2021年03月10日

『六畳間の侵略者!? 37』

健速 先生が贈る人気シリーズ。通算39冊目は“孝太郎”に女の子として見てもらいたい
女性陣の葛藤を描く短編3作に書き下ろし中編を収録した「へらくれす編」第6弾です。
(イラスト/ポコ 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/948.html


ないものねだりな境遇の対極、“クラン”と“晴海”の機微に触れる「それぞれの秘密」
で“孝太郎”が示した態度には彼の着実な変化を感じました。「ティアとルースの旅路」
においては主従の関係が恋心に変遷していく過程が再起され感慨深いものがありました。

「ころな荘大掃除!」では“早苗”が“静香”のお手伝いをしながら思い出話を重ねる
うちに、ころな荘を通じた両親への愛、一〇六号室であった必然性、求める幸せの形を
浮き彫りにしていく流れが印象的でした。“静香”も報われていくといいなと思ったり。

「海と不器用な男達」では“ナルファ”たちも招きプライベートビーチで海を満喫する
微笑ましい描写から、女性陣が更に一歩踏み出す意気込みを見せつつ、「男達」とした
その意味をドラマティックに演出する「仕掛け」も面白かったです。次巻も楽しみです。

posted by 秋野ソラ at 00:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2021年03月09日

『元カノとのじれったい偽装結婚』

『神童勇者とメイドおねえさん』シリーズの 望公太 先生、ぴょん吉 先生のコンビで贈る
新作は利害が一致して偽装結婚する元恋人たちの内心では未練タラタラな機微を描きます。
(イラスト:ぴょん吉 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/gisoukekkon/322010000883.html


“理桜”が生まれ育った老舗の和菓子屋が経営難に陥り、打開策も無く打ちひしがれる中、
手を差し伸べたのは昔から縁のある名家の息子で、元カレの“晴”。今や犬猿の仲な彼と
偽りの契りを結ぶ彼女は未練が残っていることを秘密にしているが、実は彼も一緒で──。

実家の使用人“冴子”が“理桜”のわがままに付き合って相談に乗ってあげる姿、これに
同情の念が絶えません。彼女が“晴”と別れてしまった理由も早い段階で分かっていれば
と思わずにはいられません。距離を詰めていくその努力が報われることを願うばかりです。

そもそも“晴”が偽装結婚する利点がどこにあるか。ここが判明してからの彼の境遇にも
憐憫の情すら覚えます。ある意味、羨ましい境遇かも知れませんが。ただ、一途な思いは
“理桜”と同様、いつか届いて重なり合ってほしいもの。この先どう続くのか見ものです。

posted by 秋野ソラ at 01:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2021年03月08日

『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』

燦々SUN 先生が「小説家になろう」に投稿した短編を元に書き下ろす新作は銀髪美少女と
彼女が呟くロシア語を聞き取れないフリをする少年の日常を描く青春ラブコメディです。
(イラスト:ももこ 先生)

https://sneakerbunko.jp/product/roshidere/322011000027.html
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_CW01202130010000_68/
https://ncode.syosetu.com/n2778gf/


怠惰な日々を過ごす“政近”は学年の二大美姫と称される内の一人“有希”から生徒会に
入るよう勧誘を受け続け、もう一人のロシア人ハーフ“アリサ”からは小言を言われ続け
と周囲からは羨ましい悩みを抱える少年である。これにはちょっとしたワケがあって──。

「孤高のお姫様」とも言われる“アリサ”が“政近”のことを想う気持ちを姉“マリヤ”
に気遣われる場面とかニヨニヨしっぱなしですね。彼と幼馴染である“有希”との距離が
近いことにヤキモチを焼いたりする姿などもカワイイとしか言えず、語彙力が欠落します。

“政近”が「やればできる子」であることを知る“有希”の言動にも要注視な展開の中で
彼女からのお誘いをなぜ彼が拒み続けるか。過去の逸話に裏打ちされた彼なりの心構えや
けじめのつけ方も見届けてほしい所。ももこ 先生の挿絵も大満足な注目のシリーズです。

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2021年03月05日

『呪剣の姫のオーバーキル 〜とっくにライフは零なのに〜2』

川岸欧魚 先生が贈る痛快スプラッターファンタジー。第2巻は“シェイ”の前に現れる
「討伐者狩り」との死闘と、因縁の相手に対し果敢に挑む“エレミア”の顛末を描きます。
(イラスト:so品 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094518887


「屍喰らい」に溜まっていた呪いを補うべく弱いモンスターを地道に惨殺する“シェイ”。
高いクエストに挑みたい“エレミア”の気が急いて「パーティを抜ける」と言い出しても
引き止めもしないあたりは相変わらずですし、“テア”がいなかったら話終わってますね。

上流階級のエルフたちに設けられた弓術の大会で、過去に散々な目にあわされた“メレス”
に“エレミア”がどうギャフンと言わせてやるか。射者が必要になるはずの“シェイ”に
パーティに戻ってくるよう頭を下げさせるか。運命共同体と言わんばかりの顛末が面白い。

“エレミア”が恨みを晴らそうとする一方で、「討伐者狩り」と称する黒衣の男との死闘
を繰り広げる“シェイ”と、それを支援する“テア”の技術と機転の組合せが今回も絶妙。
彼女と共に修業を続ける彼の想いを逆手に取る者たちの思惑もこの先、気になる要素です。

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2021年03月04日

『モンスター娘のお医者さん9』

折口良乃 先生が贈るモン娘診察奮闘記。第9巻は人間領へ派遣する親善大使の候補者に
健康診断をする“グレン”が傷の治療のみならず、絆の修復にも手を貸す顛末を描きます。
(イラスト:Zトン 先生)

http://dash.shueisha.co.jp/bookDetail/index/978-4-08-631403-9
https://mon-isha-anime.com/
https://comic-ryu.jp/_monisha/
https://seiga.nicovideo.jp/comic/48999?track=official_list_s1


春なのに季節外れの熱波が続くリンド・ヴルム。“ソーエン”からの粋な計らいもあって
“グレン”も診療所を独立させ、“サーフェ”も正妻として結婚式の手配を進める何とも
感慨深い出だし。明るい未来を予感させる中、異常気象が想定外の患者を生み出します。

そこで勃発する大使候補2人、“イリィ”と“プラム”の諍い。引っ込みのつかない両者
に挟まれる“メメ”がとばっちりを食う訳ですが、ここで種族として、更に友だちとして
「中立」を貫く姿勢に感じる力強さが印象深い。そして“ディオネ”の話が殊更に切ない。

そもそも“スカディ”がなりたかった大使には誰になるのか。“イリィ”と“プラム”の
矛先をも収める決め方に心を温まるものを感じます。その余韻を味わって続くかと思えば
あの「警告」がどう物語の締め括りに繋がるのか、最終巻となる10巻の刊行に要注目です。

posted by 秋野ソラ at 00:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル