2021年08月04日

『ただ制服を着てるだけ』

神田暁一郎 先生の「第13回GA文庫大賞・金賞」受賞作。コンビニの店長を務める青年が
JKビジネスに身を置く人気リフレ嬢と出会い、否応なしに関わっていく顛末を描きます。
(イラスト:40原 先生)

https://ga.sbcr.jp/product/9784815611774/


性交類似行為なしとされる風俗店「JKリフレ」で働く“明莉”の話を聞いた“広巳”は
いつしか彼女の常連客になるほど入れ込む。しかし、彼が女子高生の制服を着る身体へ
手を出さないことに彼女は不審を感じずにはいられない。彼の狙いは一体何なのか──。

交際相手と喧嘩して家を飛び出した“明莉”を家に匿うことになっても、金銭トラブルに
彼女が巻き込まれても、“広巳”は事あるごとに無償で対応にあたりつつ代償は求めない。
身体を許す覚悟を決めた彼女が、やり場のない怒気を示すのも得心がいく展開が続きます。

リフレ嬢として働かざるを得ない“明莉”の身の上が中心かと思えば、彼女と共に過ごす
時間に取り戻せない過去を求める“広巳”の罪の意識も物語の根幹を握っていく。それが
タイトルに内包されている点に驚くばかり。ほころびを見せる共同生活の行方に注目です。

posted by 秋野ソラ at 22:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル