2021年11月10日

『英雄と魔女の転生ラブコメ』

雨宮和希 先生の「第11回 講談社ラノベ文庫新人賞・佳作」受賞作。異世界の英雄から
現世へと転生した少年が因縁の魔女との再会から繰り広げるこじらせ青春ラブコメです。
(イラスト:えーる 先生)

http://lanove.kodansha.co.jp/books/2021/11/3.html


呪術に長けた魔女“セリス”。それを無効化する祓魔術を扱う英雄に選ばれた“グレイ”。
両者の戦いは勇者の勝利で決着したかと思えば共に転生し、“麻衣”“護道”として今も
いがみ合う仲・・・のはずが彼女は彼に「貴方なしでは生きていけない」と言い出して──。

世界を呪って生きてきたが故に、転生後も友だち作りにも苦慮する“麻衣”を“護道”が
救う形になる新たな日常がどこか微笑ましい。けれどその「救う」という行為が「英雄」
として生きてきた彼を今も縛りつける呪いに見えてくると次第に雲行きが怪しくなります。

身を挺してまで他人を救うこと。幼馴染の“比奈”やバイト仲間の“沙耶”の声を聞いて、
その最たる被害者である“麻衣”への行動原理は勇者の呪縛か否かを見極める“護道”の
葛藤と、導いた結論は見所。単巻としてとどまらず是非シリーズ化を期待したい作品です。

posted by 秋野ソラ at 01:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル