赤城大空 先生が贈るヒロイックファンタジー。第3巻は何かと注目が集まる“クロス”を
街の名物行事「喧嘩祭り」で潰そうと上位職の貴族から決闘を仕組まれる顛末を描きます。
(イラスト:タジマ粒子 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094530247 】
“クロス”に惨敗した“カトレア”へ折檻することも容易い上位貴族の“ギムレット”。
彼が“ジゼル”にも嫌がらせをするものだから“クロス”が怒髪天を衝くのも当たり前。
今回は格上との戦い方を“テロメア”が教示するのでスキンシップ多めなのがまず印象的。
魔王の“ソルティ”すら“クロス”を成長させるために引っ張り出す“リオーネ”たちの
容赦のなさは言わずもがなですが、その期待に応えて成長し続ける彼の資質もまた異質で。
もちろん対策を怠っていない“ギムレット”に対しどう決闘を繰り広げるかが見ものです。
“ジゼル”にとっても負けられない戦いを経て、師匠らも含めた“クロス”への好感度が
うなぎ上りを見せる中で今回の勝利が何を意味するのか。卑怯なほど可愛い巻末の挿絵に
微笑ましさより殺伐とした展開を感じざるを得ないのが本作らしい所。次巻も楽しみです。