2021年06月09日

『ひげを剃る。そして女子高生を拾う。5』

しめさば 先生が贈るサラリーマンと女子高生の日常ラブコメディ。第5巻は実家へ戻る
“沙優”に同行する“吉田”が、根深い問題を前にして彼女の将来について考え抜きます。
(イラスト:ぶーた 先生)

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「あなたなんて産むんじゃなかった」。“吉田”との共同生活を通じて歩み寄ることを
決めた“沙優”に母親が告げた一言。コップの水をぶちまけることなく冷静に、けれど
彼女のために熱く語る彼の姿に驚かされつつ、真摯で紳士な心根に胸が熱くなりました。

迫る別れの時。高校生活という人生に一度の期間、その六分の一以上を一緒に過ごした
思い出を忘れないように、と体の関係を持とうとする“沙優”の気持ちも分かりますし
子供には興味ないと突っぱねる“吉田”の心境も得心がいきます。最後まで見事な虚勢。

“沙優”のいない日常に、けれどもひげは剃り続ける新しい毎日に戻っていく“吉田”。
彼の行動を羨む“一颯”も望んでいた未来が遠くない時節に訪れるのは推して知るべし。
2人の物語を描き切った しめさば 先生を祝うと共に、次回作を楽しみに待つ次第です。

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2021年06月08日

『魔眼で始める下剋上 魔女とつくる眷属ハーレム』

箕崎准 先生が「スニーカー文庫」から贈る新作は、地下遺跡の最深部に眠るお宝を狙う
最底辺市民の少年が、世界を変える力を巡って数奇な運命を辿るバトルアクションです。
(イラスト:ゆか 先生)

https://sneakerbunko.jp/product/magan/322102000073.html


美少女剣士が持つ宝の地図を盗み取ろうと後を追うが、返り討ちに遭う少年“エイト”。
彼女は王国の第一王女“リリシア”。奴隷になれば罪を見逃す、と言われ渋々従う彼に
「迷宮の宝、王の力を手に入れることが出来るよ」と頭の中に直接声が響いてきて──。

古の魔女“ヴィノス”によってもたらされた人を支配する魔眼の能力。彼女の枯渇した
魔力を補うためにも一番手っ取り早いということで行われる“エイト”たちの愛の営み。
ゆか 先生の挿絵も相まって、エロノベにも引けを取らない悦楽に耽溺する描写満載です。

帝国により没落させられた“リリシア”と“エイト”が共闘して第三皇子“ルーファス”
に挑む構図。彼の良き理解者である“バニラ”の立ち位置。“ヴィノス”を含めた魔女
8人との関わり合い。ペース早めに進行する物語がどこへ向かうのか気になる作品です。

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2021年06月07日

『なんでソープに先生が!?』

サエキヨウスケオルタ 先生の「美少女文庫」デビュー作。宝くじの金で童貞を捨てるべく
風俗店に臨んだ少年がソープ嬢として働くワケあり女性教諭と関係を持つ顛末を描きます。
(イラスト:みな本 先生)

https://www.bishojobunko.jp/c/item/82960021021380000000.html


浴場を提供し出会ったソープ嬢と自由恋愛の末に本番行為に至ることを黙認するソープ店
を探し出した“葉梨”はあぶく銭を手に新人嬢“テイル”を指名する。ふとした気付きで
彼女が担任教師“照羽”と見抜いた彼はそれでも勢いで、何度も快楽に身を任せるが──。

“照羽”が金を必要とする理由づけ。“テイル”として悦楽に耽る側面と“照羽”として
理性的に振舞う側面との葛藤。金で買ったとは言え彼女の深い事情に立ち入っていいのか、
“葉梨”が彼女との関係を考え抜く姿勢と覚悟。人間ドラマの描き具合にも見所アリです。

みな本 先生の挿絵による演出、そして「美少女文庫」編集M氏からの教示の甲斐もあって
互いに求め合う2人の濡れ場、思いがけないサービスシーンの描写も性的興奮を喚起する
に十分な仕上がり。結末もハッピーエンドで丸く収まっていて、良い読了感が味わえます。

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2021年06月04日

『グリモアレファレンス2 貸出延滞はほどほどに』

佐伯庸介 先生が贈る、図書館地下の迷宮を探索する図書隊の活動を描くファンタジー。
第2巻は貸出を依頼された魔導書を求め“尊”たちが六層で待ち受ける敵と対峙します。
(イラスト:花ヶ田 先生)

https://dengekibunko.jp/product/322012000007.html


図書館に本を戻してもらうよう活動する「守砂隊」が、求めている魔導書が見当たらない
という事態に直面する今巻。依頼してきた“紙珠”教授との振舞いも興味深い上に“尊”
との浅からぬ縁も感じさせる描写が気になります。先々のかかわりも期待できる存在です。

今回の依頼を遂行するにあたり“尊”の指示を受ける立場になる“三火”。彼女の言動が
彼に対する異常なまでの執着をより感じさせて、こちらも気になる人物なのは間違いなく。
他にも戦闘シーンで魅せる圧倒的な技量、コンビネーションは見せ場の一つと言えるかと。

猥談などで“尊”たちが男同士の友情も深めつつある様子を楽しく見守る一方、図書館の
地下にある迷宮からの強い敵意を感じた彼が、死中に活を求めるような感情を見せる所も、
それに目をつける「彼」の立ち位置も気になる展開で。続きがどうなるか、楽しみです。

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2021年06月03日

『聖剣学院の魔剣使い7』

志瑞祐 先生が贈る学園ソードファンタジー。第7巻は「聖剣剣舞祭」に参加するために
向かった帝都で“レオニス”たちが渦巻く因縁と思いがけない荒事に真っ向から挑みます。
(イラスト:遠坂あさぎ 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/seikengakuin/322101000737.html


遠坂あさぎ 先生に口絵にてヒロインたちにあんな艶姿を披露させたのもさるごとながら、
“ヴェイラ”にあんな姿や肢体をあらわにさせた 志瑞祐 先生の強い意志に心から賞賛の
言葉をまず贈りたい。“レオニス”には羨望と嫉妬の眼差しを向けるしかないワケですが。

「聖剣剣舞祭」を観戦ところか、特別招待枠で参戦することになった“レオニス”たちが
修行の間に“エルフィーネ”から受けたある告白。彼女の覚悟から「聖剣」を「魔剣」に
変えたいと願う者の思惑を覗かせるのと同時に、「あの人」への警戒感を強く抱かせます。

カジノで“リーセリア”の嫉妬心を受け止める“ヴェイラ”の微笑ましい顛末とは裏腹に、
“レオニス”とバトルを繰り広げるまでの顛末、“リヴァイズ・ディープ・シー”との
対峙、天空城にいた本来の主の登場と、緊張感が高まる展開が続いて次巻も楽しみです。

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