2022年02月28日

『剣と魔法の税金対策5』

SOW 先生が贈る異世界税制コメディ。第5巻は税悪魔“ノーゼ”の企みを突き止めるべく
大神殿における脱税疑惑に目を付けた“ゼオス”の税務調査に“クゥ”たちが協力します。
(イラスト:三弥カズトモ 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094530490
https://www.sunday-webry.com/detail.php?title_id=5563


魔王城の会計を救う希望の光、ドラゴン族が有するミスリル鉱山。その開発を“クゥ”に
任せるため邪竜卿“イタク”の提案した結婚話が今巻の鍵を握るエピソードなのが驚きで。
宗教法人は何でもかんでも非課税、という誤解を解く“ゼオス”の話もためになります。

大神殿の調査をあからさまに拒む、税務を監視する認天使“カサス”。神官長“ポエル”
と組んで弱者救済に動く思惑に絆されそうになる“クゥ”が過たず、2人の過ちを正す
その内容こそ、停滞する日本を諫める暗喩のように思えて熱い感情が胸を過ぎりました。

邪竜卿の見せた憤激に彼の本気を感じさせてくれたり、今巻も見せる“ゼオス”の素が
これまた印象的で、楽しみな要素が増えてきた・・・という大団円な雰囲気を無残にも崩す
“ノーゼ”の悪意。終章の章題が指し示す意味に打ち震えながら次巻の刊行を待ちます。

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2022年02月25日

『Unnamed Memory -after the end- I』

古宮九時 先生が贈る大ヒットファンタジー。世界の理から外れた王と魔女のその後を描く
第1巻は“オスカー”と“ティナーシャ”が死と再生を辿り、呪具破壊の道筋を探ります。
(イラスト:chibi 先生)

https://dengekibunko.jp/product/unnamed/322103000079.html


死しても別の体に生まれ直し、呪具を破壊する権能を与えられる逸脱者として生きる2人。
“オスカー”と“ティナーシャ”が残る呪具を求め、見つけたのが過去を呼び起こす小匣。
厄介な相手も2人ならどうとでも、と抱いた期待は彼女を苛む絶望と共に押し潰されます。

“ティナーシャ”がよもや想い人にグイグイいくラブコメのヒロインと化す日が来るとは。
その変化も90年以上もの緩慢な時を経たからこそと思えば得心もいきますし、何も知らず
応じる“ラジュ”には同情しつつも早く応えてあげて、と生温かく見守りたくなるもので。

脆い面も見せる“ティナーシャ”を結果的に気遣う“ルクレツィア”や“カサンドラ”の
登場とやり取りが印象深く残ります。逸脱者たる2人が歴史の断片にどう関わってくるか、
世界が仕立てた対抗呪具として結果を残せるのか、続きが超楽しみなのは無論のことです。

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2022年02月24日

『幼なじみが絶対に負けないラブコメ9』

二丸修一 先生が贈る大人気ヒロインレース。第9巻は反りの合わない父親に腹を立てて
家出した“末晴”に対し“黒羽”“白草”“真理愛”が思い思いのアプローチを図ります。
(イラスト:しぐれうい 先生)

https://dengekibunko.jp/product/osamake/322103001932.html


揚げ足を取られるほうも、取るほうも共に難ある“末晴”と父。“哲彦”の狙いも込みで
“末晴”を家へ転がり込ませた“白草”に流れが来たか、と思えば“紫苑”の妨害あって
そう上手く事は進まず、と逆に「幼なじみが絶対に負けない」勢いすら感じさせるほどで。

“末晴”にさりげなく本命チョコを渡す“黒羽”や、気持ちを形で表現した“真理愛”の
余裕さとは裏腹に、「バレンタインで告白を」と意気込む“白草”の空回りっぷりがもう
見ていてつらい。そんな悔しい思いを何度も重ねてきたからこそあの演出が活きるワケで。

“白草”に逆転の兆しを感じる“哲彦”。“阿部”が察した彼のやろうとしていることに
どこか不安を抱かせてしまう引き具合。そして彼が“真理愛”に課した「エンタメ部」に
関する課題が紐づきそうな新入生の姿に波乱の兆しすら感じる春の訪れが待ち遠しいです。

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2022年02月23日

『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる18』

裕時悠示 先生が贈る甘修羅らぶ×らぶコメディ。第18巻は29歳医師として南の島で過ごす
“鋭太”が「自演乙」の面々との再会を果たそうとして発生する最後の修羅場を描きます。
(イラスト:るろお 先生)

https://ga.sbcr.jp/product/9784815610753/


“千和”は体育教師、“姫香”は漫画家、“愛衣”は検察官として、それぞれ夢を叶えた
立派な大人となり、“真涼”だけ恋愛とセックスを滅ぼすべく世間を騒がせる悪魔として
活動に余念がないという導入。彼女との契約も未だ続く“鋭太”は幸か不幸か悩みどころ。

久々に再会した“姫香”が“鋭太”に打ち明けた悩みの種。そこから“真涼”が仕掛けた
壮大な嫌がらせに繋がっていくのは推して知るべしで、契約順守のためここまでやるかと。
まさに“真涼”恐るべしと言わざるを得ず。そこで完全勝利といかないのもまた順当です。

これまで刊行された中で使われた挿絵をもとに「名場面」として振り返る構成も印象的で
11年という年月をかけて、この結末に辿り着いたのかと思うと感慨もひとしおというもの。
裕時悠示 先生をはじめとする関係者の皆様、お疲れさまでした。完結をここに祝います。

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2022年02月22日

『友人キャラは大変ですか?オフレコ』

伊達康 先生が贈る最強助演ラブコメ。電子書籍版のみで刊行される番外編は“一郎”の
友人キャラ誕生から女性陣が彼を奪い合うまで、過去・現在・未来を繋ぐ短編を収録です。
(イラスト:紅緒 先生)

https://www.shogakukan.co.jp/digital/09D100330000d0000000


「友人キャラの誕生」は小学二年生、7歳にして「活躍しないことで活躍する」という
助演の魅力と自分の進むべき道を決定づける“一郎”の過去を描く短編。“吉田”も引く
ほどの“一郎”の達観ぶりには驚くというか呆れるというか。すでに平常運転で何より。

「友人キャラの留守中」は“一郎”不在の中、“魅怨”と“龍牙”の仲が改善していく
までの現在を描く短編。それにしても“魅怨”がチョロインすぎて可愛らしいのなんの。
巻末の「友人キャラの日常」でもその魅力が十分に見て取れるのでぜひ見ていただきたい。

「友人キャラの各エンド」は“一郎”が各ヒロインとの結婚生活を夢として描くifの物語。
どれも幸せそうなのにどこかケチがつく、それもまた彼らしい未来の可能性かと思います。
“魅怨”エンドが一番まとまりが良いかも、と思いつつ最後まで楽しませてもらいました。

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2022年02月21日

『変人のサラダボウル2』

平坂読 先生が贈る予測不能の群像喜劇。第2巻は“サラ”に年相応の生活をさせようと
模索する“惣助”や、流されるままに生きる“リヴィア”など様々な人間模様を描きます。

(イラスト:カントク 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094530520


こたつで鍋料理、そしてアイスと日本人の幸せを実感できるほど“惣助”との共同生活に
馴染みきった“サラ”。そんな彼女を学校へ通わせるとしたら、必要となるのが「戸籍」。
表裏あわせて“惣助”へ策を示せるのは流石“ブレンダ”。さりげなく社会派な話に驚嘆。

一方“リヴィア”は転売ヤーの片棒を担がされ“サラ”に怒られたり、“望愛”に養われ
ヒモになったり、プリケツこと“明日美”にバンドへ誘われたり、波乱万丈すぎる人生を
歩みながら岐阜に根差す人々と交流を深めていっている。これはこれで驚かされるばかり。

転移してきた2人もさることながら“惣助”に思うところがある“ブレンダ”と“閨”の
腹の探り合いがまた面白い。今だからこそ楽しめるネタの数々も見どころ。そして最後に
“友奈”が叫ぶシメの一言には笑わせてもらいました。コミカライズも期待しておきます。

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2022年02月18日

『サイレント・ウィッチ III 沈黙の魔女の隠しごと』

依空まつり 先生が贈るファンタジー作品。第3巻は“モニカ”が駆り出されるチェス大会
において母校の旧友との因縁にも負けず“フェリクス”への護衛任務を全うしていきます。
(イラスト:藤実なんな 先生)

https://kadokawabooks.jp/product/silentwitch/322109000488.html
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_EB03202357010000_68/
https://ncode.syosetu.com/n8356ga/


“モニカ”が乗馬を練習する原動力。いつか“ケイシー”と再会できる日を願って頑張る
その姿勢が今回の事件を解決に導いていったり、様々な縁を結ぶきっかけにもなる展開が
絶妙で。それでいて、彼女が抱く人間への恐れを裏付けることにも繋がるのが因果な所で。

今回登場した七賢人の一人“メアリー”もまた“モニカ”の成長を見守る良き理解者、の
ように見えて彼女なりに色々と腹に一物あるようで。“メアリー”の星詠みでも見極める
ことができない“フェリクス”の抱える闇、異常性も徐々に垣間見えてきて気になる要素。

お祭りを成功させるために奔走する“モニカ”が味わう“フェリクス”とのひと時の逢瀬。
彼が「沈黙の魔女」にどれだけ憧れているかを知った彼女の内心での狼狽ぶりを心温かく
眺める余裕もなく2人に迫る悪意をはねのけることができるか。次巻もお手並み拝見です。

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2022年02月17日

『弱キャラ友崎くんLv.10』

屋久ユウキ 先生が贈る人生のバイブル的青春小説。第10巻は“日南”の誕生日を祝う企画
を通じて“菊池”らの協力を得た“友崎”が「日南葵」という人物像を紐解いていきます。
(イラスト:フライ 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094530452


“友崎”との「人生攻略」のやり取りも止まり、どこか上の空の“日南”を励ますために
友人たちがこぞって彼女を喜ばせようとバースデーパーティーのネタをあれこれ考える中、
本気となった“水沢”が「人生攻略」の核心に迫っていく所から話が動いていくのが熱い。

人生というゲームを攻略していく上で、自分で出来ること、人に頼れば出来そうなことを
見極めて動く“友崎”の高いスキルもさることながら、彼をアシストしつつ出し抜こうと
する“水沢”の立ち居振る舞いは見所と言ってよいかと。ダークホースかも知れません。

“日南”からもらった何かを、それぞれ思い思いの方法で少しでも返そうとするみんなの
様子を見て、頑なな彼女の心が綻ばない訳がない。“友崎”が旅行する前に立てた目標を

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2022年02月16日

『キミの恋人オーディション 台本にないけどキスしていい?』

久々となる あさのハジメ 先生の完全新作は恋×嘘の演劇ラブコメ。初恋の子役少女に
心奪われ、彼女と並び立つ役者を目指す少年が芸能学校で様々な役をこなしていきます。
(イラスト:emily 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/koibitoaudition/322109001111.html


「“情華”と名乗る女の子と出会うと、どんな役でも演じられるようになる」と噂される
彼女が誰かに成りすまして通うという有名芸能学校へ進学した“英輔”。クラスメイトに
歓迎ドッキリを仕掛けられた彼は驚く「ふり」をしながら誰が「彼女」かを見定める──。

シェアハウスものの恋愛バラエティ、という体裁で元天才子役の“心菜”とスター女優の
“つるぎ”が“英輔”を射止めるべく一騎打ち。そんな筋書きを描く将来有望な脚本家の
“来愛”、妹すら騙す彼の徹底ぶりにどれだけ「能ある鷹」なのか興味が沸くというもの。

“英輔”がさりげなく「キミ恋」の流れを作っていることに“心菜”や“つるぎ”が薄々
勘付いていくことで彼に見せる所作が演技なのか否か、その境界線が揺らぎそうな点にも
注目していきたいところ。そして彼の悲願は果たせるのか、続きが見てみたいものです。

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2022年02月15日

『今日も生きててえらい! 〜甘々完璧美少女と過ごす3LDK同棲生活〜』

「異世界召喚は二度目です」のアニメ化で注目の 岸本和葉 先生が「電撃文庫」に初参加。
社長令嬢が見初めた苦学生の男子を養う顛末を描く「カクヨム」投稿作の書籍化作品です。
(イラスト:阿月唯

https://dengekibunko.jp/product/322110000038.html
https://kakuyomu.jp/works/16816452220548903934


事故で他界した両親の遺産を狙う親戚に辟易して、譲渡を引き換えに縁を切った“春幸”。
高校生の彼が生活費等を稼ぐためのバイト中、酔っ払いに絡まれている同級生の“冬季”
を助ける。お礼に、と豪勢な家に招かれた彼は彼女から思いも寄らぬお願いをされて──。

「人を助けることができる人でありなさい」両親が遺した言葉を胸に生きてきた“春幸”。
その生き様すべてを理解している、という“冬季”のことを嬉しく思う一方で、いわゆる
ヒモになってほしいというのはどうも話がうますぎて疑わしく思うのも無理はないワケで。

“冬季”の気持ちに偽りがないことに気づかされ、申し訳なさでいっぱいになる“春幸”。
あっさりと周囲にバレてしまう仮初めの関係に、彼はどう落とし所をつけようとするのか。
上手いこと話を進ませてはくれない2人の生活を見届けたくなることうけあいの一作です。

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2022年02月14日

『姫騎士様のヒモ』

白金透 先生の「第28回電撃小説大賞・大賞」受賞作。祖国再興を誓って迷宮攻略に挑む
姫騎士と彼女に養われる元冒険者なクズ男の経緯と生き様を描くダークファンタジーです。
(イラスト:マシマサキ 先生)

https://dengekibunko.jp/product/himekishisamanohimo/322110000035.html


大量発生した魔物に滅ぼされた王国の姫“アルウィン”。願いを叶える伝説の秘宝を求め
迷宮攻略に挑む冒険者パーティのリーダーとなった彼女に養われているのが“マシュー”。
色事、揉め事の絶えない彼が何故に彼女のヒモなのか、虚実ないまぜの噂は尽きない──。

“マシュー”が首を突っ込むトラブルの数々。その裏で時折りちらつく「迷宮病」の存在。
彼がどうして荒事に対処できるのか。彼が“デズ”となぜ旧知の仲なのか。一年前と後で
彼らに何があったのか。全ての点が線で結ばれた時、物語に重く影が落ちるのを感じます。

それにしても「あの葬儀」は回避できなかったのか、と思いつつ「姫騎士様のヒモ」たる
“マシュー”からすればむべなるかな、と言わざるを得ず。彼が便所虫と蔑視する者さえ
いなければ、と今なら共感できるその怒りを胸に、彼にはぜひ一矢報いてほしいものです。

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2022年02月11日

『田中〜年齢イコール彼女いない歴の魔法使い〜 13』

ぶんころり 先生が贈る王道異世界ファンタジー。第13巻は北の大国への侵攻を宣言する
陛下の野心をどうにか思いとどまらせるため“田中”がかの国へ内偵調査に乗り出します。
(イラスト:MだSたろう 先生)

https://gcnovels.jp/book/b1288.html


「表紙の子、誰?」と思いつつ読み進めるとなるほど、“田中”の童貞喪失が危ぶまれる
昨今の流れに釘を刺す上でも絶妙な仕掛けに感じました。見違える姿、新しい立場を得て
チヤホヤされることになってもなお、身の危険を味わうことになるあたりは流石というか。

“スペンサー”伯爵に取り入った“田中”が、一枚岩ではない大国の内情を知り、次々と
攪乱していく展開にどう終止符が打たれるのか。そのタイミングと周囲の反応がこれまた
面白くて、特に MだSたろう 先生のイラスト込みで描かれる“ブー”の嘆きは必見の勢い。

田中の報告を受けて何とか丸く収まった結果を受け“精霊王”も驚愕を隠せない彼の魔力。
その裏で“ソフィア”が見届けていた“妖精王”の動向が彼らの物語とかち合ってしまう
ことで思いがけない人質をとられる新展開。彼はこの窮地をどう切り抜けるのか注目です。

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2022年02月10日

『ミモザの告白2』

八目迷 先生が贈る、戸惑いの三角関係を描く物語。第2巻は“汐”の逸る感情を正面に
受けた“咲馬”、その場を目にした“夏希”、関係が膠着する3人のその後を描きます。
(イラスト:くっか 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094530476


“夏希”が好きな人は、自分とは違う人が好き。“汐”を応援したいはずなのに気持ちが
空回りする彼女の姿は、見ていて切なくなります。文化祭の実行委員に立候補して頑張る
様子が彼女の葛藤をそのまま裏打ちするかのようで、どうにか報われることを願うばかり。

“汐”が好きな人は、自分のことを好きになるかは分からない。“夏希”が好意を抱いて
いることも知りながら“咲馬”が彼女と一緒になることを後押しする矛盾。ジュリエット
を演じる顛末にもそれが表れていて問題解決への糸口は未だ掴めないままなのが悩ましい。

“咲馬”は分かっていたつもりで実は分かってない。何度も知ろうとして“汐”を傷つけ、
知ろうとすることを諦める所まで自分を追い詰めてしまう彼を引き留めるのもまた“汐”。
3人で辿り着くハッピーエンドとは何なのか。追求する“咲馬”の選ぶ道が気になります。

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2022年02月09日

『きみは本当に僕の天使なのか2』

しめさば 先生が贈る、厳しいアイドル業界を生き抜く少女たちの物語。第2巻は“麗”が
ペアを組んでいた“杏樹”と共に「ripqle」を再結成できるか、苦難の道のりを描きます。
(イラスト:緜 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094530483


裏接待の件が一旦は片付いてもなお“杏樹”の固辞する姿勢は変わらず。望みを託された
“優羽”が落胆する様子を見ても諦めない“真央”が突然“真臣”に引き合わせた意味は
後から分かる、にしても彼にとっては成果の代償が羨ましいやらけしからんやらで苦笑い。

“優羽”からの度重なる隠しごとが“麗”の感情を爆発させ、その勢いままに“杏樹”へ
突撃する場面ではハラハラさせられながらも自分勝手な意思の衝突が互いの絆を結び直す
展開に熱量を感じずにはいられません。彼が2人を後押しする形になっているのも印象的。

「週刊文冬」そして“春日井”の思惑も便乗。「ripqle」再結成に向け高まっていく期待。
そこへ水を差すまさかのトラブル。それでも容赦のない会長の指示。“真央”の夢も乗せ、
武道館へ一直線・・・なはずの“麗”に訪れる「決定的な夜」が何をもたらすか、要注目です。

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2022年02月08日

『神は遊戯に飢えている。4』

細音啓 先生が贈る、人類VS神々の至高のファンタジー頭脳戦。第4巻は迷宮攻略のために
必要なラスボス役である神さまの死を知ってもなお、“フェイ”たちがクリアを狙います。
(イラスト:智瀬といろ 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/kami_to_game/322109001113.html


“ウロボロス”参戦で今回の遊戯は楽勝か・・・という流れにならないのが神々のいたずら。
“フェイ”と遊びたくて仕方がない彼女のアプローチが“レーシェ”たちの鼻につくのも
無理はなく。そんなやり取りを見ているのが面白く。彼には同情と羨望の念が重なります。

肝心の迷宮攻略は“フェイ”の思いつきを頼りに、“ウロボロス”の力も借りて正攻法で
進めていく流れ。ある意味、安心して見ていられる進行に干渉する者たちが現れることで
「神々の遊び」は人が挑み、攻略するだけで済まない何かを内包していることが窺えます。

冥界神との最終決戦は“フェイ”からすれば無理筋でやられまくりなのに、どこか楽しい
締め括りを早々に迎えるのが今巻の不穏な展開。“ミランダ”の推測、“ウロボロス”の
ヒント、“エズレイズ”の不運など、気になる要素を溢れさせたまま続く次巻も注目です。

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2022年02月07日

『継母の連れ子が元カノだった8 そろそろ本気を出してみろ』

紙城境介 先生が贈る同棲ラブコメ。第8巻は会長の一声で決まった生徒会関係者の旅行を
通じて“結女”や“水斗”だけでなく、仄かな想いの燻ぶりが次々と熱を帯びていきます。
(イラスト:たかやKi 先生)

https://sneakerbunko.jp/product/motokano/322106001158.html


“結女”のやらかしから始まる今巻、旅行を機に“遠導”への告白を決意する“愛沙”の
培ってきた想いと、彼が積み重ねてきた心のしこり。両者の衝突がどんな形に落ち着くか
ハラハラしながら見届けさせていただきました。描かれる機微と共に見どころの一つかと。

一方、アタックを重ねつつもヘタレな局面が続く“鈴里”のも“丈児”に脈が感じられる
様子が窺えたり、恋愛を観察するだけにとどめる“小暮”の姿に業を煮やした“暁月”が
暴露療法に打って出る新たな展開を迎えたり、様々な「本気」が感じられるところも注目。

周囲の変化に影響を受けざるを得ない“結女”が振り返ってみて自分は“水斗”と本気で
向き合えていたのか。彼女の決意は、彼が“いさな”の開花しつつある才能に魅了される
感情を超えていけるのか。ラストのあの一言が物語をどう動かすのか、次巻も要注視です。

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2022年02月04日

『リアデイルの大地にて8』

TVアニメの放映を迎えた、Ceez 先生が贈る大人気エルフファンタジー。第8巻は廃都に
封印されたモンスターの解放イベントを前に“オプス”がプレイヤーたちを招集します。
(イラスト:てんまそ 先生)

https://www.kadokawa.co.jp/product/322110001207/
https://leadale.net/


廃都にモンスターを押し込めた理由。この世界にプレイヤーが意外に多くいるという事実。
様々な現象が、ゲーム終了のタイミングと紐づくということで“ケーナ”が鍵を握るのを
益々印象づける展開に驚かされたり、呆れたりする周りの反応が相変わらずなのが何より。

学院の恒例行事である「サバイバル実習」に同行する“ケーナ”が今回も色々とやらかす
顛末、“シャイニングセイバー”や“コーラル”をも悩ませる与えられてしまった二つ名、
フレーバーテキストがもたらす思いがけない性格付け、とコミカル要素も事欠きません。

“オプス”が仕掛ける「最後のクエスト」を前にして意外な縁が繋がったりする興味深い
場面を迎えながら、“ケーナ”たち限界突破したプレイヤーとそれ以外の面々が封印の
解けた廃都でどんな敵と戦いを繰り広げるのか。続く次巻の展開を見届けたいと思います。

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2022年02月03日

『蜘蛛ですが、なにか? 16 短編小説小冊子付き特装版』

馬場翁 先生が贈る迷宮サバイバル・ストーリー。第16巻は滅びゆく星を救うために犠牲と
なるのは人類か女神か。究極の選択、その行方を人類と魔族の想いを入り交えて描きます。
(イラスト:輝竜司 先生)

https://kadokawabooks.jp/product/s12/322108000673.html
https://kumo-anime.com/


ワールドクエストの前提として世界の真実を知った者たちが戦うも戦わぬも自由。人類に
組するのも魔族と運命を共にするのも不問。錯綜する想いの全てがこれまでに培ってきた
ドラマの集大成と言わんばかりで胸が躍ります。特に“アサカ”の決断が印象深かった。

“アリエル”が断固たる決意で臨み、“白”たちが戦いに身を投じる中、このクエストが
人類と魔族の単純な対立構造で収まらないと気付かされてからの話運びに“管理者D”の
人ならざる者としての気概を見せつけられた気がします。“フェイ”もよく察したもので。

クエスト終了の結果を踏まえると本作は“白”というイレギュラーな存在、その可能性を
見定めるための物語だったのかも知れません。あの就職先には同情を禁じ得ない所ですが。
小冊子に収録の短編では「家族模様」がお気に入り。独白からも窺えるヤバさが最高です。

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2022年02月02日

『友達の妹が俺にだけウザい9』

三河ごーすと 先生が贈る、いちゃウザ青春ラブコメ。第9巻は修学旅行を通じて変わる
“真白”の想いと、未だ変われない“彩羽”の複雑な感情に“明照”が触れていきます。
(イラスト:トマリ 先生)

https://ga.sbcr.jp/product/9784815612276/
https://www.ganganonline.com/title/505


冒頭から“真白”の言動に翻弄される“明照”の困惑ぶりも印象的ですが、輪をかけて
有能税を払わされる“金糸雀”には同情しかない彼女の振り回しっぷりには驚くばかり。
その上で彼女のあの告白が来る訳ですから攻めの姿勢に本気を感じずにはいられません。

一方、“彩羽”の可能性に気づいた“海月”が積極的に女優の道へと誘う雰囲気に釘を
指すのが“音井”。出会った先から犬猿の仲な二人に板挟みとなる“彩羽”が変わろう
とする気持ちに影を指すのが母“乙羽”。“音井”も知る昔話が気にならない訳がない。

様々な人の感情が、そして運命の糸が絡み合うことになるのが天地堂エターナルランド。
ハプニング必至の展開で悲喜こもごもな感情が入り交じった結果、残った悲哀が切ない。
2つのエピローグを経て「5階同盟」はどんな道を進むのか、続きから目が離せません。

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2022年02月01日

『神さま学校の落ちこぼれ』

日向夏 先生が原作を務めるコミックスを、自らノベライズした本作。祖母の死を乗り越え
神社を立て直すべく奮闘する少女の数奇な運命を辿るスピリチュアルスクールドラマです。
(イラスト:赤瓦もどむ 先生 制作協力:花とゆめ編集部)

https://www.seikaisha.co.jp/information/2021/12/24-post-kamisama.html
https://www.hakusensha.co.jp/comicslist/62171/


神通力を持つ者をヒミコと呼び、特に強い者には神さまという資格が与えられる現代日本。
神社の娘“ナギ”は事故で神さまだった祖母が他界し、ヒミコで後継ぎの兄が引きこもり
となって先々不安な日々を過ごす。自分がヒミコだったら、と愚痴をこぼす彼女だが──。

ヒミコを育成するエリート校、通称「神さま学校」に訳も分からず編入される“ナギ”。
彼女が何の力も使えず艱難辛苦を味わいながらも、出会いに助けられつつ自分なりに何が
出来るのかを模索していく姿を見ていると応援したくなります。兄“たける”とは真逆で。

“ナギ”の祖母と兄が遭遇したあの事故に秘密がある、と知らされてから一変する展開に
「そういうことだったのか」としてやられます。赤瓦 先生の描く漫画を拝読しまして、
本作を読了したからこそ味わえる話運びの妙に驚きです。共にオススメできる作品かと。

posted by 秋野ソラ at 01:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル