緋月薙 先生が贈る自覚なしバカップルの恋仲進展物語。第3巻は“悠也”と“美月”の
誕生日にあわせた家族旅行を恋人以上の関係につなげる契機にしようと2人が模索します。
(イラスト:ひげ猫 先生)
【 https://firecross.jp/hjbunko/product/1456 】
理性がヤバいと言い出す“悠也”。彼の様子から一線を超えるのもアリかと思う“美月”。
“伊槻”や“透花”の経験談が悩める2人から求められる、というか狙われるあたりは
コミカルでありつつも、年長者の覚悟がしっかりと見受けられる演出にもなっています。
その中で触れられる“大河”と“雪菜”の特殊な恋愛模様、というか依存性の強い関係が
いかにして形成されたか。更に“悠也”と“美月”も無関係ではない点に言及する辺りに
メインだけでなく脇もしっかりラブストーリーが描ける 緋月 先生らしさが見て取れます。
“悠也”も“美月”も共に人生を歩むのは確定路線としても、示す覚悟が中々に重いのが
特徴で、そこに想いの深さが窺えるのと同時に、未だ持て余し気味なのが若気の至りかも。
今は給料の三か月分というのは幻想なので大丈夫ですけど彼なら余裕そうで羨ましい限り。
2022年03月10日
2022年03月09日
『ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編6』
衣笠彰梧 先生が贈る新たな学園黙示録。2年生編・第6巻は“櫛田”により亀裂の入った
“鈴音”たちのクラスにも無情に迫る体育祭。“綾小路”にも想定外の展開を見届けます。
(イラスト:トモセシュンサク 先生)
【 https://mfbunkoj.jp/product/youzitsu/322110001116.html 】
“波瑠加”と“王”、そして“櫛田”の連続欠席。各々が負う心の傷をどう補っていくか。
“櫛田”との直接対決は正直“鈴音”の手に余るのでは、と心配でしたが興味深い着地点。
彼女よりもまず“綾小路”を頼ろうとする人たちをたしなめる彼の姿勢も着目すべき要素。
学年を超えた競技になることも踏まえて“鈴音”がAクラスを狙うために練り上げた作戦。
そのために“綾小路”が“坂柳”の介入を絶対に防ぐと誓った根拠がなるほど納得の一言。
“須藤”の変化など、彼が決めていたというテーマが活かされているようにも感じました。
満場一致特別試験の結果が正しかったのか迷っていた“鈴音”も体育祭を通じて確信へと
変えていった一方、未だ納得していない者たちによる内紛の火種が燻ぶっているのも事実。
今回提示された新制度の扱いも気になりますし、続く彼女の苦難を見届けたいところです。
“鈴音”たちのクラスにも無情に迫る体育祭。“綾小路”にも想定外の展開を見届けます。
(イラスト:トモセシュンサク 先生)
【 https://mfbunkoj.jp/product/youzitsu/322110001116.html 】
“波瑠加”と“王”、そして“櫛田”の連続欠席。各々が負う心の傷をどう補っていくか。
“櫛田”との直接対決は正直“鈴音”の手に余るのでは、と心配でしたが興味深い着地点。
彼女よりもまず“綾小路”を頼ろうとする人たちをたしなめる彼の姿勢も着目すべき要素。
学年を超えた競技になることも踏まえて“鈴音”がAクラスを狙うために練り上げた作戦。
そのために“綾小路”が“坂柳”の介入を絶対に防ぐと誓った根拠がなるほど納得の一言。
“須藤”の変化など、彼が決めていたというテーマが活かされているようにも感じました。
満場一致特別試験の結果が正しかったのか迷っていた“鈴音”も体育祭を通じて確信へと
変えていった一方、未だ納得していない者たちによる内紛の火種が燻ぶっているのも事実。
今回提示された新制度の扱いも気になりますし、続く彼女の苦難を見届けたいところです。
2022年03月08日
『精霊幻想記 21.竜の眷属』
TVアニメ第二期の制作が決定した、北山結莉 先生が贈る異世界転生譚。第21巻は超越者と
なった“リオ”と、“エリカ”打倒後に彼のことを忘れてしまった人々の顛末を描きます。
(イラスト:Riv 先生)
【 https://firecross.jp/hjbunko/product/1461 】
“アイシア”との同化、超越者の権能、竜の王と神魔戦争、七人目の賢神に託された想い。
驚愕の事実に加えて「超越者として力を使う度に世界から存在を忘れられる」という神が
定めたルールが“セリア”たちのあの戸惑う描写に繋がるまさに新展開と言える導入です。
“リオ”への好感度を整理するという側面でも興味深い設定を踏まえ、彼が介入できない
ロダニアの危機を“クリスティーナ”たちだけで抑えることができるか。状況を見極める
“レイス”の動向も見逃せないところですが、まずは期待通りの展開を見せてきて面白い。
新しい仲間“ソラ”から渡された「神が定めたルールを回避できる仮面」。その数は5つ。
失った絆を取り戻せるか。その道を模索しているのは彼だけではない、という中で流れた
「彼女」の涙。希望と衝撃が入り交じる引き具合に続刊が待ち遠しくて仕方がありません。
なった“リオ”と、“エリカ”打倒後に彼のことを忘れてしまった人々の顛末を描きます。
(イラスト:Riv 先生)
【 https://firecross.jp/hjbunko/product/1461 】
“アイシア”との同化、超越者の権能、竜の王と神魔戦争、七人目の賢神に託された想い。
驚愕の事実に加えて「超越者として力を使う度に世界から存在を忘れられる」という神が
定めたルールが“セリア”たちのあの戸惑う描写に繋がるまさに新展開と言える導入です。
“リオ”への好感度を整理するという側面でも興味深い設定を踏まえ、彼が介入できない
ロダニアの危機を“クリスティーナ”たちだけで抑えることができるか。状況を見極める
“レイス”の動向も見逃せないところですが、まずは期待通りの展開を見せてきて面白い。
新しい仲間“ソラ”から渡された「神が定めたルールを回避できる仮面」。その数は5つ。
失った絆を取り戻せるか。その道を模索しているのは彼だけではない、という中で流れた
「彼女」の涙。希望と衝撃が入り交じる引き具合に続刊が待ち遠しくて仕方がありません。
2022年03月07日
『ぼくたちのリメイク10 エンドロール』
木緒なち 先生が贈る青春リメイクストーリー。第10巻は学生とプロ、二足の草鞋を履く
“貫之”たちを見て距離感を覚える“恭也”が改めて自分の立ち位置を見定め始めます。
(イラスト:えれっと 先生)
【 https://mfbunkoj.jp/product/bokutachi-remake/322108000967.html 】
4回生となった“恭也”たちに課せられた卒業制作。すでにクリエイターとして活動する
“貫之”たちが抱える仕事と比べれば自然と力の入れどころに違いが出てくるのも必然で。
“加納”先生が助言した「もっとも大切なもの」を探し求める“恭也”の葛藤が歯痒くて。
実績も残せないままアルバイトを続ける“恭也”の勤務先で発生した、未曽有のトラブル。
仕方がないでは済ませたくないこれまでの経験から土壇場で導き出した、起死回生の企画。
「チームきたやま」としてやり残したことに全力で臨む彼の活き活きとした姿が印象的で。
“九路田”が挙げた異論。“堀井”の示した指摘。そして“茉平”と交わした、あの約束。
すべてが良い方向へ進み始めた瞬間に、“恭也”が気づいた孤独の正体。エンディングを
迎えた彼は「今」、どの世界に立っているのか。続く最終章の到来が待ち遠しい限りです。
“貫之”たちを見て距離感を覚える“恭也”が改めて自分の立ち位置を見定め始めます。
(イラスト:えれっと 先生)
【 https://mfbunkoj.jp/product/bokutachi-remake/322108000967.html 】
4回生となった“恭也”たちに課せられた卒業制作。すでにクリエイターとして活動する
“貫之”たちが抱える仕事と比べれば自然と力の入れどころに違いが出てくるのも必然で。
“加納”先生が助言した「もっとも大切なもの」を探し求める“恭也”の葛藤が歯痒くて。
実績も残せないままアルバイトを続ける“恭也”の勤務先で発生した、未曽有のトラブル。
仕方がないでは済ませたくないこれまでの経験から土壇場で導き出した、起死回生の企画。
「チームきたやま」としてやり残したことに全力で臨む彼の活き活きとした姿が印象的で。
“九路田”が挙げた異論。“堀井”の示した指摘。そして“茉平”と交わした、あの約束。
すべてが良い方向へ進み始めた瞬間に、“恭也”が気づいた孤独の正体。エンディングを
迎えた彼は「今」、どの世界に立っているのか。続く最終章の到来が待ち遠しい限りです。
2022年03月04日
『異世界忠臣蔵 〜仇討ちのレディア四十七士〜』
「友人キャラは大変ですか?」の 伊達康 先生が贈る新作は刃傷沙汰で不当裁定を受けた
王国の騎士団が仇討ちに臨む顛末を、転移した現代人が見届けるファンタジー活劇です。
(イラスト:紅緒 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094611588 】
“喜一”が物置で見つけた魔導書「忠臣吉」によると、祖先は異世界人で本書をパクって
「忠臣蔵」が出来たとある。眉唾物と疑う彼がその本を抱えて寝落ちすると、気がつけば
異世界に。魔導書に書かれていた騎士団に拾われた彼はやがてある大事件を耳にする──。
時代劇でも有名な題目である「忠臣蔵」。TVの年末時代劇も下火となった昨今、知らない
という人にも、細部まで押さえていない方にも安心して読めるように色々と補足しながら、
そこに「伊達康」節とも言えるコミカルな要素を交えながら楽しく読ませる構成がお見事。
異能のような力を得た“喜一”が“キッチュ”として“クラノス”を始めとする騎士団の
面々に認められ、ファンタジー世界での仇討ちがどういった流れで形作られ、四十七士の
一人として巻き込まれていくのかが素直に楽しめる作品。どう続けていくか興味津々です。
王国の騎士団が仇討ちに臨む顛末を、転移した現代人が見届けるファンタジー活劇です。
(イラスト:紅緒 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094611588 】
“喜一”が物置で見つけた魔導書「忠臣吉」によると、祖先は異世界人で本書をパクって
「忠臣蔵」が出来たとある。眉唾物と疑う彼がその本を抱えて寝落ちすると、気がつけば
異世界に。魔導書に書かれていた騎士団に拾われた彼はやがてある大事件を耳にする──。
時代劇でも有名な題目である「忠臣蔵」。TVの年末時代劇も下火となった昨今、知らない
という人にも、細部まで押さえていない方にも安心して読めるように色々と補足しながら、
そこに「伊達康」節とも言えるコミカルな要素を交えながら楽しく読ませる構成がお見事。
異能のような力を得た“喜一”が“キッチュ”として“クラノス”を始めとする騎士団の
面々に認められ、ファンタジー世界での仇討ちがどういった流れで形作られ、四十七士の
一人として巻き込まれていくのかが素直に楽しめる作品。どう続けていくか興味津々です。