鉄山かや 先生によるコミックス2巻が同時刊行となる、猿渡かざみ 先生の青春ラブコメ。
第4巻は友だち作りに力を入れる“こはる”を巡る人間関係に“颯太”が頭を悩ませます。
(イラスト:Aちき 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094518832 】
“こはる”に対して嫌悪感を丸出しにする演劇同好会の会長“澪”を見て戸惑う“颯太”。
そんな事情も知らず“澪”と友だちになろうと勇気を出す“こはる”を見て責任を感じる
上に「SSF」なる異常集団に目をつけられたり、と悩みの種が山盛りな彼には同情しかない。
同好会仲間の“樋端”や“丸山”からすれば“澪”の言動は筋違いの逆恨みでしかないと
認識した上で“こはる”と先に仲良くなってくれるのが救い。一方で「SSF」からの執拗な
嫌がらせに疲弊しつつも“こはる”を心配させまいと気丈に振る舞う“颯太”が痛ましい。
色々と詰んだ状況を“こはる”たちが乗り越えるためのアイデア。その鍵を握るのがまた
“こはる”と“颯太”の「今」を象徴しているかのようで興味深く、見事だと思うところ。
彼女のためを思うあまり自分の感情に気づかない彼の意地が報われて安堵するばかりです。