2021年12月22日

『キミの青春、私のキスはいらないの?2』

うさぎやすぽん 先生が贈る青春ラブコメディ。第2巻は迫る文化祭を前に“日野”との
関係を変えるきっかけとして彼女の好きな音楽に触れていく“黒木”の機微を描きます。
(イラスト:あまな 先生)

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「誰かの人生を変えるようなバンドを作る」と嘯く“阿部”に誘われ一員となる“黒木”。
「人はそう上手く変わんない」とこぼす“日野”の諦念に驚きつつ受け入れるのもまた彼。
「キスが何かを変えるかもしれない」そう呟く彼が変化を追求していく過程が印象的です。

“黒木”が頼まれた詩の英訳を行うにあたってメンバーが音楽を始めた契機、“日野”や
“阿部”との関わりを聞いて回る場面で“ブルース”が語ったブルーハーツに夢中になる
までのくだり、同じくブルーハーツと共に若き日々を過ごした身としては共感を覚えます。

歌が人生を変えることがなくても、“阿部”の歌は絶対に誰かの人生を変えられるはず。
そう信じる“黒木”が歌詞にロックをのせて、“阿部”のトラブルも乗り越えて届く歌。
その想いに応える熱い「キス」が彼の青春にも必要となる顛末。見届ける価値アリかと。

posted by 秋野ソラ at 00:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル