川上稔 先生がWeb限定で贈るラブコメ短編集・第4弾は「尊い」編。『総統閣下の塔』
『天使の解釈違い』『黄金周環』『幸いの人』『禁書区画で待ってる』他を収録です。
(イラスト:さとやす 先生(TENKY))
【 https://bookwalker.jp/de04da0f91-2094-475e-9f7a-5d9fb86dcf87/ 】
『総統閣下の塔』では、国に建てられた通信塔の近くで聞けるレジスタンスの海賊放送を
聴いていた少年と少女が、戦後になって「ある誤解」に気付くまでの逸話がまず印象的で。
『天使の解釈違い』は夫が旅行帰りに豹変した理由を探る妻の反応になるほど感が強くて。
『黄金周環』は10年の時を経て冷めた夫婦関係にある男性がゴールデンウィークに纏わる
ネタを利用して「辛い」を「幸い」に変えるべく挑み続ける顛末にアッと言わされました。
『幸いの人』は天界へ導かれた姉と残る妹、両者に関わる謎の青年との関わりが奥深くて。
短編集を締め括る『禁書区画で待ってる』は大戦後、分断した国の東側にある大図書館で
司書を務める女性の話。西側の人となった幼馴染の彼に逢いたくてある目的のために管理
していた「禁書区画」に残された言葉、そして文章に触れる彼女から尊さが溢れてました。