羊太郎 先生が贈る、教官騎士に導かれし王子の英雄譚。第2巻は未だウィルが使えずに
努力と葛藤を続ける“テンコ”に対し、騎士になるための覚悟を“シド”が問いかけます。
(イラスト:遠坂あさぎ 先生)
【 https://fantasiabunko.jp/product/202012fairyknight/322006000828.html 】
天華月国の生き残り。今は“アルヴィン”を護る騎士を目指す“テンコ”。報われない
努力を続ける彼女の姿を師匠として見守る“シド”。彼女の本質を見極めようとするその
厳しくも温かい眼差しが一筋の光明を見い出す展開は「ようやくか」とグッとくるものが。
頑張る“テンコ”が抱える闇に目をつけたのが“アルヴィン”に剥き出しの憎悪を向ける
“エンデア”。あわや闇堕ちかと思わせる流れを“シド”に教示された騎士としての心が
跳ねのける“テンコ”の言動が熱く、対する“エンデア”が見せる闇の深さに慄くばかり。
いま一度“テンコ”の心と向き合うことになる“シド”、そして“アルヴィン”。彼女を
「見限らない」と宣言した師としての覚悟を魅せてくれると共に、仕えられる身としての
甘さを払拭する印象深い結末でした。そこに仕組まれた作為の意図を次巻以降で探ります。