2021年01月29日

『悪役令嬢になったウチのお嬢様がヤクザ令嬢だった件。2』

翅田大介 先生が贈る、破滅フラグを打ち破る痛快活劇ファンタジー。第2巻はもう一人の
転生者“ユリアナ”の妄執により仕掛けられた謀略の数々に“キリハ”が徹底抗戦します。
(イラスト:珠梨やすゆき 先生)

https://dengekibunko.jp/product/322009000009.html


業腹な“キリハ”の暗殺を謀る“ユリアナ”。鉄砲玉にされる少年少女の境遇にご立腹な
“キリハ”が闇ギルドに乗り込み元締めとギャンブルで「ざわ……ざわ……」と駆け引き
に興じるあの気風の良さ、そして余裕ぶり。読んでいて味わえるあの爽快感に惹かれます。

人間のクズと評されてもその傲岸不遜ぶりを崩さない“ユリアナ”が反乱軍をけしかけ、
魔族をけしかけても、その身一つで切り抜けていく“キリハ”がもう格好良いのなんの。
立場を超えて次々とオトコを魅了していく、まさに罪作りな女性だなと言うしかなくて。

約束されたシナリオすら崩されたあげく、ゲームオーバーを突きつけられた“ユリアナ”。
“キリハ”が結んだ縁を象徴する「彼女」たちのあの決め台詞も胸がすく思いでいっぱい。
胃薬漬けの“ジェラルド”には悪いですが、ファンディスクの展開も見てみたいものです。

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2021年01月28日

『彼女は僕の「顔」を知らない。』

古宮九時 先生が贈る新作は青春ライトミステリ。放火事件の生存者である少年少女たちが
高校生となり、再会し、改めてその真相を探る内に互いの隠してきた感情と向き合います。
(イラスト:shimano 先生)

https://mwbunko.com/product/321812000049.html


他人のマイナス感情に同期する異常体質を負った10年前の夏、火事に巻き込まれた“良”。
同じくその炎の中にいた“静葉”を忘れずにいた彼は、転校してきた彼女と再び巡り合う。
人付き合いは苦手だが直す気はない、という彼女は彼のことに気付かない。何故なら──。

失貌症、人の顔が認知できなくなっていた“静葉”があの火事の犯人を捜しているという
ことを知り、身体的制約に苦しめられつつも限られた情報を頼りに「黒服の男」の正体に
目星をつけて事件を解決に結びつけていく・・・なんて流れを軸にしていかないのが古宮流。

冒頭で“良”が言及した「贖罪」とは何か。彼が“静葉”をどう「特別」と捉えていたか。
“静葉”と彼女の兄とのメールの送受信にも彼の本質を探る鍵があり、その演出もお見事。
「怒ってます?」と聞いたあの言葉と反応に救済と未来を感じました。お薦めの一作です。

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2021年01月27日

『育ちざかりの教え子がやけにエモい3』

鈴木大輔 先生が贈るエモ×尊みラブコメ。第3巻は“達也”と“明日香”に一つの節目が
訪れようとする一方、エキストラに参加した“ひなた”が人生を左右する決断を下します。
(イラスト:DSマイル 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094518856


夏休み。中学二年生の今しかないこの特別な日々をどう過ごすか。そんな中で“彩夏”が
手にした夢へのチャンス、それすらも“達也”と対等になるための礎とする“ひなた”に
自我の強さ、容赦の無さをなお見せつけられます。“彩夏”たちも胸中複雑ではないかと。

残酷な現実に晒されていることを知る由もない“彩夏”のことを酷評する女優“ひかり”。
彼女もまた“ひなた”のケンカ腰に、あるいは追い落とされる鳥のように巻き込まれると
知りながら振舞うその姿勢、そして“晋太郎”の抜け目のなさに業界の厳しさを感じます。

大人たちに“ひなた”が威勢を誇示しているとは露知らず、逃げ癖を克服しようとする
“明日香”の気持ちに応えようとする“達也”。“ひなた”の変化に気付いてしまった
“陽一”に慰めの言葉をかけつつ、“達也”たちがどんな難局を迎えるのかを見届けます。

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2021年01月26日

『董白伝 〜魔王令嬢から始める三国志〜3』

伊崎喬助 先生が贈る打擲幼女の覇道ファンタジー。第3巻は長安に遷都した“董白”が
経済復興、治安維持に影響する騒動の数々を解決するうちに予想外の真実を突き止めます。
(イラスト:カンザリン 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094518870


“馬騰”の使者がようやく到着したかと思えば賊に奪われ、それを突き止めればこれまた
偏屈な強敵“甘寧”が強敵として現れ、更にはペテンにかけてくる“張魯”ともつながる。
泣きっ面に蜂どころか熊にも襲われるかの如き窮地を迎える“董白”には同情するばかり。

そこへ“董白”の悪癖が「普段の自分ではない言動」を生み出す契機になるという面倒な
事実も明らかになるからさあ大変。その被害者たる“劉協”はある意味幸せ者かもですが。
一度は封じたその悪癖が苦境の打破へと結びついたのは怪我の功名と言うべきでしょうか。

“趙雲”の意外な活躍ぶりに目を見張りつつ、今回“董白”を支える形となった謀反人の
軍師“荀攸”にまつわる真実。“馬超”に「とどめを刺す価値すらない」と豪語する強敵、
新たな状況に身を移された“董白”の運命や如何に。次巻もますます期待が高まります。

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2021年01月25日

『弱キャラ友崎くんLv.9』

屋久ユウキ 先生が贈る人生のバイブル的青春小説。第9巻は“菊池”との距離感を見直す
“友崎”が彼女の機微、自分のキャラクター性、そして“日南”の本質に気付きを得ます。
(イラスト:フライ 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094518788
http://tomozaki-koushiki.com/


“友崎”は“菊池”とは違って外の世界に活動の場を、交流を広げられる。運命の旧校章
に受け継がれた想いの重さも相まって2人が抱える「矛盾」を突き詰めていく姿勢が真摯。
だから前提を覆すあの言葉を、付き合うことの意味を引き出せたのだと思うと感慨深くて。

“菊池”は“友崎”が“日南”と過ごした特別な時間のことを知り、彼が無意識のうちに
“日南”を「特別」だと捉えていたその理由を紐解いていく。その過程を通じて小説家と
しての自分を認識し、相手にも感じさせるその言動には畏怖すら覚えるものがありました。

“日南”は“友崎”の人生攻略になぜ協力したのか。“友崎”や“菊池”が独自の視点で
そのブラックボックスをこじ開けた時に残る“友崎”との共通点、そして寂寥と虚無感。
彼女のモノクロな世界を色づけることができるか、彼の攻略ぶりに注目したいと思います。

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2021年01月22日

『川上稔 短編集 パワーワードの尊い話が、ハッピーエンドで五本入り(2)』

川上稔 先生がWeb限定で贈るラブコメ短編集・第4弾は「尊い」編。『総統閣下の塔』
『天使の解釈違い』『黄金周環』『幸いの人』『禁書区画で待ってる』他を収録です。
(イラスト:さとやす 先生(TENKY))

https://bookwalker.jp/de04da0f91-2094-475e-9f7a-5d9fb86dcf87/


『総統閣下の塔』では、国に建てられた通信塔の近くで聞けるレジスタンスの海賊放送を
聴いていた少年と少女が、戦後になって「ある誤解」に気付くまでの逸話がまず印象的で。
『天使の解釈違い』は夫が旅行帰りに豹変した理由を探る妻の反応になるほど感が強くて。

『黄金周環』は10年の時を経て冷めた夫婦関係にある男性がゴールデンウィークに纏わる
ネタを利用して「辛い」を「幸い」に変えるべく挑み続ける顛末にアッと言わされました。
『幸いの人』は天界へ導かれた姉と残る妹、両者に関わる謎の青年との関わりが奥深くて。

短編集を締め括る『禁書区画で待ってる』は大戦後、分断した国の東側にある大図書館で
司書を務める女性の話。西側の人となった幼馴染の彼に逢いたくてある目的のために管理
していた「禁書区画」に残された言葉、そして文章に触れる彼女から尊さが溢れてました。

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2021年01月21日

『川上稔 短編集 パワーワードの尊い話が、ハッピーエンドで五本入り(1)』

川上稔 先生がWeb限定で贈るラブコメ短編集・第3弾は「尊い」編。『君が手を離さない』
『化け物のはなし』『最後に見るもの』『ひめたるもの』『空と海を結ぶもの』他を収録。
(イラスト:さとやす 先生(TENKY))

https://bookwalker.jp/de21852be9-3ec6-4e1a-ad19-058ed92aa26e/


記憶をなくしたワケあり男女が目覚めた時に自分の、そして相手の握った手に込められた
力の強さを信じる『君が手を離さない』。ハッピーエンドな安心感が味わえる滑り出しで。
『化け物のはなし』では化け物と呼ばれた少年の「嘘を吐かない」有言実行ぶりが尊くて。

『最後に見るもの』はゴーストが見える傭兵との掛け合いに見えるノリの良さ、全裸とか
スケベな要素がちりばめられていて 川上稔 先生作品だということを強く滲ませる内容で。
『ひめたるもの』では記憶ではなく記録でつながる主従関係の謎を探る顛末が興味深くて。

短編集を締め括る『空と海を結ぶもの』は厭戦気分の中で戦争を続ける2つの国、そして
相対する男女が諍いの果てに愛を紡いでいく・・・のかと思ったらその2人がまさかのアレ。
様々なくびきを外れて娯楽を楽しむその様子にオトナの恋愛を感じられて心温まりました。

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2021年01月20日

『先輩、わたしと勝負しましょう。ときめいたら負けです! イヤし系幼女後輩VS武人系先輩』

西塔鼎 が贈る新作は学園ラブコメ。11歳ながらに飛び級で高校に進学した才媛が文芸部に
所属する強面の少年に恋をして、振り向いてもらうため手を変え品を変え勝負に臨みます。
(イラスト:さとうぽて 先生)

https://dengekibunko.jp/product/322008000016.html


まだ日本に慣れていない“クオン”が図書館で絡まれていたのを見かねて助けた“玄鉄”。
幼い彼女の外見ではなく内面に惹かれた彼は「付き合ってください」と言われ、承諾する。
その想いは幻想だと決めつける彼だが、前のめりな彼女のアプローチは衰え知らずで──。

愛読するラブコメラノベを片手に「定番イベント」を発生させ、それを積み重ねて奥手な
“玄鉄”をその気にさせようと躍起になる“クオン”言動がまさに「イヤし系」で面白い。
彼女をそそのかす友人“まりや”の狡猾さ、ツッコミに回る“蓬莱”の冷静さも見どころ。

強面ながら腕っぷしが強いワケでもない“玄鉄”がなぜあの時“クオン”を助けられたか。
鍵を握るのはやはり「あれ」ということで、彼もなかなか興味深い心情を魅せてくれます。
五番勝負の間に差し込まれるインターミッションの演出も含めて楽しく読める一冊です。

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2021年01月19日

『ひきこまり吸血姫の悶々4』

小林湖底 先生が贈るコミカルファンタジー。第4巻は天照楽土で行われるパーティに招待
された“コマリ”が“カルラ”の直面する後継者争い、裏で渦巻く陰謀に巻き込まれます。
(イラスト:りいちゅ 先生)

http://www.sbcr.jp/products/4815608903.html


“カルラ”と“カリン”、2人の継承者争いに六国の将軍が助っ人として加わる「天舞祭」。
積極的にアピールしてネガティブキャンペーンを繰り返す“カリン”に対して、消極的で
和菓子屋になると言ってきかない上に勝負事も“コマリ”頼りとネガティブな“カルラ”。

“カルラ”と“コマリ”、互いに相手を強いと誤解しているのがいつバレるのか。一方で
“カリン”を大神に推す者たちの思惑が錯綜していく迷走ぶりと相まって“コマリ”らが
本当に勝てるのか。緊張感を誘う流れで、どう落としにかかるのかを想像するのが楽しい。

“カルラ”が夢をあきらめない、と決めてから見せるその力強さ。“コマリ”の唆し方も
見事でやり手の片鱗も窺えます。りいちゅ 先生の吸血描写の挿絵も良い仕事をしてます。
今回、黒幕を担ったあの人物が“コマリ”に牙を剥くと思われる次巻も見逃せない所です。

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2021年01月18日

『絶対にデレてはいけないツンデレ』

神田夏生 先生が贈る新作は、他人への厳しい言動でクラスでも浮いた存在の少女と周りの
反応が気になり本当の自分を出せずにいる少年が出会い、機微を変化させていく物語です。
(イラスト:Aちき 先生)

https://dengekibunko.jp/product/322009000004.html


嫌がらせされた過去を置き土産に、隠れオタクとして転校先で陽キャの座を掴む“夜船”。
いじめはないにしても言葉がキツくて周囲から敬遠される“蒼月”。「嫌い」と言われた
ことはあるが、彼女の言動に優しさを感じる彼は何か事情がありそうだと勘繰るが──。

そんな“夜船”も「絶対に俺にはデレないで」と“蒼月”に告げる訳ありぶり。彼自身の
戒めに似た感情をやがて知ることとなる彼女の、それでも言いたいことがと言えない苦悩。
もどかしい彼女の機微を察して寄り添い続ける彼の意志に他者を想える優しさを感じます。

文化祭の劇を2人で乗り越え、そして吹っ切れた姿に安堵するも未だ“蒼月”に残る憂い。
邂逅した事が奇跡であり、呪いであり、唯一の例外でもあると示す縁の妙に魅せられます。
ラストのあの一文、そして挿絵にすべてが報われたような気がします。ステキなお話です。

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2021年01月15日

『娘じゃなくて私が好きなの!?(4)』

望公太 先生が贈る年の差超純愛ラブコメ。第4巻は “巧”への想いにもう迷いはないと
心を決めたはずの“綾子”が、ここまで来て彼の気持ちを翻弄してします局面を迎えます。
(イラスト:ぎうにう 先生)

https://dengekibunko.jp/product/mamasuki/322010000139.html
https://manga-park.com/title/32170


あれだけ大胆な、挿絵指定も受けた行動も見せつけてくれたのにまだ恋人同士ではない。
“美羽”や“狼森”が呆れるような「そんなワケあるか」という展開に陥るのが“綾子”。
面倒臭いところも含めて彼女が好きだと分かっているだけに“巧”には同情するしかなく。

自分が相手に伝えたいことは、態度だけではなく言葉にしなければ伝わらない。婚活して
いた時も、結婚してからもそう感じる瞬間は何度も味わってきています。今回“綾子”が
あたふたしている様子を見て、反面教師として胸に刻み直しておこうと思った次第です。

二人が過去の思い出を振り返って互いへの想いをより強くした中で“綾子”に訪れる仕事
での一大転機。一難去ってまた一難、かと思えば“狼森”の粋な計らいで一味違う難局に
直面する彼女には吉と出るか凶と出るか。恋心が愛情へ進む機微をどう描くか楽しみです。

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2021年01月14日

『けいたん。〜ライトノベルは素敵なお仕事。多分?〜』

榊一郎 先生が贈る新作は、新人賞を受賞したある少年を主人公として、よく似た人物や
創作論の数々、ライトノベルの夢と希望と現実と絶望を織り交ぜた業界神話を綴ります。
(イラスト:潮一葉 先生)

https://kc.kodansha.co.jp/product?item=0000346766


ここは東京都文京区音羽、講談社。最寄りの護国寺駅に到着した“拓哉”は原稿を渡しに
直通の零番出口から足を踏み入れると、そこは森。しかもドラゴンと相対する謎の局面に
慌てる彼を上を飛び越え黒いゴスロリ服を着た少女が現れたと思えば銃をぶっ放して──。

のっけから奇想天外、摩訶不思議なノリに圧倒されるや否や、Twitterでもよく見かける
関係者のお名前がずらずら出てきて思わず笑みがこぼれる展開が続き、仕舞いにはあの
「美少女文庫」さんや何かと話題の“さかきいちろう”まで巻き込むのだから興味深い。

“拓哉”をどうしても後輩にしたい新人編集者“凜子”や、彼を溺愛するミステリ作家
“天音”との掛け合いも楽しみつつ、業界ネタや創作あるあるなども披露するあたりは
単なるノリでゴリ押しするだけの作品じゃない熱量が感じられます。続刊希望ですかね。

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2021年01月13日

『俺を好きなのはお前だけかよ(15)』

駱駝 先生が贈るラブコメディ作品。第15巻は“パンジー”として現れた“虹彩寺菫”に
翻弄される“雨露”が改めて“三色院董子”と向き合うため奔走する年の瀬を描きます。
(イラスト:ブリキ 先生)

https://dengekibunko.jp/product/oresuki/322009000005.html


あれから“董子”と連絡はつかず、“菫”からは恋人アピールが続く、謎が謎を呼ぶ展開。
周囲の女性陣だけでなく、親友の“太陽”すらこの状況を止めるそぶりも見せず、状況を
打破する契機すら掴めないまま「パンジー」に秘められた驚愕の事実が突き付けられます。

“菫”と“菫子”の特別な関係。“菫”が傷つけ、傷ついた過去。“菫子”が選んだ未来。
あの夏の日にまだここまでのドラマが巻き起こっていたのかと、さらに“菫子”に対する
印象を見直すことになるのかと思うと、ここまで作りこまれた設定に驚くしかないです。

2人の「パンジー」に深く繋がる唯一の人物。“雨露”の頼みの綱となる人物の所作にも
意味があると分かり、その陰陽の落差に印象深いものを感じずにはいられません。決め手
となる舞台はやはり「あの図書館」ということで大詰めの展開、見届けていきたい所です。

posted by 秋野ソラ at 00:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2021年01月12日

『古き掟の魔法騎士I』

「ロクでなし魔術講師と禁忌教典」シリーズの 羊太郎 先生が贈る新作は、窮地に陥る
王国の王子が伝説の英雄を現世に顕現させ、その力を借りて苦難を乗り越える英雄譚です。
(イラスト:遠坂あさぎ 先生)

https://fantasiabunko.jp/product/202012fairyknight/322006000827.html


王国の始祖“アルスル”に仕えた伝説の騎士“シド”。命を狙われる王子“アルヴィン”
には彼を転生復活させる魔法が口伝されており、藁をもすがる思いでその墓標で詠唱する。
すると突然の雷光と轟音に現れた見知らぬ青年が、見たこともない力で敵を圧倒して──。

読者には早い段階で気づける“アルヴィン”の「秘密」を“シド”はいつ認識できるのか。
その時が訪れるまでのドキドキ感と、彼に対する周囲の反応、温度感の違いがまず楽しい。
“アルヴィン”が傾国の王子として生きる覚悟を読み手にも印象づけてくれる話運びです。

強さを魅せつけてくれる“シド”にも転生した身として色々と事情がある要素を示しつつ
ある「弱点」が、“アルヴィン”の確固たる意志と合わさって昇華していくあの場面には
胸を熱くさせるものがありました。主従共にどう成長していくのか楽しみなシリーズです。

posted by 秋野ソラ at 00:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2021年01月11日

『グリモアレファレンス 図書委員は書庫迷宮に挑む』

「昔勇者で今は骨」シリーズの 佐伯庸介 先生が贈る新作は、とある図書館の地下深くに
広がる迷宮に眠る奇書や希覯本、魔書を求めて挑む図書委員たちの非日常生活を描きます。
(イラスト:花ヶ田 先生)

https://dengekibunko.jp/product/321911000035.html


宇伊豆学園附属図書館。地上4階、地下二階と破格の大きさを誇るこの図書館にある秘密。
そこで図書委員を務める“尊”はファイルを「エントランス」へ持って行ってと頼まれる。
地下にあるその扉を開けると広がるのは無数の本棚。更に突如脳裏に地図が浮かんで──。

予備知識ゼロで迷宮という非日常へ踏み込んだにもかかわらず何故か適性を見せる“尊”。
ワケありな経歴を持つ彼、図書探索委員として人手を求める“御高”たちの思惑が見事に
合致して迷宮探索に新たな流れを呼び起こしていく展開にいつしかワクワク感を覚えます。

“尊”が仲間と行動を共にする「真の理由」も興味深い人間性ですし、そんな彼に対する
愛が深い“三火”の言動がいじらしくて恐ろしくて。迷宮独特のルールを活かしたバトル
にも見どころがありますし、素直に楽しめる物語かと思います。続きが読みたい一作です。

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2021年01月10日

「好きなライトノベルを投票しよう!! 2020年下期」エントリー


となりの彼女と夜ふかしごはん 〜腹ペコJDとお疲れサラリーマンの半同棲生活〜
 【20下ラノベ投票/9784049133158】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/188152877.html

探偵くんと鋭い山田さん(2) 俺を挟んで両隣の双子姉妹が勝手に推理してくる
 【20下ラノベ投票/9784040646633】
  → 感想記事:  http://njmy.sblo.jp/article/188106986.html

スパイ教室04 《夢語》のティア
 【20下ラノベ投票/9784040737416】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/188257117.html

たとえば俺が、チャンピオンから王女のヒモにジョブチェンジしたとして。(2)
 【20下ラノベ投票/9784040737454】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/188084963.html

僕の軍師は、スカートが短すぎる 〜サラリーマンとJK、ひとつ屋根の下〜
 【20下ラノベ投票/9784815607470】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/188072116.html

わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ! (※ムリじゃなかった!?) (2)
 【20下ラノベ投票/9784086313797】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/187887181.html

それでも、好きだと言えない
 【20下ラノベ投票/9784065211786】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/188023813.html

千歳くんはラムネ瓶のなか(4)
 【20下ラノベ投票/9784094518665】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/187975726.html

Babel III 鳥籠より出ずる妖姫
 【20下ラノベ投票/9784049135398】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/188248474.html

悪役令嬢(ところてん式)(1)
 【20下ラノベ投票/9784798622385】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/187744025.html



◆ 好きなライトノベルを投票しよう!! - 2020年下期
 https://lightnovel.jp/best/2020_07-12/

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2021年01月08日

『本好きの下剋上〜司書になるためには手段を選んでいられません〜第五部「女神の化身4」』

香月美夜 先生が贈る大人気ビブリア・ファンタジー。 第五部最4巻はエーレンフェスト
におけるライゼガング系貴族の台頭を目にした“ローゼマイン”らが改革に乗り出します。
(イラスト:椎名優 先生)

https://tobooks.shop-pro.jp/?pid=153598123


“ジルヴェスター”から「貴族院での順位を下げろ」と言われて疑念を抱くそぶりもない
“ヴィルフリート”に危険信号。逆に疑義を申し立てた“シャルロッテ”が見せた雄弁の
数々に“ローゼマイン”でなくとも胸が熱くなる思いがしました。良い子に育ったもので。

今回の背景にある「ライゼガングの総意」の何ときな臭いことか。“ローゼマイン”らが
気付けたことで先の見通しが出来たのは怪我の功名か、という中で“ブリュンヒルデ”の
あの提案がまた泣けてくる。“ローゼマイン”を想い、夢も貫くその姿が実に健気すぎて。

“ヴィルフリート”の不幸は支える人材に恵まれなかったからか、あるいは己の人間性か。
再び破滅を予感させる展開に緊迫感を覚えつつ、身体を含めた“ローゼマイン”の更なる
成長に期待したい所です。巻末短編「反省と羨望」で絆を深めた2人に希望を託しながら。

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2021年01月07日

『GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン NEXT BOX HDDD英国編〈上〉』

川上稔 先生が贈る大人気戦国学園ファンタジー。末世解決後の世界を描く第2巻は英国
でのアーサー王にまつわる思いがけない歴史再現に武蔵の面々が巻き込まれていきます。
(イラスト:さとやす 先生(TENKY))

https://dengekibunko.jp/product/horizon/321905000139.html


まるで異世界へ転移したかのような導入から英国で為すべきことを“正純”が解き明かす
までの一連の流れ。結局は「相対する」しかないとはいえ、面白おかしくも制約が多い中
よく道筋をつけたものだと思います。時折、図示して説明してくれたのは有難いところで。

三者三様の特性を持つ派閥の思惑に「予言された未来の大戦争」という大局が重なっての
駆け引きに武蔵勢がどう関わるか。“点蔵”そっくりの人物や“妖精女王”の絡みも含め
乱痴気ぶりに拍車のかかる話の流れが面白い。電子書籍で見た方が色も付いてお得ですね。

英国の歴史を紐解く中で「アーサー王」に関する蘊蓄も出てきて興味深い点も楽しみつつ
冒頭でハイエリアワイバーンが出てきた理由も窺えて、さらに謎が深まっていく訳ですが
当面は“スリーサーズ”の狙いにどう応える、あるいは出し抜くのか見届けたいものです。

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2021年01月06日

『賢勇者シコルスキ・ジーライフの大いなる探求 擦 〜愛弟子サヨナはぷにぷに天国DX仕様〜』

有象利路 先生が贈る異色のファンタジー問題作。第3巻は物語を締め括るべくKADOKAWA
の範疇を超え、様々な関係者を巻き込みながら“シコルスキ”たちが自由奔放に生きます。
(イラスト:かれい 先生)

https://dengekibunko.jp/product/sikorski/322006000036.html


相変わらず身の、というか貞操の危機に晒される“サヨナ”や、男性中心の汚れな挿絵を
指定される かれい 先生に相も変わらずほのかな同情の念を抱く今巻。可哀想さで言えば
一番は“カグヤ”なのかも知れないと思ったり。5行もたない魔王って思うとつい苦笑い。

アレのことを「KADOKAWA」と称したり、各方面に面倒をかけていく本作の飛び道具として
まさか小学館「ガガガ文庫」編集部に白羽の矢が立つとは思いもよらず。先生が後述した
「note」を読むと湯浅氏の人柄、阿南氏や土屋氏の思考や志向、嗜好が見えるのでお薦め。

どんな話になっても“シリゆる会の会長”がギャグ展開へ引き戻してくれるので彼をMVP
としてもいいくらいに思います。昨今、頭を空っぽにして読めるギャグラノベの存在は
貴重ですので、骨休め後の 有象 先生には(4巻含め)挑んでもらえれば幸甚に存じます。


◆全容 〜行こうぜ小学館(前編)〜
https://note.com/t_uzo/n/n358765a4d026

◆全容 〜行こうぜ小学館(後編)〜
https://note.com/t_uzo/n/n238284cdd4a5

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2021年01月05日

『クラスの大嫌いな女子と結婚することになった。』

YouTube漫画として展開されている同シリーズを、脚本を務める 天乃聖樹 先生が小説化。
クラスメイトで天敵同士な男女2人がワケあって結婚生活を送るドタバタぶりを描きます。
(イラスト:成海七海 先生 キャラクター原案・漫画:もすこんぶ 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/daikirai_kekkon/322006000795.html
https://www.youtube.com/playlist?list=PLDZGuoo5oaHI21s79cvNeqyVXvY8ZZuA6


“才人”へ何かとケンカを吹っかける同級生の“朱音”。いつものようにいがみ合った
ある日、祖父から日本有数のIT企業に成長した北条グループを継がせる条件として彼女と
結婚するよう命じられる。野望ある彼はやむを得ず彼女との結婚、共同生活に臨むが──。

未経験だからこそ、恋愛に対して多少の夢を持つ“才人”と“朱音”。衝突し合う互いの
価値観の差異をどう埋めるのか。物書きとして様々な仕事を経験してきた先生だからこそ
「あとがき」で触れられた想いが2人の言動に、機微に込められているような気がします。

少しずつ変化を見せる“才人”に心ほだされていく“朱音”が可愛らしく、そんな彼女を
描く 成海 先生の挿絵も演出に一役買っている点も注目。ストッパーとして彼女を支える
“陽鞠”や意味深長な言動を見せる“才人”の従妹“糸青”も注視しつつ次巻を待ちます。

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