しめさば 先生が贈るサラリーマンと女子高生の日常ラブコメディ。本編完結のその後を
描く外伝は、“三島”が“吉田”に寄せる思慕の起点と辿り着く終着点に触れていきます。
(イラスト:ぶーた 先生)
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“沙優”がいなくなった穴を仕事で埋めるかのような“吉田”の近寄りがたい雰囲気も
何のそので強引に映画へ誘う“三島”。鑑賞後、彼女を突き動かす心の熱量が爆発する
一連のやり取りは気まずいながらもやっと辿り着いた転換点で感慨深いことこの上なく。
“吉田”にとっては寝耳に水な“三島”の気持ちをどう受け止めるのか。鈍感ながらも
“あさみ”や“橋本”、“神田”たちに助けられつつ「彼女にとって彼ができること」を
実行に移す場面であの映画が自分を、そして互いを見つめ直す因子となる顛末が印象的。
“三島”の恋は物語のように区切りよく終わることなく、しこりとなって心に残り続ける
ことになるとは思います。幾度も流した彼女の涙は見ていて痛ましく、切なくなるばかり
ではなく、次なる物語へと繋がっていくことを切望して止まない。そんなSSでありました。