七烏未奏 先生が贈る、失恋男子と幼馴染女子のじれったくて甘くてちょっと切ない恋物語。
第2巻は“悠”が失恋した先輩によく似た少女と出会い、残る想いと改めて向き合います。
(イラスト:うなさか 先生)
【 http://lanove.kodansha.co.jp/books/2021/6/2.html 】
体育祭に纏わるジンクス。試験期間の御守り。七夕の短冊に込めた願い。お見舞いと看病。
“心愛”から受け続ける好意に、“悠”自身も彼女のことを好きなのだと認めかけた刹那、
“玲子”に似た後輩“玲香”が2人の間に割って入る勢いを見せ始めてからが今巻の本番。
「あたしじゃ、その先輩の代わりになれませんか?」“玲香”の言葉を胸に棘として残し、
“心愛”を好きになることが“玲子”を好きでいたことの代用なのではと認識する“悠”。
前に進むため、と言いつつ彼女を泣かせるあたりに彼を攻略する難易度の高さが窺えます。
宮沢賢治が好きな“悠”が、太宰治を好きという“玲子”と自身とを比べて気づいたこと。
彼女が出てくる夢での後押し、“玲香”からの励ましの言葉、そして“心愛”からの脅迫。
「悠の、未来になりたい」と祈る“心愛”が報われることを読者としても願うばかりです。