紙城境介 先生が「星海社FICTIONS」から贈る本格ラブコメ×本格ミステリ。犯人を瞬時
に突き止められても証明できない少女とそれを推理する少年の物語を電子書籍で拝読です。
(イラスト/羽織イオ 先生)
【 https://www.seikaisha.co.jp/information/2021/01/26-post-bokukimi.html 】
「自明の理です」天啓と言われる無意識下の推理でどんな犯人も即座に理解する“凛音”。
「推定無罪だ」推定無罪を信条に弁護士を目指す“透矢”は証拠もなく犯人を決めつける
彼女が気に食わない。彼女の社会復帰と内申点獲得のため「彼女の推理」を推理する──。
答えがわかっても過程を示す証明ができない。ゆえに理解されることを諦める“凛音”を
僅かな手がかりから理詰めでその穴を埋めようと、彼女の思考を掴もうとする“透矢”の
指摘の応酬が新鮮で、しっかり惹き込ませてくれます。“紅ヶ峰”も良いラブコメ要素で。
間違えない“凛音”に対し、間違えてしまうこともある“透矢”。その人としての甘さを
正論で打ちのめす、彼女の姉でありスクールカウンセラーでもある“芙蓉”の容赦のなさ。
同じ責任を担うと決めた2人がそんな大人に吠え面をかかせられるのか、続きに期待です。