2021年02月12日

『異世界黙示録マイノグーラ〜破滅の文明で始める世界征服〜 3』

鹿角フェフ 先生が贈る異世界ファンタジー。第3巻は別のRPG世界から襲来した魔王軍に
思い当たる節のある“タクト”が勝ち筋を見い出すも、想定外の因果が運命を狂わせます。
(イラスト:じゅん 先生)

https://gcnovels.jp/book/b1144.html
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_AM00000023010000_68/
https://ncode.syosetu.com/n8760ei/


不朽の名作にして“タクト”も遊びつくしたことのある王道RPG『ブレイブクエスタス』。
魔王軍四天王が現れても臆することのない彼の様子に安心するのも束の間、“アトゥ”が
戦闘した際に身を持って体験したゲームシステムの違いによる影響が不安を掻き立てます。

満を持して“フレイマン”と対峙する“イスラ”のスキルを活かしたその強さすら今巻で
最大の山場となるあの決定的瞬間を演出する要素の一つでしかない、という話運びに驚嘆。
魔王を倒すために必要だったとはいえ 鹿角 先生の容赦の無さに空恐ろしさすら感じます。

“タクト”の油断と慢心。臥薪嘗胆とも言える場面を迎え、怒り心頭の彼が緊急会議にて
高らかに宣言したあの言葉は大言壮語か、有言実行か。そもそも魔王軍を唆したかの如き
「神」とは何か、その真意はどこにあるのか。気になる要素満載で次巻が待ち遠しい限り。

posted by 秋野ソラ at 00:59 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2021年02月11日

『僕を成り上がらせようとする最強女師匠たちが育成方針を巡って修羅場2』

赤城大空 先生が贈るヒロイックファンタジー。第2巻は“クロス”たちの活躍に注目した
貴族の子女からの難癖に、師匠たちは彼を魔法剣士として育てることで対抗していきます。
(イラスト:タジマ粒子 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094518818


派閥争いの踏み台に“クロス”たちを取り込もうと“カトレア”がどんな罠を仕掛けるか。
“ジゼル”が持つ切り札にも用意万端の高慢なお嬢様を圧倒していく彼の成長ぶりに天晴。
理不尽な喧嘩を締め括る“ジゼル”のあの顔、タジマ 先生の挿絵が見事に嵌ってました。

“クロス”のことを認めた“ジゼル”の「可愛さ百倍」になった素直じゃない言動の数々、
見ていて思わずニヨニヨしてしまいます。そんな2人の関係を気に掛けていた“エリシア”
もまた彼のことを意識する少女の一人。今後どうアプローチを仕掛けていくか注目所です。

そんな少女たちの障壁となる師匠たちと言えば今回、魔法剣士を目指すにあたり効果的な
指導に務めた“リュドミラ”が一歩リード、かと思えばイケナイ知識と経験を与えてきた
“テロメア”も侮れません。“クロス”のハートを射止めるのは誰か、続きが楽しみです。

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2021年02月10日

『幼馴染で婚約者なふたりが恋人をめざす話 1』

緋月薙 先生が贈る新作は、半同棲の高校生活を送るほど互いのことを知りすぎる御曹司と
お嬢様が「夫婦以上、恋人未満。」の関係を改善させていく恋仲“もっと”進展物語です。
(イラスト/ひげ猫 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/946.html


“悠也”が通う高校の理事長“明日香”は彼の父と親交もあり、親元を離れて過ごす彼を
見守る親代わりのような存在。そんな彼女は彼が許嫁“美月”と清く正しい関係でいるか
すごく心配。その種となる2人は、まるで熟年夫婦のような言動を見せつけており──。

気が置けない“悠也”と“美月”が見つめ合うだけで照れる様子のこそばゆさと言ったら。
幼馴染の女の子が何かと不憫な思いをする話が多い昨今、約束された勝利に向けて2人が
どう歩み寄っていくのかを安心して見守れる、緋月 先生らしさがあふれる滑り出しかと。

もちろん恋人未満な“悠也”と“美月”だけでは話が進展しませんので2人を後押しする
“大河”と“雪菜”をはじめとして、思わずニヨニヨできるシーンが期待できそうな予感。
改めて互いのことを受け止めて、どうするのかを見届けていきたいと思えるシリーズです。

posted by 秋野ソラ at 00:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2021年02月09日

『わたし以外とのラブコメは許さないんだからね(2)』

羽場楽人 先生が贈る、告白で幕が開くラブコメ戦線。第2巻は中学時代の後輩“紗夕”が
同じ高校に進学していたことを知った“希墨”がその再会の意味に気付く顛末を描きます。
(イラスト:イコモチ 先生)

https://dengekibunko.jp/product/watalove/322008000012.html


「きー先輩、好きです。私と付き合ってください」「それ何度目の嘘告白だと思ってる?」
そんな軽い雰囲気で話ができる“紗夕”と“希墨”の変わらない関係。変わったのは彼に
“ヨルカ”という絶対的存在な彼女ができたということ。ハグとかしちゃってもう可愛い。

“希墨”たちに交じって“紗夕”もカラオケを楽しむ中、“朝姫”が語った恋愛観に反発
するところから、後輩の立場に収まるだけではいられない彼女なりのアプローチに感心を
抱く一方で、長年抱いてきたその想いすら超えてくる“ヨルカ”の強さに圧倒されます。

教師として“神崎”が“希墨”の人たらしぶりに釘を刺すなど、良き理解者であることが
窺える中で「失恋同盟」相手にも余裕を見せた“ヨルカ”が彼女を敵視する訳も明らかと
なりました。何かと興味深いその関係が続く話の軸を握るというのだからこれまた楽しみ。

posted by 秋野ソラ at 01:09 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2021年02月08日

『継母の連れ子が元カノだった6 あのとき言えなかった六つのこと』

紙城境介 先生が贈る同棲ラブコメ。第6巻は“水斗”が“結女”に対して「壁」を感じる
意識を強める中、そんな彼の気も知らない彼女はその距離感を詰め切れず葛藤を続けます。
(イラスト:たかやKi 先生)

https://sneakerbunko.jp/product/motokano/322010000188.html


自分と彼女とは「違う」と目に見えない自傷行為を続ける“水斗”の言動に対して思わず
「ここまでネガティブでしたっけ?」と振り返ってしまうほど。あんなに一緒だったのに
どんどん“結女”との心の距離を話していく描写が何とも痛々しくて、いたたまれなくて。

“水斗”の葛藤も知らず、文化祭で大正ロマン喫茶の準備に一喜一憂する“結女”の姿が
可愛らしくもあり、もどかしくもあり。“鈴里”が「かすがいとなって」と言った意味を
文化祭というイベントをどう捉えるか、そこで気づくあたりが彼女らしいとも言える訳で。

そんな2人のすれ違う顛末を「あのとき言えなかった六つのこと」に込める演出はお見事。
更に言うと“水斗”自身も忘れていた思い違い、というか思い上がりを“いさな”が正す、
それが本作の真髄かも知れません。繋ぎ止めた手の温もりを大切にしてほしいものです。

posted by 秋野ソラ at 00:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル