古宮九時 先生がWebサイトに公開していた珠玉の異世界ロードファンタジー。Web版加筆後
「電撃の新文芸」で再書籍化した第4巻は“雫”たちが長い旅路の果てに真実を知ります。
(イラスト:森沢晴行 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/babel/322102000011.html 】
「Babel」に込められた意味、そして副題が示す世界に一つだったはずの言葉を乱す存在。
魔女“アヴィエラ”、あの紅い本、そして言葉と向き合い続けた“雫”が辿り着く真実の
数々に圧倒されるばかり。彼女を見届けてきた“エリク”の気概と研究の成果も印象的で。
異世界に転移した“雫”が、なぜ現地の人々とすぐ会話できたのか。その要因を突き詰め、
物語として昇華し、古宮先生らしい文章で楽しませてくれました。現世界に戻るか否かも
彼女が認める人の本質、求める自由、綴った手紙が物語っており胸に深く余韻を残します。
文庫版から仕切り直して、新たな判型で無事完結を迎えられたことにお祝い申し上げます。
同じく完結し、続編刊行が決まった『Unnamed Memory』と共に歴史に残る名作と言えます。
「電撃の新文芸」に 古宮九時 先生あり、と言っても過言ではないファンタジー作品です。