『神童勇者とメイドおねえさん』シリーズの 望公太 先生、ぴょん吉 先生のコンビで贈る
新作は利害が一致して偽装結婚する元恋人たちの内心では未練タラタラな機微を描きます。
(イラスト:ぴょん吉 先生)
【 https://mfbunkoj.jp/product/gisoukekkon/322010000883.html 】
“理桜”が生まれ育った老舗の和菓子屋が経営難に陥り、打開策も無く打ちひしがれる中、
手を差し伸べたのは昔から縁のある名家の息子で、元カレの“晴”。今や犬猿の仲な彼と
偽りの契りを結ぶ彼女は未練が残っていることを秘密にしているが、実は彼も一緒で──。
実家の使用人“冴子”が“理桜”のわがままに付き合って相談に乗ってあげる姿、これに
同情の念が絶えません。彼女が“晴”と別れてしまった理由も早い段階で分かっていれば
と思わずにはいられません。距離を詰めていくその努力が報われることを願うばかりです。
そもそも“晴”が偽装結婚する利点がどこにあるか。ここが判明してからの彼の境遇にも
憐憫の情すら覚えます。ある意味、羨ましい境遇かも知れませんが。ただ、一途な思いは
“理桜”と同様、いつか届いて重なり合ってほしいもの。この先どう続くのか見ものです。