瘤久保慎司 先生が贈るファンタジー冒険譚。納得感あふれるアニメ化決定の報せを受けて
刊行される第7巻は猫が治める世界に紛れ込んだ“ビスコ”たちがそれでも大暴れします。
(イラスト: 赤岸K 先生 世界観イラスト:mocha 先生 題字:蒼喬 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/bisco/322003000219.html 】
【 https://sabikuibisco.jp/ 】
強敵である“黒革”を倒すために放った超信弓が“ビスコ”たちを猫の国へと誘う契機と
なるだけでなく、かの国で猫たちを「鬼ノ子」に変えて操り千年王国建国を企む“月餅”
に力を貸すことになるのだから悩ましい。その裏にあるのがひたすらの愛であるだけに。
「その後」の忌浜市で“パウー”と共に過ごす日々に違和感を覚える“ビスコ”。彼が
今回の大冒険で「逃げの一手」を打ちつつ、猫の国を治める将軍“羊羹”の不甲斐なさ
に己の姿を重ねて気付きを得る一幕が印象深い。この冒険に込められた真意が窺えます。
糸の切れた凧のように掴みようのない“ビスコ”と共に生きるべく尽力する“パウー”。
“羊羹”が振るう「瞬火剣」の奥義の真髄を受けて、彼女の想いに彼はどう応えるのか。
彼の悩みにいち早く気付いていた“ミロ”も納得の決断と、新たな旅の始まりに幸あれ。
2021年03月31日
2021年03月30日
『出会ってひと突きで絶頂除霊!8』
赤城大空 先生が贈るアツくて淫らな退魔活劇。第8巻は欧州の中でアルメリア王国が日本
と友好を結ぶ流れに水を差すテロリストたちの襲撃が“晴久”たちを追い詰めていきます。
(イラスト:魔太郎 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094518948 】
テロリストに“シーラ”姫が襲われ、命からがら逃走する彼女が“晴久”の元に辿り着く。
助けた彼女と繋いだ手が離れなくなる呪い付き、と“美咲”たちをざわつかせる彼ですが
ラッキースケベな展開も気を張った姫の緊張をほぐすことになると思えば怪我の功名かも。
“晴久”が突如耳にする遠吠えが今回の敵“アーネスト”による猛攻の合図ということで
彼女にケモノ化された“美咲”たちが見せる痴態は相変わらずエロスの極みと言える一方、
そうでもしないと彼に本心をむき出しにできない彼女らが憐れに見える気がして悩ましい。
「国際霊能テロ組織がサキュバス王の性遺物を狙っている」という報せが示す本当の意味。
“アーネスト”が示す「ある矛盾」によって今巻の前提が覆されてからの怒涛の展開には
ただ驚くしかなく。想像以上の窮地に“晴久”たちは対応できるのか、次巻も要注視です。
と友好を結ぶ流れに水を差すテロリストたちの襲撃が“晴久”たちを追い詰めていきます。
(イラスト:魔太郎 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094518948 】
テロリストに“シーラ”姫が襲われ、命からがら逃走する彼女が“晴久”の元に辿り着く。
助けた彼女と繋いだ手が離れなくなる呪い付き、と“美咲”たちをざわつかせる彼ですが
ラッキースケベな展開も気を張った姫の緊張をほぐすことになると思えば怪我の功名かも。
“晴久”が突如耳にする遠吠えが今回の敵“アーネスト”による猛攻の合図ということで
彼女にケモノ化された“美咲”たちが見せる痴態は相変わらずエロスの極みと言える一方、
そうでもしないと彼に本心をむき出しにできない彼女らが憐れに見える気がして悩ましい。
「国際霊能テロ組織がサキュバス王の性遺物を狙っている」という報せが示す本当の意味。
“アーネスト”が示す「ある矛盾」によって今巻の前提が覆されてからの怒涛の展開には
ただ驚くしかなく。想像以上の窮地に“晴久”たちは対応できるのか、次巻も要注視です。
2021年03月29日
『元カノが転校してきて気まずい小暮理知の、罠と恋。』
野村美月 先生が「ガガガ文庫」から初めて上梓する物語は、中学時代に秘密の恋人関係
にあった男女が別れ、高校生となって再会を果たす2人の難しい心の距離感を描きます。
(イラスト:へちま 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094518962 】
“理知”へ一方的に別れを告げ、転校した“ないる”。苦い経験を持つ彼は高校生になり
転入してきた彼女と級友として、しかも隣の席で再会する。実に気まずい。でも気になる。
悶々とする彼の思惑を他所に、彼女が軟派な“遥平”と交際するという話を耳にして──。
ダッシュエックス文庫で発表した『親友の彼女を好きになった向井弘凪の、罪と罰。』と
舞台を同じくする、という本作。6年ほど前の記憶をどうにか掘り返しながら読みました。
・・・当時、このプロットが寝かされていた背景が気になるところですが、それはさておき。
別れた理由に対する“理知”と“ないる”の齟齬。過去と現在の記憶を、感情を刻み直す
“冴音子”の振舞い、そしてあの一言が印象深い。報われない立ち位置が続く“遥平”も
どうか幸せになってほしいとは思いますが、はてさて。希望ある落とし所にひと安心です。
にあった男女が別れ、高校生となって再会を果たす2人の難しい心の距離感を描きます。
(イラスト:へちま 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094518962 】
“理知”へ一方的に別れを告げ、転校した“ないる”。苦い経験を持つ彼は高校生になり
転入してきた彼女と級友として、しかも隣の席で再会する。実に気まずい。でも気になる。
悶々とする彼の思惑を他所に、彼女が軟派な“遥平”と交際するという話を耳にして──。
ダッシュエックス文庫で発表した『親友の彼女を好きになった向井弘凪の、罪と罰。』と
舞台を同じくする、という本作。6年ほど前の記憶をどうにか掘り返しながら読みました。
・・・当時、このプロットが寝かされていた背景が気になるところですが、それはさておき。
別れた理由に対する“理知”と“ないる”の齟齬。過去と現在の記憶を、感情を刻み直す
“冴音子”の振舞い、そしてあの一言が印象深い。報われない立ち位置が続く“遥平”も
どうか幸せになってほしいとは思いますが、はてさて。希望ある落とし所にひと安心です。
2021年03月26日
『GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン NEXT BOX HDDD英国編〈下〉』
川上稔 先生が贈る大人気戦国学園ファンタジー。4冊目となるアーサー王伝説編・下巻は
元の世界へ戻るため、そして失わせないため、武蔵勢が英国の記録を補正しにかかります。
(イラスト:さとやす 先生(TENKY))
【 https://dengekibunko.jp/product/horizon/321905000140.html 】
“ペリノア”王との相対で見せた“豊”の知識、そして技がまず印象深い。昇天するだけ
じゃないんだ、という本領発揮感が。英国の地盤固めに動き出す武蔵勢へ釘を刺しに来る
“ワンサード”は“スリーサーズ”とのやり取りが結末に響いてくる展開も胸に残ります。
そもそも“ワンサード”はなぜ武蔵を拒絶するか。そこにアーサー王に纏わる歴史再現と
失わせてしまう者たちの気概が見えたことに驚くと共に、“スリーサーズ”がつき続ける
嘘を、抱き続ける淡い願いを見抜くのが“メアリ”だったのも運命というか、縁というか。
他にも「湖の精霊」のいわく、“点蔵”と重なる“パーシバル”のヘタれ具合、結局の所
戦争はしちゃう武蔵勢、最後にはしっかり欲しい言葉をくれる“トーリ”など見所は満載。
皆の身勝手に動かされ、そして救われた者たちの物語、十分に堪能させていただきました。
元の世界へ戻るため、そして失わせないため、武蔵勢が英国の記録を補正しにかかります。
(イラスト:さとやす 先生(TENKY))
【 https://dengekibunko.jp/product/horizon/321905000140.html 】
“ペリノア”王との相対で見せた“豊”の知識、そして技がまず印象深い。昇天するだけ
じゃないんだ、という本領発揮感が。英国の地盤固めに動き出す武蔵勢へ釘を刺しに来る
“ワンサード”は“スリーサーズ”とのやり取りが結末に響いてくる展開も胸に残ります。
そもそも“ワンサード”はなぜ武蔵を拒絶するか。そこにアーサー王に纏わる歴史再現と
失わせてしまう者たちの気概が見えたことに驚くと共に、“スリーサーズ”がつき続ける
嘘を、抱き続ける淡い願いを見抜くのが“メアリ”だったのも運命というか、縁というか。
他にも「湖の精霊」のいわく、“点蔵”と重なる“パーシバル”のヘタれ具合、結局の所
戦争はしちゃう武蔵勢、最後にはしっかり欲しい言葉をくれる“トーリ”など見所は満載。
皆の身勝手に動かされ、そして救われた者たちの物語、十分に堪能させていただきました。
2021年03月25日
『後宮妃の管理人 四 〜寵臣夫婦は立ち向かう〜』
しきみ彰 先生が贈る後宮物語。第4巻は後宮で発生した毒殺未遂事件の犯人が“麗月”で
さらに皇帝の娘だという噂が流れて、“優蘭”たちだけでなく珀家全体が窮地に陥ります。
(イラスト:Izumi 先生)
【 https://lbunko.kadokawa.co.jp/product/kanrinin/322009000510.html 】
【 https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_FL00201451010000_68/ 】
新しい職場に移り健美省の仕事にも一層身が入る“優蘭”。そんな彼女の心情に水を差す
“蔡”の嫌味から始まる今巻。毒殺騒動に揺らぐ健美省の面目、過去の大量毒殺事件との
因果関係、けれど迫る年末会議の準備、と“皓月”と共に彼女は気が休まらない状況下に。
最悪でも自分が犠牲になれば妻の立場も守れて丸く収まると考えて一人突っ走る“皓月”。
最善の策を模索していたのに自分を救おうとしない彼に対し妻として声を荒げる“優蘭”。
互いを気遣うからこそすれ違う2人の心をフォローした彼の母“璃美”の言動が印象深い。
とは言え“優蘭”も大事な局面で四夫人を頼らないあたり似た者夫婦なのかも知れません。
年末会議「紫金会」で洗いざらいの証拠を突きつけていく寵臣夫婦の逆転劇がまさに爽快。
絆をさらに強くする2人の姿に心温まる間もなく突きつけられるあの一言、気になります。
さらに皇帝の娘だという噂が流れて、“優蘭”たちだけでなく珀家全体が窮地に陥ります。
(イラスト:Izumi 先生)
【 https://lbunko.kadokawa.co.jp/product/kanrinin/322009000510.html 】
【 https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_FL00201451010000_68/ 】
新しい職場に移り健美省の仕事にも一層身が入る“優蘭”。そんな彼女の心情に水を差す
“蔡”の嫌味から始まる今巻。毒殺騒動に揺らぐ健美省の面目、過去の大量毒殺事件との
因果関係、けれど迫る年末会議の準備、と“皓月”と共に彼女は気が休まらない状況下に。
最悪でも自分が犠牲になれば妻の立場も守れて丸く収まると考えて一人突っ走る“皓月”。
最善の策を模索していたのに自分を救おうとしない彼に対し妻として声を荒げる“優蘭”。
互いを気遣うからこそすれ違う2人の心をフォローした彼の母“璃美”の言動が印象深い。
とは言え“優蘭”も大事な局面で四夫人を頼らないあたり似た者夫婦なのかも知れません。
年末会議「紫金会」で洗いざらいの証拠を突きつけていく寵臣夫婦の逆転劇がまさに爽快。
絆をさらに強くする2人の姿に心温まる間もなく突きつけられるあの一言、気になります。