TVアニメ化決定の報に沸く、竹町 先生が贈る痛快スパイファンタジー。第7巻は突然の
凶行に及んだ“モニカ”の思惑に、暗躍する「蛇」の影に「灯」のメンバーが迫ります。
(イラスト:トマリ 先生)
【 https://fantasiabunko.jp/product/202001spy/322105000775.html 】
【 https://spyroom-anime.com/ 】
家族と分かり合えない幼少期を経て「誰とも共感できないのでは」と葛藤する“モニカ”。
だからこそ初めて抱いたあの感情は彼女の胸へ棘のように刺さり、それ故に付け入る隙を
相手に与えてしまった、という種明かしをした上で「どうする?」という悩ましい導入部。
章題で“モニカ”のコードネームが入れ替わるところからも彼女の揺れる感情が窺える中、
「敵を欺くにはまず味方から」という展開を期待する読み手をも騙しにかかる彼女の覚悟。
“クラウス”との一騎打ちでも渡り合える彼女の姿は成長の兆しだったのかも知れません。
それでも“モニカ”抹殺に動き続けるCIMの不甲斐なさに憤りすら感じつつ、命を燃やす
彼女を止められないもどかしさや「灯」の置かれた苦境も残されたままで。“クラウス”
に対して涙ながらに決意を表した「彼女」がどんな物語を切り開くのか、続きも注目です。
2022年03月31日
2022年03月30日
『キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦13』
細音啓 先生が贈る大人気王道ファンタジー。TVアニメの続編制作を決めて贈る第13巻は
宿敵に命運を預けた“キッシング”が倒すべき“イリーティア”の力の根源に触れます。
(イラスト:猫鍋蒼 先生)
【 https://fantasiabunko.jp/product/201705kimitoboku/322110001235.html 】
「帝国」対「皇庁」、という二項対立ではすでになくなった世界で燻ぶる月と太陽の対立。
“キッシング”が示唆した“イリーティア”の星霊術にも対抗せしめると暗躍しつづける
“タリスマン”たちの狙いは功を奏するか。直接対決の結果、その先がまず気になる所で。
緊張感の高まる中、捕虜生活を強いられるはずの“アリステーゼ”が“イスカ”たちとの
共同生活を楽しんでいるやり取りが癒しになるというか、救いというか。それを踏まえて
「隣で戦ってくれる騎士」の意識を強くするあの場面が未来の可能性を予感させて好感触。
“ミスミス”が抱く不安を“璃洒”がフォローしてたり。“シスベル”をぞんざいに扱う
“ジン”とのコンビも満更じゃない感じだったり。“イリーティア”との決戦のほかにも
見どころがいっぱいの今巻から更に巻き起こりそうな混乱の兆し。次巻も目が離せません。
宿敵に命運を預けた“キッシング”が倒すべき“イリーティア”の力の根源に触れます。
(イラスト:猫鍋蒼 先生)
【 https://fantasiabunko.jp/product/201705kimitoboku/322110001235.html 】
「帝国」対「皇庁」、という二項対立ではすでになくなった世界で燻ぶる月と太陽の対立。
“キッシング”が示唆した“イリーティア”の星霊術にも対抗せしめると暗躍しつづける
“タリスマン”たちの狙いは功を奏するか。直接対決の結果、その先がまず気になる所で。
緊張感の高まる中、捕虜生活を強いられるはずの“アリステーゼ”が“イスカ”たちとの
共同生活を楽しんでいるやり取りが癒しになるというか、救いというか。それを踏まえて
「隣で戦ってくれる騎士」の意識を強くするあの場面が未来の可能性を予感させて好感触。
“ミスミス”が抱く不安を“璃洒”がフォローしてたり。“シスベル”をぞんざいに扱う
“ジン”とのコンビも満更じゃない感じだったり。“イリーティア”との決戦のほかにも
見どころがいっぱいの今巻から更に巻き起こりそうな混乱の兆し。次巻も目が離せません。
2022年03月29日
『古き掟の魔法騎士IV』
羊太郎 先生が贈る、教官騎士に導かれし王子の英雄譚。第4巻はドラグニール帝国の侵攻
に揺れるキャルバニア王国、更に“アルヴィン”に“エンデア”の悪意が襲い掛かります。
(イラスト:遠坂あさぎ 先生)
【 https://fantasiabunko.jp/product/202012fairyknight/322111001055.html 】
「魔王を倒す」という名目のもと“ウォルフ”が王国、いや“アルヴィン”へ突き付けた
理不尽な要求。突っぱねようとする“アルヴィン”の強い心を折りにくる彼の卑劣な策に
憤りを覚えつつあの口絵に繋がってしまう境遇も致し方ないとやるせなく思う所もあって。
そんな苦境に立たされる“アルヴィン”をこれまでも、そしてこれからも一人の王として
扱い続ける“シド”が魅せる、騎士としての矜持。これで心が震わないなどあるものかと。
2人だけ戦うことになるかもしれない王たる覚悟を汲んでくれる仲間たちの志もまた熱い。
“ウォルフ”が“アルヴィン”に固執する理由も踏まえ、すべては精霊降誕祭の結果へと
ゆだねられていく・・・はずが、ここでも“フローラ”の暗躍と、何よりも“エンデア”が
抱き続ける確執がついに表立って牙を剥く形に。かの王と騎士はどう向き合うか注目です。
に揺れるキャルバニア王国、更に“アルヴィン”に“エンデア”の悪意が襲い掛かります。
(イラスト:遠坂あさぎ 先生)
【 https://fantasiabunko.jp/product/202012fairyknight/322111001055.html 】
「魔王を倒す」という名目のもと“ウォルフ”が王国、いや“アルヴィン”へ突き付けた
理不尽な要求。突っぱねようとする“アルヴィン”の強い心を折りにくる彼の卑劣な策に
憤りを覚えつつあの口絵に繋がってしまう境遇も致し方ないとやるせなく思う所もあって。
そんな苦境に立たされる“アルヴィン”をこれまでも、そしてこれからも一人の王として
扱い続ける“シド”が魅せる、騎士としての矜持。これで心が震わないなどあるものかと。
2人だけ戦うことになるかもしれない王たる覚悟を汲んでくれる仲間たちの志もまた熱い。
“ウォルフ”が“アルヴィン”に固執する理由も踏まえ、すべては精霊降誕祭の結果へと
ゆだねられていく・・・はずが、ここでも“フローラ”の暗躍と、何よりも“エンデア”が
抱き続ける確執がついに表立って牙を剥く形に。かの王と騎士はどう向き合うか注目です。
2022年03月28日
『千歳くんはラムネ瓶のなか6.5』
裕夢 先生が贈るリア充側青春ラブコメ。第6.5巻は一つの結論を出した、あるいはそれを
見届けた少年少女たちが過ごすひと夏の中で心によぎる感情を描く「長編」集となります。
(イラスト:raemz 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094530605 】
出来ているつもりでも上手く割り切れないのが人の感情。金沢旅行を通じて“朔”を想う
気持ちは捨てるものではない、と向き直す“夕湖”の機微がもう自然に在る少女そのもの。
複雑な感情の中にある彼女を見て“悠月”や“なずな”がどう思ったか、も注目の描写で。
夢を追う手伝いを“朔”にしてもらう“明日風”が味わう共時性は2人に残された時間を
裏付けるかのようでどこか物悲しくて。同じく彼のことを大切な人と思えるようになった
“優空”が共に居る時間を噛みしめつついつまで続けられるが不安になる様子も印象的で。
恋することと、バスケの強さを求めることの狭間で揺れる“陽”もまた悩める乙女の一人。
“舞”からの指摘や、先輩方にしごかれるうちにそれを吹っ切っていく強さがまぶしくて。
円陣の掛け声がすべてを物語ります。サイドストーリーなどと侮るべからずの長編集です。
見届けた少年少女たちが過ごすひと夏の中で心によぎる感情を描く「長編」集となります。
(イラスト:raemz 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094530605 】
出来ているつもりでも上手く割り切れないのが人の感情。金沢旅行を通じて“朔”を想う
気持ちは捨てるものではない、と向き直す“夕湖”の機微がもう自然に在る少女そのもの。
複雑な感情の中にある彼女を見て“悠月”や“なずな”がどう思ったか、も注目の描写で。
夢を追う手伝いを“朔”にしてもらう“明日風”が味わう共時性は2人に残された時間を
裏付けるかのようでどこか物悲しくて。同じく彼のことを大切な人と思えるようになった
“優空”が共に居る時間を噛みしめつついつまで続けられるが不安になる様子も印象的で。
恋することと、バスケの強さを求めることの狭間で揺れる“陽”もまた悩める乙女の一人。
“舞”からの指摘や、先輩方にしごかれるうちにそれを吹っ切っていく強さがまぶしくて。
円陣の掛け声がすべてを物語ります。サイドストーリーなどと侮るべからずの長編集です。
2022年03月25日
『エリスの聖杯4』
常磐くじら 先生が贈る貴族社会クライムサスペンス。電子書籍のみで刊行される第4巻は
“スカーレット”が母から聞いていた場所を巡る陰謀に“コニー”たちが巻き込まれます。
(イラスト:夕薙 先生)
【 https://ga.sbcr.jp/product/9784815610609/ 】
世界を手に入れるために必要な「コーネリアの星冠」があるとされる場所、エルソール島。
もののついでで訪れた島で“コニー”たち一行がで早速、騒動に巻き込まれる、というか
“スカーレット”がやらかすのを見て「またこの物語に触れられるんだな」と実感します。
星冠に纏わる話や“アリエノール”の逸話が少しずつ見えてくる度に“スカーレット”に
残された言葉の意味が輪郭を帯びていく展開が面白い。そこへ、グレイル家に代々伝わる
という秘蔵本が謎を紐解く鍵となるのを“スカーレット”が見抜いていくのがまた印象的。
冒頭の決闘裁判や、“コニー”が経験したあれやこれやが、もう一つの焦点でもある島を
巡る陰謀を暴くために、無駄なく必要な要素となっているのが分かる顛末も見所なうえに
“ルチア”や“ランドルフ”の活躍も見逃せません。ここは続刊希望と言わせて頂きます。
“スカーレット”が母から聞いていた場所を巡る陰謀に“コニー”たちが巻き込まれます。
(イラスト:夕薙 先生)
【 https://ga.sbcr.jp/product/9784815610609/ 】
世界を手に入れるために必要な「コーネリアの星冠」があるとされる場所、エルソール島。
もののついでで訪れた島で“コニー”たち一行がで早速、騒動に巻き込まれる、というか
“スカーレット”がやらかすのを見て「またこの物語に触れられるんだな」と実感します。
星冠に纏わる話や“アリエノール”の逸話が少しずつ見えてくる度に“スカーレット”に
残された言葉の意味が輪郭を帯びていく展開が面白い。そこへ、グレイル家に代々伝わる
という秘蔵本が謎を紐解く鍵となるのを“スカーレット”が見抜いていくのがまた印象的。
冒頭の決闘裁判や、“コニー”が経験したあれやこれやが、もう一つの焦点でもある島を
巡る陰謀を暴くために、無駄なく必要な要素となっているのが分かる顛末も見所なうえに
“ルチア”や“ランドルフ”の活躍も見逃せません。ここは続刊希望と言わせて頂きます。