松山剛 先生が贈る、乱世に生きる少女たちの物語。第2巻は“ジークフリーデ”の両腕を
奪ってもなお続く女王“ロザリンデ”の凶行、その真相に魔術師“オットー”が迫ります。
(イラスト:ファルまろ 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/322106000007.html 】
“ロザリンデ”に腕を失われてもなお「陛下を愛している」と告げる“ジークフリーデ”。
呆れるほど強い想いに理解が追い付かない“オットー”が彼女の「眼」によって共有した
「夢」が温かくて、哀しくて。だからこそ祭りの二の舞を食い止めんとする姿が勇ましい。
“ファーレンベルガー”が示した極意。“オットー”の師が「大魔術典」に残した過ちと
託した希望。“ジークフリーデ”の眼帯に込められた迂遠なる願い。「鮮血の謝肉祭」の
真相を語る「彼女」が“ジークフリーデ”に訂正した事実。後半は驚嘆するばかりの展開。
章の間に挿入される記憶の断片もまた印象的で。だからこそ“ジークフリーデ”の慟哭が
胸を打ちましたし、終章から感じられる絆に救いを感じずにはいられません。あと今巻で
筋を通した“イザベラ”が見せる可愛らしい一面もご注目。間違いなくお薦めの一作です。