SOW 先生が贈る異世界税制コメディ。第5巻は税悪魔“ノーゼ”の企みを突き止めるべく
大神殿における脱税疑惑に目を付けた“ゼオス”の税務調査に“クゥ”たちが協力します。
(イラスト:三弥カズトモ 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094530490 】
【 https://www.sunday-webry.com/detail.php?title_id=5563 】
魔王城の会計を救う希望の光、ドラゴン族が有するミスリル鉱山。その開発を“クゥ”に
任せるため邪竜卿“イタク”の提案した結婚話が今巻の鍵を握るエピソードなのが驚きで。
宗教法人は何でもかんでも非課税、という誤解を解く“ゼオス”の話もためになります。
大神殿の調査をあからさまに拒む、税務を監視する認天使“カサス”。神官長“ポエル”
と組んで弱者救済に動く思惑に絆されそうになる“クゥ”が過たず、2人の過ちを正す
その内容こそ、停滞する日本を諫める暗喩のように思えて熱い感情が胸を過ぎりました。
邪竜卿の見せた憤激に彼の本気を感じさせてくれたり、今巻も見せる“ゼオス”の素が
これまた印象的で、楽しみな要素が増えてきた・・・という大団円な雰囲気を無残にも崩す
“ノーゼ”の悪意。終章の章題が指し示す意味に打ち震えながら次巻の刊行を待ちます。
2022年02月28日
2022年02月25日
『Unnamed Memory -after the end- I』
古宮九時 先生が贈る大ヒットファンタジー。世界の理から外れた王と魔女のその後を描く
第1巻は“オスカー”と“ティナーシャ”が死と再生を辿り、呪具破壊の道筋を探ります。
(イラスト:chibi 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/unnamed/322103000079.html 】
死しても別の体に生まれ直し、呪具を破壊する権能を与えられる逸脱者として生きる2人。
“オスカー”と“ティナーシャ”が残る呪具を求め、見つけたのが過去を呼び起こす小匣。
厄介な相手も2人ならどうとでも、と抱いた期待は彼女を苛む絶望と共に押し潰されます。
“ティナーシャ”がよもや想い人にグイグイいくラブコメのヒロインと化す日が来るとは。
その変化も90年以上もの緩慢な時を経たからこそと思えば得心もいきますし、何も知らず
応じる“ラジュ”には同情しつつも早く応えてあげて、と生温かく見守りたくなるもので。
脆い面も見せる“ティナーシャ”を結果的に気遣う“ルクレツィア”や“カサンドラ”の
登場とやり取りが印象深く残ります。逸脱者たる2人が歴史の断片にどう関わってくるか、
世界が仕立てた対抗呪具として結果を残せるのか、続きが超楽しみなのは無論のことです。
第1巻は“オスカー”と“ティナーシャ”が死と再生を辿り、呪具破壊の道筋を探ります。
(イラスト:chibi 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/unnamed/322103000079.html 】
死しても別の体に生まれ直し、呪具を破壊する権能を与えられる逸脱者として生きる2人。
“オスカー”と“ティナーシャ”が残る呪具を求め、見つけたのが過去を呼び起こす小匣。
厄介な相手も2人ならどうとでも、と抱いた期待は彼女を苛む絶望と共に押し潰されます。
“ティナーシャ”がよもや想い人にグイグイいくラブコメのヒロインと化す日が来るとは。
その変化も90年以上もの緩慢な時を経たからこそと思えば得心もいきますし、何も知らず
応じる“ラジュ”には同情しつつも早く応えてあげて、と生温かく見守りたくなるもので。
脆い面も見せる“ティナーシャ”を結果的に気遣う“ルクレツィア”や“カサンドラ”の
登場とやり取りが印象深く残ります。逸脱者たる2人が歴史の断片にどう関わってくるか、
世界が仕立てた対抗呪具として結果を残せるのか、続きが超楽しみなのは無論のことです。
2022年02月24日
『幼なじみが絶対に負けないラブコメ9』
二丸修一 先生が贈る大人気ヒロインレース。第9巻は反りの合わない父親に腹を立てて
家出した“末晴”に対し“黒羽”“白草”“真理愛”が思い思いのアプローチを図ります。
(イラスト:しぐれうい 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/osamake/322103001932.html 】
揚げ足を取られるほうも、取るほうも共に難ある“末晴”と父。“哲彦”の狙いも込みで
“末晴”を家へ転がり込ませた“白草”に流れが来たか、と思えば“紫苑”の妨害あって
そう上手く事は進まず、と逆に「幼なじみが絶対に負けない」勢いすら感じさせるほどで。
“末晴”にさりげなく本命チョコを渡す“黒羽”や、気持ちを形で表現した“真理愛”の
余裕さとは裏腹に、「バレンタインで告白を」と意気込む“白草”の空回りっぷりがもう
見ていてつらい。そんな悔しい思いを何度も重ねてきたからこそあの演出が活きるワケで。
“白草”に逆転の兆しを感じる“哲彦”。“阿部”が察した彼のやろうとしていることに
どこか不安を抱かせてしまう引き具合。そして彼が“真理愛”に課した「エンタメ部」に
関する課題が紐づきそうな新入生の姿に波乱の兆しすら感じる春の訪れが待ち遠しいです。
家出した“末晴”に対し“黒羽”“白草”“真理愛”が思い思いのアプローチを図ります。
(イラスト:しぐれうい 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/osamake/322103001932.html 】
揚げ足を取られるほうも、取るほうも共に難ある“末晴”と父。“哲彦”の狙いも込みで
“末晴”を家へ転がり込ませた“白草”に流れが来たか、と思えば“紫苑”の妨害あって
そう上手く事は進まず、と逆に「幼なじみが絶対に負けない」勢いすら感じさせるほどで。
“末晴”にさりげなく本命チョコを渡す“黒羽”や、気持ちを形で表現した“真理愛”の
余裕さとは裏腹に、「バレンタインで告白を」と意気込む“白草”の空回りっぷりがもう
見ていてつらい。そんな悔しい思いを何度も重ねてきたからこそあの演出が活きるワケで。
“白草”に逆転の兆しを感じる“哲彦”。“阿部”が察した彼のやろうとしていることに
どこか不安を抱かせてしまう引き具合。そして彼が“真理愛”に課した「エンタメ部」に
関する課題が紐づきそうな新入生の姿に波乱の兆しすら感じる春の訪れが待ち遠しいです。
2022年02月23日
『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる18』
裕時悠示 先生が贈る甘修羅らぶ×らぶコメディ。第18巻は29歳医師として南の島で過ごす
“鋭太”が「自演乙」の面々との再会を果たそうとして発生する最後の修羅場を描きます。
(イラスト:るろお 先生)
【 https://ga.sbcr.jp/product/9784815610753/ 】
“千和”は体育教師、“姫香”は漫画家、“愛衣”は検察官として、それぞれ夢を叶えた
立派な大人となり、“真涼”だけ恋愛とセックスを滅ぼすべく世間を騒がせる悪魔として
活動に余念がないという導入。彼女との契約も未だ続く“鋭太”は幸か不幸か悩みどころ。
久々に再会した“姫香”が“鋭太”に打ち明けた悩みの種。そこから“真涼”が仕掛けた
壮大な嫌がらせに繋がっていくのは推して知るべしで、契約順守のためここまでやるかと。
まさに“真涼”恐るべしと言わざるを得ず。そこで完全勝利といかないのもまた順当です。
これまで刊行された中で使われた挿絵をもとに「名場面」として振り返る構成も印象的で
11年という年月をかけて、この結末に辿り着いたのかと思うと感慨もひとしおというもの。
裕時悠示 先生をはじめとする関係者の皆様、お疲れさまでした。完結をここに祝います。
“鋭太”が「自演乙」の面々との再会を果たそうとして発生する最後の修羅場を描きます。
(イラスト:るろお 先生)
【 https://ga.sbcr.jp/product/9784815610753/ 】
“千和”は体育教師、“姫香”は漫画家、“愛衣”は検察官として、それぞれ夢を叶えた
立派な大人となり、“真涼”だけ恋愛とセックスを滅ぼすべく世間を騒がせる悪魔として
活動に余念がないという導入。彼女との契約も未だ続く“鋭太”は幸か不幸か悩みどころ。
久々に再会した“姫香”が“鋭太”に打ち明けた悩みの種。そこから“真涼”が仕掛けた
壮大な嫌がらせに繋がっていくのは推して知るべしで、契約順守のためここまでやるかと。
まさに“真涼”恐るべしと言わざるを得ず。そこで完全勝利といかないのもまた順当です。
これまで刊行された中で使われた挿絵をもとに「名場面」として振り返る構成も印象的で
11年という年月をかけて、この結末に辿り着いたのかと思うと感慨もひとしおというもの。
裕時悠示 先生をはじめとする関係者の皆様、お疲れさまでした。完結をここに祝います。
2022年02月22日
『友人キャラは大変ですか?オフレコ』
伊達康 先生が贈る最強助演ラブコメ。電子書籍版のみで刊行される番外編は“一郎”の
友人キャラ誕生から女性陣が彼を奪い合うまで、過去・現在・未来を繋ぐ短編を収録です。
(イラスト:紅緒 先生)
【 https://www.shogakukan.co.jp/digital/09D100330000d0000000 】
「友人キャラの誕生」は小学二年生、7歳にして「活躍しないことで活躍する」という
助演の魅力と自分の進むべき道を決定づける“一郎”の過去を描く短編。“吉田”も引く
ほどの“一郎”の達観ぶりには驚くというか呆れるというか。すでに平常運転で何より。
「友人キャラの留守中」は“一郎”不在の中、“魅怨”と“龍牙”の仲が改善していく
までの現在を描く短編。それにしても“魅怨”がチョロインすぎて可愛らしいのなんの。
巻末の「友人キャラの日常」でもその魅力が十分に見て取れるのでぜひ見ていただきたい。
「友人キャラの各エンド」は“一郎”が各ヒロインとの結婚生活を夢として描くifの物語。
どれも幸せそうなのにどこかケチがつく、それもまた彼らしい未来の可能性かと思います。
“魅怨”エンドが一番まとまりが良いかも、と思いつつ最後まで楽しませてもらいました。
友人キャラ誕生から女性陣が彼を奪い合うまで、過去・現在・未来を繋ぐ短編を収録です。
(イラスト:紅緒 先生)
【 https://www.shogakukan.co.jp/digital/09D100330000d0000000 】
「友人キャラの誕生」は小学二年生、7歳にして「活躍しないことで活躍する」という
助演の魅力と自分の進むべき道を決定づける“一郎”の過去を描く短編。“吉田”も引く
ほどの“一郎”の達観ぶりには驚くというか呆れるというか。すでに平常運転で何より。
「友人キャラの留守中」は“一郎”不在の中、“魅怨”と“龍牙”の仲が改善していく
までの現在を描く短編。それにしても“魅怨”がチョロインすぎて可愛らしいのなんの。
巻末の「友人キャラの日常」でもその魅力が十分に見て取れるのでぜひ見ていただきたい。
「友人キャラの各エンド」は“一郎”が各ヒロインとの結婚生活を夢として描くifの物語。
どれも幸せそうなのにどこかケチがつく、それもまた彼らしい未来の可能性かと思います。
“魅怨”エンドが一番まとまりが良いかも、と思いつつ最後まで楽しませてもらいました。