2021年11月30日

『霊能探偵・藤咲藤花は人の惨劇を嗤わない』

綾里けいし 先生が贈る新作は、死者と語りその姿を人に見せる異能をもつ「かみさま」に
なるはずだった少女とその従者となる青年が経験する非日常を描く現代伝奇ミステリです。
(イラスト:生川 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094530421


藤咲家。異能の一族として現代にも在り続ける家に生まれた“藤花”はその実権をも握る
「かみさま」の候補となる。幼き彼女と出会った“朔”は名誉ある従者として選ばれる。
しかし劣化品、として「かみさま」に選ばれなかった彼女たちの行く末はというと──。

意味深長な導入から一転して“藤花”の凋落が著しい姿と、呆れつつも面倒をみる“朔”、
2人で生きる微笑ましい生活感あふれる描写が面白い。そんな彼女が限られた異能を使い
霊能探偵として難事件を紐解いていく、バディものとしても楽しめる話なのが先生らしい。

やがて“藤花”と“朔”が遭遇する「かみさま」の予言に纏わる顛末。その中で改めて
語られる邂逅のエピソードが今の2人に繋がっているのだと印象づける描写は必見かと。
主従だけでなく様々な関係を内在する2人がどこへ向かうのか、見届けてみたいものです。

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2021年11月29日

『君は僕の後悔2』

しめさば 先生が贈る、後悔を抱えた少年少女による恋と対話の物語。第2巻は“結弦”と
距離を置くように言動が変化していく“薫”の抱える胸の内に、彼が深く触れていきます。
(イラスト:しぐれうい 先生)

http://dash.shueisha.co.jp/bookDetail/index/978-4-08-631442-8


“薫”が部室でラーメンを食べる理由。その一端に触れた大雨の日。“結弦”に見せた涙。
借りた本を境に彼女が構築した「宇宙」。それを盾に孤高を貫く彼女へ差し伸べられた手。
限られた宇宙をその手に広げられた彼女の「一番になれない」という葛藤が胸を打ちます。

“結弦”の姿を見て「ほっといてやんなよ」とやんわり諭す先輩の“名越”。彼女からは
逆に“薫”や“藍衣”にとって温かいと感じる言葉がカッターのように感じる人もいると
経験談をもって彼の胸に刻ませたかのような言動が、そこに至った経緯が気になるところ。

“藍衣”は“薫”の背景にある懊悩も、“結弦”の奥底にある躊躇も、それを吹っ切った
2人の感情も見据えた上で「もう二度と……後悔しないで」と告げる一連の発言。あれが
また印象的で。今は笑顔の戻った“薫”に安堵しつつ、彼の思考の行方を見定めたいです。

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2021年11月26日

『メイデーア転生物語 5 扉の向こうの魔法使い(下)』

友麻碧 先生が贈る本格ファンタジー作品。 第4巻は帝国の強襲を受ける魔法学校の窮地
に対応すべく“マキア”たちが強大な力の源、前世の秘密、絡み合う縁に触れていきます。
(イラスト:雨壱絵穹 先生)

https://lbunko.kadokawa.co.jp/product/maydare/322106000552.html


メイデーアを作った十柱の創世神。始まりの魔法使い。世界の理が次々と明らかになる中、
そこに“マキア”たちも紐づけられていく顛末には驚かされるばかり。“エスカ”司教や
“ユリシス”先生もこれまでの言動が先々を見据えてのことだと分かると得心がいきます。

事実と真実を受け入れてもなお、“マキア”や“トール”が今の自分自身を失わずにいる
ことが果たして永続的なことなのか。そもそもなぜ2人は現世で生を受けたのか。未だに
謎な要素は残しつつも、ようやく関係が進展したことにまずは胸をなでおろしたい所です。

『何度生まれ変わっても、俺はお前を、必ず、殺す』そう告げる「彼」の言葉にどれ程の
想いが乗せられていたのかと思うと、「彼女」の悲願達成も期待せずにはいられなくて。
一段と成長を遂げた“アイリ”や9班の面々がこの世界を守れるのか、続きに要注目です。

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2021年11月25日

『公女殿下の家庭教師10 千年の都』

七野りく 先生が贈る魔法革命ファンタジー。大台に乗る第10巻は王太子の不当な要求を
躱すべく“リディヤ”に導かれ敵国へ脱出した“アレン”が更なる陰謀に巻き込まれます。
(イラスト:cura 先生)

https://fantasiabunko.jp/product/201812koujodenka/322102001236.html


これぞ“リディヤ”のターン! 逃避行中、ライバル不在なのをいいことに“アレン”を
独占しようと、可愛がられたいがためにおねだりしまくる彼女の姿からは「剣姫」である
ことを思わず忘れてしまうほどです。振り回される彼も羨ましいやら、けしからんやら。

剣姫とその頭脳、2人なら敵国であろうと敵無し。しかも“アレン”の偉業は侯国連合の
水都にも伝わっていて、自然とかの国の内部にくさびを打つ形にもっていく展開が面白い。
“リディヤ”たちが決して束の間の休息を満喫しているだけではないところも注目です。

そんな無敵なはずの“リディヤ”と“アレン”の前に現れた、侯国連合の裏で暗躍する
強敵との相対。2人の力を合わせてもなお苦戦を強いられる局面に驚かされるとともに、
挫けることなく次は必ず勝つと誓う様子は実にらしくて安心します。次巻も楽しみです。

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2021年11月24日

『結婚が前提のラブコメ5』

栗ノ原草介 先生が贈る婚活ラブコメ。第5巻は“縁太郎”が“牡丹”の“男爵”に対する
想いを探ろうとする中、婚活業界を揺るがす一手を打ち出す“黒峰”にも頭を悩ませます。
(イラスト:吉田ばな 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094530346


“男爵”を伴侶たる異性と見ることができない“牡丹”。知り合った頃は満更でもないと
聞いた“男爵”が彼らしい手段でその真意に迫っていく顛末が興味深い。彼女が婚活する
意味を、彼女なりの幸せの形を追求した結果に“縁太郎”も示唆に富む所があったのでは。

「追い出し会」を経て次はいよいよ“カレン”と“結衣”の番。恋愛マスター“玉置”に
せっつかれる“縁太郎”も2人の気持ちを認識した上で答えを出さなければいけない立場。
最終巻で三者三様の「結婚」像をどう結ぶのか。栗ノ原 先生の動向も含めて要注視です。

「黒峰マリッジプランナー」に付くか、「結婚相談所・連合会」に残るか。究極の選択を
迫る“黒峰”に伸る“誠”に対し、不信感が拭えずに反る“縁太郎”。明暗を分ける道の
行方も、“黒峰”が抱える唯一の不安要素への対応方法もあわせて見届けたいと思います。

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2021年11月23日

『負けヒロインが多すぎる!2』

雨森たきび 先生が贈る「負け確」ラブコメ。第2巻は“朝雲”という彼女がいるはずの
“綾野”にちらつく“焼塩”の影、その真意を探る顛末に“和彦”が首を突っ込みます。
(イラスト:いみぎむる 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094530414


なんだかんだあっても“八奈見”の相手をする“和彦”を見て“佳樹”も興味津々な中、
彼らが“綾野”と“焼塩”が休日に出かける姿を、それを尾行する彼の恋人“朝雲”を
偶然見かけてしまう所から始まる今巻。誤解を続ける“佳樹”の言動にまず苦笑いです。

“朝雲”の調査方法に不安というか畏怖を覚え、“綾野”の超鈍感ぶりに呆れ、そして
“焼塩”のうっかり発言に見ているこちらも恥ずかしさを感じずにはいられない転換点。
時に見届けて、時に寄り添って、時に背中を押してくれる“和彦”の何と有難いことか。

誰のせいでもなく、3人が共にどこか気まずい要素を持っていたがために導かれた結末。
“焼塩”が紆余曲折を経て彼にあの笑顔を見せられるようになったことが印象深いです。
そして懲りない性分の“八奈見”に“和彦”はどこまで面倒を見れるのか、要注目です。

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2021年11月22日

『ただ制服を着てるだけ2』

神田暁一郎 先生が贈る、ニセモノJKとワケアリ社畜による同居ラブストーリー。第2巻は
“明莉”がJKビジネスに身を置かざるを得なかった背景と心に“広巳”が触れていきます。
(イラスト:40原 先生)

https://ga.sbcr.jp/product/9784815611781/


「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」日本国憲法第25条
において定められた生活水準の境界線上にいた“明莉”。頑張っても報われない、そんな
悲劇のヒロインにすらなれなかった彼女があの一言に救われるまでを綴る文章が印象的で。

JKビジネスに生活の基盤を、心の拠り所を求めるしかなかった“明莉”の過去を知っても
なお彼女のことを理解しようとする“広巳”の真摯で、紳士な振舞いには感嘆しかなくて。
逆にその過去をネタに彼女を貶めようとする“九条”が辿った結末には胸がすくばかりで。

“広巳”の家に転がり込んでは「彼女」として振舞い、彼への依存度を深める“明莉”。
そんな彼も“桜田”からの話を断りコンビニ店長であり続ける道を選ぶ、恩人への依存の
ような気概が窺えます。似た者同士な2人が選んだ選択肢、希望があると願いたい所です。

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2021年11月19日

『ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います3』

香坂マト 先生が贈る、かわいい受付嬢がボスと残業を駆逐する大人気シリーズ。第3巻は
臨時休暇を求めてとある研修に臨む“アリナ”のあずかり知らぬ所で陰謀が動き出します。
(イラスト:がおう 先生)

https://dengekibunko.jp/product/uketsukejo/322105000009.html
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_AM05202336010000_68/


忙しい現場を救う手立て。それは現場に適した要員を増やすことであり、決して業務改善
では根本的な解決には繋がらない。至極ごもっともな“アリナ”の願いもむなしく上長の
示した餌「特別休暇」を勝ち取るため「受付嬢合同研修」に望みをかける姿が実に切ない。

研修先でも“アリナ”の前に現れる“ジェイド”が、彼女へのアプローチを変える作戦に
出る顛末が微笑ましくて良いですね。なんだかんだ言って彼の作戦も功を奏して、脈あり
とも見えますので、まずはマイナスからゼロへ、そしてプラスに持っていてほしい所です。

暗躍を続けていた“黒衣の男”が正体を現し、「魔神核」とは何たるかを見せつける展開。
それを目にしてもブレない“アリナ”の力強い意思が潔くて惚れ惚れします。読み終えて
表紙を見返したときに受ける印象が変化することうけあい。更なる敵の狙いも要注目です。

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2021年11月18日

『娘のままじゃ、お嫁さんになれない!』

シナリオライターとしてもご活躍の なかひろ 先生が「電撃文庫」に初登場。祖父の娘を
引き取ることになった高校教師が親と娘、先生と生徒の関係に悩む年の差ラブコメです。
(イラスト:涼香 先生)

https://dengekibunko.jp/product/322106001058.html
http://www7b.biglobe.ne.jp/~nakahiro/


疎遠になっていた冒険家の祖父が急逝。おじいちゃん子であった“桜人”はその死を悼む
と共に祖父が引き取っていた、血縁関係も国籍もない孫娘“藍良”の処遇。彼女の本当の
家族を探し続けたはずの祖父の意思を継ぎ、彼は新たな家族になることを提案するが──。

祖父の影響でソロキャンプが趣味の“桜人”。そんな彼の不摂生ぶりが目に余る“藍良”。
一日の酒の摂取量すらしきりに管理する彼女の姿に「どうしてそこまで」と思う所ですが
クラスでも孤立しがちな彼女だからこそ抱く夢が背景にあると考えれば得心もいくワケで。

何かと気にかけてくる“桜人”の元カノ“祭里”に下心はあるのか。私人としての彼にも
興味津々な生徒“泉水”にウラはあるのか。彼に好意を抱く“和歌月”に勝機はあるのか。
“桜人”と“藍良”の関係だけで終わらなそうな人間関係が気になります。続刊希望です。

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2021年11月17日

『こんな可愛い許嫁がいるのに、他の子が好きなの?』

ミサキナギ 先生が贈る新作はラブコメディ。恋人とのデートもままならない貧乏苦学生の
少年が突如あらわれた許嫁を名乗るセレブ美少女の登場で色々翻弄される顛末を描きます。
(イラスト:黒兎ゆう 先生)

https://dengekibunko.jp/product/322108000025.html


高校生となった“幸太”に対し、自分は許嫁だと突然現れた“クリス”。耳を疑う彼だが
「カジノ王と十年前に約束した」と今更言う父は貧乏ラーメン屋の再建に繋がると乗り気。
交際相手がいるぞ、と言う彼に“クリス”は婚約解消同盟を組んで応援してくれるが──。

“幸太”のカノジョである“氷雨”は中々に気難しい才媛で、なんで彼と交際しているか
不思議なところ。その理由は“クリス”の後押しもあって徐々に明らかとなっていくワケ
ですが、彼女に思いっきりウラがあることに彼が気づかず話が進んでいくのが面白い展開。

“幸太”も朧げな思い出、“氷雨”が見せていない過去、手練手管を弄する“クリス”が
常にリードして話を進めていくことで望み通りの結末に辿り着けるのか。その落とし所も
興味深く“幸太”はどの道を選ぶことになるのか気になります。続きに要注目の作品です。

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2021年11月16日

『娘じゃなくて私が好きなの!?(6)』

望公太 先生が贈る年の差超純愛ラブコメ。第6巻は“巧”と一時的に同棲生活を始めた
“綾子”がついに一線を超える覚悟を決めた矢先、更なるドタバタが2人を待ち受けます。
(イラスト:ぎうにう 先生)

https://dengekibunko.jp/product/mamasuki/322108000024.html
https://manga-park.com/title/32170


なかなか踏ん切りのつかない“綾子”だからこそ、何かしらの勢いでタガを外すのが善策。
いよいよ裸で“巧”と褥を共にする現実に辿り着いたかと思うと感慨深くなるというもの。
いやいや顔で彼女から惚気話を聞くことになるとは流石の“狼森”も予想外ということで。

“狼森”が人知れず頭を悩ませている、こちらも意外な問題を知ってしまう“綾子”たち。
プロローグがフラッシュバックする、“綾子”だからこそできる対処方法が胸に響きます。
らしくない“狼森”が「らしさ」を取り戻していく姿に思わず安堵の胸をなでおろします。

あまりのバカップルぶりに思わず“美羽”も引いてしまう“綾子”と“巧”の同棲生活。
また一つ年を取った“綾子”との夜の営みも頑張った“巧”。その結果、更に“美羽”を
ドン引きさせる未来を引き寄せた2人の将来は如何に。最終巻で描かれる続きを待ちます。

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2021年11月15日

『サキュバスとニート 〜やらないふたり〜』

「賢勇者シコルスキ・ジーライフの大いなる探求」の 有象利路 先生が贈る新作は淫行に
興味のないサキュバスの召喚に成功した童貞ニート青年が送る奇妙な同居生活を描きます。
(イラスト:猫屋敷ぷしお 先生)

https://dengekibunko.jp/product/322106001051.html


「サキュバスにいやらしく搾り殺されたい」その夢を禁術で叶えた“和友”。召喚の声に
応えた“イン子”は精に興味はなく、現世に順応して彼の部屋で自堕落な生活を送る始末。
彼女も彼の願望を叶えないと還れず、2人のやるか/やらないかのせめぎ合いが続く──。

登場人物の名前の付け方、メタなネタの折り込み具合、思わず笑いを誘う掛け合いの数々。
エッチな設定なのに全然エロいことはなく、更に磨きをかけたギャグセンスで笑いを誘う
話の畳みかけが楽しい。変人をここまで揃えてよく話が動かせるものだと感心するばかり。

なぜ“イン子”が召喚されたのか。“和友”が願ったその含意に迫っていくと一転として
闇深い話になった、かと思えば心温まる結びに繋げていく構成の妙。出落ちギャグラノベ
などと侮ることなかれ。猫屋敷 先生の挿絵も絶妙で、続刊を希望しておきたい作品です。

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2021年11月12日

『聖剣学院の魔剣使い8』

志瑞祐 先生が贈る学園ソードファンタジー。アニメ化企画進行中の報せに沸く第8巻は
“クリスタリア”公爵を追って“レオニス”が異世界へ転移し、事の真相へと迫ります。
(イラスト:遠坂あさぎ 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/seikengakuin/322106000744.html


決して十全とは言えない“ヴェイラ”“リヴァイズ”と共闘して臨む“クリスタリア”の
姿をした「何か」。「虚無」との関わり、“女神”との接点、鍵となる魔剣の存在など、
“レオニス”が知らない過去に不穏事象あり、と匂わせる異世界での顛末が気になります。

一方、「聖剣剣舞祭」へ万全の状態で挑むべく“リーセリア”に容赦ない特訓を次々課す
“シャーリ”。「まだ絆されないぞ!」という気概が窺える“シャーリ”の見せた少々の
油断、そして反応する“リーセリア”の笑顔からは関係性の変化が望めそうで楽しみです。

様々な思惑が入り混じる戦いの場において、更なる才能の開花を見せる“リーセリア”。
そんな彼女の活躍を圧倒する「闖入者」の前に颯爽と現れてくれるのが実に「彼」らしい。
次巻以降で色々と謎を解き明かしてくれること、そしてアニメ化に期待しておきましょう。

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2021年11月11日

『異世界黙示録マイノグーラ〜破滅の文明で始める世界征服〜 4』

鹿角フェフ 先生が贈る異世界ファンタジー。第4巻は「ブレイブクエスタス魔王軍」に
勝利した代償は少なくない“拓斗”が全ての世界征服を目指し、国力の強化を図ります。
(イラスト:じゅん 先生)

https://gcnovels.jp/book/b1246.html
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_AM00000023010000_68/
https://ncode.syosetu.com/n8760ei/


うつけ者のようにふるまう“ペペ”がマイノグーラの弱点を的確に突く駆け引きを見せて
相変わらず驚かされる一方、それを受ける“拓斗”もまた仲間をも出し抜く手段をもって
受けて立つやり取りが面白い。RPG勢力との戦いで負った傷を払拭する勢いすら感じます。

マイノグーラが力をつけていく中、聖王国を導く聖女“ソアリーナ”が理想の国を求めて
魔女“エラキノ”の甘言に乗る展開。無理が通れば道理が引っ込むとはよく言ったもので
“エラキノ”のマスターが持つ能力で急速にまとまっていく聖王国が敵性を帯びてきます。

避けられない衝突を前に“ソアリーナ”が望んだ「勝算」。無謀な願望が希望へ結びつく
その意味を、その身に絶望として味わうことになる“拓斗”。更なる窮地に陥ってもなお
勝ち筋が見えている彼は一体何に気付いたのか。邪神の進撃をぜひ見届けたいところです。

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2021年11月10日

『英雄と魔女の転生ラブコメ』

雨宮和希 先生の「第11回 講談社ラノベ文庫新人賞・佳作」受賞作。異世界の英雄から
現世へと転生した少年が因縁の魔女との再会から繰り広げるこじらせ青春ラブコメです。
(イラスト:えーる 先生)

http://lanove.kodansha.co.jp/books/2021/11/3.html


呪術に長けた魔女“セリス”。それを無効化する祓魔術を扱う英雄に選ばれた“グレイ”。
両者の戦いは勇者の勝利で決着したかと思えば共に転生し、“麻衣”“護道”として今も
いがみ合う仲・・・のはずが彼女は彼に「貴方なしでは生きていけない」と言い出して──。

世界を呪って生きてきたが故に、転生後も友だち作りにも苦慮する“麻衣”を“護道”が
救う形になる新たな日常がどこか微笑ましい。けれどその「救う」という行為が「英雄」
として生きてきた彼を今も縛りつける呪いに見えてくると次第に雲行きが怪しくなります。

身を挺してまで他人を救うこと。幼馴染の“比奈”やバイト仲間の“沙耶”の声を聞いて、
その最たる被害者である“麻衣”への行動原理は勇者の呪縛か否かを見極める“護道”の
葛藤と、導いた結論は見所。単巻としてとどまらず是非シリーズ化を期待したい作品です。

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2021年11月09日

『魔法使い黎明期4 貪恋の悪魔』

2022年4月にアニメ放送開始となる、虎走かける 先生が贈る本格ファンタジー。第4巻は
調査依頼を受け北部へ向かう“ロス”たちが思いがけない出会いとトラブルに遭遇します。
(イラスト:いわさきたかし 先生 一部キャラクター原案:しずまよしのり 先生)

http://lanove.kodansha.co.jp/books/2021/11/1.html
https://www.tbs.co.jp/anime/reimeiki/


「禁書館」への道程でいざこざが発生したり、着いたと思えば“ウルラ”たちとの決闘に
臨んだり、と“セービル”の自己主張や仲間思いな様子が目を見張る中、その極めつけが
“フィアノス”の登場と“ロス”への異常なほどの求愛行動。この邪魔者扱いがすごい。

「理想の家族」を求めるがゆえに“ロス”を無理矢理に奪ってしまう者に対して躊躇なく
抗戦を選ぶ“セービル”も印象的でしたが、彼の行動を読んだ“アムニル”の選択もまた
中々のもの。あと“ルーデンス”もまだまだ驚かされる要素がありますのでお見逃しなく。

“ホルト”や“クドー”も“ゼロ”の魔法に手を伸ばせば届きそうな所まで成長を遂げた。
小鳥が巣立つのを見送るように“ロス”が導き手としての役割を終えておしまい・・・とは
いかないのが“セービル”らしいというか。興味深い愛の行方を見届けてみたいものです。

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2021年11月08日

『六畳間の侵略者!? 39』

健速 先生が贈る人気シリーズ。通算41冊目は吉祥春風高校に留学生第二陣を迎え入れる
準備に追われる“孝太郎”たちに隠れて“灰色の騎士”が彼らの気になる点を探ります。
(イラスト:ポコ 先生)

https://firecross.jp/hjbunko/product/1409


代表スピーチを担当することになって戸惑いを隠せない“ナルファ”が“琴理”の指摘も
あって“孝太郎”を異性として意識することで更にあたふたする姿が見ていて微笑ましい。
「恋愛がピンとこない」という“琴理”の距離感も安心感を覚えますが先々どうなるやら。

“ナルファ”と“琴理”の仲睦まじい様子も観察対象とする“灰色の騎士”。彼が元いた
世界との違いを探る過程で“ナルファ”の存在が大きな意味を持つことを“孝太郎”らは
まだ知らない。“灰色の騎士”がアドバンテージをどう活かして圧倒しにかかるか見もの。

“クラン”のちょっとムッツリ感ある振舞い、“キリハ”のどさくさ紛れな憧れ実現には
こそばゆさを感じつつ。“ゆりか”らしさ溢れる戦法や“早苗お姉ちゃん”の奮闘ぶりに
目を見張りつつ。場をフォルトーゼに移して話はどう動くか、大台に乗る40巻を待ちます。

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2021年11月05日

『迷探偵の条件 1』

「薬屋のひとりごと」の 日向夏 先生が「MF文庫J」に初登場。18歳までに運命の女性に
出会わないと死ぬ、という家に生まれた女難で超探偵体質の男子が送る非日常を描きます。
(イラスト:magako 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/meitannteino/322106000741.html


17歳の誕生日を迎えた“陸”の姿に「もう17歳なんて……」と悲しみの涙を流す母親たち。
ヤンデレな女性を引き寄せる体質もあって彼が死へのカウントダウンを止める望みも薄く。
幼馴染の“ユキ”にスタンガンを貰った数日後、彼はある事件に巻き込まれてしまう──。

学校行事などに駆り出される「イベント補助委員」という“陸”の立ち位置。事件ごとに
登場する人物の名前を「あだ名」で印象づける読み手への配慮。短めに文章を区切りつつ
超探偵体質を活かした子気味良い話運び。ミステリへのハードルを下げる意識を感じます。

時には女難の体質すら活かして事件解決に臨む“陸”の強かさに見惚れながら、そもそも
「“ユキ”はどうなのよ?」という疑問にも一定の解を示してくれていてスリル感も上々。
何やら陰でうごめく悪意の兆しもあって引きも興味津々。続きが楽しみなシリーズ作です。

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2021年11月04日

『ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編5』

衣笠彰梧 先生が贈る新たな学園黙示録。2年生編・第5巻は“茶柱”もかつてトラウマを
負うきっかけとなった特別試験を前に2年生の全クラスが悔いのない選択を求められます。
(イラスト:トモセシュンサク 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/youzitsu/322106000746.html


「満場一致特別試験」にて試される「全員でAクラスとして卒業する」という各々の意思。
意見の不一致を前にして、クラスをどう纏めるか。“一之瀬”“龍園”“坂柳”の手腕に
色が出る内容で実に興味深い。残した禍根の大きさとしてはBクラスが一番危ないのかも。

そして“鈴音”もまた例外ではなく。文化祭の出し物を考えたり、“軽井沢”と“綾小路”
との交際がバレて賑わっていたのが?のように、緊迫感あふれる一進一退の論争へと転換。
“八神”に秘策を授けられた“櫛田”が牙をむく局面、手に汗握るとはまさにこのことで。

布石の数々を“櫛田”への切り札として対抗する“綾小路”。険悪になっていくクラスの
状況をそれでも冷静に見つめある結論を導く“鈴音”。“茶柱”のトラウマを払拭させる
ほどの結末に驚かされると共に、期待と不安の交錯するCクラスの行く末が気になります。

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2021年11月03日

『キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦12』

細音啓 先生が贈る大人気王道ファンタジー。第12巻は始祖“ネビュリス”よりも質の悪い
存在になり果てた“イリーティア”に対して皆が何を思い、どう振る舞うかが問われます。
(イラスト:猫鍋蒼 先生)

https://fantasiabunko.jp/product/201705kimitoboku/322012001028.html


“ネビュリス”と“クロスウェル”の、世界騒然の姉弟喧嘩が繰り広げられようとする中、
悪い悪い魔女と己を嘯く“イリーティア”が八大使徒やゾア家の陰謀を圧倒していく展開。
彼女の宿願が星を終わりへ導くほどの可能性に手を届かせると誰が予想し得たでしょうか。

“イリーティア”に仕向けられた強敵を前に「天帝国だ」「ネビュリス皇庁だ」と矮小な
ことを言っている場合じゃなくなった者たちの共闘する姿にある種の未来を感じさせます。
彼女が具現化した「魔女と騎士の話」に“アリス”が意識せざるを得ない描写もポイント。

“キッシング”の意趣、ヒュドラ家の思惑なども気にしながら、災厄たる“イリーティア”
に対して“イスカ”たちは打ち勝つことができるのか。その先にあるのは共存か、破滅か。
鍵を握る「星の元凶」について、次巻で“ユンメルンゲン”から話を伺うとしましょう。

posted by 秋野ソラ at 03:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル