斜線堂有紀 先生が贈る新作は恋愛小説集。ジャンプ×ノベル「JUMP j BOOKS」公式note
に掲載の4小編に、書き下ろし作『ささやかだけど、役に立つけど』を収録しております。
(装画:ナナカワ 先生)
【 https://books.shueisha.co.jp/items/contents.html?isbn=978-4-08-790068-2 】
一番熱心なファンの恋路に楔を打つアイドル、両片思いかと思えば勘違いなデザイナー、
「三人で結婚しろ」案件な男女3人、一目惚れした後輩に向けた趣味を貫き通す先輩、と
安易に「自分本位だから」「相手本位だから」と区別できない恋愛模様が描かれています。
印象深いのは『ミニカーだって一生推してろ』でSNSを介して邪念にまみれていく“瑠璃”、
『きみの長靴でいいです』であの振舞いをしながらもビジネスな関係を貫き通す“妻川”、
『愛について語るときに我々の騙ること』であと一歩を踏み入らせない“鳴花”たち3人。
そんな3人の関係を深堀する“園生”の独白を綴った『ささやかだけど、役に立つけど』
では交わらない感情のベクトルが生じた背景や、彼の抱いてしまった欲を端的に問い質す
あの一言へと繋がる逸話の追憶に驚かされます。サッと読めるページ数なのもお薦めです。