望公太 先生が贈る年の差超純愛ラブコメ。第4巻は “巧”への想いにもう迷いはないと
心を決めたはずの“綾子”が、ここまで来て彼の気持ちを翻弄してします局面を迎えます。
(イラスト:ぎうにう 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/mamasuki/322010000139.html 】
【 https://manga-park.com/title/32170 】
あれだけ大胆な、挿絵指定も受けた行動も見せつけてくれたのにまだ恋人同士ではない。
“美羽”や“狼森”が呆れるような「そんなワケあるか」という展開に陥るのが“綾子”。
面倒臭いところも含めて彼女が好きだと分かっているだけに“巧”には同情するしかなく。
自分が相手に伝えたいことは、態度だけではなく言葉にしなければ伝わらない。婚活して
いた時も、結婚してからもそう感じる瞬間は何度も味わってきています。今回“綾子”が
あたふたしている様子を見て、反面教師として胸に刻み直しておこうと思った次第です。
二人が過去の思い出を振り返って互いへの想いをより強くした中で“綾子”に訪れる仕事
での一大転機。一難去ってまた一難、かと思えば“狼森”の粋な計らいで一味違う難局に
直面する彼女には吉と出るか凶と出るか。恋心が愛情へ進む機微をどう描くか楽しみです。
2021年01月15日
2021年01月14日
『けいたん。〜ライトノベルは素敵なお仕事。多分?〜』
榊一郎 先生が贈る新作は、新人賞を受賞したある少年を主人公として、よく似た人物や
創作論の数々、ライトノベルの夢と希望と現実と絶望を織り交ぜた業界神話を綴ります。
(イラスト:潮一葉 先生)
【 https://kc.kodansha.co.jp/product?item=0000346766 】
ここは東京都文京区音羽、講談社。最寄りの護国寺駅に到着した“拓哉”は原稿を渡しに
直通の零番出口から足を踏み入れると、そこは森。しかもドラゴンと相対する謎の局面に
慌てる彼を上を飛び越え黒いゴスロリ服を着た少女が現れたと思えば銃をぶっ放して──。
のっけから奇想天外、摩訶不思議なノリに圧倒されるや否や、Twitterでもよく見かける
関係者のお名前がずらずら出てきて思わず笑みがこぼれる展開が続き、仕舞いにはあの
「美少女文庫」さんや何かと話題の“さかきいちろう”まで巻き込むのだから興味深い。
“拓哉”をどうしても後輩にしたい新人編集者“凜子”や、彼を溺愛するミステリ作家
“天音”との掛け合いも楽しみつつ、業界ネタや創作あるあるなども披露するあたりは
単なるノリでゴリ押しするだけの作品じゃない熱量が感じられます。続刊希望ですかね。
創作論の数々、ライトノベルの夢と希望と現実と絶望を織り交ぜた業界神話を綴ります。
(イラスト:潮一葉 先生)
【 https://kc.kodansha.co.jp/product?item=0000346766 】
ここは東京都文京区音羽、講談社。最寄りの護国寺駅に到着した“拓哉”は原稿を渡しに
直通の零番出口から足を踏み入れると、そこは森。しかもドラゴンと相対する謎の局面に
慌てる彼を上を飛び越え黒いゴスロリ服を着た少女が現れたと思えば銃をぶっ放して──。
のっけから奇想天外、摩訶不思議なノリに圧倒されるや否や、Twitterでもよく見かける
関係者のお名前がずらずら出てきて思わず笑みがこぼれる展開が続き、仕舞いにはあの
「美少女文庫」さんや何かと話題の“さかきいちろう”まで巻き込むのだから興味深い。
“拓哉”をどうしても後輩にしたい新人編集者“凜子”や、彼を溺愛するミステリ作家
“天音”との掛け合いも楽しみつつ、業界ネタや創作あるあるなども披露するあたりは
単なるノリでゴリ押しするだけの作品じゃない熱量が感じられます。続刊希望ですかね。
2021年01月13日
『俺を好きなのはお前だけかよ(15)』
駱駝 先生が贈るラブコメディ作品。第15巻は“パンジー”として現れた“虹彩寺菫”に
翻弄される“雨露”が改めて“三色院董子”と向き合うため奔走する年の瀬を描きます。
(イラスト:ブリキ 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/oresuki/322009000005.html 】
あれから“董子”と連絡はつかず、“菫”からは恋人アピールが続く、謎が謎を呼ぶ展開。
周囲の女性陣だけでなく、親友の“太陽”すらこの状況を止めるそぶりも見せず、状況を
打破する契機すら掴めないまま「パンジー」に秘められた驚愕の事実が突き付けられます。
“菫”と“菫子”の特別な関係。“菫”が傷つけ、傷ついた過去。“菫子”が選んだ未来。
あの夏の日にまだここまでのドラマが巻き起こっていたのかと、さらに“菫子”に対する
印象を見直すことになるのかと思うと、ここまで作りこまれた設定に驚くしかないです。
2人の「パンジー」に深く繋がる唯一の人物。“雨露”の頼みの綱となる人物の所作にも
意味があると分かり、その陰陽の落差に印象深いものを感じずにはいられません。決め手
となる舞台はやはり「あの図書館」ということで大詰めの展開、見届けていきたい所です。
翻弄される“雨露”が改めて“三色院董子”と向き合うため奔走する年の瀬を描きます。
(イラスト:ブリキ 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/oresuki/322009000005.html 】
あれから“董子”と連絡はつかず、“菫”からは恋人アピールが続く、謎が謎を呼ぶ展開。
周囲の女性陣だけでなく、親友の“太陽”すらこの状況を止めるそぶりも見せず、状況を
打破する契機すら掴めないまま「パンジー」に秘められた驚愕の事実が突き付けられます。
“菫”と“菫子”の特別な関係。“菫”が傷つけ、傷ついた過去。“菫子”が選んだ未来。
あの夏の日にまだここまでのドラマが巻き起こっていたのかと、さらに“菫子”に対する
印象を見直すことになるのかと思うと、ここまで作りこまれた設定に驚くしかないです。
2人の「パンジー」に深く繋がる唯一の人物。“雨露”の頼みの綱となる人物の所作にも
意味があると分かり、その陰陽の落差に印象深いものを感じずにはいられません。決め手
となる舞台はやはり「あの図書館」ということで大詰めの展開、見届けていきたい所です。
2021年01月12日
『古き掟の魔法騎士I』
「ロクでなし魔術講師と禁忌教典」シリーズの 羊太郎 先生が贈る新作は、窮地に陥る
王国の王子が伝説の英雄を現世に顕現させ、その力を借りて苦難を乗り越える英雄譚です。
(イラスト:遠坂あさぎ 先生)
【 https://fantasiabunko.jp/product/202012fairyknight/322006000827.html 】
王国の始祖“アルスル”に仕えた伝説の騎士“シド”。命を狙われる王子“アルヴィン”
には彼を転生復活させる魔法が口伝されており、藁をもすがる思いでその墓標で詠唱する。
すると突然の雷光と轟音に現れた見知らぬ青年が、見たこともない力で敵を圧倒して──。
読者には早い段階で気づける“アルヴィン”の「秘密」を“シド”はいつ認識できるのか。
その時が訪れるまでのドキドキ感と、彼に対する周囲の反応、温度感の違いがまず楽しい。
“アルヴィン”が傾国の王子として生きる覚悟を読み手にも印象づけてくれる話運びです。
強さを魅せつけてくれる“シド”にも転生した身として色々と事情がある要素を示しつつ
ある「弱点」が、“アルヴィン”の確固たる意志と合わさって昇華していくあの場面には
胸を熱くさせるものがありました。主従共にどう成長していくのか楽しみなシリーズです。
王国の王子が伝説の英雄を現世に顕現させ、その力を借りて苦難を乗り越える英雄譚です。
(イラスト:遠坂あさぎ 先生)
【 https://fantasiabunko.jp/product/202012fairyknight/322006000827.html 】
王国の始祖“アルスル”に仕えた伝説の騎士“シド”。命を狙われる王子“アルヴィン”
には彼を転生復活させる魔法が口伝されており、藁をもすがる思いでその墓標で詠唱する。
すると突然の雷光と轟音に現れた見知らぬ青年が、見たこともない力で敵を圧倒して──。
読者には早い段階で気づける“アルヴィン”の「秘密」を“シド”はいつ認識できるのか。
その時が訪れるまでのドキドキ感と、彼に対する周囲の反応、温度感の違いがまず楽しい。
“アルヴィン”が傾国の王子として生きる覚悟を読み手にも印象づけてくれる話運びです。
強さを魅せつけてくれる“シド”にも転生した身として色々と事情がある要素を示しつつ
ある「弱点」が、“アルヴィン”の確固たる意志と合わさって昇華していくあの場面には
胸を熱くさせるものがありました。主従共にどう成長していくのか楽しみなシリーズです。
2021年01月11日
『グリモアレファレンス 図書委員は書庫迷宮に挑む』
「昔勇者で今は骨」シリーズの 佐伯庸介 先生が贈る新作は、とある図書館の地下深くに
広がる迷宮に眠る奇書や希覯本、魔書を求めて挑む図書委員たちの非日常生活を描きます。
(イラスト:花ヶ田 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/321911000035.html 】
宇伊豆学園附属図書館。地上4階、地下二階と破格の大きさを誇るこの図書館にある秘密。
そこで図書委員を務める“尊”はファイルを「エントランス」へ持って行ってと頼まれる。
地下にあるその扉を開けると広がるのは無数の本棚。更に突如脳裏に地図が浮かんで──。
予備知識ゼロで迷宮という非日常へ踏み込んだにもかかわらず何故か適性を見せる“尊”。
ワケありな経歴を持つ彼、図書探索委員として人手を求める“御高”たちの思惑が見事に
合致して迷宮探索に新たな流れを呼び起こしていく展開にいつしかワクワク感を覚えます。
“尊”が仲間と行動を共にする「真の理由」も興味深い人間性ですし、そんな彼に対する
愛が深い“三火”の言動がいじらしくて恐ろしくて。迷宮独特のルールを活かしたバトル
にも見どころがありますし、素直に楽しめる物語かと思います。続きが読みたい一作です。
広がる迷宮に眠る奇書や希覯本、魔書を求めて挑む図書委員たちの非日常生活を描きます。
(イラスト:花ヶ田 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/321911000035.html 】
宇伊豆学園附属図書館。地上4階、地下二階と破格の大きさを誇るこの図書館にある秘密。
そこで図書委員を務める“尊”はファイルを「エントランス」へ持って行ってと頼まれる。
地下にあるその扉を開けると広がるのは無数の本棚。更に突如脳裏に地図が浮かんで──。
予備知識ゼロで迷宮という非日常へ踏み込んだにもかかわらず何故か適性を見せる“尊”。
ワケありな経歴を持つ彼、図書探索委員として人手を求める“御高”たちの思惑が見事に
合致して迷宮探索に新たな流れを呼び起こしていく展開にいつしかワクワク感を覚えます。
“尊”が仲間と行動を共にする「真の理由」も興味深い人間性ですし、そんな彼に対する
愛が深い“三火”の言動がいじらしくて恐ろしくて。迷宮独特のルールを活かしたバトル
にも見どころがありますし、素直に楽しめる物語かと思います。続きが読みたい一作です。