SOW 先生が贈る新作は、自身の体験を元にした異世界税制コメディ。金に執着する勇者が
天使から税を徴収されるのを免れるため、魔王と偽装結婚するなど様々な手を尽くします。
(イラスト:三弥カズトモ 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094518825 】
「我の配下となれば、世界の半分をくれてやろう!」「え、マジ!? わかった!」「え!?」
魔王“ブルー”と勇者“メイ”の談合成立、かと思いきや突如現れた天使“ゼオス”から
贈与税を払えと宣告される。なぜなら絶対神に税を納める制度に縛られた世界だから──。
少なくとも日本で生活するからには老若男女問わず、切るに切れない「税金」との関わり。
ネーミングも捻らずド直球で思わず「ネタか」と思いつつ読み進めると、税制度の必要性
について感情で分からせる話運びで、公的な啓蒙活動に推薦できそうな印象すらあります。
“メイ”が「銭ゲバ」な勇者となった背景にも税にまつわる迂遠な陰謀が関係していたり、
“ブルー”との偽装結婚も思いがけない昔話に繋がっていたり、と2人の気持ちの変化も
見どころとして挙げられます。ためになる上に面白い、二度おいしい感のある作品です。