2021年06月30日

『ひだまりで彼女はたまに笑う。』

高橋徹 先生が「電撃文庫」に初参戦。クラスでは表情を表情を出さない銀髪碧眼の少女が
ふとした瞬間に見せる笑顔に惹かれた少年。彼の涙ぐましい努力を描く恋模様を描きます。
(イラスト:椎名くろ 先生)

https://dengekibunko.jp/product/322102000026.html


高校初日の朝、同じクラスに現れた銀髪の少女“楓”。彼女からは覗き魔、パパラッチと
呼ばれ早々に散々な目に遭う“伊織”。彼女の「あんな場面」を偶然見かけただけなのに。
そんな彼女が親友“美鈴”に気を許す笑顔をたまたま見た彼はその意外性に魅了され──。

友人の“湊”や妹の“ひより”からお察しがつけられ、“美鈴”にはガードを掛けられて、
そもそも“楓”との好感度を上げられる雰囲気が感じられない“伊織”がどう切り込むか。
試行錯誤の過程と心情の変化が小気味良く描かれていく構成が読みやすくて、まず好感触。

“コタロー”と微笑ましいやり取り、日々の何気ない経験が“楓”の頑なな心を解す様に
“伊織”のファインプレーぶりを称えずにはいられない。その結果を演出する挿絵も絶妙。
かわいらしさが増していく“楓”を、“美鈴”と共に見守っていきたいと思える作品です。

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2021年06月29日

『僕の愛したジークフリーデ 第1部 光なき騎士の物語』

松山剛 先生が贈る新作はファンタジー。栄枯盛衰の果てに生き残った魔術師が注目する
両目眼帯の美人剣士。2人の邂逅を通して様々に交錯する運命、悲壮な生き様を描きます。
(イラスト:ファルまろ 先生)

https://dengekibunko.jp/product/322103000077.html


世界中に散逸する魔術を本に集め、残り1つを埋めるべく旅を続ける魔術師“オットー”。
その旅中で出会ったのが目が見えなくても卓越した剣技を見せる女性“ジークフリーデ”。
「新種の魔術」の片鱗を見た“オットー”は彼女に纏わる血生臭い逸話と直面するが──。

「良い国だ」と師匠より聞いていたリーベルヴァイン、そして女王“ロザリンデ”の変容。
それでも慕う女王を討つ覚悟を示す“ジークフリーデ”に対抗心剥き出しの“イザベラ”。
垣間見える因縁に深まる謎の数々。読み続ける内に惹き込まれていく話運びは流石の一言。

やがて女王が示す狂気の一端に触れてしまう“オットー”が目にする、避けられない戦い。
「百合殺し愛」とはよく言ったもので“ジークフリーデ”が披露する圧倒的な力、そして
忠誠心には驚愕するしかありません。続く「第2部」の展開が気になる要注目な作品です。

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2021年06月28日

『古き掟の魔法騎士II』

羊太郎 先生が贈る、教官騎士に導かれし王子の英雄譚。第2巻は未だウィルが使えずに
努力と葛藤を続ける“テンコ”に対し、騎士になるための覚悟を“シド”が問いかけます。
(イラスト:遠坂あさぎ 先生)

https://fantasiabunko.jp/product/202012fairyknight/322006000828.html


天華月国の生き残り。今は“アルヴィン”を護る騎士を目指す“テンコ”。報われない
努力を続ける彼女の姿を師匠として見守る“シド”。彼女の本質を見極めようとするその
厳しくも温かい眼差しが一筋の光明を見い出す展開は「ようやくか」とグッとくるものが。

頑張る“テンコ”が抱える闇に目をつけたのが“アルヴィン”に剥き出しの憎悪を向ける
“エンデア”。あわや闇堕ちかと思わせる流れを“シド”に教示された騎士としての心が
跳ねのける“テンコ”の言動が熱く、対する“エンデア”が見せる闇の深さに慄くばかり。

いま一度“テンコ”の心と向き合うことになる“シド”、そして“アルヴィン”。彼女を
「見限らない」と宣言した師としての覚悟を魅せてくれると共に、仕えられる身としての
甘さを払拭する印象深い結末でした。そこに仕組まれた作為の意図を次巻以降で探ります。

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2021年06月25日

『おいしいベランダ。 午前10時はあなたとブランチ』

竹岡葉月 先生が贈る大好評・園芸ライフラブストーリー。第10巻は神戸での新婚生活を
始めた“葉二”と“まもり”が、これまでとこれからの縁を繋いでいく顛末を描きます。
(イラスト:おかざきおか 先生)

https://lbunko.kadokawa.co.jp/product/oishiiberanda/322005000607.html


“葉二”と“まもり”が結婚式の準備をする状況を見て、ふと自分のことを思い出したり。
参加人数とか、直前で荒天に見舞われたとか、新郎より新婦のほうがやること多くてとか。
彼にあんな顔をさせるサプライズ要素はなかったですが、懐かしくも温かい感情が沸々と。

“まもり”の就職先で見舞われるトラブルも持ち前の性格ですとか家庭菜園が解決の鍵を
握る展開で、社会人として人との繋がり方を考えさせられる興味深い内容でもありました。
そして何より、新天地でも家庭菜園を楽しんでいる2人の姿が微笑ましくて、まぶしくて。

今日も、明日も、その先も。おいしいベランダと共に歩む“葉二”と“まもり”に幸あれ。
ということで 竹岡 先生、まずは本編完結おめでとうございます。サブタイトルの捻出に
苦心された点も含めお疲れさまでした。残る番外編の刊行を心より楽しみにしておきます。

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2021年06月24日

『董白伝 〜魔王令嬢から始める三国志〜4』

伊崎喬助 先生が贈る打擲幼女の覇道ファンタジー。第4巻は拉致された“董白”が南の
“袁術”らが息巻く「長江同盟」を切り崩すべく新たな邂逅、因縁の再会に見舞われます。
(イラスト:カンザリン 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094530100


玉璽を持つ器ではない“袁術”、そして「長江同盟」に利用される“孫堅”。彼を救う
ため“董白”へ白羽の矢を立てたのが娘の“孫尚香”。まさかの「無表情ロリ」キャラ。
いきなり友だちぶる出会いから、真の友情を築いていく様子が面白く、そして微笑ましい。

樊城攻めに協力する“董白”、そして“馬超”“趙雲”が再び対峙する形になる“呂布”。
彼女に仕える身としては犬猿の仲である2人が協力関係を培う過程、その結末も見どころ。
“董白”が場所を転々とするだけに、地図で位置情報を補足してくれるのは助かります。

“董白”不在の中、足を掬おうとする“王允”に釘を刺すあの人物。何かと介入してくる
“劉備”陣営。渦中に送り込んだ“曹操”からの3つの注文を忠実に遂行する“典韋”。
騒動の種が尽きない乱世をどう生き抜くのか、各々の動向にも注目しつつ次巻を待ちます。

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2021年06月23日

『ソードアート・オンライン プログレッシブ8』

アインクラッドを第一層から攻略する過程を描く、川原礫 先生によるもう一つの「SAO」。
第8巻はコルロイ家の不正を暴くため“キリト”たちが第七層で奔走する顛末を描きます。
(イラスト:abec 先生)
https://dengekibunko.jp/product/sao/322102000017.html


“アルゴ”が背伸びをしてもレバーに届かない場面で妹と同じ対応をしちゃう“キリト”。
彼の迂闊さと慌てふためく彼女との対比が、本編での日常を想起させて微笑ましく思う所。
“アスナ”ともドレスコードによるギャップを楽しんでいたようで羨ましい限りのお二人。

掟を利用して、“バーダン”から厩舎を緊急査察する一時的な権利を得た“ニルーニル”。
一気に事態好転か、と思いきやそれすらも彼の仕掛けた罠、思惑通りというのには驚きで。
カジノ、ボス戦、「ALS」や「DKB」といった様々な要素が対策に繋がる過程は流石の展開。

ボス戦の無茶振り感もさることながら、緊急とはいえアレをやらせてしまった“キリト”。
本編とのつながりは大丈夫なのか、と思わず心配してしまう結末。“キズメル”の悲願を
果たすための尾行作戦の行方。残された課題も引き続き描かれることを期待する次第です。

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2021年06月22日

『ホヅミ先生と茉莉くんと。 Day.2 コミカライズはポンコツ日和』

葉月文 先生が贈る、拗らせ作家×世話焼きJKの青春リライトラブコメ。第2巻は自著の
コミカライズ決定と共に想定外の悩みを抱えることになる“ホヅミ”の顛末を描きます。
(イラスト:DSマイル 先生)

https://dengekibunko.jp/product/hodumikun/322102000025.html


“双夜”の祝辞を聞いて、まるで我が事のように嬉し涙を流す“茉莉”が何とも健気で。
祝い事を踏まえて更に発破をかける“ウミ”にも彼女なりの気遣いが感じられて実に良い。
当の“ホヅミ”が合間合間で妄想に耽っていたりするのは神経が細いのか、図太いのか。

メディアミックスとは「作品が作者の手を離れることに対してどれだけ許容できるか」と
言われたりもするワケですが、今回コミカライズを担当する“ハレルヤ”が作品への愛が
あるだけに“POP☆コーン”と衝突することになるのは意外でもあり、複雑でもあり。

“ホヅミ”が掛けた七夕の願い事。それは“茉莉”が彼に懸ける期待そのものでもあって。
言質を取って、取られての先に皆の泣き腫らした顔を笑顔に変える彼の屁理屈はお見事。
共に居る毎日を、永遠ではない日常を、迎える夏はどう演出するか。興味深く見守ります。

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2021年06月21日

『幼なじみが絶対に負けないラブコメ8』

TVアニメが放映中となる、二丸修一 先生が贈る大人気ヒロインレース。第8巻は“黒羽”
“白草”“真理愛”と距離を置くと決めた“末晴”が「誠実」とは何かを考え続けます。
(イラスト:しぐれうい 先生)

https://dengekibunko.jp/product/osamake/322012000015.html
https://osamake.com/


3人から好意を抱かれていて、3人に惹かれている。けれども未だに選べない“末晴”。
3人と対等であるために置く距離。その裏側に潜む、愛想を尽かされたくない彼の心情。
“黒羽”との「おさかの」すら捨てて悩む彼の姿は振り出しに戻ったかのようでつらい。

“白草”たちも戸惑いを隠せない中、負けないため“黒羽”が講じた「3人同時に振る」
というドッキリ企画。伸るか反るかでの駆け引きもさることながら、実際やりきった感
たるや。“末晴”もある程度は吹っ切れた様子で何よりですが、微々たる進捗でもあり。

そんなヒロインレースの裏側で、“哲彦”が“マリン”との腐れ縁ぶりに翻弄されたり、
“玲菜”にそれとなくお節介を焼いてみたり、“阿部”に終始やられっぱなしだったり
する様子にもご注目。血気盛んな少年少女に水を差す大人たちの影も気になる局面です。

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2021年06月18日

『隣のクーデレラを甘やかしたら、ウチの合鍵を渡すことになった2』

雪仁 先生が贈る、クールな留学生と主夫系男子の甘々×異文化交流ラブコメ。第2巻は
いつしか気が置けない仲になったお隣さん“夏臣”との関係を“ユイ”が見つめ直します。
(イラスト:かがちさく 先生)

https://dengekibunko.jp/product/322101000093.html


結婚式場の手伝いをすることで見惚れる姿を互いに見ることができた“ユイ”と“夏臣”。
料理を一緒に作ったり、部屋の中でハプニングに遭遇したり、教室で隙を見せちゃったり。
“夏臣”と一緒に変わっていくことが出来ている“ユイ”の姿が垣間見れて実に感慨深い。

そんな変化の一つの区切りとなる衣替え。そこで「お揃いのブレスレット」を外すことを
拒んだ“ユイ”から“夏臣”との繋がりを大切にしたい心情がひしひしと伝わってきます。
自分に素直になるきっかけとなる“湊”とのやりとり、貰った言葉も注目しておきたい所。

そして迎える花火大会。こそばゆい場面を見せつけられて「ごちそうさま」感を味わう中、
来年もまた一緒に花火を見ようと約束する、その意味を噛みしめる“ユイ”と“夏臣”が
恋に落ちるのは何の違和感もなく。更に追い打ちをかける夏のイベント、目が離せません。

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2021年06月17日

『男女の友情は成立する?(いや、しないっ!!) Flag 2. じゃあ、ほんとにアタシと付き合っちゃう?』

七菜なな 先生が贈る青春〈友情〉ラブコメディ。第2巻は“悠宇”と“日葵”が恋心を
認識し始めた所でフラワーアクセサリーの店を開く夢と改めて向き合う事態に直面します。
(イラスト:Parum 先生)

https://dengekibunko.jp/product/danjoru/322012000013.html


“真木島”にフォローされたとは言え“日葵”と張り合う様子を見せる“榎本”の前向き、
というかプラス思考に歯止めが掛からない言動がある意味、空恐ろしくもあり。それでも
運命共同体としての自負を持って“悠宇”と接する“日葵”の立ち位置は難しくもあり。

そんな中「you」=“悠宇”として身バレしたことから有名になる一方で、いらぬ文句を
受けたことで「自分は何のためにフラワーアクセサリーを作るのか」「好きな人を想う
美しい気持ち」の何たるかに気付く、その内容が意外ながらも彼らしくて驚かされます。

“日葵”に対する“雲雀”の指摘というか指導が相変わらず正鵠を射る内容で“悠宇”の
感情が実を結ぶことになる日もそう遠くはないのかな・・・などと予感させた場面で彼女の
過去の過ちを清算する時が先に到来しそう。“真木島”の謀も続きそうで先が楽しみです。

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2021年06月16日

『隣のクーデレラを甘やかしたら、ウチの合鍵を渡すことになった』

シナリオライターとしても活躍を続ける 雪仁 先生が「電撃文庫」から贈るデビュー作。
お隣さんで世間知らずの留学生少女を手助けする少年が信頼されていく過程を描きます。
(イラスト:かがちさく 先生)

https://dengekibunko.jp/product/322005000029.html


特待生として高校へ進学し一人暮らしをする“夏臣”。彼の隣室、そしてクラスへと転入
してきた留学生の“ユイ”は美少女だが中々喋らないことから「クーデレラ」と評される。
そんな彼女を助けたり、褒めたりすると見せる優しい笑顔に彼は微笑ましさを感じて──。

日頃のお礼にクッキーを作ってみたり、携帯電話で連絡先を最初に交換したり、友だちの
証として名前で呼び合ったり。何かと世話を焼いてくれる“夏臣”に対してだけ少しずつ
心絆されていく“ユイ”が、その雰囲気の変遷にも表れていて可愛らしいことこの上ない。

そんな微笑ましい状況も“ユイ”の姉が訪れることで一気に緊張感を帯びてきます。なぜ
彼女は一人で日本に来たのか、なぜ人前であの美しい歌声を披露しないのか。新天地にて
変わろうと決意した彼女の背景も描かれているのは好感が持てます。続きに興味深々です。

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2021年06月15日

『男女の友情は成立する?(いや、しないっ!!) Flag 1. じゃあ、30になっても独身だったらアタシにしときなよ?』

発売後に即大重版が決まった 七菜なな 先生の青春〈友情〉ラブコメディ。夢に一直線の
男子と親友の仲でいることを誓った女子が「男女の友情」という永遠の命題に挑みます。
(イラスト:Parum 先生)

https://dengekibunko.jp/product/danjoru/322005000019.html


モテすぎて初恋が未経験の“日葵”。フラワーアクセサリー作りに余念がない“悠宇”。
彼女があるきっかけで彼のアクセサリー販売を手伝ったことから運命を、「友情に落ちた」
瞬間を味わう。ずっと親友のまま過ごすと思った高校2年の春、互いに転機を迎える──。

「男女の友情は成立する?」「するでしょ」と余裕を見せる“日葵”が、あの日の黒髪の
少女“榎本”の登場で“悠宇”との関係を「うぬぼれていた」と思い返す過程が興味深い。
彼女の兄と交わした「一生のお願い」が思いがけず物語の鍵を握る展開も見逃せない点で。

対する“悠宇”も“榎本”と張り合う“日葵”の姿を、そしてまさかの切り札を使う所を
目にして彼女に抱く感情をアクセサリーで、そして花言葉で整理しようとするあたりに
彼なりの気概を感じます。2人が親友という関係からどう幸せを掴むのか、要注目です。

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2021年06月14日

『キミの青春、私のキスはいらないの?』

うさぎやすぽん 先生が「電撃文庫」から贈る新作は、医師を目指す完璧主義者の男子が
「誰とでもキスする」と噂される女子との交流を通じて青春を拗らせていくラブコメです。
(イラスト:あまな 先生)

https://dengekibunko.jp/product/322009000003.html


「高校生で、キスしたことないなんて病気じゃない?」バズったツイートを見て動揺する
“光太郎”。それでも恋愛は無駄なものと嘯く彼に、そんな無駄なものを楽しませるべく
勝負を挑む“日野”が現れる。男性経験が豊富と噂される彼女が付きまとう理由とは──。

ドラマ『キスキュン』に沸く教室の雰囲気を嫌がっていた“光太郎”が“日野”を見返す
ためにキスをする方法を模索し、いつしかデートの参考としてそのドラマに影響されたり。
振り回される彼が滑稽に映る展開は、壊れたギターで曲を披露した彼女の姿で一変します。

幼い頃の失恋を引きずって、ストーカーとして逃げ続けて、完璧だと虚勢を張り続けて。
青春という奇病に冒されたと認める“光太郎”たちが、生きることを無意味と諦観する
“日野”を戒める場面は印象深く、先生だからこそ描ける青春の拗らせ具合が抜群です。

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2021年06月11日

『失業賢者の成り上がり 〜嫌われた才能は世界最強でした〜』

三河ごーすと 先生が原作を務める累計25万部突破の人気漫画シリーズを自らノベライズ。
賢者の天啓を受け、死霊術の才能に恵まれた少年が挫折と逆転人生を辿る顛末を描きます。
(イラスト:ごくげつ 先生 キャラクター原案:おおみね 先生)

http://dash.shueisha.co.jp/bookDetail/index/978-4-08-631423-7


儀式を経て人々に適切な才能と職業を刻印として与えられる世界。特に優れた刻印を持つ
“カルナ”は輝かしい未来が約束されていたはずなのに、今や世間から爪弾きにされる身。
彼の人生にケチが付いたすべての始まりは、あの勇者パーティに雇われてからだった──。

“カルナ”を引き立て役とするためだけに雇った勇者“ノリス”及びお付きの美女2名の
下衆っぷりがすでに悪役レベル。後で“カルナ”に復讐を遂げられても情状酌量の余地が
ないくらいで、むしろ勇者を生かして帰すほどに優しい彼の善良なる気概が際立つばかり。

そんな“カルナ”が持つ能力の稀有さ、未知なる可能性に目をつけた魔王“セシリア”が
一枚岩ではない魔王軍にどう干渉していくか、無双する彼の秘密もさることながら勇者を
倒された人族は大丈夫なのか、など気にしつつ次巻でどう魅せてくるか注視したい所です。

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2021年06月10日

『失恋後、険悪だった幼なじみが砂糖菓子みたいに甘い2 〜七夕のち幻影〜』

七烏未奏 先生が贈る、失恋男子と幼馴染女子のじれったくて甘くてちょっと切ない恋物語。
第2巻は“悠”が失恋した先輩によく似た少女と出会い、残る想いと改めて向き合います。
(イラスト:うなさか 先生)

http://lanove.kodansha.co.jp/books/2021/6/2.html


体育祭に纏わるジンクス。試験期間の御守り。七夕の短冊に込めた願い。お見舞いと看病。
“心愛”から受け続ける好意に、“悠”自身も彼女のことを好きなのだと認めかけた刹那、
“玲子”に似た後輩“玲香”が2人の間に割って入る勢いを見せ始めてからが今巻の本番。

「あたしじゃ、その先輩の代わりになれませんか?」“玲香”の言葉を胸に棘として残し、
“心愛”を好きになることが“玲子”を好きでいたことの代用なのではと認識する“悠”。
前に進むため、と言いつつ彼女を泣かせるあたりに彼を攻略する難易度の高さが窺えます。

宮沢賢治が好きな“悠”が、太宰治を好きという“玲子”と自身とを比べて気づいたこと。
彼女が出てくる夢での後押し、“玲香”からの励ましの言葉、そして“心愛”からの脅迫。
「悠の、未来になりたい」と祈る“心愛”が報われることを読者としても願うばかりです。

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2021年06月09日

『ひげを剃る。そして女子高生を拾う。5』

しめさば 先生が贈るサラリーマンと女子高生の日常ラブコメディ。第5巻は実家へ戻る
“沙優”に同行する“吉田”が、根深い問題を前にして彼女の将来について考え抜きます。
(イラスト:ぶーた 先生)

https://sneakerbunko.jp/product/higewosoru/321901000559.html


「あなたなんて産むんじゃなかった」。“吉田”との共同生活を通じて歩み寄ることを
決めた“沙優”に母親が告げた一言。コップの水をぶちまけることなく冷静に、けれど
彼女のために熱く語る彼の姿に驚かされつつ、真摯で紳士な心根に胸が熱くなりました。

迫る別れの時。高校生活という人生に一度の期間、その六分の一以上を一緒に過ごした
思い出を忘れないように、と体の関係を持とうとする“沙優”の気持ちも分かりますし
子供には興味ないと突っぱねる“吉田”の心境も得心がいきます。最後まで見事な虚勢。

“沙優”のいない日常に、けれどもひげは剃り続ける新しい毎日に戻っていく“吉田”。
彼の行動を羨む“一颯”も望んでいた未来が遠くない時節に訪れるのは推して知るべし。
2人の物語を描き切った しめさば 先生を祝うと共に、次回作を楽しみに待つ次第です。

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2021年06月08日

『魔眼で始める下剋上 魔女とつくる眷属ハーレム』

箕崎准 先生が「スニーカー文庫」から贈る新作は、地下遺跡の最深部に眠るお宝を狙う
最底辺市民の少年が、世界を変える力を巡って数奇な運命を辿るバトルアクションです。
(イラスト:ゆか 先生)

https://sneakerbunko.jp/product/magan/322102000073.html


美少女剣士が持つ宝の地図を盗み取ろうと後を追うが、返り討ちに遭う少年“エイト”。
彼女は王国の第一王女“リリシア”。奴隷になれば罪を見逃す、と言われ渋々従う彼に
「迷宮の宝、王の力を手に入れることが出来るよ」と頭の中に直接声が響いてきて──。

古の魔女“ヴィノス”によってもたらされた人を支配する魔眼の能力。彼女の枯渇した
魔力を補うためにも一番手っ取り早いということで行われる“エイト”たちの愛の営み。
ゆか 先生の挿絵も相まって、エロノベにも引けを取らない悦楽に耽溺する描写満載です。

帝国により没落させられた“リリシア”と“エイト”が共闘して第三皇子“ルーファス”
に挑む構図。彼の良き理解者である“バニラ”の立ち位置。“ヴィノス”を含めた魔女
8人との関わり合い。ペース早めに進行する物語がどこへ向かうのか気になる作品です。

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2021年06月07日

『なんでソープに先生が!?』

サエキヨウスケオルタ 先生の「美少女文庫」デビュー作。宝くじの金で童貞を捨てるべく
風俗店に臨んだ少年がソープ嬢として働くワケあり女性教諭と関係を持つ顛末を描きます。
(イラスト:みな本 先生)

https://www.bishojobunko.jp/c/item/82960021021380000000.html


浴場を提供し出会ったソープ嬢と自由恋愛の末に本番行為に至ることを黙認するソープ店
を探し出した“葉梨”はあぶく銭を手に新人嬢“テイル”を指名する。ふとした気付きで
彼女が担任教師“照羽”と見抜いた彼はそれでも勢いで、何度も快楽に身を任せるが──。

“照羽”が金を必要とする理由づけ。“テイル”として悦楽に耽る側面と“照羽”として
理性的に振舞う側面との葛藤。金で買ったとは言え彼女の深い事情に立ち入っていいのか、
“葉梨”が彼女との関係を考え抜く姿勢と覚悟。人間ドラマの描き具合にも見所アリです。

みな本 先生の挿絵による演出、そして「美少女文庫」編集M氏からの教示の甲斐もあって
互いに求め合う2人の濡れ場、思いがけないサービスシーンの描写も性的興奮を喚起する
に十分な仕上がり。結末もハッピーエンドで丸く収まっていて、良い読了感が味わえます。

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2021年06月04日

『グリモアレファレンス2 貸出延滞はほどほどに』

佐伯庸介 先生が贈る、図書館地下の迷宮を探索する図書隊の活動を描くファンタジー。
第2巻は貸出を依頼された魔導書を求め“尊”たちが六層で待ち受ける敵と対峙します。
(イラスト:花ヶ田 先生)

https://dengekibunko.jp/product/322012000007.html


図書館に本を戻してもらうよう活動する「守砂隊」が、求めている魔導書が見当たらない
という事態に直面する今巻。依頼してきた“紙珠”教授との振舞いも興味深い上に“尊”
との浅からぬ縁も感じさせる描写が気になります。先々のかかわりも期待できる存在です。

今回の依頼を遂行するにあたり“尊”の指示を受ける立場になる“三火”。彼女の言動が
彼に対する異常なまでの執着をより感じさせて、こちらも気になる人物なのは間違いなく。
他にも戦闘シーンで魅せる圧倒的な技量、コンビネーションは見せ場の一つと言えるかと。

猥談などで“尊”たちが男同士の友情も深めつつある様子を楽しく見守る一方、図書館の
地下にある迷宮からの強い敵意を感じた彼が、死中に活を求めるような感情を見せる所も、
それに目をつける「彼」の立ち位置も気になる展開で。続きがどうなるか、楽しみです。

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2021年06月03日

『聖剣学院の魔剣使い7』

志瑞祐 先生が贈る学園ソードファンタジー。第7巻は「聖剣剣舞祭」に参加するために
向かった帝都で“レオニス”たちが渦巻く因縁と思いがけない荒事に真っ向から挑みます。
(イラスト:遠坂あさぎ 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/seikengakuin/322101000737.html


遠坂あさぎ 先生に口絵にてヒロインたちにあんな艶姿を披露させたのもさるごとながら、
“ヴェイラ”にあんな姿や肢体をあらわにさせた 志瑞祐 先生の強い意志に心から賞賛の
言葉をまず贈りたい。“レオニス”には羨望と嫉妬の眼差しを向けるしかないワケですが。

「聖剣剣舞祭」を観戦ところか、特別招待枠で参戦することになった“レオニス”たちが
修行の間に“エルフィーネ”から受けたある告白。彼女の覚悟から「聖剣」を「魔剣」に
変えたいと願う者の思惑を覗かせるのと同時に、「あの人」への警戒感を強く抱かせます。

カジノで“リーセリア”の嫉妬心を受け止める“ヴェイラ”の微笑ましい顛末とは裏腹に、
“レオニス”とバトルを繰り広げるまでの顛末、“リヴァイズ・ディープ・シー”との
対峙、天空城にいた本来の主の登場と、緊張感が高まる展開が続いて次巻も楽しみです。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル