2021年02月26日

『GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン NEXT BOX HDDD英国編〈中〉』

川上稔 先生が贈る大人気戦国学園ファンタジー。3冊目となるアーサー王伝説編・中巻は
武蔵勢が「湖の精霊」としてアーサー王候補と関わることで英国を正す方針を模索します。
(イラスト:さとやす 先生(TENKY))

https://dengekibunko.jp/product/horizon/321910000103.html


武蔵の食糧事情、という想定外の問題から過去の英国に居ることの難しさが露呈する展開。
“御広敷”が提案する解決策、それを評定する“大久保”とのやり取りがとても印象深い。
焦りある状況でも騒々しい武蔵勢を目にして尊死しそうになる“豊”の言動も見所の一つ。

「補正」の鍵となるこの世界の成り立ち。あの「運命」が選んだ選択肢の意味すら繋がる
設定の深みに驚かされることしきり。まさに記録と記憶の狭間にある英国、と言えるかも。
“ネシンバラ”が誇示する知識に対するツッコミの数々も力が入っていたように感じます。

問題解決の一手として、英国でありながらあの歴史再現を仕込むあたりは本作のらしさが
表れています。得意満面に「商武」で相対する“ロット王”に苦い思いをさせられるかと
思えば“シロジロ”が言い返してくれてスッキリ。風雲急を告げる下巻の刊行を待ちます。

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2021年02月25日

『泥酔彼女 「弟クンだいしゅきー」「帰れ」』

串木野たんぼ 先生が贈る新作は、酒癖の悪い姉をもつ少年が同じく大酒飲みな姉の知人に
家に入り浸られて、穏やかな日常を侵食される様子を描いていく青春宅飲みラブコメです。
(イラスト:加川壱互 先生)

https://ga.sbcr.jp/product/9784815609320/


芸能事務所のマネージャーとして辣腕を振るう姉“雫”の家に居候する高校生の“穂澄”。
姉の言いつけで泥酔した“七瀬”を介抱してから、彼女の酒の席に付き合わされる破目に。
キャラの強い彼女を見て、頼まれていた脚本のモデルにしようと彼は観察を始めるが──。

“穂澄”の手を煩わせる“七瀬”の振舞いに、感情移入できないまま話が進んでいく中で
彼女の立場や酒飲みである必要性などが明らかになるにつれそれが少しずつ見直されます。
演劇に、中でも脚本に興味がある彼を印象づける存在になっているところも興味深い点で。

ある意味、共同生活をしているような“穂澄”と“七瀬”に思う所ある“洋子”ですけど、
取り越し苦労でしかないと思いたいですし、「届けその想い」と応援したい注目の女の子。
そんな人の気も知らないで突如現れる「伏兵」に彼の心はどう揺れるのか、気になります。

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2021年02月24日

『声優ラジオのウラオモテ #04 夕陽とやすみは力になりたい?』

二月公 先生が贈る青春声優エンタメ。第4巻は口喧嘩の絶えない“夕陽”と“やすみ”が
番組存続のために関係を見つめ直しつつ、“乙女”が陥る危機を目にして力を合わせます。
(イラスト:さばみぞれ 先生)

https://dengekibunko.jp/product/sayyouradio/322007000101.html


“めくる”と“花火”、仲良しコンビの2人を巻き込んで行われる一泊二日の番組ロケ。
ケンカしたままでいいことなんて何もない、と“朝加”が仕掛けた思いやりのあるワナに
“夕陽”と“やすみ”が気づけるかをもどかしくも温かく見守るのが今巻の話の軸の一つ。

そんな中、スケジュール過密が祟って活動を一時中断して静養に入ることとなる“乙女”。
なのにすぐ復帰しようとする彼女の言動から声優業の闇というか、人気商売であることを
改めて突きつけられます。取り乱す彼女の姿を見せられる度に心苦しい思いが募る一方で。

“乙女”を救う鍵となる人物と接触し、告げられる厳しい現実に“夕陽”と“やすみ”が
どう向き合い結論を出すのか。そして“乙女”を救うことはできるのか。最高のライバル
として、最高のパートナーとして足りない何かを求め続ける2人の関係を見届けたいです。

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2021年02月23日

『ホラー女優が天才子役に転生しました2〜今度こそハリウッドを目指します!〜』

鉄箱 先生が贈る未来転生型サクセスストーリー。第2巻は“つぐみ”に心を揺さぶられる
“美海”たち少女の、取り巻く大人たちの機微に触れながら彼女の快進撃ぶりを描きます。
(イラスト:きのこ姫 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094518924
https://ncode.syosetu.com/n0230fu/


“鶫”の後釜、と世間に見られて辛酸をなめてきた“珠里阿”の母。良い子でいるように
言い聞かせることが娘のためと思い込ませる、生き様すら変えてしまう“鶫”の存在感。
その狂気に巻き込まれる“珠里阿”を救うのが“つぐみ”というのが運命的な巡り合わせ。

“珠里阿”だけでなく“凛”の気を惹く“つぐみ”の存在が面白くない“美海”に芽吹く
負の感情。そこに気付かぬ“つぐみ”が招いた危機が“美海”の成長を促すのも因果な話。
ここで選んだ“つぐみ”の一手が、彼女自身“鶫”に引っ張られていく契機だったのかも。

“つぐみ”の何気ない変化を見抜きながらも手が出せず、今回は兄に頼った“凛”もまた
何か事情を抱えていそうで気になる所。ドラマでもCMでも注目を集め続ける“つぐみ”の
躍進が楽しみな一方、“鶫”に人生を狂わされたまだ見ぬ大人がどう関係するか注目です。

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2021年02月22日

『塩対応の佐藤さんが俺にだけ甘い4』

鉄山かや 先生によるコミックス2巻が同時刊行となる、猿渡かざみ 先生の青春ラブコメ。
第4巻は友だち作りに力を入れる“こはる”を巡る人間関係に“颯太”が頭を悩ませます。
(イラスト:Aちき 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094518832


“こはる”に対して嫌悪感を丸出しにする演劇同好会の会長“澪”を見て戸惑う“颯太”。
そんな事情も知らず“澪”と友だちになろうと勇気を出す“こはる”を見て責任を感じる
上に「SSF」なる異常集団に目をつけられたり、と悩みの種が山盛りな彼には同情しかない。

同好会仲間の“樋端”や“丸山”からすれば“澪”の言動は筋違いの逆恨みでしかないと
認識した上で“こはる”と先に仲良くなってくれるのが救い。一方で「SSF」からの執拗な
嫌がらせに疲弊しつつも“こはる”を心配させまいと気丈に振る舞う“颯太”が痛ましい。

色々と詰んだ状況を“こはる”たちが乗り越えるためのアイデア。その鍵を握るのがまた
“こはる”と“颯太”の「今」を象徴しているかのようで興味深く、見事だと思うところ。
彼女のためを思うあまり自分の感情に気づかない彼の意地が報われて安堵するばかりです。

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2021年02月19日

『女同士とかありえないでしょと言い張る女の子を、百日間で徹底的に落とす百合のお話3』

かやこ 先生によるマンガ連載も続く、みかみてれん 先生の大人気ガールズラブコメディ。
第3巻は母の入院で自宅に一人で過ごす“鞠佳”に“絢”が期間限定の同居を提案します。
(イラスト:雪子 先生)

https://ga.sbcr.jp/product/9784815608682/
https://magazine.jp.square-enix.com/mangaup/original/arioto/


「お母さんが……」と電話越しに涙する“鞠佳”から聞いたその訳に拍子抜けする“絢”。
「鞠佳を守るだけの兵器になる」と家に泊まりにきた彼女から肩透かしを食らう“鞠佳”。
攻守交代で一週間、何もなく過ごせるか、なんて賭けにもならない展開が待ち受ける訳で。

そんなドキドキの同居生活を送る“鞠佳”は再び“アスタ”から女難の相が出ている、と
言われて「彼女」と「ありえない」談義を繰り広げるあの顛末。肝が据わった、というか
覚悟ができた証でもあり、あのエピローグにも繋がったのだと思うと強さをより感じます。

今巻あたりから同人誌版でもかなり刺激的な場面が描写されてくる本作の特徴を商業作品
としてどう活かすか。「GA文庫」編集部としてもだいぶ攻めてきたように見受けられます。
てれん 先生が抱く強欲にどこまで付き合ってくれるか、引き続き見極めたいと思います。

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2021年02月18日

『りゅうおうのおしごと!14』

白鳥士郎 先生が贈る熱血将棋コメディ。ドラマCD&抱き枕カバー付き特装版も同時発売
となる第14巻は“銀子”にとって、そして“あい”にとって人生を左右する道を選びます。
(イラスト:しらび 先生 監修:西遊棋)

https://ga.sbcr.jp/product/9784815606619/


“釈迦堂”にとっておきの昔話を聞かされては泣き、「結婚しよう」と言われて喜色満面。
いい話になりそうな流れから師匠にケチをつけられ、「あのこと」も知って憤怒は拭えず。
それでも“銀子”が一番したいことに向かって迷わない姿勢が勇ましくて、痛ましくて。

“澪”から託された想いを活かしきれず、迫り来る「約束」の時を前に焦りは抑えられず。
母からそこを厳しく指摘された“あい”が「二回目の対局」という道を選ぶまでの顛末が
もどかしくて、切なくて。微笑ましく見えた金沢観光すらこのための布石でしかない所も。

2人の覚悟を見据えた“桂香”から活を入れられたものの、心には空虚が残る“八一”。
その隙間を抱えたまま彼は更なる高みを目指せるのか、あるいは誰かに埋めてもらうのか。
まさか「感想戦」でも罠を仕掛けられるとは思いも寄らず続きが色々と気になる展開です。

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2021年02月17日

『異世界迷宮の最深部を目指そう15』

割内タリサ 先生が贈る異世界迷宮ファンタジー。 第15巻は「素直」な“ディア”たちを
前に“ラスティアラ”が起死回生の一手を打ち、“カナミ”が自身の過去と向き合います。
(イラスト/鵜飼沙樹 先生)

https://store.over-lap.co.jp/Form/Product/ProductDetail.aspx?shop=0&pid=EC0502


「みんな一緒」になる夢を今こそ叶える時、と見定めた“ラスティアラ”の覚悟がすごい。
その想いの強さは“スノウ”の恨み言や“ディア”の悔恨を、その身でもって受け止めた
あの姿を見れば一目瞭然。禍を転じて福と為す、な展開に思わず心の中で拍手喝采でした。

対して“ライナー”ですら認めた“ラスティアラ”の狙いを信じきれなかった“カナミ”。
“ラグネ”の後押しもあって“ノスフィー”との因縁に、そして自身が「最低な男」だと
向き合うため「過去視」の魔法すら使った点は評価が高いです。それでも最低なんですが。

更に「未来視」の魔法すら持ち出して“ノスフィー”を救うべく最善の道を模索し続ける
“カナミ”と“ラスティアラ”。運命の対峙、ハラハラするその行方は想像の枠を超えて
疑問符いっぱいな結末を迎えます。それでも“過波”の物語として進む次巻に要注視です。

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2021年02月16日

『ねえ、もっかい寝よ?2』

田中環状線 先生が贈る添い寝ラブコメ。第2巻はクラスの委員長から恋仲を疑われ、迫る
宿泊研修で不純な行為があれば教師に報告すると言われ“忍”と“静乃”が策を考えます。
(イラスト:けんたうろす 先生)

https://dengekibunko.jp/product/322010000137.html


生真面目な性格がいかにも委員長らしい“風来”。彼女が持つクセの強い「恋愛妄想」が
あながち間違ってない、というか“忍”と“静乃”に疑いをかけるくらいは見る目がある。
ということで「彼シャツ」とかしちゃう、させちゃう2人に釘を刺すのが今巻のポイント。

添い寝しなければ安眠できない状況は変わりなく、かと言って2人特殊な関係を理解して
もらえるとは思えない“風来”に対し“小峰”姉弟や“花音”の手も借りあれやこれやと
手を尽くす様子にハラハラしたりニヨニヨしたり、羨ましい関係だと再認識させられます。

しかしそこは人間、しかも若人、ということで油断大敵。運命の分岐点を迎えるワケです。
添い寝するということに対し“忍”と“静乃”が改めて向き合い、示した誠実で邪な想い。
“風来”がそれをどう判断するか見届けてほしいですし、その行く末も気になる展開です。

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2021年02月15日

『ホヅミ先生と茉莉くんと。 Day.1 女子高生、はじめてのおてつだい』

葉月文 先生が贈る新作は、低迷の続く作家が担当編集から送られた「秘密兵器」を頼りに
ラブコメを書くことになった顛末を通じて、作者から読者へ向けたメッセージを伝えます。
(イラスト:DSマイル 先生)

https://dengekibunko.jp/product/322008000010.html


担当編集“双夜”に重版童貞と揶揄される“ホヅミ”は編集部からの荷物を届けてくれた
女子高生“茉莉”の協力を頼りに世間を見返す一発逆転するためのラブコメを書き始める。
一生を懸けて作家であり続けるため、自分の作品を面白いと言ってくれる人のために──。

突如始まった半同棲生活に、女子高生と30歳目前の作家が一喜一憂する様子を微笑ましく
見守るだけの物語、かと思いきや、編集との意味深長な関係、一歩も二歩も先を行く同期、
原稿を書き直したくなる発売前の無力感、と小説を書く作家の心情が赤裸々に綴られます。

重版童貞を卒業できるか、が鍵ではなく“双夜”と“ホヅミ”の間で「秘密兵器」に対し
認識の齟齬があることが分かってからの怒涛の展開が本作の肝。“茉莉”が冒頭で見せた
戸惑いに込められた胸の内を、受け止めた彼の気概を、ぜひ読んで察してほしい作品です。

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2021年02月12日

『異世界黙示録マイノグーラ〜破滅の文明で始める世界征服〜 3』

鹿角フェフ 先生が贈る異世界ファンタジー。第3巻は別のRPG世界から襲来した魔王軍に
思い当たる節のある“タクト”が勝ち筋を見い出すも、想定外の因果が運命を狂わせます。
(イラスト:じゅん 先生)

https://gcnovels.jp/book/b1144.html
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_AM00000023010000_68/
https://ncode.syosetu.com/n8760ei/


不朽の名作にして“タクト”も遊びつくしたことのある王道RPG『ブレイブクエスタス』。
魔王軍四天王が現れても臆することのない彼の様子に安心するのも束の間、“アトゥ”が
戦闘した際に身を持って体験したゲームシステムの違いによる影響が不安を掻き立てます。

満を持して“フレイマン”と対峙する“イスラ”のスキルを活かしたその強さすら今巻で
最大の山場となるあの決定的瞬間を演出する要素の一つでしかない、という話運びに驚嘆。
魔王を倒すために必要だったとはいえ 鹿角 先生の容赦の無さに空恐ろしさすら感じます。

“タクト”の油断と慢心。臥薪嘗胆とも言える場面を迎え、怒り心頭の彼が緊急会議にて
高らかに宣言したあの言葉は大言壮語か、有言実行か。そもそも魔王軍を唆したかの如き
「神」とは何か、その真意はどこにあるのか。気になる要素満載で次巻が待ち遠しい限り。

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2021年02月11日

『僕を成り上がらせようとする最強女師匠たちが育成方針を巡って修羅場2』

赤城大空 先生が贈るヒロイックファンタジー。第2巻は“クロス”たちの活躍に注目した
貴族の子女からの難癖に、師匠たちは彼を魔法剣士として育てることで対抗していきます。
(イラスト:タジマ粒子 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094518818


派閥争いの踏み台に“クロス”たちを取り込もうと“カトレア”がどんな罠を仕掛けるか。
“ジゼル”が持つ切り札にも用意万端の高慢なお嬢様を圧倒していく彼の成長ぶりに天晴。
理不尽な喧嘩を締め括る“ジゼル”のあの顔、タジマ 先生の挿絵が見事に嵌ってました。

“クロス”のことを認めた“ジゼル”の「可愛さ百倍」になった素直じゃない言動の数々、
見ていて思わずニヨニヨしてしまいます。そんな2人の関係を気に掛けていた“エリシア”
もまた彼のことを意識する少女の一人。今後どうアプローチを仕掛けていくか注目所です。

そんな少女たちの障壁となる師匠たちと言えば今回、魔法剣士を目指すにあたり効果的な
指導に務めた“リュドミラ”が一歩リード、かと思えばイケナイ知識と経験を与えてきた
“テロメア”も侮れません。“クロス”のハートを射止めるのは誰か、続きが楽しみです。

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2021年02月10日

『幼馴染で婚約者なふたりが恋人をめざす話 1』

緋月薙 先生が贈る新作は、半同棲の高校生活を送るほど互いのことを知りすぎる御曹司と
お嬢様が「夫婦以上、恋人未満。」の関係を改善させていく恋仲“もっと”進展物語です。
(イラスト/ひげ猫 先生)

http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/946.html


“悠也”が通う高校の理事長“明日香”は彼の父と親交もあり、親元を離れて過ごす彼を
見守る親代わりのような存在。そんな彼女は彼が許嫁“美月”と清く正しい関係でいるか
すごく心配。その種となる2人は、まるで熟年夫婦のような言動を見せつけており──。

気が置けない“悠也”と“美月”が見つめ合うだけで照れる様子のこそばゆさと言ったら。
幼馴染の女の子が何かと不憫な思いをする話が多い昨今、約束された勝利に向けて2人が
どう歩み寄っていくのかを安心して見守れる、緋月 先生らしさがあふれる滑り出しかと。

もちろん恋人未満な“悠也”と“美月”だけでは話が進展しませんので2人を後押しする
“大河”と“雪菜”をはじめとして、思わずニヨニヨできるシーンが期待できそうな予感。
改めて互いのことを受け止めて、どうするのかを見届けていきたいと思えるシリーズです。

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2021年02月09日

『わたし以外とのラブコメは許さないんだからね(2)』

羽場楽人 先生が贈る、告白で幕が開くラブコメ戦線。第2巻は中学時代の後輩“紗夕”が
同じ高校に進学していたことを知った“希墨”がその再会の意味に気付く顛末を描きます。
(イラスト:イコモチ 先生)

https://dengekibunko.jp/product/watalove/322008000012.html


「きー先輩、好きです。私と付き合ってください」「それ何度目の嘘告白だと思ってる?」
そんな軽い雰囲気で話ができる“紗夕”と“希墨”の変わらない関係。変わったのは彼に
“ヨルカ”という絶対的存在な彼女ができたということ。ハグとかしちゃってもう可愛い。

“希墨”たちに交じって“紗夕”もカラオケを楽しむ中、“朝姫”が語った恋愛観に反発
するところから、後輩の立場に収まるだけではいられない彼女なりのアプローチに感心を
抱く一方で、長年抱いてきたその想いすら超えてくる“ヨルカ”の強さに圧倒されます。

教師として“神崎”が“希墨”の人たらしぶりに釘を刺すなど、良き理解者であることが
窺える中で「失恋同盟」相手にも余裕を見せた“ヨルカ”が彼女を敵視する訳も明らかと
なりました。何かと興味深いその関係が続く話の軸を握るというのだからこれまた楽しみ。

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2021年02月08日

『継母の連れ子が元カノだった6 あのとき言えなかった六つのこと』

紙城境介 先生が贈る同棲ラブコメ。第6巻は“水斗”が“結女”に対して「壁」を感じる
意識を強める中、そんな彼の気も知らない彼女はその距離感を詰め切れず葛藤を続けます。
(イラスト:たかやKi 先生)

https://sneakerbunko.jp/product/motokano/322010000188.html


自分と彼女とは「違う」と目に見えない自傷行為を続ける“水斗”の言動に対して思わず
「ここまでネガティブでしたっけ?」と振り返ってしまうほど。あんなに一緒だったのに
どんどん“結女”との心の距離を話していく描写が何とも痛々しくて、いたたまれなくて。

“水斗”の葛藤も知らず、文化祭で大正ロマン喫茶の準備に一喜一憂する“結女”の姿が
可愛らしくもあり、もどかしくもあり。“鈴里”が「かすがいとなって」と言った意味を
文化祭というイベントをどう捉えるか、そこで気づくあたりが彼女らしいとも言える訳で。

そんな2人のすれ違う顛末を「あのとき言えなかった六つのこと」に込める演出はお見事。
更に言うと“水斗”自身も忘れていた思い違い、というか思い上がりを“いさな”が正す、
それが本作の真髄かも知れません。繋ぎ止めた手の温もりを大切にしてほしいものです。

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2021年02月05日

『剣と魔法の税金対策』

SOW 先生が贈る新作は、自身の体験を元にした異世界税制コメディ。金に執着する勇者が
天使から税を徴収されるのを免れるため、魔王と偽装結婚するなど様々な手を尽くします。
(イラスト:三弥カズトモ 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094518825


「我の配下となれば、世界の半分をくれてやろう!」「え、マジ!? わかった!」「え!?」
魔王“ブルー”と勇者“メイ”の談合成立、かと思いきや突如現れた天使“ゼオス”から
贈与税を払えと宣告される。なぜなら絶対神に税を納める制度に縛られた世界だから──。

少なくとも日本で生活するからには老若男女問わず、切るに切れない「税金」との関わり。
ネーミングも捻らずド直球で思わず「ネタか」と思いつつ読み進めると、税制度の必要性
について感情で分からせる話運びで、公的な啓蒙活動に推薦できそうな印象すらあります。

“メイ”が「銭ゲバ」な勇者となった背景にも税にまつわる迂遠な陰謀が関係していたり、
“ブルー”との偽装結婚も思いがけない昔話に繋がっていたり、と2人の気持ちの変化も
見どころとして挙げられます。ためになる上に面白い、二度おいしい感のある作品です。

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2021年02月04日

『薬屋のひとりごと 10』

日向夏 先生が贈るシリーズ累計1200万部の大人気ミステリー。第10巻は西都に到着した
“壬氏”の難しい立場を描きつつ、その裏で“猫猫”が大蝗害に潜む歴史を紐解きます。
(イラスト:しのとうこ 先生)

https://herobunko.com/books/hero14/12670/


西都に蝗害はないのか。まずは「“馬閃”がんばれ」と応援したくなる一面を堪能しつつ
“陸遜”も訪れたという村を訪れる“猫猫”がその真相にどう迫るか。意味深長な言動を
見せる“雀”や“天祐”が気になり、何度もあれこれと予想が崩されて翻弄されました。

芋の普及に向けて白羽の矢が立つ“羅半兄”。その呼ばれ方からして実に不憫な方ですが
そんな彼が今巻の鍵を握ることになるとは。風の民とは何か。戌の一族はなぜ滅んだのか。
飛頭蛮の謎すら巻き込んで示された「ある可能性」は点を線で結ぶかのような内容で驚愕。

ある手段を用いて届けられた文がもたらす凶兆。高まる緊張感。“猫猫”すら身の危険を
覚える展開にヒヤヒヤして、それを心配する“壬氏”の対応にニヤニヤして。“玉葉”が
その顛末を知ってなお、自身の戦に臨む一幕がどんな話に繋がるか、続きが気になります。

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2021年02月03日

『義妹生活』

突然、兄妹となってしまった同級生の男女を天ア滉平さん、中島由貴さんの声で演出する
アニメ・マンガ動画。企画・原作・脚本担当の 三河ごーすと 先生が自らノベライズです。
(イラスト:Hiten 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/gimaiseikatsu/322002002162.html
https://www.youtube.com/channel/UCOQyW7GmCyTKwjCJEaTBWRw


喧嘩ばかりしていた両親の姿を見て育ち、今は離婚後の父と暮らす高校2年生の“悠太”。
その父から突如再婚を告げられた上に同年代・同学校の“沙季”が義妹となることが判明。
これから始まる共同生活を前にどういう方針で臨むか探るとある共通点が見つかって──。

互いに期待せず、ドライな関係で恋愛要素も皆無な“悠太”と“沙季”。自立を目指して
高額バイトを探す彼女、そのアテを探す彼。少なからず相手のことが分かっていくごとに
共に「良き理解者」であることを認めていく、そこに恋愛要素が芽生えていくのが楽しい。

“悠太”のバイト仲間である“読売”先輩からの異性とは思えないセクハラ発言の連発や
“沙季”の数少ない友人である“真綾”からの猛烈なウザ絡みなども面白く、話を動かす
手助けにもなっているのも見所。1週間でここまで変化して、この先どうなるか注目です。

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2021年02月02日

『転生王女と天才令嬢の魔法革命3』

鴉ぴえろ 先生が贈る王宮百合ファンタジー。第3巻は弟に引導を渡した“アニスフィア”
自らが王位を継ぐ流れを目にした“ユフィリア”は彼女のために、と一大決心をします。
(イラスト:きさらぎゆり 先生)

https://fantasiabunko.jp/product/202001mahoukakumei/322008000689.html
https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_AM01201792010000_68/
https://ncode.syosetu.com/n8558fh/


“アニスフィア”が王位を継ぐ。しかし魔法の才能がない彼女を魔法省や貴族らが敵視し
国が荒れるのは目に見えている。しかも魔学を極める彼女の才能を摘むことにも繋がる。
全て承知の上で“ユフィリア”が彼女を王にすべき立場と矛盾に悩む様子がもどかしい。

“ユフィリア”が王女を止める。だけどその実現には自身の存在すら懸ける必要がある。
けれど「王女」であることに異常なこだわりを示す“アニスフィア”からは拒否される。
分かっているようで知らなかった互いの感情がぶつかってしまう展開が何とも歯がゆい。

力ずくで我を通した“ユフィリア”に肉体的な成長を感じて心を打つものを覚えると共に
“アニスフィア”に強気で迫っていくベッドシーンには肉食的な変化すら見えて感慨深い。
完結かな、と思える綺麗な終わり方を魅せたら次は第二幕、ということで次巻を待ちます。

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2021年02月01日

『神は遊戯に飢えている。1 神々に挑む少年の究極頭脳戦』

細音啓 先生が贈る新作は、人類と神々が繰り広げる至高のファンタジー頭脳戦。元女神と
期待のルーキー少年が難解なゲームの完全攻略に挑みます。すでに漫画化が決定してます。
(イラスト:智瀬といろ 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/kami_to_game/322010000011.html
https://kakuyomu.jp/works/1177354054919146074


神々が設定したルールに翻弄され人の連敗が続く、人と神々の頭脳ゲーム「神々の遊び」。
ある日、隠れんぼで三千年も寝過ごした元女神“レオレーシェ”が発掘される。彼女は
ゲームが一番上手い人間を連れてきて、と言うので無敗の“フェイ”に声が掛かるが──。

暇を持て余した神が設けた、勝利条件や敗北条件が明確になっておらず隠しルールもある
ゲームに対して挑戦者たる人々は勝つことに躍起で切羽詰まっている、その傍らでクリア
するためにとことんゲームを楽しもうとする“フェイ”たちの姿が対称的で驚かされます。

その驚きの極めつきなのが、極限状態の中で神のルールを暴き、ゲームをクリアする過程。
これはぜひ読んで味わってほしい爽快感です。“フェイ”がゲームを完全攻略する目的が
“レオレーシェ”に結びつくのかどうかも気になりますし、続きが楽しみなシリーズです。

posted by 秋野ソラ at 00:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル