2021年07月30日

『きみは本当に僕の天使なのか』

しめさば 先生が贈る新作は、夢を追うアイドルを信じていたのに引退という形で裏切られ
絶望の淵に立つ青年が、最後と決めた「推し」の夢と覚悟に巻き込まれる顛末を描きます。
(イラスト:緜 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094530162


完全無欠のアイドル“麗”を最後の「推し」と決めた“優羽”が臨んだ握手会。柔らかい
彼女の手の余韻に浸るその夜、知らない女性が訪ねてきたかと思えばまさかの“麗”本人。
更に「彼氏になって」という彼女から事情を聴き、業界の闇を知ることとなった彼は──。

ユニットを組んでいた“杏樹”と二人で武道館ライブをする。その夢をぶち壊した奴らを
排除し、夢を取り戻そうとする“麗”の力強さ。振り回されても、意外すぎる素顔を目に
してもなお“優羽”が彼女の覚悟をどう見極めるのか、緊張感のある話運びに惹かれます。

マネージャーやゴシップ記者も巻き込み、いざ「不祥事」を盾に突き進む“麗”だけでは
辿り着けない今回の結末。彼女が目指す夢の行方、“優羽”との関係、彼が女性恐怖症と
なった過去との因果関係など気になる点が満載。エピローグの続きが見たくなる作品です。

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2021年07月29日

『君は僕の後悔』

しめさば 先生が贈る新作は、中学時代に付き合っていた恋人と行き違いから別れた少年が
高校生になって偶然再会し、改めて好意を向けられることに苦悩する恋と対話の物語です。
(イラスト:しぐれうい 先生)

http://dash.shueisha.co.jp/bookDetail/index/978-4-08-631427-5


読書好きの“結弦”は、で幽霊部員の薫と一緒に読書部で本を読む時間を過ごすのが日課。
ある日、時季外れの転校生が過去に悔恨の念を残す“藍衣”であることを知り、再会する。
変わらず笑顔で「仲良くしてね」と言う彼女に、気後れする彼はどう接していくのか──。

“薫”から見ても明らかな“藍衣”が見せる“結弦”への好感度の高さ。その裏側にある
自由奔放に生きてきた彼女を嫌味なく受け入れてくれる彼への絶対的な信頼感のあらわれ。
彼女への想い、そして後悔が残る彼のうじうじする姿を見て怒気を示す“薫”が印象深い。

“結弦”が“藍衣”に対して抱いていた後ろめたい感情はそもそも何を起点としていたか。
そこに気が付かされてからの距離感の変化が時を戻し、新たな一歩を刻む流れが面映ゆい。
“薫”が提唱する宇宙の考え方も気になって各々の未来が知りたくなる光のラブコメです。

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2021年07月28日

『公女殿下の家庭教師9 英雄の休息日』

七野りく 先生が贈る魔法革命ファンタジー。第9巻は無事に帰還を果たした“アレン”を
巡る周囲の反応と、そんなことはお構いなしに自分の意志を貫き通す彼の信条を描きます。
(イラスト:cura 先生)

https://fantasiabunko.jp/product/201812koujodenka/322102001235.html


“アレン”たちの消息も伝わり、嬉し涙を流す者や、ここぞとばかりに甘える者もある中、
父親から告げられた想いが胸を打ちます。それに対し“ティナ”、そして“リディヤ”が
訴え出た場面には目頭が熱くなって。特に剣姫が自身の弱さを認めた強さが印象深いです。

強制的に休みを取らされている状況下でも情報連携、状況把握に余念がない“アレン”が
気付いた、一人で貧乏くじを引こうとする“ギル”の独断専行。彼を止めるためならばと
族長会議も放って全身全霊をもって事にあたる彼だからこそ英雄視される所以と言えます。

戦があれば論功行賞はつきもの。“アレン”の多大なる功績に対し大英雄の呼称「流星」
の名乗りを許すことに異議ある者たちを“レティシア”が力を示す形でねじ伏せる展開も
熱いものがあります。“リリー”の言動も注目の今巻から続いてどう動くか、要注目です。

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2021年07月27日

『義妹生活3』

天ア滉平 さん、中島由貴 さんの声で贈るアニメ・マンガ動画の企画・原作・脚本を担う
三河ごーすと 先生によるノベライズ。第3巻は“悠太”の義妹に対する機微に触れます。
(イラスト:Hiten 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/gimaiseikatsu/322103001903.html


“悠太”のバイト先へ闖入するような形となった“沙季”。彼女の能力を高く評価しつつ
精神的な脆さをも指摘する“読売”の鑑識眼が鋭い。狙いも図り切れず、先輩と意味深な
掛け合いをする義妹の言動に戸惑いを見せる彼の様子が何とも微笑ましく、もどかしくて。

そこへきて、“悠太”も含めて“奈良坂”からプールの誘いがあったことを隠す“沙季”。
彼女の思惑から余裕の無さを感じ取った彼の介入度合いが、いま思えば兆しだったのかと
思う部分もあり。だからこそ、あの時に「あの感情」が浮かび上がったのかと思うワケで。

“亜季子”の指摘も満更ではなかった“悠太”の心情の変化を知ってか知らずか、改めて
2人は兄弟なのだと言い聞かせるかのごとく“沙季”が取った、自身との決別とも見える
決断の証。発露した感情を抑えたまま共に兄弟としてこの先、生活できるのか見ものです。

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2021年07月26日

『声優ラジオのウラオモテ #05 夕陽とやすみは大人になれない?』

二月公 先生が贈る青春声優エンタメ。第5巻は新作アニメに抜擢された後輩声優の優秀な
演技、そして将来への不安に動揺が隠せない“夕陽”と“やすみ”の葛藤ぶりに触れます。
(イラスト:さばみぞれ 先生)

https://dengekibunko.jp/product/sayyouradio/322103000069.html


“乙女”と“秋空”の一件もあり、声優一本で生きていけるか悩みを明かす“やすみ”。
そんな彼女に業界の、そして人生の先輩たちが示す助言の数々から理想も現実もしっかり
見据えさせる所が窺えて、親身になって彼女のことを考えてくれる優しさを感じさせます。

対する“夕陽”は、猛烈に慕ってくれる後輩“由衣”が自分たちの演技を模倣しつつ更に
上手く演じてくる点が悩みの種で。そこへきてバッティングした仕事が問題だらけの現場。
後輩も含め、声優として演じることの意味を問いかける業界の厳しさを見せつけられます。

専業か兼業か、それとも廃業か。自分たちのことで手一杯の“やすみ”と“夕陽”が道に
迷う“由衣”を見て手を差し伸べるべきか否か。分水嶺と言える局面で2人が出した結論
からは人として、声優として成長を見ることができて一安心。さて次はどうなることやら。

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2021年07月24日

「好きなライトノベルを投票しよう!! 2021年上期」エントリー


春夏秋冬代行者 春の舞(下)
 【21上ラノベ投票/9784049137538】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/188592046.html
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/188595205.html

君が、仲間を殺した数II ―魔塔に挑む者たちの痕―
 【21上ラノベ投票/9784049137316】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/188583084.html

楽園ノイズ(2)
 【21上ラノベ投票/9784049136814】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/188677020.html

となりの彼女と夜ふかしごはん(2) 〜ツンドラ新入社員ちゃんは素直になりたい〜
 【21上ラノベ投票/9784049136203】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/188680041.html

インフルエンス・インシデント Case:01 男の娘配信者・神村まゆの場合
 【21上ラノベ投票/9784049136852】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/188574984.html

ロクでなし魔術講師と禁忌教典(19)
 【21上ラノベ投票/9784040741475】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/188834648.html

僕の軍師は、スカートが短すぎる(2) 〜サラリーマンとJK、ひとつ屋根の下〜
 【21上ラノベ投票/9784815609276】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/188498995.html

わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?) (3)
 【21上ラノベ投票/9784086314121】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/188613590.html

プロペラオペラ(4)
 【21上ラノベ投票/9784094530070】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/188700811.html

Unnamed Memory VI 名も無き物語に終焉を
 【21上ラノベ投票/9784049128055】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/188626476.html


◆ 好きなライトノベルを投票しよう!! - 2021年上期
 https://lightnovel.jp/best/2021_01-06/

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2021年07月23日

『Babel IV 言葉を乱せし旅の終わり』

古宮九時 先生がWebサイトに公開していた珠玉の異世界ロードファンタジー。Web版加筆後
「電撃の新文芸」で再書籍化した第4巻は“雫”たちが長い旅路の果てに真実を知ります。
(イラスト:森沢晴行 先生)

https://dengekibunko.jp/product/babel/322102000011.html


「Babel」に込められた意味、そして副題が示す世界に一つだったはずの言葉を乱す存在。
魔女“アヴィエラ”、あの紅い本、そして言葉と向き合い続けた“雫”が辿り着く真実の
数々に圧倒されるばかり。彼女を見届けてきた“エリク”の気概と研究の成果も印象的で。

異世界に転移した“雫”が、なぜ現地の人々とすぐ会話できたのか。その要因を突き詰め、
物語として昇華し、古宮先生らしい文章で楽しませてくれました。現世界に戻るか否かも
彼女が認める人の本質、求める自由、綴った手紙が物語っており胸に深く余韻を残します。

文庫版から仕切り直して、新たな判型で無事完結を迎えられたことにお祝い申し上げます。
同じく完結し、続編刊行が決まった『Unnamed Memory』と共に歴史に残る名作と言えます。
「電撃の新文芸」に 古宮九時 先生あり、と言っても過言ではないファンタジー作品です。

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2021年07月22日

『異世界居酒屋「のぶ」七杯目』

シリーズ累計400万部を超えた 蝉川夏哉 先生が贈る大人気異世界グルメ小説。第7巻は
沼地を掘り起こして運河を通す大工事を巡り、様々な思惑が渦巻く冬の古都を描きます。
(イラスト:転 先生)

https://tkj.jp/book/?cd=TD018304


迷子か捨て子かも不明の少女“ヘンリエッタ”の一時保護者となった“ゲーアノート”。
“しのぶ”のナポリタンを食べるよう促す姿や、“カミラ”たちと鍋料理を囲む最中に
父のことを悪い人と涙ながらに明かす少女の姿を見て心動かす姿に彼の変化が窺えます。

金も時間も大量に必要な浚渫工事に対して利権を狙う者もあれば、妨害を図る者もある。
市参事会に舞い込む陳情を捌く“ニコラウス”たちを見れば一筋縄ではいかない作業と
いうことが見て取れる局面で、慶事が繋ぐ縁が難題解決の鍵を握る展開が興味深い所で。

市参事会に突き付けられた最大にして最悪の苦情を前に“ゲーアノート”が駆け引きの
一端を担うことになる上に、“ヘンリエッタ”のために「認められる大人」であろうと
生き方すら見直す顛末には驚かされました。その先も繋がる縁であれと願うばかりです。

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2021年07月21日

『世々と海くんの図書館デート(4) クリスマスのきつねは、だんろのまえで どんなゆめをみる?』

野村美月 先生が贈る胸キュンラブストーリー。第4巻はクリスマスからバレンタインに
かけての時間を“海”といっしょに過ごす中で、“世々”は憧れの夢に想いを馳せます。
(イラスト:U35 先生)

http://aoitori.kodansha.co.jp/book/2021/7/4.html


“世々”の家で行われるクリスマスパーティで“海”がリクエストした手作りハンバーグ。
そこに家族のぬくもりを求める彼の心の飢えが伺えます。彼女が示したサンタクロースに
対する見解を聞き、寒さに震えていた心を温める彼の機微に優しさも垣間見えてまた素敵。

俄然、距離が近づいてきた“海”に対して甘い口づけを期待する“世々”が可愛いの何の。
彼女の姉たちに牽制されたり、熱に浮かされたりしてままならない彼がチャンスを逃さず
仕掛ける辺りはドラマさながらでキュンキュンします。彼女も幸せいっぱいで何よりです。

そんな余韻を夢で味わいなおすところも“世々”らしくて良いですね。U35 先生の挿絵も
演出としてお見事の一言。2人が交際を続ける裏側で“灯理”と“由鷹”の関係が変化を
見せつつある点も要注目で。このまま波風立てずに進められるか、次巻の刊行を待ちます。

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2021年07月20日

『俺を好きなのはお前だけかよ(16)』

駱駝 先生が贈るラブコメディ作品。第16巻は姿を消した“菫子”を探し出すため、仲間の
力と彼女の出す意味深なヒントをもとに“雨露”が正解が指し示す場所へと走り続けます。
(イラスト:ブリキ 先生)

https://dengekibunko.jp/product/oresuki/322102000021.html


“菫”の代わりに「パンジー」として“雨露”と接し、“菫”のために身を引く“菫子”。
すべてを知った“雨露”が“菫子”に怒りと欲求をぶつけたくなるの分かるというもので。
そんな彼のまっすぐな姿勢に惚れてしまった女性陣に対しては同情を禁じ得ない展開です。

“菫子”を探すあてを求めて、これまで散々振り回し、振り回されてきたオールスターと
言ってもいい女性陣とのやり取りと、彼女らから示される“菫子”への思いの一つ一つが
興味深く、そして感慨深く。“雨露”が彼女たちにお断りを入れ続ける場面も印象深くて。

自分の気持ちを隠し切れず、逃げの一手を決めた“菫子”の想いも垣間見ることができる
まさにクライマックスな流れを受け止める場所は納得感いっぱい。ようやく自分の想いに
素直になった彼女を見れて一安心な最終巻・・・ではないということで次巻と新作に期待です。

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2021年07月19日

『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件5』

佐伯さん 先生が贈る甘く焦れったい恋の物語。第5巻は交際を始めた“真昼”と“周”が
恋人同士で出来ることや適切な距離感を模索しながら日々変化していく繋がりを描きます。
(イラスト:はねこと 先生)

https://ga.sbcr.jp/product/9784815611699/


“周”の変化を魅力的に捉えるクラスメイト、特に女の子たちに気が気でない“真昼”。
ヤキモチを焼いてきたり、プールデートで水着姿を見せつけたりと目にも身体にも毒を
与える彼女からのアプローチを堪え続ける彼は同情を誘いつつも羨ましくて仕方がない。

“周”からの不意打ちの言動で赤面させられる“真昼”が事あるごとに意識してしまう
キスシーン。歯止めが利かなくなる、と抑え気味な彼に物足りなさすら感じる所ですが
彼女への独占欲も見せてきたりとその瞬間が迫る兆しに読む手とワクワクが止まらない。

“周”の両親から「恋人を通り越してる」と評価されるほどに深まる彼と“真昼”の絆。
帰省の折に直面した過去とあっさり決別したり、彼女への愛おしさを自然と唇に重ねる
ことが出来た彼の言動から更なる成長が窺えてニヨニヨしっぱなし。感慨深い展開です。

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2021年07月16日

『魔王学園の反逆者5 〜人類初の魔王候補、眷属少女と王座を目指して成り上がる〜』

久慈マサムネ 先生が贈るちょっぴりHな学園魔術ファンタジー。第5巻は“ユート”たち
「恋人」連合の魔王候補が“ロスト”率いる陣営と真っ向勝負に臨むクライマックスです。
(イラスト:kakao 先生)

https://sneakerbunko.jp/product/maogaku/322007000031.html


“ロスト”の謀略に嵌まり凋落の身を晒す“ステラ”からも、「恋人」のカードとなった
“ネイト”からも「愛魔献上」を受けて、それでもまだ力が足りないと“ユート”に諭す
“ザイン”。彼女の見据える彼の理想には道半ばと見えるも、それを知る由は今はなく。

時には力ずくで、時には搦め手で攻める“ロスト”たちに自らも含めて苦戦を強いられる
“ユート”。ここでも“アスピーテ”が存在感を示すファインプレーを見せてくれました。
“夜鷹”と“リゼル”の因縁の対決など、見どころのあるカードの連続も注目すべき点で。

冒頭で示された「恋人」のアルカナに纏わるエピソードもしっかり活用して魅せてくれた、
という局面でまさかの第一部完。久慈 先生の力をもってしても越えられない壁の高さに
驚きが隠せずにいます。思わせぶりな描写も残るだけに続きが出ることを願うばかりです。

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2021年07月15日

『ギルドの受付嬢ですが、残業は嫌なのでボスをソロ討伐しようと思います2』

香坂マト 先生が贈る、かわいい受付嬢がボスと残業を駆逐する大人気シリーズ。第2巻は
町で行われる年に一度の祭を満喫すべく“アリナ”が定時退勤を死守する顛末を描きます。
(イラスト:がおう 先生)

https://dengekibunko.jp/product/uketsukejo/322103000080.html


百年祭。それはクエストのクリア報酬が割増となる、“アリナ”には残業の日々でもある。
今度こそは、と残業発生の原因を分析して対策も万全な彼女の優秀さをあざ笑うかの如く
裏クエストの噂が冒険者たちを浮かれさせ、残業が増えるという展開には同情するばかり。

先天的に与えられるスキルとは何か。それで満足するか、甘んじることなく上を目指すか、
あるいは不正な手を取るか。回復役を務める“ルルリ”に纏わる過去と今の因縁が彼女の
未来を左右する展開は興味深いものがありました。頑張りが報われるのは救いがあります。

“アリナ”獲得にとことんこだわる“ジェイド”の、組織を渡る処世術スキルの高さには
社会人の一員として羨ましさを感じずにはいられません。ある意味、ハイスペック男子の
彼に彼女がほだされる日は来るか。祭の夜に見たあの光に望みを託しつつ次巻を待ちます。

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2021年07月14日

『幼馴染で婚約者なふたりが恋人をめざす話 2』

緋月薙 先生が贈る自覚なしバカップルの恋仲進展物語。第2巻は恋人として手をつなぐ
ことに成功した“悠也”と“美月”が次の段階へ進むべく先達たちに力添えを求めます。
(イラスト/ひげ猫 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/971.html


“大河”が見覚えのない女性とある宿泊施設から出てくる写真に関して調査に乗り出す
“悠也”たち。調査にかこつけてイチャつくあたりは当然として、そんな写真を撮られる
局面に直面したら、と想像する“悠也”たちのヤキモチ焼きっぷりがいかにもで面白い。

生徒会での一幕では、それぞれの「性癖」が垣間見えたりしてこっ恥ずかしいやりとりを
する中で、その下地となる「願望」というものがあることを自覚し始める“悠也”たちが
あと一歩な感じで実にもどかしい。その後押しを“美月”の兄夫妻が果たしてくれます。

“伊槻”や“透花”からの経験談からも新たな砂糖菓子のようにダダ甘さを感じながら、
“悠也”と“美月”が互いの関係に対して決意を示していくまでの流れがこそばゆくて。
先生の作品としてはハイペースな展開に驚きつつ、どこまでいくのか見ものと言えます。

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2021年07月13日

『オーバーライト3 ――ロンドン・インベイジョン』

池田明季哉 先生が贈る、創作に青春を懸ける者たちの青春譚。第3巻は“ブーディシア”
の先輩がロンドンから襲来し、グラフィティの命運を懸けた傑作を描くべく鎬を削ります。
(イラスト:みれあ 先生)

https://dengekibunko.jp/product/overwrite/322101000327.html


ギャングの幹部“リコリス”と組んで、グラフィティと共に縄張りを広げる“シュガー”。
2人からの暴力に徹底抗戦する“ララ”たちが身の危険を味わう展開には緊張が走ります。
弟子の因縁、迫る“ヨシ”の帰国に動揺が隠せない“ブーディシア”が見ていて痛ましい。

そんな“シュガー”と決着をつけなくてはならない“ブーディシア”が初めて見せた弱音。
改めてグラフィティと向き合う彼女にどう声を掛けるか、葛藤する“ヨシ”が示した本音。
信じる彼がちょっと不安になる彼女の吹っ切れ方にも「らしさ」が感じられて感嘆します。

リーガル・ウォールを巡るオーバーライトの顛末で“シュガー”の胸の内も明らかになり、
いよいよ帰国する“ヨシ”と見届ける“ブーディシア”がドラマティックなあのやりとり。
待ち構える“ネリナ”の苦労が偲ばれます。彼らの行く末に幸あれ、と願うばかりです。

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2021年07月12日

『ロクでなし魔術講師と禁忌教典19』

羊太郎 先生が贈る超破天荒新世代学園アクションファンタジー。第19巻は使命を果たさん
と決意した“セリカ”を追い、過去へと飛んだ“グレン”たちが衝撃の顛末を目にします。
(イラスト:三嶋くろね 先生)

https://fantasiabunko.jp/product/201411rokudenashi/322102001237.html


“ナムルス”こと“ラ=ティリカ”から語られる、“セリカ”に課した魔王“ティトゥス”
を殺す宿願と最強の魔術師に鍛え上げるために費やした研鑽の日々。そして、厳しい現実。
“グレン”たちと過ごした幸せな日常を“セリカ”がどう感じていたかと思うと複雑です。

童話「メルガリウスの魔法使い」に裏付けられた“セリカ”に纏わる逸話の数々、そして
彼女を彼女たらしめる歴史の足跡。そこに未来への望みを感じた“グレン”が、人として
あがき続ける象徴として時に熱く語り、態度で示すその様子が格好良くて印象深いものが。

思いがけない協力を得た“システィーナ”の力も借りて“セリカ”と“グレン”が魔王と
戦う中で、“ラ=ティリカ”との契約がもたらす意味を示す場面で示した師弟の絆の深さ。
目頭が熱くなる思いがしました。フェジテへの帰還は彼らにどう影響するのか見ものです。

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2021年07月09日

『六畳間の侵略者!? 38』

健速 先生が贈る人気シリーズ。通算40冊目は突如“孝太郎”たちの前に現れた“早苗”が
語る“灰色の騎士”の存在と「灰色の曖昧な力」に、六畳間の面々が苦戦を強いられます。
(イラスト/ポコ 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/970.html


紛らわしいので“お姉ちゃん”と呼ぶ3人目の“早苗”。“早苗ちゃん”“早苗さん”も
できるけど、と注釈を添える“お姉ちゃん”が落とす影から彼女の置かれた厳しい状況を
窺い知ることができるだけに、微笑ましい感情だけでは見ていられないやり取りが切ない。

“キリハ”の分析や“晴海”のリーダーシップに助けられつつも、“グレバナス”そして
“ラルグウィン”に先手を取られ続ける一進一退の戦況は、六畳間の面々としても過去に
類を見ないほどの押されっぷりであったかと。“灰色の騎士”の厄介さを物語っています。

「灰色の曖昧な力」も使う“灰色の騎士”に対し魔法、霊力、科学の総力を結集して挑む
“孝太郎”も善戦止まり。いよいよ挿絵付きで紹介された最悪の強敵にどう再戦に臨むか。
しれっと爆弾発言をした“孝太郎”の覚悟も含めて、その行く末を見届けていく所存です。

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2021年07月08日

『魔女と猟犬2』

カミツキレイニー 先生が贈るダークファンタジー。第2巻はキャンパスフェローを離れ
落ち延びた北の国、そして氷の城に住むという雪の魔女に“ロロ”たちが活路を求めます。
(イラスト:LAM 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094530094


残された“ブラッセリー”たちに告げられる北の国の雪王“ホーリオ”からの厳しい言葉。
「雪の魔女」討伐隊の面々に抱かれる不信感。九使徒の一人“ココルコ”の容赦ない猛攻。
“ロロ”たちが描く思惑の甘さ、置かれた劣勢の厳しさが伝わり、もどかしさが募ります。

“テレサリサ”から教わった魔術師への対処法をもってしても苦戦を強いられる“ロロ”。
彼が共闘を狙う雪の魔女との交渉の中で示した気付きが、序章「灼熱の踊り子」の逸話を
フラッシュバックさせる構成。積もり積もった感情、積年の悲願がより印象深く映ります。

それにしても交渉事の一環としてまさか「サウナでととのう」話をされるとは驚きの一言。
逃走劇のそこかしこで先代の「黒犬」との対比を演出されたり、今回の顛末で思いがけず
依存関係に組み敷かれる“ロロ”の未来はどこへやら。次なる舞台の幕開けを待ちます。

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2021年07月07日

『西野 〜学内カースト最下位にして異能世界最強の少年〜 11』

ぶんころり 先生が贈る学園異能青春ラブコメ。第11巻は金策のためにアイドルを目指す
“松浦”と巻き込まれた“志水”をプロデュースすべく“西野”が真摯に後押しします。
(イラスト:またのんき▼ 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/nishino/322012001004.html


アイドル候補生として“松浦”“志水”をコネでねじ込み、オーディションでも暗躍する
“西野”。彼が頑張るほどに、出来レースであることを知る“太郎助”が板挟みとなって
追い詰められていくのと共に“ローズ”たちも自然と対立構造になっていく構成が面白い。

ますます“西野”のことが気に入らない“鈴木”の辛辣な言葉にも釘を刺す“志水”から
満更でもない様子が見え隠れするのも注目すべき点。“アリス”からの嫌がらせに屈する
ことなく自分を貫く姿勢はカッコイイ、というか随分と武闘派になった感が否めません。

“ガブリエラ”から返答を求められても、“松浦”から見返りを示されても、“アリス”
から内緒の話を持ち掛けられても、「好きな人」への愛に誠実に向き合いたい“西野”が
悲願を達成できるのか。千載一遇、となるかも知れない修学旅行の動向が気になります。

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2021年07月06日

『転生魔王の大誤算3〜有能魔王軍の世界征服最短ルート〜』

あわむら赤光 先生が贈る、"愛する"部下を守る"理想"の魔王の爽快サクセスストーリー。
第3巻は“レヴィ山”の妹に纏わるいざこざに“ケンゴー”たちが巻き込まれていきます。
(イラスト:kakao 先生)

https://ga.sbcr.jp/product/9784815609870/


“レヴィ山”の義妹であり、四大実力者の1人“アザール”に嫁いだ“シトレンシア”。
彼女を骨の髄まで利用する、腹に一物ある彼をそれでも“ケンゴー”のためになるならと
苦しい胸の内を軽薄な言動で覆い隠す“レヴィ山”の忠臣ぶりが随所に光る展開に好感触。

“シトレンシア”が素顔を晒せない理由も、“忌み子”と揶揄された兄に似て心苦しく。
褥を共にすることで救いになるのであれば、と感じてしまう要らぬ同情を“ケンゴー”が
拒んでくれたことで、その後の覚悟を決める局面に繋がってくれるのも救いがある流れで。

四大実力者と七大魔将との雌雄を決する一戦。魔将と呼ばれるにふさわしい実力の数々を、
中でも「嫉妬」の魔将として本領を発揮する“レヴィ山”の活躍を、存分に堪能しました。
新たな名を授かった“シトレンシア”と“ケンゴー”との関係も注目しつつ次を待ちます。

posted by 秋野ソラ at 01:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル