しきみ彰 先生が贈る後宮物語。第6巻は「醜毒の乱」に対する誠意として和宮皇国から
後宮入りしてきた姫君に関わる陰謀を探り当てた“優蘭”と“皓月”が一計を案じます。
(イラスト:Izumi 先生)
【 https://lbunko.kadokawa.co.jp/product/kanrinin/322108000623.html 】
ワガママ姫“桜綾”によって宮廷内の調和が乱される。そんな事態は避けたい“優蘭”に
“空泉”が投げかけた何気ない一言。事の重みが思いのほか枷となる彼女を最初に労わる
のが“麗月”で、その後に労わりつくすのが“皓月”という構図が面白くも微笑ましくて。
騒動の種となった“桜綾”が根本原因ではなく、彼女の置かれた立場にある点が見えると
現状打破に向けて打つ手を変えてくるあたりが“優蘭”のすごい所で。その想いに応える
べく動く“皓月”も良き夫、そして理解者として振る舞えているのが感慨深くもあります。
国の命運を揺るがす陰謀の引き金に“桜綾”がなってしまうのか。様々な経緯を踏まえた
寵臣夫婦の回避策、ぜひ仕上げを御覧じろ、という結末がお見事。何より2人、というか
“皓月”が終始見せるイチャつきぶりも注目。深まる愛がもたらす変化に期待したいです。