2021年01月04日

『ナゾトキ女とモノカキ男。 未来を写すカメラと人体消失』

『札幌市白石区みなすけ荘の事件簿 ココロアラウンド』の 辻室翔 先生が贈る新作は
不思議な道具を手に日常の謎へ挑む少女と小説家を目指す少年の青春模様を描きます。
(イラスト:うなさか 先生)

https://fantasiabunko.jp/product/202012nazotoki/322007000704.html


やる事なす事すべてがプロ級な多趣味を持つ“早來”の異名は「史上最強のアマチュア」。
そんな彼女に目をつけられた、文芸部で作家デビューを目論む“壱時”は今日も今日とて
ある写真を見せつけに来る。人体消失事件が起きる未来を映した決定的瞬間らしいが──。

世界の理を超えた道具「超理具」を手に、それらに纏わる謎に挑む“早來”と“壱時”の
活躍を連作短編形式で小気味良く読ませていく構成がまず楽しい。2人の掛け合う様子や
「超理具」をどう活用するかで魅せてくる絶妙な話の流れに徐々に惹き込まれていきます。

“早來”が手にするカメラがなぜ喋るのか。そもそも「超理具」はなぜ出回っているのか。
様々な思惑の錯綜する結末から「学園青春不条理系ミステリー」と銘打ったのも頷けます。
彼女も十分に推せるキャラで、そういった面からもお薦めできる注目の一作かと思います。

posted by 秋野ソラ at 00:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2021年01月01日

『俺、ツインテールになります。20 〜ツインテール大戦〜』

水沢夢 先生が贈るツインテール愛あふれるシリーズ。第20巻はアルティメギルとの激戦を
乗り越えた“総二”たちツインテイルズたちの新たな日常、そして闘いの日々を描きます。
(イラスト:春日歩 先生、bun150 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094518764


“テイルレッド”=“総二”、という構図が世に広まってコミカルな展開に微笑ましさを
味わう中、突如として現れた海賊船、そして属性を見失った“プロメテウスギルディ”。
ツインテールへの怨念がツインテイルズとしての存在意義すら揺らがすとは驚くばかりで。

執拗に“総二”たちを狙う“プロメテウスギルディ”への対抗策として、魔星少女たちを
再び目にすることとなるとは思いも寄らず。こうしたクロスオーバーも特撮モノならでは。
作品を超えた登場人物の掛け合いも面白く 水沢 先生ならではのアプローチを褒めたい所。

まさに「ツインテール大戦」の副題にふさわしいバトルの連続も熱く、ツインテール愛に
あふれた物語の締めくくりに大満足の巻でした。“唯乃”がイイ味を出していたのも好感。
いつかまた帰ってきて貰いたいものです。同じく読み手からも「さよなら」は言いません。

posted by 秋野ソラ at 01:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル