2021年06月01日

『キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦11』

細音啓 先生が贈る大人気王道ファンタジー。第11巻は“シスベル”の能力を使い再現する
この星の過去から、帝国と皇庁が決別へと至る「世界最悪の日」に纏わる逸話を描きます。
(イラスト:猫鍋蒼 先生

https://fantasiabunko.jp/product/201705kimitoboku/322012001027.html


帝国最深部にある採掘場を出稼ぎの場に選んだ“クロスウェル”。彼が身を寄せた親戚の
双子姉妹“エヴ”と“アリス”。採掘される新エネルギーが体質改善に役立つと期待する
“ユンメルンゲン”。彼らの想いが交じりあうが故に「決別」の物語だと痛切に感じます。

“エヴ”や“アリス”、“クロスウェル”も帝国のために労働に勤しんでいただけなのに。
“ユンメルンゲン”が姿を変容するほど影響を受けたのもあの場に居合わせただけなのに。
全ては星霊の力に未来を歪められた被害者たる各人が対立構造の礎となった所が切なくて。

“ユンメルンゲン”ですら掴みきれなかった帝国と皇庁、共通の敵とも言える存在を前に
人と魔女は手を取りあえるか、それともいがみ合い続けるのか。姉弟水入らずの話し合い、
そして黒づくめの魔女が放つ破滅の言葉の行方を見届けるべく、次巻の刊行を待ちます。

posted by 秋野ソラ at 00:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル