2021年07月19日

『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件5』

佐伯さん 先生が贈る甘く焦れったい恋の物語。第5巻は交際を始めた“真昼”と“周”が
恋人同士で出来ることや適切な距離感を模索しながら日々変化していく繋がりを描きます。
(イラスト:はねこと 先生)

https://ga.sbcr.jp/product/9784815611699/


“周”の変化を魅力的に捉えるクラスメイト、特に女の子たちに気が気でない“真昼”。
ヤキモチを焼いてきたり、プールデートで水着姿を見せつけたりと目にも身体にも毒を
与える彼女からのアプローチを堪え続ける彼は同情を誘いつつも羨ましくて仕方がない。

“周”からの不意打ちの言動で赤面させられる“真昼”が事あるごとに意識してしまう
キスシーン。歯止めが利かなくなる、と抑え気味な彼に物足りなさすら感じる所ですが
彼女への独占欲も見せてきたりとその瞬間が迫る兆しに読む手とワクワクが止まらない。

“周”の両親から「恋人を通り越してる」と評価されるほどに深まる彼と“真昼”の絆。
帰省の折に直面した過去とあっさり決別したり、彼女への愛おしさを自然と唇に重ねる
ことが出来た彼の言動から更なる成長が窺えてニヨニヨしっぱなし。感慨深い展開です。

posted by 秋野ソラ at 00:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2021年07月16日

『魔王学園の反逆者5 〜人類初の魔王候補、眷属少女と王座を目指して成り上がる〜』

久慈マサムネ 先生が贈るちょっぴりHな学園魔術ファンタジー。第5巻は“ユート”たち
「恋人」連合の魔王候補が“ロスト”率いる陣営と真っ向勝負に臨むクライマックスです。
(イラスト:kakao 先生)

https://sneakerbunko.jp/product/maogaku/322007000031.html


“ロスト”の謀略に嵌まり凋落の身を晒す“ステラ”からも、「恋人」のカードとなった
“ネイト”からも「愛魔献上」を受けて、それでもまだ力が足りないと“ユート”に諭す
“ザイン”。彼女の見据える彼の理想には道半ばと見えるも、それを知る由は今はなく。

時には力ずくで、時には搦め手で攻める“ロスト”たちに自らも含めて苦戦を強いられる
“ユート”。ここでも“アスピーテ”が存在感を示すファインプレーを見せてくれました。
“夜鷹”と“リゼル”の因縁の対決など、見どころのあるカードの連続も注目すべき点で。

冒頭で示された「恋人」のアルカナに纏わるエピソードもしっかり活用して魅せてくれた、
という局面でまさかの第一部完。久慈 先生の力をもってしても越えられない壁の高さに
驚きが隠せずにいます。思わせぶりな描写も残るだけに続きが出ることを願うばかりです。

posted by 秋野ソラ at 03:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2021年07月15日

『ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います2』

香坂マト 先生が贈る、かわいい受付嬢がボスと残業を駆逐する大人気シリーズ。第2巻は
町で行われる年に一度の祭を満喫すべく“アリナ”が定時退勤を死守する顛末を描きます。
(イラスト:がおう 先生)

https://dengekibunko.jp/product/uketsukejo/322103000080.html


百年祭。それはクエストのクリア報酬が割増となる、“アリナ”には残業の日々でもある。
今度こそは、と残業発生の原因を分析して対策も万全な彼女の優秀さをあざ笑うかの如く
裏クエストの噂が冒険者たちを浮かれさせ、残業が増えるという展開には同情するばかり。

先天的に与えられるスキルとは何か。それで満足するか、甘んじることなく上を目指すか、
あるいは不正な手を取るか。回復役を務める“ルルリ”に纏わる過去と今の因縁が彼女の
未来を左右する展開は興味深いものがありました。頑張りが報われるのは救いがあります。

“アリナ”獲得にとことんこだわる“ジェイド”の、組織を渡る処世術スキルの高さには
社会人の一員として羨ましさを感じずにはいられません。ある意味、ハイスペック男子の
彼に彼女がほだされる日は来るか。祭の夜に見たあの光に望みを託しつつ次巻を待ちます。

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2021年07月14日

『幼馴染で婚約者なふたりが恋人をめざす話 2』

緋月薙 先生が贈る自覚なしバカップルの恋仲進展物語。第2巻は恋人として手をつなぐ
ことに成功した“悠也”と“美月”が次の段階へ進むべく先達たちに力添えを求めます。
(イラスト/ひげ猫 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/971.html


“大河”が見覚えのない女性とある宿泊施設から出てくる写真に関して調査に乗り出す
“悠也”たち。調査にかこつけてイチャつくあたりは当然として、そんな写真を撮られる
局面に直面したら、と想像する“悠也”たちのヤキモチ焼きっぷりがいかにもで面白い。

生徒会での一幕では、それぞれの「性癖」が垣間見えたりしてこっ恥ずかしいやりとりを
する中で、その下地となる「願望」というものがあることを自覚し始める“悠也”たちが
あと一歩な感じで実にもどかしい。その後押しを“美月”の兄夫妻が果たしてくれます。

“伊槻”や“透花”からの経験談からも新たな砂糖菓子のようにダダ甘さを感じながら、
“悠也”と“美月”が互いの関係に対して決意を示していくまでの流れがこそばゆくて。
先生の作品としてはハイペースな展開に驚きつつ、どこまでいくのか見ものと言えます。

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2021年07月13日

『オーバーライト3 ――ロンドン・インベイジョン』

池田明季哉 先生が贈る、創作に青春を懸ける者たちの青春譚。第3巻は“ブーディシア”
の先輩がロンドンから襲来し、グラフィティの命運を懸けた傑作を描くべく鎬を削ります。
(イラスト:みれあ 先生)

https://dengekibunko.jp/product/overwrite/322101000327.html


ギャングの幹部“リコリス”と組んで、グラフィティと共に縄張りを広げる“シュガー”。
2人からの暴力に徹底抗戦する“ララ”たちが身の危険を味わう展開には緊張が走ります。
弟子の因縁、迫る“ヨシ”の帰国に動揺が隠せない“ブーディシア”が見ていて痛ましい。

そんな“シュガー”と決着をつけなくてはならない“ブーディシア”が初めて見せた弱音。
改めてグラフィティと向き合う彼女にどう声を掛けるか、葛藤する“ヨシ”が示した本音。
信じる彼がちょっと不安になる彼女の吹っ切れ方にも「らしさ」が感じられて感嘆します。

リーガル・ウォールを巡るオーバーライトの顛末で“シュガー”の胸の内も明らかになり、
いよいよ帰国する“ヨシ”と見届ける“ブーディシア”がドラマティックなあのやりとり。
待ち構える“ネリナ”の苦労が偲ばれます。彼らの行く末に幸あれ、と願うばかりです。

posted by 秋野ソラ at 01:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル