2021年07月22日

『異世界居酒屋「のぶ」七杯目』

シリーズ累計400万部を超えた 蝉川夏哉 先生が贈る大人気異世界グルメ小説。第7巻は
沼地を掘り起こして運河を通す大工事を巡り、様々な思惑が渦巻く冬の古都を描きます。
(イラスト:転 先生)

https://tkj.jp/book/?cd=TD018304


迷子か捨て子かも不明の少女“ヘンリエッタ”の一時保護者となった“ゲーアノート”。
“しのぶ”のナポリタンを食べるよう促す姿や、“カミラ”たちと鍋料理を囲む最中に
父のことを悪い人と涙ながらに明かす少女の姿を見て心動かす姿に彼の変化が窺えます。

金も時間も大量に必要な浚渫工事に対して利権を狙う者もあれば、妨害を図る者もある。
市参事会に舞い込む陳情を捌く“ニコラウス”たちを見れば一筋縄ではいかない作業と
いうことが見て取れる局面で、慶事が繋ぐ縁が難題解決の鍵を握る展開が興味深い所で。

市参事会に突き付けられた最大にして最悪の苦情を前に“ゲーアノート”が駆け引きの
一端を担うことになる上に、“ヘンリエッタ”のために「認められる大人」であろうと
生き方すら見直す顛末には驚かされました。その先も繋がる縁であれと願うばかりです。

posted by 秋野ソラ at 00:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル