2021年03月31日

『錆喰いビスコ7 瞬火剣・猫の爪』

瘤久保慎司 先生が贈るファンタジー冒険譚。納得感あふれるアニメ化決定の報せを受けて
刊行される第7巻は猫が治める世界に紛れ込んだ“ビスコ”たちがそれでも大暴れします。
(イラスト: 赤岸K 先生 世界観イラスト:mocha 先生 題字:蒼喬 先生)

https://dengekibunko.jp/product/bisco/322003000219.html
https://sabikuibisco.jp/


強敵である“黒革”を倒すために放った超信弓が“ビスコ”たちを猫の国へと誘う契機と
なるだけでなく、かの国で猫たちを「鬼ノ子」に変えて操り千年王国建国を企む“月餅”
に力を貸すことになるのだから悩ましい。その裏にあるのがひたすらの愛であるだけに。

「その後」の忌浜市で“パウー”と共に過ごす日々に違和感を覚える“ビスコ”。彼が
今回の大冒険で「逃げの一手」を打ちつつ、猫の国を治める将軍“羊羹”の不甲斐なさ
に己の姿を重ねて気付きを得る一幕が印象深い。この冒険に込められた真意が窺えます。

糸の切れた凧のように掴みようのない“ビスコ”と共に生きるべく尽力する“パウー”。
“羊羹”が振るう「瞬火剣」の奥義の真髄を受けて、彼女の想いに彼はどう応えるのか。
彼の悩みにいち早く気付いていた“ミロ”も納得の決断と、新たな旅の始まりに幸あれ。

posted by 秋野ソラ at 00:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2021年03月30日

『出会ってひと突きで絶頂除霊!8』

赤城大空 先生が贈るアツくて淫らな退魔活劇。第8巻は欧州の中でアルメリア王国が日本
と友好を結ぶ流れに水を差すテロリストたちの襲撃が“晴久”たちを追い詰めていきます。
(イラスト:魔太郎 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094518948


テロリストに“シーラ”姫が襲われ、命からがら逃走する彼女が“晴久”の元に辿り着く。
助けた彼女と繋いだ手が離れなくなる呪い付き、と“美咲”たちをざわつかせる彼ですが
ラッキースケベな展開も気を張った姫の緊張をほぐすことになると思えば怪我の功名かも。

“晴久”が突如耳にする遠吠えが今回の敵“アーネスト”による猛攻の合図ということで
彼女にケモノ化された“美咲”たちが見せる痴態は相変わらずエロスの極みと言える一方、
そうでもしないと彼に本心をむき出しにできない彼女らが憐れに見える気がして悩ましい。

「国際霊能テロ組織がサキュバス王の性遺物を狙っている」という報せが示す本当の意味。
“アーネスト”が示す「ある矛盾」によって今巻の前提が覆されてからの怒涛の展開には
ただ驚くしかなく。想像以上の窮地に“晴久”たちは対応できるのか、次巻も要注視です。

posted by 秋野ソラ at 01:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2021年03月29日

『元カノが転校してきて気まずい小暮理知の、罠と恋。』

野村美月 先生が「ガガガ文庫」から初めて上梓する物語は、中学時代に秘密の恋人関係
にあった男女が別れ、高校生となって再会を果たす2人の難しい心の距離感を描きます。
(イラスト:へちま 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094518962


“理知”へ一方的に別れを告げ、転校した“ないる”。苦い経験を持つ彼は高校生になり
転入してきた彼女と級友として、しかも隣の席で再会する。実に気まずい。でも気になる。
悶々とする彼の思惑を他所に、彼女が軟派な“遥平”と交際するという話を耳にして──。

ダッシュエックス文庫で発表した『親友の彼女を好きになった向井弘凪の、罪と罰。』と
舞台を同じくする、という本作。6年ほど前の記憶をどうにか掘り返しながら読みました。
・・・当時、このプロットが寝かされていた背景が気になるところですが、それはさておき。

別れた理由に対する“理知”と“ないる”の齟齬。過去と現在の記憶を、感情を刻み直す
“冴音子”の振舞い、そしてあの一言が印象深い。報われない立ち位置が続く“遥平”も
どうか幸せになってほしいとは思いますが、はてさて。希望ある落とし所にひと安心です。

posted by 秋野ソラ at 00:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2021年03月26日

『GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン NEXT BOX HDDD英国編〈下〉』

川上稔 先生が贈る大人気戦国学園ファンタジー。4冊目となるアーサー王伝説編・下巻は
元の世界へ戻るため、そして失わせないため、武蔵勢が英国の記録を補正しにかかります。
(イラスト:さとやす 先生(TENKY))

https://dengekibunko.jp/product/horizon/321905000140.html


“ペリノア”王との相対で見せた“豊”の知識、そして技がまず印象深い。昇天するだけ
じゃないんだ、という本領発揮感が。英国の地盤固めに動き出す武蔵勢へ釘を刺しに来る
“ワンサード”は“スリーサーズ”とのやり取りが結末に響いてくる展開も胸に残ります。

そもそも“ワンサード”はなぜ武蔵を拒絶するか。そこにアーサー王に纏わる歴史再現と
失わせてしまう者たちの気概が見えたことに驚くと共に、“スリーサーズ”がつき続ける
嘘を、抱き続ける淡い願いを見抜くのが“メアリ”だったのも運命というか、縁というか。

他にも「湖の精霊」のいわく、“点蔵”と重なる“パーシバル”のヘタれ具合、結局の所
戦争はしちゃう武蔵勢、最後にはしっかり欲しい言葉をくれる“トーリ”など見所は満載。
皆の身勝手に動かされ、そして救われた者たちの物語、十分に堪能させていただきました。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2021年03月25日

『後宮妃の管理人 四 〜寵臣夫婦は立ち向かう〜』

しきみ彰 先生が贈る後宮物語。第4巻は後宮で発生した毒殺未遂事件の犯人が“麗月”で
さらに皇帝の娘だという噂が流れて、“優蘭”たちだけでなく珀家全体が窮地に陥ります。
(イラスト:Izumi 先生)

https://lbunko.kadokawa.co.jp/product/kanrinin/322009000510.html
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_FL00201451010000_68/


新しい職場に移り健美省の仕事にも一層身が入る“優蘭”。そんな彼女の心情に水を差す
“蔡”の嫌味から始まる今巻。毒殺騒動に揺らぐ健美省の面目、過去の大量毒殺事件との
因果関係、けれど迫る年末会議の準備、と“皓月”と共に彼女は気が休まらない状況下に。

最悪でも自分が犠牲になれば妻の立場も守れて丸く収まると考えて一人突っ走る“皓月”。
最善の策を模索していたのに自分を救おうとしない彼に対し妻として声を荒げる“優蘭”。
互いを気遣うからこそすれ違う2人の心をフォローした彼の母“璃美”の言動が印象深い。

とは言え“優蘭”も大事な局面で四夫人を頼らないあたり似た者夫婦なのかも知れません。
年末会議「紫金会」で洗いざらいの証拠を突きつけていく寵臣夫婦の逆転劇がまさに爽快。
絆をさらに強くする2人の姿に心温まる間もなく突きつけられるあの一言、気になります。

posted by 秋野ソラ at 23:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2021年03月24日

『天才王子の赤字国家再生術9〜そうだ、売国しよう〜』

アニメ化決定の報に沸く、鳥羽徹 先生が贈る弱小国家運営譚。第9巻は4つの都市国家で
構成されるウルベス連合で巻き起こる覇権を巡る陰謀に“ウェイン”が大胆に介入します。
(イラスト:ファルまろ 先生)

https://ga.sbcr.jp/product/9784815609429/
https://tensaiouji-anime.com/


東都を治める“アガタ”に招かれた“ウェイン”に告げられる4都市間のパワーバランス。
そこに統一を図る“アガタ”の意志が上乗せされ、裏があると探りを入れる王子が次々に
明らかにしていく初期段階の人間関係だけでも興味深いのに上乗せしてくるのがまた凄い。

ここに冒頭“ウェイン”から“フラーニャ”に対して語られた、フラム人の建国に纏わる
エピソードが重なってくる演出。さらに“ウェイン”が“ニニム”に対して、フラム人に
ついてどういう感情を抱いているのかが垣間見えてくる、その内容がまた印象に残ります。

“アガタ”が抱く本当の狙いを汲んでウルベス連合に潜む復讐の刃をも丸く収める手腕に
相変わらず驚かされるものの、どこか仄暗い未来を予感させる言い回しが気になります。
“フラーニャ”を担ぐ“シリジス”の夢が花開くか等、先々予想しながら次巻を待ちます。

posted by 秋野ソラ at 00:14 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2021年03月23日

『友達の妹が俺にだけウザい7』

三河ごーすと 先生が贈るいちゃウザ青春ラブコメが満を持してアニメ化を決めドラマCD
付き特装版と同時刊行を迎える第7巻は“彩羽”と“真白”の母親らが場をかき乱します。
(イラスト:トマリ 先生)

https://ga.sbcr.jp/product/9784815607838/
https://ga.sbcr.jp/sp/imouza/


“彩羽”の母である“乙羽”、“真白”の母である“海月”。両者からもウザ絡みされる
“明照”の姿は幸せ者の象徴なのではと思いつつ、「5階同盟」躍進へ繋がる次の一手を
担う“菫”が修学旅行の担当になるという悩ましい状況が重なるのは同情を禁じ得ません。

兼業という選択肢が“菫”の限界を超えさせてしまう事態を目にした“明照”に迫られる
「5階同盟」方針転換の道。“乙羽”から、“真琴”から誘導されるその道が正しいかを
考えに考え抜く彼の真摯な姿には感心するばかり。応える“菫”の覚悟もなかなかのもの。

“明照”に対するアプローチもあからさまになる“彩羽”と“真白”にも転機となる親の
関わり方がエピローグにも表れていて、実に興味深い展開を迎えました。リードを許す形
となる“真白”が修学旅行で巻き返すことができるか、次巻の動向も注目したい所です。

posted by 秋野ソラ at 00:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2021年03月22日

『俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる 16』

裕時悠示 先生が贈る甘修羅らぶ×らぶコメディ。第16巻は“真涼”不在が続き「自演乙」
メンバーの絆も揺らぐ中、“カオル”の本心に触れる“鋭太”が大事な決心に迫られます。
(イラスト:るろお 先生)

https://ga.sbcr.jp/product/9784815607555/


“カオル”と“カオリ”の関係がようやく見えたところで感じるのは、この設定を見事に
練り込んで“鋭太”と向き合わせ続けさせたものだ、という点。捻じれた強い想いに対し
“鋭太”がしっかり応えた場面は彼を彼たらしめる一面をまざまざと見せつけてくれます。

そんな“カオル”の仕向けた策に乗る形で囚われの身となった“真涼”の真意を知るべく
“鋭太”が選んだ道。それが奇しくも原点回帰とも言えるもので感慨深く、それを受けて
再び結束を強める“千和”たちもまた彼を好きでいる理由を思い出したようで何よりです。

取り戻した真の姿に嬉びを覚え、親友の苦しみに涙し、共犯者の父親が示す横暴さに怒り、
再会を何よりも楽しみにしていた“真涼”から冷淡に向けて“鋭太”へ告げられる真実。
彼がよみがえらせた存在は悪魔か、それとも──。完結に向けて目が離せない展開です。

posted by 秋野ソラ at 00:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2021年03月19日

『ソードアート・オンライン プログレッシブ7』

アインクラッドを第一層から攻略する過程を描く、川原礫 先生によるもう一つの「SAO」。
第7巻は“キリト”たちが第7層でいわくつきのカジノにまつわる陰謀に巻き込まれます。
(イラスト:abec 先生)

https://dengekibunko.jp/product/sao/322011000002.html


ベータテスター時代、カジノで素寒貧にされた苦い経験を持つ“キリト”。先行する攻略
ギルドたちも同じ末路を迎えているかと思えば大勝ちしている、という違和感が指す意味。
キャラクターという立場を超えた存在、その介入の可能性を匂わせる顛末が気になる話で。

カジノを仕切る要人の一人“ニルーニル”から告げられるカジノでのイカサマ疑惑。その
解決を依頼された“アルゴ”を手伝う“キリト”たちのやり取りが軽妙で見ていて楽しい。
“アスナ”が苦手なものに対するあの反応と彼への指摘は微笑ましく、愛すら感じます。

カジノの話だけで終わってしまうのかな、と思えば“キズメル”に関するクエストもまだ
続いていることを見せてくれてひと安心。こちらも先々、気になる要素を残しています。
謎もクエストも未解決なままで続いてしまうのは厳しい所ですが、次巻の刊行を待ちます。

posted by 秋野ソラ at 01:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2021年03月18日

『僕の軍師は、スカートが短すぎる2〜サラリーマンとJK、ひとつ屋根の下』

七条剛 先生が贈る、女子高生“軍師”とお人好し社会人が織り成す同居生活ラブコメディ。
「&SIX」事務所に出向する“史樹”が彼女たちを巡る大人たちの卑劣な陰謀に直面します。
(イラスト:パルプピロシ 先生)

https://ga.sbcr.jp/product/9784815609276/


“穂春”が抜けて戦略に迷いが生じる「&SIX」メンバー。疎ましい彼女に反する活動方針
を次々に打ち出す事務所の“倉賀野”たち。きな臭い雰囲気を知っても手を出さない彼女
に何かしら想いを感じ取り、信頼される大人として務める“史樹”が好印象すぎて眩しい。

「&SIX」メンバーも個性派揃いで、中でも“レン”は一躍有名になるべく焦りを滲ませて
“倉賀野”が仕掛ける「契約書」の罠に嵌まるワケですが、ここでも動かない“穂春”に
代わり“史樹”が獅子奮迅の働きを見せてフラグを立てまくる辺りは彼女の埒外の展開か。

いわゆる「枕営業」すら見据えた“倉賀野”の悪意をどう退けるのか。「労働基準法」に
関する啓蒙にも繋がる驚きの秘策で罠に嵌め返す結末は爽快の一言。定時上がりを目指す
“史樹”にとっても利のある流れに冷や水を浴びせるあの問題にどう臨むのか、注目です。

posted by 秋野ソラ at 00:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2021年03月17日

『ちっちゃくてかわいい先輩が大好きなので一日三回照れさせたい3』

五十嵐雄策 先生が贈るラブコメディ。第3巻はからかい上手な“花梨”の妹が“龍之介”
へ接近する姿にあたふたなどする内に彼女の感情が決定的な方向へ整理されていきます。
(イラスト:はねこと 先生)

https://dengekibunko.jp/product/kawatere/322012000011.html


「天然グイグイ」「照れハラ」などと“龍之介”の言動を評価する新語が生まれていく中、
勉強を教えに来た彼を試そうとする“花恋”の「ミイラ取りがミイラになる」感がスゴい。
似て非なる者であることも、そこに別の魅力もあることを認める潔さがまさに彼の真骨頂。

“花梨”至上主義と言っても過言ではないほど“龍之介”が彼女への言葉のアプローチを
強める合間に幕間などで女性陣の乙女心をざわつかせていく罪作り度の高まり具合も見所。
そんな愛を向けられる彼女が、意外にも自身の感情を持て余している様子に驚かされます。

互いに関係を一歩でも進めるべく「夏休みをいっしょに過ごしたい」と提案する一大決心。
みんなで海水浴。さらに2人で夏祭り。キュンキュンする場面の連続から、気持ちを高揚
させる“花梨”の姿を見て、「もう一押しだ“龍之介”」と応援しながら次巻を待ちます。

posted by 秋野ソラ at 00:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2021年03月16日

『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件4』

佐伯さん 先生が贈る甘く焦れったい恋の物語。第4巻は“真昼”の「大切な人」発言で
ざわつく周囲を他所に、彼女にふさわしい男になるべく頑張る“周”の葛藤を描きます。
(イラスト:はねこと 先生)

https://ga.sbcr.jp/product/9784815608279/


“周”に対する信頼の証としてスキンシップすること、そしてされることを望む“真昼”。
言葉で、態度でその想いを受け止める彼が煩悩を抱き、自己嫌悪する姿に同情しながらも
羨ましさは募るばかり。とはいえ、恋への臆病さに改善の兆しが垣間見えて興味深い展開。

勉強に、そして運動に、とストイックに自己研鑽を重ねる“周”の姿勢がすでに格好良い。
彼の魅力に他の子が気づかないかと危惧する彼女に対し、彼女の素の様子をいつか誰かに
知られるのではと危惧して独占欲をむき出しにする顛末は「ここまで来たか」と感慨無量。

そして迎える体育祭、あの種目に“周”と“真昼”が出るとなれば、発生するイベントは
あれしかない、と期待通りの内容で、そして期待に応える一途な覚悟を魅せてくれました。
これで終わりか・・・と思えばまだまだ超えるべきハードルはあるようで、続きが楽しみです。

posted by 秋野ソラ at 01:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2021年03月15日

『俺の妹がこんなに可愛いわけがない(16) 黒猫if 下』

伏見つかさ 先生が贈る大人気シリーズ。「黒猫ifルート」を締め括る第16巻は、ついに
恋仲となった“京介”たちが“桐乃”の抱く感情とどう向き合うか、その顛末を綴ります。
(イラスト:かんざきひろ 先生)

https://dengekibunko.jp/product/oreimo/322006000006.html


「運命の記述(デスティニー・レコ−ド)」と称して“京介”とやりたいことを羅列する
“黒猫”の言動にブレない芯が残っているのを感じつつ、彼には見せない日常の姿もまた
彼女らしさが窺えて、もう可愛いのなんの。五更家との関係も良好で、順風満帆な雰囲気。

「理想郷計画(アルカディア・プラン)」に基づき夏休みを恋人と、仲間と共に謳歌する
2人の関係をこれまた突然、一時帰国してきた“桐乃”が揺るがす一大事。占いの演出が
「あの願い」に紐づいていく、というのがまた印象深い。“京介”が焦るのも無理はなく。

自己完結して突っ走っていく“黒猫”を止める術もまた「黒猫if」らしい落とし所で見事。
“黒猫”たち2人だけでなく「ゲーム研究会」の面々や血の因果を感じさせるその後にも
触れられているエピローグから未来を予想してみるのも一興かと。素敵なifルートでした。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2021年03月12日

『リアデイルの大地にて6』

アニメ化が決定した、Ceez 先生が贈る大人気エルフファンタジー。第6巻は再会した魔人
“オプス”から“ケーナ”はこのリアデイルという世界に纏わる最重要事項を耳にします。
(イラスト:てんまそ 先生)

https://famitsubunko.jp/product/322011000055.html
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_AM19201033010000_68/
https://ncode.syosetu.com/n1247p/


何かと鼻につく言動を見せる“オプス”に対して、何より口より先に手が出る“ケーナ”。
コミュニケーション・エラーが続く両者を取り持つ“サイレン”の気遣いに救われる面も
多々あって、彼女がいなかったらこのリアデイル、何度破滅に追い込まれたか知れません。

改めて“ケーナ”に二百年の空白がこの世界の秘密。“オプス”から明らかにされる謎の
真相に彼女でなくても、そりゃあ驚きの連続で。プロローグの一幕が「そういうことか」
と存在感を高める瞬間でもありました。“キー”もある種の共犯な感が強い所も得心です。

ヘルシュペルにまつわる一連の騒動で不穏な展開を迎えるかと思いきやちょっとイイ話に
流れが昇華してくれて安堵しました。互角な存在たる“オプス”が“ケーナ”の進む道に
どう影響を与えるか興味津々な中、村に娯楽を与えるための顛末に注目したいところです。

posted by 秋野ソラ at 00:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2021年03月11日

『むすぶと本。 七冊の『神曲』が断罪する七人のダンテ』

野村美月 先生が贈るビブリオミステリー。シリーズ4冊目は図書館登校を続ける中学生の
少女が同じ境遇の少年と出会い、ネット掲示板に流れる不穏な噂に関わる顛末を描きます。
(イラスト:竹岡美穂 先生)

https://famitsubunko.jp/product/322011000327.html


図書館で裏サイトの書込みを見て不穏な会話をする生徒たちの言葉に心を痛める“清良”。
唯一の安息地を奪われる恐怖に怯える彼女だが、声をかけてくれた“むすぶ”に救われる。
何年生かも分からない謎多き彼は七冊の『神曲』のためにここに来た、と言うのだが──。

『神曲』に記された7つの罪に纏わる事件が学校内で次々に起きるのを目の当たりにする
たびに“むすぶ”が本質を突く言葉を紡ぎ、“清良”は心の成長につなげていく心温まる
流れかと思えば、書込みを続ける“ダンテ”の正体が判明して一気にガラッと変わります。

フラッシュバックするプロローグの文章。本に罹患した人を救うため“むすぶ”が届ける
本の声。あるがままを見て、知ること。罪に向き合う、向き合わせるための応酬の数々が
印象深い結末に繋がりました。次は“夜長姫”も出番多めだといいですね、と思いながら。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2021年03月10日

『六畳間の侵略者!? 37』

健速 先生が贈る人気シリーズ。通算39冊目は“孝太郎”に女の子として見てもらいたい
女性陣の葛藤を描く短編3作に書き下ろし中編を収録した「へらくれす編」第6弾です。
(イラスト/ポコ 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/948.html


ないものねだりな境遇の対極、“クラン”と“晴海”の機微に触れる「それぞれの秘密」
で“孝太郎”が示した態度には彼の着実な変化を感じました。「ティアとルースの旅路」
においては主従の関係が恋心に変遷していく過程が再起され感慨深いものがありました。

「ころな荘大掃除!」では“早苗”が“静香”のお手伝いをしながら思い出話を重ねる
うちに、ころな荘を通じた両親への愛、一〇六号室であった必然性、求める幸せの形を
浮き彫りにしていく流れが印象的でした。“静香”も報われていくといいなと思ったり。

「海と不器用な男達」では“ナルファ”たちも招きプライベートビーチで海を満喫する
微笑ましい描写から、女性陣が更に一歩踏み出す意気込みを見せつつ、「男達」とした
その意味をドラマティックに演出する「仕掛け」も面白かったです。次巻も楽しみです。

posted by 秋野ソラ at 00:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2021年03月09日

『元カノとのじれったい偽装結婚』

『神童勇者とメイドおねえさん』シリーズの 望公太 先生、ぴょん吉 先生のコンビで贈る
新作は利害が一致して偽装結婚する元恋人たちの内心では未練タラタラな機微を描きます。
(イラスト:ぴょん吉 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/gisoukekkon/322010000883.html


“理桜”が生まれ育った老舗の和菓子屋が経営難に陥り、打開策も無く打ちひしがれる中、
手を差し伸べたのは昔から縁のある名家の息子で、元カレの“晴”。今や犬猿の仲な彼と
偽りの契りを結ぶ彼女は未練が残っていることを秘密にしているが、実は彼も一緒で──。

実家の使用人“冴子”が“理桜”のわがままに付き合って相談に乗ってあげる姿、これに
同情の念が絶えません。彼女が“晴”と別れてしまった理由も早い段階で分かっていれば
と思わずにはいられません。距離を詰めていくその努力が報われることを願うばかりです。

そもそも“晴”が偽装結婚する利点がどこにあるか。ここが判明してからの彼の境遇にも
憐憫の情すら覚えます。ある意味、羨ましい境遇かも知れませんが。ただ、一途な思いは
“理桜”と同様、いつか届いて重なり合ってほしいもの。この先どう続くのか見ものです。

posted by 秋野ソラ at 01:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2021年03月08日

『時々ボソッとロシア語でデレる隣のアーリャさん』

燦々SUN 先生が「小説家になろう」に投稿した短編を元に書き下ろす新作は銀髪美少女と
彼女が呟くロシア語を聞き取れないフリをする少年の日常を描く青春ラブコメディです。
(イラスト:ももこ 先生)

https://sneakerbunko.jp/product/roshidere/322011000027.html
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_CW01202130010000_68/
https://ncode.syosetu.com/n2778gf/


怠惰な日々を過ごす“政近”は学年の二大美姫と称される内の一人“有希”から生徒会に
入るよう勧誘を受け続け、もう一人のロシア人ハーフ“アリサ”からは小言を言われ続け
と周囲からは羨ましい悩みを抱える少年である。これにはちょっとしたワケがあって──。

「孤高のお姫様」とも言われる“アリサ”が“政近”のことを想う気持ちを姉“マリヤ”
に気遣われる場面とかニヨニヨしっぱなしですね。彼と幼馴染である“有希”との距離が
近いことにヤキモチを焼いたりする姿などもカワイイとしか言えず、語彙力が欠落します。

“政近”が「やればできる子」であることを知る“有希”の言動にも要注視な展開の中で
彼女からのお誘いをなぜ彼が拒み続けるか。過去の逸話に裏打ちされた彼なりの心構えや
けじめのつけ方も見届けてほしい所。ももこ 先生の挿絵も大満足な注目のシリーズです。

posted by 秋野ソラ at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2021年03月05日

『呪剣の姫のオーバーキル 〜とっくにライフは零なのに〜2』

川岸欧魚 先生が贈る痛快スプラッターファンタジー。第2巻は“シェイ”の前に現れる
「討伐者狩り」との死闘と、因縁の相手に対し果敢に挑む“エレミア”の顛末を描きます。
(イラスト:so品 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094518887


「屍喰らい」に溜まっていた呪いを補うべく弱いモンスターを地道に惨殺する“シェイ”。
高いクエストに挑みたい“エレミア”の気が急いて「パーティを抜ける」と言い出しても
引き止めもしないあたりは相変わらずですし、“テア”がいなかったら話終わってますね。

上流階級のエルフたちに設けられた弓術の大会で、過去に散々な目にあわされた“メレス”
に“エレミア”がどうギャフンと言わせてやるか。射者が必要になるはずの“シェイ”に
パーティに戻ってくるよう頭を下げさせるか。運命共同体と言わんばかりの顛末が面白い。

“エレミア”が恨みを晴らそうとする一方で、「討伐者狩り」と称する黒衣の男との死闘
を繰り広げる“シェイ”と、それを支援する“テア”の技術と機転の組合せが今回も絶妙。
彼女と共に修業を続ける彼の想いを逆手に取る者たちの思惑もこの先、気になる要素です。

posted by 秋野ソラ at 01:01 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2021年03月04日

『モンスター娘のお医者さん9』

折口良乃 先生が贈るモン娘診察奮闘記。第9巻は人間領へ派遣する親善大使の候補者に
健康診断をする“グレン”が傷の治療のみならず、絆の修復にも手を貸す顛末を描きます。
(イラスト:Zトン 先生)

http://dash.shueisha.co.jp/bookDetail/index/978-4-08-631403-9
https://mon-isha-anime.com/
https://comic-ryu.jp/_monisha/
https://seiga.nicovideo.jp/comic/48999?track=official_list_s1


春なのに季節外れの熱波が続くリンド・ヴルム。“ソーエン”からの粋な計らいもあって
“グレン”も診療所を独立させ、“サーフェ”も正妻として結婚式の手配を進める何とも
感慨深い出だし。明るい未来を予感させる中、異常気象が想定外の患者を生み出します。

そこで勃発する大使候補2人、“イリィ”と“プラム”の諍い。引っ込みのつかない両者
に挟まれる“メメ”がとばっちりを食う訳ですが、ここで種族として、更に友だちとして
「中立」を貫く姿勢に感じる力強さが印象深い。そして“ディオネ”の話が殊更に切ない。

そもそも“スカディ”がなりたかった大使には誰になるのか。“イリィ”と“プラム”の
矛先をも収める決め方に心を温まるものを感じます。その余韻を味わって続くかと思えば
あの「警告」がどう物語の締め括りに繋がるのか、最終巻となる10巻の刊行に要注目です。

posted by 秋野ソラ at 00:33 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル