紙城境介 先生が贈る本格ラブコメ×本格ミステリ。第2巻は“凛音”も参加する臨海学校
において嵌められた罠、クラスメイト全員の嘘が推理を阻む謎に“透矢”たちが挑みます。
(イラスト/羽織イオ 先生)
【 https://www.seikaisha.co.jp/information/2021/08/25-post-kimitoki-2.html 】
相変わらず歯牙にもかけない、と言わんばかりの態度を示す“凛音”を見返してやろうと
勉学に勤しむ“紅ヶ峰”に降りかかるカンニング疑惑。疑わしきは罰する、という先生に
“透矢”が無実を証明する過程でクラスに仕掛けられた構造と宿敵たる存在に出会う今巻。
“芙蓉”によって作られたと言える“和花暮”との対峙。改心させるか、同類と認めるか。
“凛音”を庇いきれなかった“透矢”が「君の謎ときに、僕が答える」そう決めた覚悟を
思い出して35人の嘘に明らかにする流れは福因、というよりはどこか禍根を残した印象で。
そんなわだかまりは、“透矢”に対する好意を示した“紅ヶ峰”を見て持てあます感情を
自覚しただけでなく、向き合い始めた“凛音”の合法的な姿を確認することで拭えました。
正論だけが全てではないと、互いが互いを正しいと信じて進む二人の行く末に要注目です。
2021年09月30日
2021年09月29日
『ひきこまり吸血姫の悶々6』
小林湖底 先生が贈るコミカルファンタジー。第6巻は“コマリ”たちの部隊に所属したい
という物好きな新人を迎える中、彼女が知らないある計画が進行していく顛末を描きます。
(イラスト:りいちゅ 先生)
【 https://ga.sbcr.jp/product/9784815612030/ 】
ならず者たちが集まる特殊班、“ヴィル”からその班長を任された“エステル”が相手に
されず頭を悩ませるのは頭でっかちの優等生だからか・・・と心苦しい展開を見守っていたら
「武力こそ正義」で片が付くあたり類は友を呼ぶ、の典型か。今後の活躍に注目したい所。
“エステル”の提案により“コマリ”へのある計画を実行する場として選ばれた核領域の
温泉街にある宿。茶番劇を通してイチャイチャする女の子たちを見ていると前巻の話とは
打って変わって微笑ましい限り。そんな中でも、ある陰謀が“コマリ”たちを襲うワケで。
“エステル”の妹“モニク”が患う、命にかかわる謎多き病。その彼女だけが見える影が
“コマリ”に対して示しているという怒気。それらが絡み合って“コマリ”が抱く母との
思い出と「常世」との関係を結びつけてきました。更なる世界観の広がりに期待する次第。
という物好きな新人を迎える中、彼女が知らないある計画が進行していく顛末を描きます。
(イラスト:りいちゅ 先生)
【 https://ga.sbcr.jp/product/9784815612030/ 】
ならず者たちが集まる特殊班、“ヴィル”からその班長を任された“エステル”が相手に
されず頭を悩ませるのは頭でっかちの優等生だからか・・・と心苦しい展開を見守っていたら
「武力こそ正義」で片が付くあたり類は友を呼ぶ、の典型か。今後の活躍に注目したい所。
“エステル”の提案により“コマリ”へのある計画を実行する場として選ばれた核領域の
温泉街にある宿。茶番劇を通してイチャイチャする女の子たちを見ていると前巻の話とは
打って変わって微笑ましい限り。そんな中でも、ある陰謀が“コマリ”たちを襲うワケで。
“エステル”の妹“モニク”が患う、命にかかわる謎多き病。その彼女だけが見える影が
“コマリ”に対して示しているという怒気。それらが絡み合って“コマリ”が抱く母との
思い出と「常世」との関係を結びつけてきました。更なる世界観の広がりに期待する次第。
2021年09月28日
『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる17』
裕時悠示 先生が贈る甘修羅らぶ×らぶコメディ。第17巻は恋愛アンチの悪魔として現れた
“真涼”が問い質す「“鋭太”のハーレム」に対し「自演乙」メンバーが答えを出します。
(イラスト:るろお 先生)
【 https://ga.sbcr.jp/product/9784815610746/ 】
幼なじみ、前世の恋人、婚約者。“千和”や“姫香”そして“愛衣”が過去の“鋭太”に
恋しているのではないか、今の彼を見ていないのではないか、という“真涼”の疑念など
見事に跳ね返してくれる彼女たちにあっぱれ。覚悟を決めた3人には今さらな愚問でした。
“鋭太”としても「誰か1人を選ばない」という意味を、より具体的な未来予想図として
示してきたのは驚きました。「推薦入試で遅刻した」という理由、“カオル”からの質問
すら覚悟を決めるために使ってきたのも印象深い。“カオル”の件も一段落して何よりで。
新たな門出を前に強気に出た“真涼”も結局“鋭太”を前に「もにょもにょ」するあたり
共犯者であることを改めて印象づけてきました。ネットミームを交えた「呪い」に関する
演出もお見事・・・という流れで最終巻じゃないのが面白い。「最後の旅」にも要注目です。
“真涼”が問い質す「“鋭太”のハーレム」に対し「自演乙」メンバーが答えを出します。
(イラスト:るろお 先生)
【 https://ga.sbcr.jp/product/9784815610746/ 】
幼なじみ、前世の恋人、婚約者。“千和”や“姫香”そして“愛衣”が過去の“鋭太”に
恋しているのではないか、今の彼を見ていないのではないか、という“真涼”の疑念など
見事に跳ね返してくれる彼女たちにあっぱれ。覚悟を決めた3人には今さらな愚問でした。
“鋭太”としても「誰か1人を選ばない」という意味を、より具体的な未来予想図として
示してきたのは驚きました。「推薦入試で遅刻した」という理由、“カオル”からの質問
すら覚悟を決めるために使ってきたのも印象深い。“カオル”の件も一段落して何よりで。
新たな門出を前に強気に出た“真涼”も結局“鋭太”を前に「もにょもにょ」するあたり
共犯者であることを改めて印象づけてきました。ネットミームを交えた「呪い」に関する
演出もお見事・・・という流れで最終巻じゃないのが面白い。「最後の旅」にも要注目です。
2021年09月27日
『りゅうおうのおしごと!15 小冊子付き特装版』
白鳥士郎 先生が贈る熱血将棋コメディ。小冊子付き特装版が同時刊行となる第15巻は
“銀子”も“あい”もいない“八一”に対し“供御飯”の抱く野心が鎌首をもたげます。
(イラスト:しらび 先生)
【 https://ga.sbcr.jp/product/9784815610937/ 】
棋士として、将棋ライターとして“八一”を見続けてきた“供御飯”の並々ならぬ想い。
彼の棋書を出版することを口実に仕掛ける彼女の手数からその本気度が窺える一方、彼と
恋人との愛を、そして師弟の絆を現実として目前に突き付けられ、報われないのが切ない。
必勝を狙う“供御飯”との戦いに相対する“あい”も心折れかけてもなお前に進む日々。
女流棋士だからこその厳しい世界を知ってもなお、師匠と肩を並べるため新たな出会いを
力に変えて見せてくれた涙あふれる笑顔に救われます。その傍らにある恋模様の行方にも。
“八一”から贈られた「物語」をしっかりと受け止めた“銀子”の姿も見られて一安心。
そんな彼女の可愛らしい一面が覗ける小冊子の短編、イラストの数々はまさに必見の一言。
感想戦でも思いがけない発言が飛び出して、各々の「物語」の行方にも期待が膨らみます。
“銀子”も“あい”もいない“八一”に対し“供御飯”の抱く野心が鎌首をもたげます。
(イラスト:しらび 先生)
【 https://ga.sbcr.jp/product/9784815610937/ 】
棋士として、将棋ライターとして“八一”を見続けてきた“供御飯”の並々ならぬ想い。
彼の棋書を出版することを口実に仕掛ける彼女の手数からその本気度が窺える一方、彼と
恋人との愛を、そして師弟の絆を現実として目前に突き付けられ、報われないのが切ない。
必勝を狙う“供御飯”との戦いに相対する“あい”も心折れかけてもなお前に進む日々。
女流棋士だからこその厳しい世界を知ってもなお、師匠と肩を並べるため新たな出会いを
力に変えて見せてくれた涙あふれる笑顔に救われます。その傍らにある恋模様の行方にも。
“八一”から贈られた「物語」をしっかりと受け止めた“銀子”の姿も見られて一安心。
そんな彼女の可愛らしい一面が覗ける小冊子の短編、イラストの数々はまさに必見の一言。
感想戦でも思いがけない発言が飛び出して、各々の「物語」の行方にも期待が膨らみます。
2021年09月24日
『狼と香辛料XXIII Spring LogVI』
支倉凍砂 先生が贈る元行商人“ロレンス”と賢狼“ホロ”の旅物語。第6巻は雑誌掲載の
短編2つ、公式サイトに掲載の短編、そして書き下ろしの短編を収録した一冊となります。
(イラスト:文倉十 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/spice-and-wolf/322105000014.html 】
「狼と実りの夏」で村に出た悪魔を見た瞬間の“コル”と“ミューリ”の絆を再認しつつ、
便りが無いのは良い便りと“ロレンス”が“エルサ”の相談にのる「狼と宝石の海」では
“ホロ”と同じく「居場所」を失いたくない人物を後押しする過程とその反応が印象的で。
そんな“ロレンス”が“ホロ”のために格好いい所を見せようとする姿を見てある不安を
抱く顛末を描く「狼とかつての猟犬のため息」。関税の利害と大蛇の伝説に隠された謎を
利用して彼女に思い出の種を残そうとする彼の手腕。それもまた道を掴んだ証たるもので。
蜂蜜酒のような2人の甘い関係にあてられた“エルサ”や“ターニャ”にも思う所ありと
触れつつ、その2人もまた残された時間を意識せざるを得ない一時の別れに思いを馳せる
「狼と夜明けの色」。“ホロ”の注文に応え続ける“ロレンス”が抱く気苦労にエールを。
短編2つ、公式サイトに掲載の短編、そして書き下ろしの短編を収録した一冊となります。
(イラスト:文倉十 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/spice-and-wolf/322105000014.html 】
「狼と実りの夏」で村に出た悪魔を見た瞬間の“コル”と“ミューリ”の絆を再認しつつ、
便りが無いのは良い便りと“ロレンス”が“エルサ”の相談にのる「狼と宝石の海」では
“ホロ”と同じく「居場所」を失いたくない人物を後押しする過程とその反応が印象的で。
そんな“ロレンス”が“ホロ”のために格好いい所を見せようとする姿を見てある不安を
抱く顛末を描く「狼とかつての猟犬のため息」。関税の利害と大蛇の伝説に隠された謎を
利用して彼女に思い出の種を残そうとする彼の手腕。それもまた道を掴んだ証たるもので。
蜂蜜酒のような2人の甘い関係にあてられた“エルサ”や“ターニャ”にも思う所ありと
触れつつ、その2人もまた残された時間を意識せざるを得ない一時の別れに思いを馳せる
「狼と夜明けの色」。“ホロ”の注文に応え続ける“ロレンス”が抱く気苦労にエールを。