高橋徹 先生が「電撃文庫」に初参戦。クラスでは表情を表情を出さない銀髪碧眼の少女が
ふとした瞬間に見せる笑顔に惹かれた少年。彼の涙ぐましい努力を描く恋模様を描きます。
(イラスト:椎名くろ 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/322102000026.html 】
高校初日の朝、同じクラスに現れた銀髪の少女“楓”。彼女からは覗き魔、パパラッチと
呼ばれ早々に散々な目に遭う“伊織”。彼女の「あんな場面」を偶然見かけただけなのに。
そんな彼女が親友“美鈴”に気を許す笑顔をたまたま見た彼はその意外性に魅了され──。
友人の“湊”や妹の“ひより”からお察しがつけられ、“美鈴”にはガードを掛けられて、
そもそも“楓”との好感度を上げられる雰囲気が感じられない“伊織”がどう切り込むか。
試行錯誤の過程と心情の変化が小気味良く描かれていく構成が読みやすくて、まず好感触。
“コタロー”と微笑ましいやり取り、日々の何気ない経験が“楓”の頑なな心を解す様に
“伊織”のファインプレーぶりを称えずにはいられない。その結果を演出する挿絵も絶妙。
かわいらしさが増していく“楓”を、“美鈴”と共に見守っていきたいと思える作品です。
2021年06月30日
2021年06月29日
『僕の愛したジークフリーデ 第1部 光なき騎士の物語』
松山剛 先生が贈る新作はファンタジー。栄枯盛衰の果てに生き残った魔術師が注目する
両目眼帯の美人剣士。2人の邂逅を通して様々に交錯する運命、悲壮な生き様を描きます。
(イラスト:ファルまろ 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/322103000077.html 】
世界中に散逸する魔術を本に集め、残り1つを埋めるべく旅を続ける魔術師“オットー”。
その旅中で出会ったのが目が見えなくても卓越した剣技を見せる女性“ジークフリーデ”。
「新種の魔術」の片鱗を見た“オットー”は彼女に纏わる血生臭い逸話と直面するが──。
「良い国だ」と師匠より聞いていたリーベルヴァイン、そして女王“ロザリンデ”の変容。
それでも慕う女王を討つ覚悟を示す“ジークフリーデ”に対抗心剥き出しの“イザベラ”。
垣間見える因縁に深まる謎の数々。読み続ける内に惹き込まれていく話運びは流石の一言。
やがて女王が示す狂気の一端に触れてしまう“オットー”が目にする、避けられない戦い。
「百合殺し愛」とはよく言ったもので“ジークフリーデ”が披露する圧倒的な力、そして
忠誠心には驚愕するしかありません。続く「第2部」の展開が気になる要注目な作品です。
両目眼帯の美人剣士。2人の邂逅を通して様々に交錯する運命、悲壮な生き様を描きます。
(イラスト:ファルまろ 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/322103000077.html 】
世界中に散逸する魔術を本に集め、残り1つを埋めるべく旅を続ける魔術師“オットー”。
その旅中で出会ったのが目が見えなくても卓越した剣技を見せる女性“ジークフリーデ”。
「新種の魔術」の片鱗を見た“オットー”は彼女に纏わる血生臭い逸話と直面するが──。
「良い国だ」と師匠より聞いていたリーベルヴァイン、そして女王“ロザリンデ”の変容。
それでも慕う女王を討つ覚悟を示す“ジークフリーデ”に対抗心剥き出しの“イザベラ”。
垣間見える因縁に深まる謎の数々。読み続ける内に惹き込まれていく話運びは流石の一言。
やがて女王が示す狂気の一端に触れてしまう“オットー”が目にする、避けられない戦い。
「百合殺し愛」とはよく言ったもので“ジークフリーデ”が披露する圧倒的な力、そして
忠誠心には驚愕するしかありません。続く「第2部」の展開が気になる要注目な作品です。
2021年06月28日
『古き掟の魔法騎士II』
羊太郎 先生が贈る、教官騎士に導かれし王子の英雄譚。第2巻は未だウィルが使えずに
努力と葛藤を続ける“テンコ”に対し、騎士になるための覚悟を“シド”が問いかけます。
(イラスト:遠坂あさぎ 先生)
【 https://fantasiabunko.jp/product/202012fairyknight/322006000828.html 】
天華月国の生き残り。今は“アルヴィン”を護る騎士を目指す“テンコ”。報われない
努力を続ける彼女の姿を師匠として見守る“シド”。彼女の本質を見極めようとするその
厳しくも温かい眼差しが一筋の光明を見い出す展開は「ようやくか」とグッとくるものが。
頑張る“テンコ”が抱える闇に目をつけたのが“アルヴィン”に剥き出しの憎悪を向ける
“エンデア”。あわや闇堕ちかと思わせる流れを“シド”に教示された騎士としての心が
跳ねのける“テンコ”の言動が熱く、対する“エンデア”が見せる闇の深さに慄くばかり。
いま一度“テンコ”の心と向き合うことになる“シド”、そして“アルヴィン”。彼女を
「見限らない」と宣言した師としての覚悟を魅せてくれると共に、仕えられる身としての
甘さを払拭する印象深い結末でした。そこに仕組まれた作為の意図を次巻以降で探ります。
努力と葛藤を続ける“テンコ”に対し、騎士になるための覚悟を“シド”が問いかけます。
(イラスト:遠坂あさぎ 先生)
【 https://fantasiabunko.jp/product/202012fairyknight/322006000828.html 】
天華月国の生き残り。今は“アルヴィン”を護る騎士を目指す“テンコ”。報われない
努力を続ける彼女の姿を師匠として見守る“シド”。彼女の本質を見極めようとするその
厳しくも温かい眼差しが一筋の光明を見い出す展開は「ようやくか」とグッとくるものが。
頑張る“テンコ”が抱える闇に目をつけたのが“アルヴィン”に剥き出しの憎悪を向ける
“エンデア”。あわや闇堕ちかと思わせる流れを“シド”に教示された騎士としての心が
跳ねのける“テンコ”の言動が熱く、対する“エンデア”が見せる闇の深さに慄くばかり。
いま一度“テンコ”の心と向き合うことになる“シド”、そして“アルヴィン”。彼女を
「見限らない」と宣言した師としての覚悟を魅せてくれると共に、仕えられる身としての
甘さを払拭する印象深い結末でした。そこに仕組まれた作為の意図を次巻以降で探ります。
2021年06月25日
『おいしいベランダ。 午前10時はあなたとブランチ』
竹岡葉月 先生が贈る大好評・園芸ライフラブストーリー。第10巻は神戸での新婚生活を
始めた“葉二”と“まもり”が、これまでとこれからの縁を繋いでいく顛末を描きます。
(イラスト:おかざきおか 先生)
【 https://lbunko.kadokawa.co.jp/product/oishiiberanda/322005000607.html 】
“葉二”と“まもり”が結婚式の準備をする状況を見て、ふと自分のことを思い出したり。
参加人数とか、直前で荒天に見舞われたとか、新郎より新婦のほうがやること多くてとか。
彼にあんな顔をさせるサプライズ要素はなかったですが、懐かしくも温かい感情が沸々と。
“まもり”の就職先で見舞われるトラブルも持ち前の性格ですとか家庭菜園が解決の鍵を
握る展開で、社会人として人との繋がり方を考えさせられる興味深い内容でもありました。
そして何より、新天地でも家庭菜園を楽しんでいる2人の姿が微笑ましくて、まぶしくて。
今日も、明日も、その先も。おいしいベランダと共に歩む“葉二”と“まもり”に幸あれ。
ということで 竹岡 先生、まずは本編完結おめでとうございます。サブタイトルの捻出に
苦心された点も含めお疲れさまでした。残る番外編の刊行を心より楽しみにしておきます。
始めた“葉二”と“まもり”が、これまでとこれからの縁を繋いでいく顛末を描きます。
(イラスト:おかざきおか 先生)
【 https://lbunko.kadokawa.co.jp/product/oishiiberanda/322005000607.html 】
“葉二”と“まもり”が結婚式の準備をする状況を見て、ふと自分のことを思い出したり。
参加人数とか、直前で荒天に見舞われたとか、新郎より新婦のほうがやること多くてとか。
彼にあんな顔をさせるサプライズ要素はなかったですが、懐かしくも温かい感情が沸々と。
“まもり”の就職先で見舞われるトラブルも持ち前の性格ですとか家庭菜園が解決の鍵を
握る展開で、社会人として人との繋がり方を考えさせられる興味深い内容でもありました。
そして何より、新天地でも家庭菜園を楽しんでいる2人の姿が微笑ましくて、まぶしくて。
今日も、明日も、その先も。おいしいベランダと共に歩む“葉二”と“まもり”に幸あれ。
ということで 竹岡 先生、まずは本編完結おめでとうございます。サブタイトルの捻出に
苦心された点も含めお疲れさまでした。残る番外編の刊行を心より楽しみにしておきます。
2021年06月24日
『董白伝 〜魔王令嬢から始める三国志〜4』
伊崎喬助 先生が贈る打擲幼女の覇道ファンタジー。第4巻は拉致された“董白”が南の
“袁術”らが息巻く「長江同盟」を切り崩すべく新たな邂逅、因縁の再会に見舞われます。
(イラスト:カンザリン 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094530100 】
玉璽を持つ器ではない“袁術”、そして「長江同盟」に利用される“孫堅”。彼を救う
ため“董白”へ白羽の矢を立てたのが娘の“孫尚香”。まさかの「無表情ロリ」キャラ。
いきなり友だちぶる出会いから、真の友情を築いていく様子が面白く、そして微笑ましい。
樊城攻めに協力する“董白”、そして“馬超”“趙雲”が再び対峙する形になる“呂布”。
彼女に仕える身としては犬猿の仲である2人が協力関係を培う過程、その結末も見どころ。
“董白”が場所を転々とするだけに、地図で位置情報を補足してくれるのは助かります。
“董白”不在の中、足を掬おうとする“王允”に釘を刺すあの人物。何かと介入してくる
“劉備”陣営。渦中に送り込んだ“曹操”からの3つの注文を忠実に遂行する“典韋”。
騒動の種が尽きない乱世をどう生き抜くのか、各々の動向にも注目しつつ次巻を待ちます。
“袁術”らが息巻く「長江同盟」を切り崩すべく新たな邂逅、因縁の再会に見舞われます。
(イラスト:カンザリン 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094530100 】
玉璽を持つ器ではない“袁術”、そして「長江同盟」に利用される“孫堅”。彼を救う
ため“董白”へ白羽の矢を立てたのが娘の“孫尚香”。まさかの「無表情ロリ」キャラ。
いきなり友だちぶる出会いから、真の友情を築いていく様子が面白く、そして微笑ましい。
樊城攻めに協力する“董白”、そして“馬超”“趙雲”が再び対峙する形になる“呂布”。
彼女に仕える身としては犬猿の仲である2人が協力関係を培う過程、その結末も見どころ。
“董白”が場所を転々とするだけに、地図で位置情報を補足してくれるのは助かります。
“董白”不在の中、足を掬おうとする“王允”に釘を刺すあの人物。何かと介入してくる
“劉備”陣営。渦中に送り込んだ“曹操”からの3つの注文を忠実に遂行する“典韋”。
騒動の種が尽きない乱世をどう生き抜くのか、各々の動向にも注目しつつ次巻を待ちます。