香月美夜 先生が贈る大人気ビブリア・ファンタジー。 第五部最4巻はエーレンフェスト
におけるライゼガング系貴族の台頭を目にした“ローゼマイン”らが改革に乗り出します。
(イラスト:椎名優 先生)
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“ジルヴェスター”から「貴族院での順位を下げろ」と言われて疑念を抱くそぶりもない
“ヴィルフリート”に危険信号。逆に疑義を申し立てた“シャルロッテ”が見せた雄弁の
数々に“ローゼマイン”でなくとも胸が熱くなる思いがしました。良い子に育ったもので。
今回の背景にある「ライゼガングの総意」の何ときな臭いことか。“ローゼマイン”らが
気付けたことで先の見通しが出来たのは怪我の功名か、という中で“ブリュンヒルデ”の
あの提案がまた泣けてくる。“ローゼマイン”を想い、夢も貫くその姿が実に健気すぎて。
“ヴィルフリート”の不幸は支える人材に恵まれなかったからか、あるいは己の人間性か。
再び破滅を予感させる展開に緊迫感を覚えつつ、身体を含めた“ローゼマイン”の更なる
成長に期待したい所です。巻末短編「反省と羨望」で絆を深めた2人に希望を託しながら。