2021年12月07日

『不死王の息子 1』

「薬屋のひとりごと」の 日向夏 先生が贈る新作は、人間と人外が共存する日本で不死者
の王とその息子に関わることになる少女の数奇な運命を描くカニバリズム・コメディです。
(イラスト:大地幹 先生)

https://herobunko.com/books/hero101/13366/


“由紀子”の通う小学校でも耳にする連続行方不明事件。塾通いで遅くなったある日の夜、
彼女はその犯人である人外、食人鬼と遭遇して致命傷を負う。最近転入してきた不死王の
息子“不死男”が駆けつけることに気づくも、時すでに遅し・・・となるはずだったが──。

非常事態とはいえ“不死男”の父の肉を食べたことで人の道を外れてしまう“由紀子”が
直面する現実を淡々と受け入れていく様子が面白い。彼のことは受け入れないのも含めて。
己の肉に矜持のある“山田父”を容赦なく捌く“山田母”なども滑稽さに拍車を掛けます。

不死身になれるという不死者の血肉。温和な山田一族、そして“由紀子”も例外なく標的
として危険に晒される中、一族には何やら複雑な事情があることが見え隠れする所に注目。
大人たちの都合にも巻き込まれる彼女はどんな道を歩んでいくのか、続く展開を待ちます。

posted by 秋野ソラ at 01:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル