野村美月 先生が贈る青春シリーズ。2巻目は幼なじみである“春”が妹だと知る“北斗”、
彼を一途に想い続ける彼女、彼と交際を始めた“冴音子”、各々の繊細な機微を描きます。
(イラスト:へちま 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094530339 】
自身を「科学室の美少女」と評する“冴音子”が“北斗”の彼女として振舞い始めた翌日、
彼を諦めきれない“春”に交際相手として女子にだらしない“遥平”をあてがおうとする
真意は。そもそも“冴音子”が“春”に未練を残す“北斗”と付き合い始めた理由は──。
「春北斗」のエピソードを聞き、つながる互いの絆に笑顔を溢れさせる“北斗”と“春”。
そんな2人が離れなければならない決定的な血のつながりという呪縛が心苦しく、そして
2人の心を狂わせる展開が印象深い。悩んでいたのは“北斗”だけじゃない、という点も。
“北斗”の想いを知った“冴音子”が、2人の関係を哀しみで終わらせないために発した
熱い言葉の数々に圧倒されます。“遥平”も異なるアプローチで2人を支えていたことが
分かるのも見所の一つ。エピローグが2人の愛いっぱいの未来であることを信じています。
2021年10月29日
2021年10月28日
『剣と魔法の税金対策4』
SOW 先生が贈る異世界税制コメディ。第4巻は魔王城を奪われる危機に遭遇する“ブルー”
たちを助けに現れることができない“ゼオス”が背負った罪と税天使たる所以に触れます。
(イラスト:三弥カズトモ 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094530360 】
【 https://www.sunday-webry.com/detail.php?title_id=5563 】
職権乱用の罪で「封印刑」に処せられた“ゼオス”。元は人間だった彼女がなぜ税天使に
なることを望んだのかを思い出せば解放されると聞いて“メイ”たちがその過去をなぞる
展開がコミカルで、しかも今知っておいておくべき税の話が詰まっているところが絶妙で。
一方で単身残り、元魔族宰相“センタラルバルド”と勝ち目のない戦いを続ける“クゥ”。
そんな彼女にも甘言をささやく“ノーゼ”もまた、税悪魔となる前の苦い人生経験がある
ということが窺える点は見逃せません。更に注視すべき人物であることは間違いないかと。
“ノーゼ”に唆された“センタラルバルド”が“ブルー”に残したかった傷跡は思い図る
しかなく、“ゼオス”が伝えたかった後悔は彼の胸にどう刻まれたかは見届けるしかなく。
そんな思いを巡らせる中、“クゥ”がどんな道を辿ることになるのか続きが気になります。
たちを助けに現れることができない“ゼオス”が背負った罪と税天使たる所以に触れます。
(イラスト:三弥カズトモ 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094530360 】
【 https://www.sunday-webry.com/detail.php?title_id=5563 】
職権乱用の罪で「封印刑」に処せられた“ゼオス”。元は人間だった彼女がなぜ税天使に
なることを望んだのかを思い出せば解放されると聞いて“メイ”たちがその過去をなぞる
展開がコミカルで、しかも今知っておいておくべき税の話が詰まっているところが絶妙で。
一方で単身残り、元魔族宰相“センタラルバルド”と勝ち目のない戦いを続ける“クゥ”。
そんな彼女にも甘言をささやく“ノーゼ”もまた、税悪魔となる前の苦い人生経験がある
ということが窺える点は見逃せません。更に注視すべき人物であることは間違いないかと。
“ノーゼ”に唆された“センタラルバルド”が“ブルー”に残したかった傷跡は思い図る
しかなく、“ゼオス”が伝えたかった後悔は彼の胸にどう刻まれたかは見届けるしかなく。
そんな思いを巡らせる中、“クゥ”がどんな道を辿ることになるのか続きが気になります。
2021年10月27日
『変人のサラダボウル』
「妹さえいればいい。」の平坂読 先生・カントク 先生コンビで贈る最新作は群像喜劇。
岐阜で貧乏ながら探偵を営む男性の元に変わり者たちが舞い込んでくる日々を描きます。
(イラスト:カントク 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094530384 】
夫の浮気調査を依頼された“惣助”。対象となる男性の尻尾を掴める絶妙なタイミングで
突然、空から現れたコスプレっぽい姿をした少女に踏まれてせっかくの機を逸してしまう。
彼女の名は“サラ”。魔術を使い、聞いたこともない国から来た皇女だと言うのだが──。
“惣助”との共同生活を経て、新天地での生活に順応していく“サラ”が機転を利かせる
探偵モノとしての面白さに加え、彼の因縁が様々な人間ドラマを予感させる点も興味深い。
後を追ってきて、単身で逞しく生き抜いていく“リヴィア”をいま一番応援したいところ。
場面展開をキリ良く、細かく行うことで読みやすさが増している点も好感触。坩堝として
同化していくのではなく、かの地にサラダボウルに集まった個性的な人々が互いの立場を
活かしてどんな群像劇を形成していくのか。間違いなく注目のシリーズ作、オススメです。
岐阜で貧乏ながら探偵を営む男性の元に変わり者たちが舞い込んでくる日々を描きます。
(イラスト:カントク 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094530384 】
夫の浮気調査を依頼された“惣助”。対象となる男性の尻尾を掴める絶妙なタイミングで
突然、空から現れたコスプレっぽい姿をした少女に踏まれてせっかくの機を逸してしまう。
彼女の名は“サラ”。魔術を使い、聞いたこともない国から来た皇女だと言うのだが──。
“惣助”との共同生活を経て、新天地での生活に順応していく“サラ”が機転を利かせる
探偵モノとしての面白さに加え、彼の因縁が様々な人間ドラマを予感させる点も興味深い。
後を追ってきて、単身で逞しく生き抜いていく“リヴィア”をいま一番応援したいところ。
場面展開をキリ良く、細かく行うことで読みやすさが増している点も好感触。坩堝として
同化していくのではなく、かの地にサラダボウルに集まった個性的な人々が互いの立場を
活かしてどんな群像劇を形成していくのか。間違いなく注目のシリーズ作、オススメです。
2021年10月26日
『〆切前には百合が捗る2』
平坂読 先生が贈るガールズラブコメディ。第2巻は交際を始めた“愛結”と“優佳理”の
幸せいっぱいな生活を描きつつ、その絆が試される出来事に遭遇していく顛末を描きます。
(イラスト:U35 先生)
【 https://ga.sbcr.jp/product/9784815612023/ 】
艷事で“愛結”にやり込められる“優佳理”がそれ以外では年上の余裕を見せようとして
藪蛇になる顛末が微笑ましい。同棲している、という意識の変化が窺えてニヨニヨします。
2人の事情に振り回される“京”の姿はまさしく苦労人。彼女の近況は同情すら覚えます。
“優佳理”が好きなアイドル声優“朋香”の登場で、同性を好きなまま生きていくことの
難しさを突き付けられます。百合営業という見せかけの姿からカミングアウトするに至る
過程を見届けた2人が、生きづらい未来を共に生きるため一歩踏み出していく姿が印象的。
“愛結”の両親がLGBTを知ろうとして、娘の覚悟を全く理解していないという残酷な現実。
もはや話し合いで解決する余地なし、と“優佳理”と“愛結”が示した力強い決別の言葉。
2人だけのラブストーリーに幸あらんことを。そしてシレっと3巻が出る未来を夢見ます。
幸せいっぱいな生活を描きつつ、その絆が試される出来事に遭遇していく顛末を描きます。
(イラスト:U35 先生)
【 https://ga.sbcr.jp/product/9784815612023/ 】
艷事で“愛結”にやり込められる“優佳理”がそれ以外では年上の余裕を見せようとして
藪蛇になる顛末が微笑ましい。同棲している、という意識の変化が窺えてニヨニヨします。
2人の事情に振り回される“京”の姿はまさしく苦労人。彼女の近況は同情すら覚えます。
“優佳理”が好きなアイドル声優“朋香”の登場で、同性を好きなまま生きていくことの
難しさを突き付けられます。百合営業という見せかけの姿からカミングアウトするに至る
過程を見届けた2人が、生きづらい未来を共に生きるため一歩踏み出していく姿が印象的。
“愛結”の両親がLGBTを知ろうとして、娘の覚悟を全く理解していないという残酷な現実。
もはや話し合いで解決する余地なし、と“優佳理”と“愛結”が示した力強い決別の言葉。
2人だけのラブストーリーに幸あらんことを。そしてシレっと3巻が出る未来を夢見ます。
2021年10月25日
『お兄ちゃんとの本気の恋なんて誰にもバレちゃダメだよね?』
保住圭 先生が贈る新作は、兄妹同士なのに相思相愛な仲となった2人が周囲にバレたら
一大事、と人目を忍んでイチャイチャできるかを日々模索していく甘々ラブコメディです。
(イラスト:千種みのり 先生)
【 https://ga.sbcr.jp/product/9784815610036/ 】
“千晴”は妹“ちまり”が可愛すぎる想いが抑えきれないと判断し、実家を飛び出した。
その一か月後、彼女が押し掛けてきて「恋人にして」と彼を好きな感情をあらわにする。
妹の気持ちを受け入れた兄だが、2人に不純異性交遊を禁じる校則が立ちはだかる──。
恋愛ものはカップルになったら終わり、ではなく「くっついてからスタート」と考える
保住 先生の姿勢は過去作でも実績があり、その実力は本作でも遺憾なく発揮されてます。
“ちまり”の好き好きアピールが可愛いのなんの。“千晴”がダダ甘になるのも納得です。
2人の仲睦まじい関係を知った“希衣”が見せる“千晴”へのアプローチ、“ちまり”の
ことが好きすぎる大親友“梢”が爆弾発言に至った思考回路が独特なところがしっかりと
ラブコメできていると感じられて面白い。ここから話をどう動かすのか楽しみな作品です。
一大事、と人目を忍んでイチャイチャできるかを日々模索していく甘々ラブコメディです。
(イラスト:千種みのり 先生)
【 https://ga.sbcr.jp/product/9784815610036/ 】
“千晴”は妹“ちまり”が可愛すぎる想いが抑えきれないと判断し、実家を飛び出した。
その一か月後、彼女が押し掛けてきて「恋人にして」と彼を好きな感情をあらわにする。
妹の気持ちを受け入れた兄だが、2人に不純異性交遊を禁じる校則が立ちはだかる──。
恋愛ものはカップルになったら終わり、ではなく「くっついてからスタート」と考える
保住 先生の姿勢は過去作でも実績があり、その実力は本作でも遺憾なく発揮されてます。
“ちまり”の好き好きアピールが可愛いのなんの。“千晴”がダダ甘になるのも納得です。
2人の仲睦まじい関係を知った“希衣”が見せる“千晴”へのアプローチ、“ちまり”の
ことが好きすぎる大親友“梢”が爆弾発言に至った思考回路が独特なところがしっかりと
ラブコメできていると感じられて面白い。ここから話をどう動かすのか楽しみな作品です。