2022年03月14日

『楽園ノイズ4』

杉井光 先生が贈る青春バンドストーリー。第4巻は“華園”先生がかつて所属していた
管弦楽団の応援に駆り出されたPNOメンバーが、その解散の危機を救う手立てを考えます。
(イラスト:春夏冬ゆう 先生)

https://dengekibunko.jp/product/paradise_noise/322110000037.html


自他共に音楽だけで生きていく将来像しか見えない“真琴”。“黒川”が辞めたバンドの
復活騒動に巻き込まれる彼が「音楽を続けられなくなる」という境遇や心境に触れながら
自身が「国境」を越えた先にいて、プロデューサーとしての姿を意識する気概が窺えます。

そんな中、コンサート前でメンバー不足に陥る管弦楽団を手伝うことになる“真琴”たち。
改めて音楽を続けられる幸運を噛みしめ、楽団の姿を通じて“華園”先生の影を思い返し、
自分ならどんなオーケストレーションを実現させられるか身をもって実現する熱量が凄い。

指揮者はなぜ必要か。“小森”先生から教わったその肝が“真琴”の出来ることと重なり、
いつしか手段と目的をごっちゃにするような彼だからこそ“伽耶”や“凛子”の両親の心
をも動かしたのだろうと思うとやはり罪作りな男。羨ましくも刺されないことを祈ります。

posted by 秋野ソラ at 00:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル