屋久ユウキ 先生が贈る人生のバイブル的青春小説。第9巻は“菊池”との距離感を見直す
“友崎”が彼女の機微、自分のキャラクター性、そして“日南”の本質に気付きを得ます。
(イラスト:フライ 先生)
【 http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094518788 】
【 http://tomozaki-koushiki.com/ 】
“友崎”は“菊池”とは違って外の世界に活動の場を、交流を広げられる。運命の旧校章
に受け継がれた想いの重さも相まって2人が抱える「矛盾」を突き詰めていく姿勢が真摯。
だから前提を覆すあの言葉を、付き合うことの意味を引き出せたのだと思うと感慨深くて。
“菊池”は“友崎”が“日南”と過ごした特別な時間のことを知り、彼が無意識のうちに
“日南”を「特別」だと捉えていたその理由を紐解いていく。その過程を通じて小説家と
しての自分を認識し、相手にも感じさせるその言動には畏怖すら覚えるものがありました。
“日南”は“友崎”の人生攻略になぜ協力したのか。“友崎”や“菊池”が独自の視点で
そのブラックボックスをこじ開けた時に残る“友崎”との共通点、そして寂寥と虚無感。
彼女のモノクロな世界を色づけることができるか、彼の攻略ぶりに注目したいと思います。