2021年03月24日

『天才王子の赤字国家再生術9〜そうだ、売国しよう〜』

アニメ化決定の報に沸く、鳥羽徹 先生が贈る弱小国家運営譚。第9巻は4つの都市国家で
構成されるウルベス連合で巻き起こる覇権を巡る陰謀に“ウェイン”が大胆に介入します。
(イラスト:ファルまろ 先生)

https://ga.sbcr.jp/product/9784815609429/
https://tensaiouji-anime.com/


東都を治める“アガタ”に招かれた“ウェイン”に告げられる4都市間のパワーバランス。
そこに統一を図る“アガタ”の意志が上乗せされ、裏があると探りを入れる王子が次々に
明らかにしていく初期段階の人間関係だけでも興味深いのに上乗せしてくるのがまた凄い。

ここに冒頭“ウェイン”から“フラーニャ”に対して語られた、フラム人の建国に纏わる
エピソードが重なってくる演出。さらに“ウェイン”が“ニニム”に対して、フラム人に
ついてどういう感情を抱いているのかが垣間見えてくる、その内容がまた印象に残ります。

“アガタ”が抱く本当の狙いを汲んでウルベス連合に潜む復讐の刃をも丸く収める手腕に
相変わらず驚かされるものの、どこか仄暗い未来を予感させる言い回しが気になります。
“フラーニャ”を担ぐ“シリジス”の夢が花開くか等、先々予想しながら次巻を待ちます。

posted by 秋野ソラ at 00:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル