2021年05月31日

『神は遊戯に飢えている。2』

細音啓 先生が贈る、人類VS神々の至高のファンタジー頭脳戦。第2巻は“フェイ”たちが
ワールドゲームツアーの遠征に乗り出し、新たな敵との勝負、そして神の遊戯に臨みます。
(イラスト:智瀬といろ 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/kami_to_game/322012001005.html


「俺のチームに来い!」と“フェイ”を勧誘したかと思えば親善試合で真っ向勝負を挑む
“ダークス”。似た者同士な2人が戦う結末を見届ける“ネル”の気概をどう汲み取るか。
やり方はどうあれ、その扱いも相手を気遣う点が見て取れて興味深いものを魅せてきます。

“フェイ”と“レーシェ”が組む、という鉄板を続けたら“パール”が育ってくれないと
配慮する所も見逃せません。“ミランダ”に焚きつけられた“レーシェ”に嫉妬されたり
思わず同情したくなる苦労人気質も見えておりますが引き続き頑張っていただきたいもの。

“マアトマ2世”と繰り広げる「太陽争奪リレー」では数で押してくる神に“フェイ”が
思わずドヤ顔するほど「狙い通り」の策を講じてくる話運びが爽快なのは言うまでもなく。
そう簡単に“ネル”を“フェイ”の仲間にさせない流れをどう崩すか、次巻も要注目です。

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2021年05月28日

『娘じゃなくて私が好きなの!?(5)』

望公太 先生が贈る年の差超純愛ラブコメ。第5巻は“狼森”の計画どおりに同棲生活を
始めた“巧”と“綾子”がどこまで近づいていいのか適切な距離感を模索していきます。
(イラスト:ぎうにう 先生)

https://dengekibunko.jp/product/mamasuki/322102000016.html


“綾子”に対するドッキリ成功、ということで“巧”を巻き込む“狼森”の手練の良さ。
しかもそれが、冒頭で“巧”とのいわくありげな過去を匂わせる“有紗”との縁を結ぶ
きっかけにもなるのですから脱帽の域です。年の差恋愛を支える無くてはならない存在。

“巧”の誠実、誠意ある言動に感心しながらも、物足りなさを感じてしまう“綾子”。
彼も好機とはいえここで一線を超えるのはどうか、と思いつつ内心は悶々とするワケで。
その微妙な機微に“有紗”がどう波を立てるのかを見届けたくなる、見事な誘導でした。

雨降って地固まる、ということで描かれる場面もより親密に、サービスシーンも濃いめに
なってきましたが、ここからどこまで「電撃文庫」というレーベルの限界を攻められるか。
心の準備が整った2人の行方を描く 望公太 先生の挑戦に期待しつつ、次巻を待ちます。

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2021年05月27日

『午後九時、ベランダ越しの女神先輩は僕だけのもの2』

岩田洋季 先生が贈るラブストーリー。第2巻は“旭”との秘密の交際をスタートさせた
“夏菜子”が平凡ではく、特別なお付き合いを模索すべく彼を「粉砕」しにかかります。
(イラスト:みわべさくら 先生)

https://dengekibunko.jp/product/322101000089.html


“つばき”からデートのお誘い。突然すぎる上に“夏菜子”からは「楽しんでおいで」と
笑顔で送り出される“旭”に驚きが連鎖。しかし、それを「神話」と例えるあたり彼との
関係を特別視する想いが伝わる一方、後を追う余裕の無さに面倒臭さを覚えてしまいます。

真剣に“旭”が好きだからこそ“黄昏”とはしっかりとけじめをつける“夏菜子”の姿は
一途そのもの。それを知った“旭”が自分を叱咤、鼓舞するあたりに男気を強く感じます。
彼女の期待に応えて、想像を超えていくために妄想を膨らませていく過程が実に興味深い。

“旭”を「粉砕」すると嘯く“夏菜子”の真意。こちらも急遽訪れた旅行の機会も踏まえ、
気付いた彼が詳らかにし、その答えを彼女が体を張って示す一連のやり取りが唯一無二で、
独創的で。時を重ね、より恋人らしくなる2人が羨ましく幸せを願わずにはいられません。

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2021年05月26日

『スパイ教室05 《愚人》のエルナ』

竹町 先生が贈る痛快スパイファンタジー。第5巻は全養成学校のトップ6人で編成される
チーム「鳳」と“クラウス”を賭けてチーム「灯」のメンバー機密文書奪取戦に臨みます。
(イラスト:トマリ 先生)

https://fantasiabunko.jp/product/202001spy/322003001191.html


チーム「鳳」の面々が示す能力の高さ、対する「灯」の力不足。それが彼女たちの劣等感
を改めて浮き彫りとする一方、“クラウス”によって育てられた矜持と意地を見せつける
鍵にも繋がる、奪取戦での一進一退の攻防がまた「やってくれたな!」という感じで見事。

そんな中、「鳳」のトップを務める“ヴィンド”が“エルナ”の不幸体質に関する秘密を
明らかにする場面において彼女が「愚人」と自ら名乗る覚悟まで見極められなかった所は
究極の問題児っぷりを見せつけられました。圧倒された、と言っても過言ではありません。

“クラウス”が教えられなかった「詐術」をどう導入するのか、その取り回しについても
絶妙でしたし、なぜ“ヴィンド”が彼をリーダーとして求めたのかも先を匂わせる何かが
感じられて興味津々、といった結末であの展開。更なる難局に彼らがどう挑むか注目です。

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2021年05月25日

『プロペラオペラ4』

犬村小六 先生が贈る恋と空戦のファンタジー。第4巻は“リオ”を失い気が沈む雰囲気を
隠し切れない“イザヤ”を励まし、兵員の士気を上げるべく“イザヤ”が一芝居打ちます。
(イラスト:雫綺一生 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094530070


“ミュウ”にも破廉恥スーツを着させたい。更に笑顔でダブルピースした写真が撮りたい。
そんな願いも聞き入れる“クロト”たちのバカ騒ぎっぷりに決戦前における最後の晩餐を
予感させますし、酒の力によって“イザヤ”が見せた失態には覚悟完了の兆しを感じます。

“クロト”が抱いた淡い期待、“源三郎”が託した遺志を一身に受け、歴史の傍観者たる
“速夫”が物語の鍵を握る重要人物へと押し上げられたことが感慨深い。甘い蜜のような
夢を捨て、己を叱咤し、仲間に誇れる自分でありたいとする彼の高潔さは賞賛に値します。

“カイル”に徹底抗戦するために不可欠な重要人物“ユーリ”も窮地が意外な形で好機を
掴む展開が熱く、期待を高めてきます。彼女にとっては災難でしかないので同情しますが。
お膳立てが整い、決戦の場となる大空はどんなドラマを見届けるか。最終巻で確かめます。

posted by 秋野ソラ at 01:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル