2021年03月29日

『元カノが転校してきて気まずい小暮理知の、罠と恋。』

野村美月 先生が「ガガガ文庫」から初めて上梓する物語は、中学時代に秘密の恋人関係
にあった男女が別れ、高校生となって再会を果たす2人の難しい心の距離感を描きます。
(イラスト:へちま 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094518962


“理知”へ一方的に別れを告げ、転校した“ないる”。苦い経験を持つ彼は高校生になり
転入してきた彼女と級友として、しかも隣の席で再会する。実に気まずい。でも気になる。
悶々とする彼の思惑を他所に、彼女が軟派な“遥平”と交際するという話を耳にして──。

ダッシュエックス文庫で発表した『親友の彼女を好きになった向井弘凪の、罪と罰。』と
舞台を同じくする、という本作。6年ほど前の記憶をどうにか掘り返しながら読みました。
・・・当時、このプロットが寝かされていた背景が気になるところですが、それはさておき。

別れた理由に対する“理知”と“ないる”の齟齬。過去と現在の記憶を、感情を刻み直す
“冴音子”の振舞い、そしてあの一言が印象深い。報われない立ち位置が続く“遥平”も
どうか幸せになってほしいとは思いますが、はてさて。希望ある落とし所にひと安心です。

posted by 秋野ソラ at 00:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル