1月からのアニメ放送が控えている、鳥羽徹 先生の弱小国家運営譚。大台に乗る第10巻は
デルーニオ王国の陰謀劇を経て“フラーニャ”が兄に抱く印象が変遷する様子を描きます。
(イラスト:ファルまろ 先生)
【 https://ga.sbcr.jp/product/9784815610951/ 】
【 https://tensaiouji-anime.com/ 】
“シリジス”の祖国で渦巻く陰謀。同盟を利用し、ナトラを出し抜こうとする者に対して
彼がどう動くのかを見定める“ナナキ”の言動がまず印象深い。“フラーニャ”に仕える
と告げたその意味を、彼女がどう受け止めるのか。この先の情勢と共に注目すべき点です。
今回の陰謀を逆手に取った、一枚上を行く者たちが見せる振る舞いも本作ならではの展開。
動向を見極め、それでもなお一手及ばぬ“フラーニャ”を手助けするのは兄の為せる力量。
“ロウェルミナ”でも及ばない“ウェイン”の思考には相変わらず惚れ惚れするしかなく。
そんな“ウェイン”を父はどう評価しているか。奇しくも“シリジス”も同様に見ていた
ことに驚かされながら、“ニニム”も重要人物と認識されたことで風雲急を告げる局面を
迎えました。王太子として生まれた彼の願いがどんな未来を描こうとするのか見定めます。
2021年08月24日
2021年08月23日
『友達の妹が俺にだけウザい8』
ドラマCD付き特装版が同時発売となる、三河ごーすと 先生のいちゃウザ青春ラブコメ。
第8巻は修学旅行に向かう“真白”たちや残された“彩羽”の恋の駆け引きが加速します。
(イラスト:トマリ 先生)
【 https://ga.sbcr.jp/product/9784815610142/ 】
恋を進展させるために修学旅行を活用しようとするのは何も“真白”に限った話ではなく。
その内の一人でもある“舞浜”の気持ちを汲んだ“明照”の返り討ちっぷりがまず面白い。
思いがけず過去のエピソードにも触れるきっかけにもなったので怪我の功名と言えるかも。
今回、“明照”を巡る恋のレースに躍り出た“翠”。気づいてしまった彼への強い想い、
そして友人の秘密。“菫”でも受け止めきれない彼女を止める者はいない、ということで
モテっぷりを自覚した彼はどこへ向かうのか。“乙馬”の言葉を借りるなら「修羅場乙」。
“明照”が旅行中の間はスマホでメッセージを送るくらいしか絡めない“彩羽”。彼女の
愚痴を聞いてあげる“茶々良”にはご苦労さまと言いたい。そんな中、一発逆転を狙える
契機を彼女が見逃すはずもなく。後手に回り気味な“真白”を出し抜けるか、要注目です。
第8巻は修学旅行に向かう“真白”たちや残された“彩羽”の恋の駆け引きが加速します。
(イラスト:トマリ 先生)
【 https://ga.sbcr.jp/product/9784815610142/ 】
恋を進展させるために修学旅行を活用しようとするのは何も“真白”に限った話ではなく。
その内の一人でもある“舞浜”の気持ちを汲んだ“明照”の返り討ちっぷりがまず面白い。
思いがけず過去のエピソードにも触れるきっかけにもなったので怪我の功名と言えるかも。
今回、“明照”を巡る恋のレースに躍り出た“翠”。気づいてしまった彼への強い想い、
そして友人の秘密。“菫”でも受け止めきれない彼女を止める者はいない、ということで
モテっぷりを自覚した彼はどこへ向かうのか。“乙馬”の言葉を借りるなら「修羅場乙」。
“明照”が旅行中の間はスマホでメッセージを送るくらいしか絡めない“彩羽”。彼女の
愚痴を聞いてあげる“茶々良”にはご苦労さまと言いたい。そんな中、一発逆転を狙える
契機を彼女が見逃すはずもなく。後手に回り気味な“真白”を出し抜けるか、要注目です。
2021年08月20日
『本好きの下剋上〜司書になるためには手段を選んでいられません〜第五部「女神の化身6」』
香月美夜 先生が贈る大人気ビブリア・ファンタジー。 第五部・6巻は王の養女となる
ためエーレンフェストを離れる準備に入る“ローゼマイン”とその周囲を描いていきます。
(イラスト:椎名優 先生)
【 https://tobooks.shop-pro.jp/?pid=158517306 】
“ヴィルフリート”に鋭い言葉を投げかけられても今更という印象が残ります。婚約を
解消されてからどう振舞うのか。“ジルヴェスター”が言うように責任も担うことなく
生きるにしても“ローゼマイン”が抱く夢の障壁にならないことをただ願うばかりです。
“ローゼマイン”のことを気に掛ける“フロレンツィア”との密室での一幕が印象深い。
貴族の責務と母親の立場が入り混じって吐露される言葉の一つ一つが胸を熱くさせます。
噂に扇動されるライゼガングの古老たちに一計を案じるあたりも驚かされる場面でした。
“フェルディナンド”に対する心配の種を“ローゼマイン”がようやく一つ取り除いて
くれた、と思いきや思い上がった“ディートリンデ”がまた何かしでかしそうな雰囲気。
彼女との婚約者の縁を切って彼が真に救われることを期待しつつ次巻の刊行を待ちます。
ためエーレンフェストを離れる準備に入る“ローゼマイン”とその周囲を描いていきます。
(イラスト:椎名優 先生)
【 https://tobooks.shop-pro.jp/?pid=158517306 】
“ヴィルフリート”に鋭い言葉を投げかけられても今更という印象が残ります。婚約を
解消されてからどう振舞うのか。“ジルヴェスター”が言うように責任も担うことなく
生きるにしても“ローゼマイン”が抱く夢の障壁にならないことをただ願うばかりです。
“ローゼマイン”のことを気に掛ける“フロレンツィア”との密室での一幕が印象深い。
貴族の責務と母親の立場が入り混じって吐露される言葉の一つ一つが胸を熱くさせます。
噂に扇動されるライゼガングの古老たちに一計を案じるあたりも驚かされる場面でした。
“フェルディナンド”に対する心配の種を“ローゼマイン”がようやく一つ取り除いて
くれた、と思いきや思い上がった“ディートリンデ”がまた何かしでかしそうな雰囲気。
彼女との婚約者の縁を切って彼が真に救われることを期待しつつ次巻の刊行を待ちます。
2021年08月19日
『ミモザの告白』
八目迷 先生が贈る新作は、眉目秀麗、文武両道と非の打ち所がない美少年を幼馴染にもつ
冴えない高校生男子が、ある告白を境に日常と人間関係を変遷させていく過程を描きます。
(イラスト:くっか 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094530186 】
かつて自分の好きな女の子が幼馴染の“槻ノ木”に告白したことをきっかけに羨望と嫉妬
の感情が入り交じり、彼と距離を置いた“紙木”。ある日、幼馴染の思いがけない光景を
目にした彼は、彼だけでなく関係者すべてが困惑せざるを得ないある告白を受ける──。
性同一性障害に苦しんできた“槻ノ木”が、男ではなく女として生きていくことを選んだ
ことで生まれる軋轢、“西園”をはじめとする拒絶反応が見ていて心苦しく、痛々しい。
その数々を目にする“紙木”もあの「告白」を受けている訳で悩ましいことこの上なく。
“紙木”が仄かな想いを抱き始めた“星原”もまた“槻ノ木”のことが好き、という点で
見事にベクトルが異なるトライアングルを描く敏感で繊細な恋模様。表紙や口絵、そして
「ミモザ」の花と花言葉を思い返しながら「崩壊」の先を見届けてみたいと感じました。
冴えない高校生男子が、ある告白を境に日常と人間関係を変遷させていく過程を描きます。
(イラスト:くっか 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094530186 】
かつて自分の好きな女の子が幼馴染の“槻ノ木”に告白したことをきっかけに羨望と嫉妬
の感情が入り交じり、彼と距離を置いた“紙木”。ある日、幼馴染の思いがけない光景を
目にした彼は、彼だけでなく関係者すべてが困惑せざるを得ないある告白を受ける──。
性同一性障害に苦しんできた“槻ノ木”が、男ではなく女として生きていくことを選んだ
ことで生まれる軋轢、“西園”をはじめとする拒絶反応が見ていて心苦しく、痛々しい。
その数々を目にする“紙木”もあの「告白」を受けている訳で悩ましいことこの上なく。
“紙木”が仄かな想いを抱き始めた“星原”もまた“槻ノ木”のことが好き、という点で
見事にベクトルが異なるトライアングルを描く敏感で繊細な恋模様。表紙や口絵、そして
「ミモザ」の花と花言葉を思い返しながら「崩壊」の先を見届けてみたいと感じました。
2021年08月18日
『やたらと察しのいい俺は、毒舌クーデレ美少女の小さなデレも見逃さずにぐいぐいいく4』
ふか田さめたろう 先生が贈るすれ違いゼロの甘々ラブコメディ。第3巻は“小雪”の許嫁
“アーサー”の来訪にも慌てることなく“直哉”が彼女との恋愛をさらに進めていきます。
(イラスト:ふーみ 先生)
【 https://ga.sbcr.jp/product/9784815610807/ 】
お爺様からの後押しもあって“アーサー”の来訪が気がかりで仕方がない“小雪”に対し、
彼に同行してきた“クレア”の思惑も察して、しれっと誘導していく“直哉”の余裕ぶり。
恋愛アドバイザーとして、ヒト以外にも実績を残していく彼の能力が空恐ろしい限りです。
そんな“直哉”に振り回される“小雪”も、言わずと察してくれる彼に慣れすぎて普通の
恋愛が出来てないのでは、と今さら悩むあたり何とも可愛いもので。“クレア”に見栄を
張ったりするあたりはまだまだ強気な姿勢が崩しきれていない証かもしれませんけれども。
そんな2人のもどかしい関係とは別に、“法介”と“ハワード”が豪華客船である騒動に
巻き込まれる顛末を描いた「番外編」も面白くて。このシリーズ(?)も書き溜めておいて
いつかサイドストーリー集として纏まっても良いかと思います。続きも楽しみにしてます。
“アーサー”の来訪にも慌てることなく“直哉”が彼女との恋愛をさらに進めていきます。
(イラスト:ふーみ 先生)
【 https://ga.sbcr.jp/product/9784815610807/ 】
お爺様からの後押しもあって“アーサー”の来訪が気がかりで仕方がない“小雪”に対し、
彼に同行してきた“クレア”の思惑も察して、しれっと誘導していく“直哉”の余裕ぶり。
恋愛アドバイザーとして、ヒト以外にも実績を残していく彼の能力が空恐ろしい限りです。
そんな“直哉”に振り回される“小雪”も、言わずと察してくれる彼に慣れすぎて普通の
恋愛が出来てないのでは、と今さら悩むあたり何とも可愛いもので。“クレア”に見栄を
張ったりするあたりはまだまだ強気な姿勢が崩しきれていない証かもしれませんけれども。
そんな2人のもどかしい関係とは別に、“法介”と“ハワード”が豪華客船である騒動に
巻き込まれる顛末を描いた「番外編」も面白くて。このシリーズ(?)も書き溜めておいて
いつかサイドストーリー集として纏まっても良いかと思います。続きも楽しみにしてます。