が彼女をギクシャクさせて。
けれど「照れハラ」が続く彼の言動にそれを否定されたかのようで、わだかまりを覚えて。
もどかしい展開が続く2人をせっつきたくなる“真衣”の気持ちも分かるような気がして。

“花恋”からアプローチを受けても、“星菜”から前のめりな質問攻めにあっても気付く
ことなく“花梨”一筋な“龍之介”。彼が先輩からの強い想いを受け止める度に生まれる
違和感を「ヒットを打たれたような感覚」と表して持て余すところが「らしい」気がして。

体調不良に陥る“龍之介”と“花梨”が互いに弱さを、わずかに本音を晒してしまう展開。
そこから発生する決定的な変化を、これまた「声」で認識するところが実に見事な演出で。
彼の姉“桐子”からはすでに公認の仲とされる2人が自認する関係へと至るか、注目です。

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2022年04月19日

『推しの認知欲しいの?←あげない』

『中二病でも恋がしたい!』の 虎虎 先生が「電撃文庫」に初登場。覆面系音楽ユニット
でボーカルを務める少女が、恋する少年と想いをすれ違いまくらせるガチ恋ラブコメです。
(イラスト:こうましろ 先生)

https://dengekibunko.jp/product/322112000015.html


アイドルに本気になってどうする、と思っていた“春永”が出会う運命のような音楽動画。
覆面系アーティスト「たぶん、きっと、月の下」のボーカル“derella”に恋する彼を見る
幼馴染“手毬”の心境は複雑。彼の推しの正体で、彼が好きでもある彼女からしたら──。

初の配信ライブが近づくにつれ、推しに対する気持ちが昂る“春永”。言い出せなくても
“derella”ではなく自分を好きになってくれたらと気概を持ち続ける“手毬”が対称的。
そんな彼が「推しに逢ってどうしたいか」を彼なりに突き詰めていく様子がまず印象深い。

配信日は奇しくも“手毬”の誕生日。彼女にも、“春永”にとっても一番大事な日なのに。
今まで2人で一緒に過ごしてきた日なのに。泣きそうになる日を気丈に終えていく彼女が
涙を零すまでの顛末がいじらしく、応援したくなることうけあい。続刊を願うばかりです。

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2022年04月18日

『りゅうおうのおしごと!16 画集付き特装版』

白鳥士郎 先生が贈る熱血将棋コメディ。豪華な画集付き特装版が同時発売となる第16巻は
“歩夢”の公開プロポーズの行方を“釈迦堂”の過去と棋界の暗部に触れながら描きます。
(イラスト:しらび 先生)

https://ga.sbcr.jp/product/9784815615031/


“釈迦堂”が研究する将棋、古い将棋界から課せられた枷、僅かな至福と残る不甲斐なさ。
過ぎた全盛期にわだかまりを残す彼女を“八一”が、そして“あい”が別々の手口を使い
その誤解を解く展開が熱い。一方で、彼女が歩んできた将棋界の闇の深さには驚くばかり。

白鳥 先生の面影を重ねるかのようにサイン本を量産する“八一”の姿から本を売る難しさ
を痛感せざるを得ず。師匠からのエールに応えるべくプロ棋士を目指す“あい”とは別に
線型不明の棋譜を残して師を誘う“天衣”。まだ予断を許さない状況から目が離せません。

画集では、魅力あるキャラクターを文章と共に絵で具現化して表現できるライトノベルの
強み、そして本作における しらび 先生の功績をこれでもかと見せつけられるかのようで。
同人誌のイラストも収録されているのも有難い。まさにお値段以上、至高の一品でしょう。

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2022年04月15日

『娘じゃなくて私が好きなの!?(7)』

望公太 先生が贈る年の差超純愛ラブコメ。第7巻は出張中に妊娠した“綾子”をこれから
就職活動に突入する“巧”はどう支えていくのか、2人なりの幸せを掴む過程を描きます。
(イラスト:ぎうにう 先生)

https://dengekibunko.jp/product/mamasuki/322111000157.html


“綾子”に対する“美羽”からのお小言で始まる冒頭。流石の“聡也”も“巧”に呆れる
現実は確かに無計画で、不安いっぱいかも知れないけれども、お互いに幸せを噛みしめて
起きたことよりもこの先どうすべきか、前向きに進もうとする姿は応援したくなるもので。

妊娠の期間、心も体も不安定な状況に苦しめられる“綾子”が“巧”に心無いことを言う
こともある。彼女を放っておけない彼が就活セミナーまでサボって家事に勤しむ姿を見て
ついぶつけた感情が転換点になるとは。これもまた人生、という流れにらしさを感じます。

あるかどうかも分からぬ最適解より、今は2人が掴み取った未来に心から祝福を贈りたい。
最後の「!」だけで“綾子”の移り変わった心境を如実に表しているのが実にお見事です。
“狼森”の先々も安心できそうでまさに大団円の結末。無事の完結おめでとうございます。

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2022年04月14日

『こんな可愛い許嫁がいるのに、他の子が好きなの?2』

ミサキナギ 先生が贈る仁義なき正妻戦争ラブコメ。第2巻は“氷雨”が婚約者であった
ことに悩む“幸太”と、別れても昔から変わらず彼を想う彼女の気持ちに触れていきます。
(イラスト:黒兎ゆう 先生)

https://dengekibunko.jp/product/konnakawaii/322111000158.html


“氷雨”は婚約者だから告白を受け入れてくれたのかよ、という事実に困惑する“幸太”。
“クリス”がその悩みにかこつけて婚約を破棄させ一歩リード、という目論見を幼い頃の
約束が重い“二愛”が阻止する構図。誤解された上でこの状況、“氷雨”が中々に不憫で。

持って生まれた才能が元で苦しめられた生い立ち。だからこそ“幸太”の何気ない行いに
救われた“氷雨”が挽回しようと彼女なりに打つ手が空回りすればするほどもどかしくて。
強敵に対抗すべく“クリス”が差し伸べた手を取っても、彼女が出し抜けるかまだ不安で。

“幸太”と“氷雨”の互いにすれ違う感情を整えてくれたのはやはり「あの人」でしたし、
ダメ押しするのは「彼女」でしたし、これでどうにか関係を三すくみまで押し戻した様子。
許嫁たちからの気持ちを持て余す彼に覚悟する時は訪れるのか、次巻も動向を要注視です。

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2022年04月13日

『ライアー・ライアー10 嘘つき転校生は敗北の女神を騙し抜きます。』

久追遥希 先生が贈る学園頭脳ゲーム&ラブコメ。第10巻は《アルビオン》の“越智”に
予言された最悪の未来を回避すべく“緋呂斗”が超難易度の疑似恋愛ゲームに挑みます。
(イラスト:konomi 先生(きのこのみ))

https://mfbunkoj.jp/product/liar-liar/322111001013.html


女性遍歴に探りを入れてくる“更紗”や、パートナーとしての強い決意を見せる“白雪”。
思わせぶりな2人がいれば内容不明の《疑似恋愛ゲーム:CQ》もどうにかなる、と素直に
いかせてくれない設定、譲れない特別報酬に“緋呂斗”が悲鳴をあげたくなるのも道理で。

“鈴蘭”が言及した「例外」が鍵を握りそうなのは、序盤の競技展開で推測がつくものの
依然、勝利に至るまでの道のりは険しくて。ここでもあきらめの悪い“緋呂斗”が如何に
してそれをもぎ取ろうとするか、“更紗”たちの心にも火をつけるやり口がまた興味深い。

その間にも因縁の対決を乗り越え、託された期待にも応えて辿り着いた結末。「属性」を
使った機微の描写やゲームを超えた恋愛模様など、何かと含みを持たせた演出にも要注目。
一難去ってまた一難、“緋呂斗”を悩ませる予感が手繰り寄せる未来も気になる所です。

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2022年04月12日

『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん4』

燦々SUN 先生が贈る大人気ロシアンJKとの青春ラブコメディ。第4巻は夏休みに突入して
生徒会合宿など青春を謳歌する“政近”の今からは想像もつかない過去に触れていきます。
(イラスト:ももこ 先生)

https://sneakerbunko.jp/product/roshidere/322106001161.html
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_CW01202130010000_68/
https://ncode.syosetu.com/n2778gf/


“有希”からの強制スキンシップや“アリサ”とのラッキースケベに見舞われる“政近”。
相変わらずうらやまけしからん彼に“乃々亜”が爆弾発言を投じるところが物語としての
一つの転換点だったように思います。そこで“沙也加”が感極まるのはさておくとして。

才能があるからこそ努力した。体の弱かった“有希”のためにも頑張った。母親は喜んで
くれると信じていた。その報われない愛が憎しみに変わってしまった“政近”の心を解す
あのやり取りに救いを感じることができたのが印象的で。コメディな落とし所も含めて。

周防家に残った“有希”の気概に改めて感心させられた“政近”。どこか達観してしまう
彼の姿を見て、すべてリセットされそうな雰囲気を覆すかのようにフラッシュバックする
冒頭の思い出。そしてあの見開き。衝撃の引き具合からどう繋ぐのか続きが気になります。

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2022年04月11日

『魔導書学園の禁書少女 少年、共に禁忌を紡ごうか』

綾里けいし 先生が贈る世界は、魔術師らが己の中にある物語を魔術として行使する世界で
その学び舎に入学した落ちこぼれ少年と、彼に興味を抱く少女を巡る学園ファンタジーです。
(イラスト:みきさい 先生)

https://sneakerbunko.jp/product/kinshosyojyo/322110001173.html


魔術学園に首席で入学した“アマリリサ”が臨む魔術戦で油断した所を助けた“レン”は
なぜか決闘を申し込まれる。歴代最低点数で入学した彼は負けを認めても引かない彼女を
こっそり倒してしまう。その番狂わせを見た謎の少女が彼を伴侶として求めてくるが──。

“レン”を落ちこぼれクラスの仲間としても気にかけていた“ベネ”と“アンネ”が彼を
取り合うかの如き構図に“アマリリサ”が加わりラブコメっぽく進行していくかと思えば
“アンネ”が見せる異質な力、そして魔術師を脅かす犯罪の発生で一気にきな臭い展開に。

人は誰しも物語を持つ。その「物語」を奪うのは誰なのか。犯人の狙いはどこにあるのか。
“レン”が抱える秘密とは。“アンネ”が示す災厄の書物、禁書とは。数々の謎と欲望が
渦巻く先に2人がどんな物語を綴るのか。好感触な新シリーズの到来に期待が膨らみます。

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2022年04月08日

『ビブリア古書堂の事件手帖III 〜扉子と虚ろな夢〜』

三上延 先生が贈る“栞子”と“大輔”のその後を描く大人気ビブリオミステリ。第3巻は
ある古書店の蔵書を形見として相続する少年の事情に“扉子”たちも深く関わっていきます。
(イラスト:越島はぐ 先生)

https://mwbunko.com/product/biblia/322105000045.html


「虚貝堂」の古書が息子の“恭一郎”に遺されず、彼の祖父に売却されそうなのを止めたい。
その依頼を“佳穂”から受けた“栞子”は“智恵子”の仕事を引き継いで日本を数日離れる。
戻ってくる間に“扉子”が問題の古本市で関係者の話を聞く手伝いをするという珍しい導入。

“大輔”同様に本を読む習慣がない“恭一郎”は本好きの父から千冊の本を譲り受けたいか。
祖父“正臣”はなぜ本を売ろうとするのか。“佳穂”はなぜ息子に蔵書を相続させたいのか。
話を聞くごとに当初の依頼だけで済まない事情も見えて着地点を探りながら読むのが面白い。

依頼の影にちらつく“智恵子”の姿。母親の頸木を外れたはずの“栞子”が、掴み切れない
その思惑を含め彼女を評価したあの一言が印象深い。知る由もなく新たな頸木をかけられる
者たちがどんな道を選ぶのか、選ばされるのか。空恐ろしさすら覚えながら続きを待ちます。

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2022年04月07日

『悪逆大戦 地獄の王位簒奪者は罪人と踊る』

綾里けいし 先生が贈る新作は、恩ある少女が死んで奈落の底に堕とされたと知った少年が
かつて逃げ出した地獄へ戻り、彼女を救うべく地獄の王を目指すダークファンタジーです。
(イラスト:ろるあ 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/akugyaku/322111001009.html


弱肉強食が信条の地獄では雑魚など常に命を狙われる。それゆえに地獄の王の第108子は
人界へ降りて“俊”と名乗り、日本で高校生として過ごす。ある事件に巻き込まれ地獄へ
堕とされた少女を救うため第七子“ネロ”へ直談判に挑んだのが茨の道になろうとは──。

“俊”の与り知らぬ間に始まる、第八子までが行う「地獄の王」継承戦。怠惰の象徴たる
“ネロ”には戦う気はなく、対する意気昂然な“俊”には魔力がなく。彼が肩代わりする
継承戦が、悪人を「駒」として戦わせる代理戦争というのが皮肉というか実にいやらしい。

劣勢が続く戦いの間にも思い浮かぶ、日本でも不憫な日々を過ごす“俊”を救ってくれた
“桜花”との大切な思い出。様々な「悪人」の逸話が戦局を左右する描写も面白いですし、
そもそも彼女にも謎がありそうな点も興味を抱かせます。続きが楽しみなシリーズです。

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2022年04月06日

『魔法使い黎明期5 新世界の使者』

TVアニメが放映開始の時を迎える、虎走かける 先生が贈る本格ファンタジー。第5巻は
“ロス”でも渡れない死の海を越えた新世界からの来訪者が新たな冒険を呼び起こします。
(イラスト:いわさきたかし 先生 一部キャラクター原案:しずまよしのり 先生)

http://lanove.kodansha.co.jp/books/2022/4/1.html
https://www.tbs.co.jp/anime/reimeiki/


“セービル”が作る魔法薬が世の中を変えていく中、違法なものを売りさばくウサ耳美女
“ハル・ベル”を捕まえたら、新世界の存在と現状を知ることになる導入部。死の海域と
呼ばれる海を越えて交易する、というハードルを易々と超える“ゼロ”が相変わらず凄い。

魔力回復薬を大量に求めるほど魔力不足に陥る新世界。そこに“ハル・ベル”が“ホルト”
だけに従う理由や獣堕ちを隷獣扱いする“ダナ・リル”、その娘“ウツワ”の選民思想が
浮き彫りになってくることで“ロス”たちの目的に翳りが見え始めてくる雰囲気がヤバい。

好奇心にあふれる異文化の邂逅が、やがて諍いの火種に。新世界と禁足地の狭間で揺れる
立場に置かれた“ハル・ベル”が求められた選択にどう答えるか。それに“ロス”たちは
どう応えるか。抱く感情を知らぬ“ダナ・リル”たちに憐れみを抱きつつ次巻を待ちます。

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2022年04月05日

『【BOOK☆WALKER限定】六畳間の侵略者!? へらくれす!出張版』

健速 先生が贈る人気シリーズ。「BOOK☆WALKER」(電子書籍)のみで贈る中編小説では
高校生最後の夏を過ごす“孝太郎”たちが忙しい中、夏祭りで羽を伸ばす顛末を描きます。
(イラスト:ポコ 先生)

https://firecross.jp/hjbunko/product/1475


夏祭り、と言えば浴衣。女性陣の浴衣選び、そのセンスから窺える彼女たちの「らしさ」
を“孝太郎”がどう評価するか。このやり取りがまず面白い。“ティナ”から揚げ足を
取られそうになる所を“クラン”の着付けを手伝うことで回避していまうのが印象的で。

金魚すくいや射的、出店の買い食いと夏祭りを満喫する中で“ナナ”が何かと可愛らしい
と言われて、これまた可愛らしく怒る様子が何とも微笑ましい。“ティナ”と射的勝負に
臨む“孝太郎”が互いに喧嘩しながら世話を焼く、という独特の信頼関係が興味深い話で。

“ゆりか”も気付く、“ナナ”と“孝太郎”にある距離感の変化。思わず“ルース”らが
騒ぎ出すその「きっかけ」は読んで確認いただくとして、天才肌であるがゆえに不器用に
生きてきた彼女に対して冷静に、的確に対処できる彼を改めてすごいと感じる一幕でした。

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2022年04月04日

『六畳間の侵略者!? 40』

健速 先生が贈る人気シリーズ。通算42冊目はフォルトーゼ本国へ向かう旅支度にいそしむ
“孝太郎”たち六畳間の面々や“賢治”や“琴理”たちのドタバタぶりを描く中編集です。
(イラスト:ポコ 先生)

https://firecross.jp/hjbunko/product/1474


“孝太郎”が埴輪たちの熱量に突き動かされて始まるラジコン勝負。そこに“クラン”が
参戦して準備に勤しむ姿から、互いに意外な一面を感じてつい面映ゆい様子を見せるのが
微笑ましい。場外の駆け引きも含めた彼らの勝負の行方も見ていて面白いものがあります。

“真希”と“クリムゾン”の再会では気まずさを残しながら、変わりゆく互いの姿を口に
するやり取りが興味深くて。“ナナ”と“佳苗”の再会では年月を重ねて変わったものと
それでも変わらないものを、思いがけない新旧勝負の中で見い出す顛末が印象に残ります。

出発を前に“賢治”と“琴理”が超冷戦状態に陥る、という状況を横目に六畳間の面々が
それぞれの絆を確かめ合い、その先を見据える想いに感慨深さを覚えつつ遠く離れた地で
“エルファリア”がどんな幸せな罰を愛する“孝太郎”に用意するのか、楽しみな所です。

posted by 秋野ソラ at 01:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル