2021年01月15日

『娘じゃなくて私が好きなの!?(4)』

望公太 先生が贈る年の差超純愛ラブコメ。第4巻は “巧”への想いにもう迷いはないと
心を決めたはずの“綾子”が、ここまで来て彼の気持ちを翻弄してします局面を迎えます。
(イラスト:ぎうにう 先生)

https://dengekibunko.jp/product/mamasuki/322010000139.html
https://manga-park.com/title/32170


あれだけ大胆な、挿絵指定も受けた行動も見せつけてくれたのにまだ恋人同士ではない。
“美羽”や“狼森”が呆れるような「そんなワケあるか」という展開に陥るのが“綾子”。
面倒臭いところも含めて彼女が好きだと分かっているだけに“巧”には同情するしかなく。

自分が相手に伝えたいことは、態度だけではなく言葉にしなければ伝わらない。婚活して
いた時も、結婚してからもそう感じる瞬間は何度も味わってきています。今回“綾子”が
あたふたしている様子を見て、反面教師として胸に刻み直しておこうと思った次第です。

二人が過去の思い出を振り返って互いへの想いをより強くした中で“綾子”に訪れる仕事
での一大転機。一難去ってまた一難、かと思えば“狼森”の粋な計らいで一味違う難局に
直面する彼女には吉と出るか凶と出るか。恋心が愛情へ進む機微をどう描くか楽しみです。

posted by 秋野ソラ at 00:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2021年01月14日

『けいたん。〜ライトノベルは素敵なお仕事。多分?〜』

榊一郎 先生が贈る新作は、新人賞を受賞したある少年を主人公として、よく似た人物や
創作論の数々、ライトノベルの夢と希望と現実と絶望を織り交ぜた業界神話を綴ります。
(イラスト:潮一葉 先生)

https://kc.kodansha.co.jp/product?item=0000346766


ここは東京都文京区音羽、講談社。最寄りの護国寺駅に到着した“拓哉”は原稿を渡しに
直通の零番出口から足を踏み入れると、そこは森。しかもドラゴンと相対する謎の局面に
慌てる彼を上を飛び越え黒いゴスロリ服を着た少女が現れたと思えば銃をぶっ放して──。

のっけから奇想天外、摩訶不思議なノリに圧倒されるや否や、Twitterでもよく見かける
関係者のお名前がずらずら出てきて思わず笑みがこぼれる展開が続き、仕舞いにはあの
「美少女文庫」さんや何かと話題の“さかきいちろう”まで巻き込むのだから興味深い。

“拓哉”をどうしても後輩にしたい新人編集者“凜子”や、彼を溺愛するミステリ作家
“天音”との掛け合いも楽しみつつ、業界ネタや創作あるあるなども披露するあたりは
単なるノリでゴリ押しするだけの作品じゃない熱量が感じられます。続刊希望ですかね。

posted by 秋野ソラ at 00:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2021年01月13日

『俺を好きなのはお前だけかよ(15)』

駱駝 先生が贈るラブコメディ作品。第15巻は“パンジー”として現れた“虹彩寺菫”に
翻弄される“雨露”が改めて“三色院董子”と向き合うため奔走する年の瀬を描きます。
(イラスト:ブリキ 先生)

https://dengekibunko.jp/product/oresuki/322009000005.html


あれから“董子”と連絡はつかず、“菫”からは恋人アピールが続く、謎が謎を呼ぶ展開。
周囲の女性陣だけでなく、親友の“太陽”すらこの状況を止めるそぶりも見せず、状況を
打破する契機すら掴めないまま「パンジー」に秘められた驚愕の事実が突き付けられます。

“菫”と“菫子”の特別な関係。“菫”が傷つけ、傷ついた過去。“菫子”が選んだ未来。
あの夏の日にまだここまでのドラマが巻き起こっていたのかと、さらに“菫子”に対する
印象を見直すことになるのかと思うと、ここまで作りこまれた設定に驚くしかないです。

2人の「パンジー」に深く繋がる唯一の人物。“雨露”の頼みの綱となる人物の所作にも
意味があると分かり、その陰陽の落差に印象深いものを感じずにはいられません。決め手
となる舞台はやはり「あの図書館」ということで大詰めの展開、見届けていきたい所です。

posted by 秋野ソラ at 00:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2021年01月12日

『古き掟の魔法騎士I』

「ロクでなし魔術講師と禁忌教典」シリーズの 羊太郎 先生が贈る新作は、窮地に陥る
王国の王子が伝説の英雄を現世に顕現させ、その力を借りて苦難を乗り越える英雄譚です。
(イラスト:遠坂あさぎ 先生)

https://fantasiabunko.jp/product/202012fairyknight/322006000827.html


王国の始祖“アルスル”に仕えた伝説の騎士“シド”。命を狙われる王子“アルヴィン”
には彼を転生復活させる魔法が口伝されており、藁をもすがる思いでその墓標で詠唱する。
すると突然の雷光と轟音に現れた見知らぬ青年が、見たこともない力で敵を圧倒して──。

読者には早い段階で気づける“アルヴィン”の「秘密」を“シド”はいつ認識できるのか。
その時が訪れるまでのドキドキ感と、彼に対する周囲の反応、温度感の違いがまず楽しい。
“アルヴィン”が傾国の王子として生きる覚悟を読み手にも印象づけてくれる話運びです。

強さを魅せつけてくれる“シド”にも転生した身として色々と事情がある要素を示しつつ
ある「弱点」が、“アルヴィン”の確固たる意志と合わさって昇華していくあの場面には
胸を熱くさせるものがありました。主従共にどう成長していくのか楽しみなシリーズです。

posted by 秋野ソラ at 00:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2021年01月11日

『グリモアレファレンス 図書委員は書庫迷宮に挑む』

「昔勇者で今は骨」シリーズの 佐伯庸介 先生が贈る新作は、とある図書館の地下深くに
広がる迷宮に眠る奇書や希覯本、魔書を求めて挑む図書委員たちの非日常生活を描きます。
(イラスト:花ヶ田 先生)

https://dengekibunko.jp/product/321911000035.html


宇伊豆学園附属図書館。地上4階、地下二階と破格の大きさを誇るこの図書館にある秘密。
そこで図書委員を務める“尊”はファイルを「エントランス」へ持って行ってと頼まれる。
地下にあるその扉を開けると広がるのは無数の本棚。更に突如脳裏に地図が浮かんで──。

予備知識ゼロで迷宮という非日常へ踏み込んだにもかかわらず何故か適性を見せる“尊”。
ワケありな経歴を持つ彼、図書探索委員として人手を求める“御高”たちの思惑が見事に
合致して迷宮探索に新たな流れを呼び起こしていく展開にいつしかワクワク感を覚えます。

“尊”が仲間と行動を共にする「真の理由」も興味深い人間性ですし、そんな彼に対する
愛が深い“三火”の言動がいじらしくて恐ろしくて。迷宮独特のルールを活かしたバトル
にも見どころがありますし、素直に楽しめる物語かと思います。続きが読みたい一作です。

posted by 秋野ソラ at 00:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2021年01月10日

「好きなライトノベルを投票しよう!! 2020年下期」エントリー


となりの彼女と夜ふかしごはん 〜腹ペコJDとお疲れサラリーマンの半同棲生活〜
 【20下ラノベ投票/9784049133158】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/188152877.html

探偵くんと鋭い山田さん(2) 俺を挟んで両隣の双子姉妹が勝手に推理してくる
 【20下ラノベ投票/9784040646633】
  → 感想記事:  http://njmy.sblo.jp/article/188106986.html

スパイ教室04 《夢語》のティア
 【20下ラノベ投票/9784040737416】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/188257117.html

たとえば俺が、チャンピオンから王女のヒモにジョブチェンジしたとして。(2)
 【20下ラノベ投票/9784040737454】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/188084963.html

僕の軍師は、スカートが短すぎる 〜サラリーマンとJK、ひとつ屋根の下〜
 【20下ラノベ投票/9784815607470】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/188072116.html

わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ! (※ムリじゃなかった!?) (2)
 【20下ラノベ投票/9784086313797】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/187887181.html

それでも、好きだと言えない
 【20下ラノベ投票/9784065211786】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/188023813.html

千歳くんはラムネ瓶のなか(4)
 【20下ラノベ投票/9784094518665】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/187975726.html

Babel III 鳥籠より出ずる妖姫
 【20下ラノベ投票/9784049135398】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/188248474.html

悪役令嬢(ところてん式)(1)
 【20下ラノベ投票/9784798622385】
  → 感想記事: http://njmy.sblo.jp/article/187744025.html



◆ 好きなライトノベルを投票しよう!! - 2020年下期
 https://lightnovel.jp/best/2020_07-12/

posted by 秋野ソラ at 12:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2021年01月08日

『本好きの下剋上〜司書になるためには手段を選んでいられません〜第五部「女神の化身4」』

香月美夜 先生が贈る大人気ビブリア・ファンタジー。 第五部最4巻はエーレンフェスト
におけるライゼガング系貴族の台頭を目にした“ローゼマイン”らが改革に乗り出します。
(イラスト:椎名優 先生)

https://tobooks.shop-pro.jp/?pid=153598123


“ジルヴェスター”から「貴族院での順位を下げろ」と言われて疑念を抱くそぶりもない
“ヴィルフリート”に危険信号。逆に疑義を申し立てた“シャルロッテ”が見せた雄弁の
数々に“ローゼマイン”でなくとも胸が熱くなる思いがしました。良い子に育ったもので。

今回の背景にある「ライゼガングの総意」の何ときな臭いことか。“ローゼマイン”らが
気付けたことで先の見通しが出来たのは怪我の功名か、という中で“ブリュンヒルデ”の
あの提案がまた泣けてくる。“ローゼマイン”を想い、夢も貫くその姿が実に健気すぎて。

“ヴィルフリート”の不幸は支える人材に恵まれなかったからか、あるいは己の人間性か。
再び破滅を予感させる展開に緊迫感を覚えつつ、身体を含めた“ローゼマイン”の更なる
成長に期待したい所です。巻末短編「反省と羨望」で絆を深めた2人に希望を託しながら。

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2021年01月07日

『GENESISシリーズ 境界線上のホライゾン NEXT BOX HDDD英国編〈上〉』

川上稔 先生が贈る大人気戦国学園ファンタジー。末世解決後の世界を描く第2巻は英国
でのアーサー王にまつわる思いがけない歴史再現に武蔵の面々が巻き込まれていきます。
(イラスト:さとやす 先生(TENKY))

https://dengekibunko.jp/product/horizon/321905000139.html


まるで異世界へ転移したかのような導入から英国で為すべきことを“正純”が解き明かす
までの一連の流れ。結局は「相対する」しかないとはいえ、面白おかしくも制約が多い中
よく道筋をつけたものだと思います。時折、図示して説明してくれたのは有難いところで。

三者三様の特性を持つ派閥の思惑に「予言された未来の大戦争」という大局が重なっての
駆け引きに武蔵勢がどう関わるか。“点蔵”そっくりの人物や“妖精女王”の絡みも含め
乱痴気ぶりに拍車のかかる話の流れが面白い。電子書籍で見た方が色も付いてお得ですね。

英国の歴史を紐解く中で「アーサー王」に関する蘊蓄も出てきて興味深い点も楽しみつつ
冒頭でハイエリアワイバーンが出てきた理由も窺えて、さらに謎が深まっていく訳ですが
当面は“スリーサーズ”の狙いにどう応える、あるいは出し抜くのか見届けたいものです。

posted by 秋野ソラ at 00:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル

2021年01月06日

『賢勇者シコルスキ・ジーライフの大いなる探求 擦 〜愛弟子サヨナはぷにぷに天国DX仕様〜』

有象利路 先生が贈る異色のファンタジー問題作。第3巻は物語を締め括るべくKADOKAWA
の範疇を超え、様々な関係者を巻き込みながら“シコルスキ”たちが自由奔放に生きます。
(イラスト:かれい 先生)

https://dengekibunko.jp/product/sikorski/322006000036.html


相変わらず身の、というか貞操の危機に晒される“サヨナ”や、男性中心の汚れな挿絵を
指定される かれい 先生に相も変わらずほのかな同情の念を抱く今巻。可哀想さで言えば
一番は“カグヤ”なのかも知れないと思ったり。5行もたない魔王って思うとつい苦笑い。

アレのことを「KADOKAWA」と称したり、各方面に面倒をかけていく本作の飛び道具として
まさか小学館「ガガガ文庫」編集部に白羽の矢が立つとは思いもよらず。先生が後述した
「note」を読むと湯浅氏の人柄、阿南氏や土屋氏の思考や志向、嗜好が見えるのでお薦め。

どんな話になっても“シリゆる会の会長”がギャグ展開へ引き戻してくれるので彼をMVP
としてもいいくらいに思います。昨今、頭を空っぽにして読めるギャグラノベの存在は
貴重ですので、骨休め後の 有象 先生には(4巻含め)挑んでもらえれば幸甚に存じます。


◆全容 〜行こうぜ小学館(前編)〜
https://note.com/t_uzo/n/n358765a4d026

◆全容 〜行こうぜ小学館(後編)〜
https://note.com/t_uzo/n/n238284cdd4a5

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2021年01月05日

『クラスの大嫌いな女子と結婚することになった。』

YouTube漫画として展開されている同シリーズを、脚本を務める 天乃聖樹 先生が小説化。
クラスメイトで天敵同士な男女2人がワケあって結婚生活を送るドタバタぶりを描きます。
(イラスト:成海七海 先生 キャラクター原案・漫画:もすこんぶ 先生)

https://mfbunkoj.jp/product/daikirai_kekkon/322006000795.html
https://www.youtube.com/playlist?list=PLDZGuoo5oaHI21s79cvNeqyVXvY8ZZuA6


“才人”へ何かとケンカを吹っかける同級生の“朱音”。いつものようにいがみ合った
ある日、祖父から日本有数のIT企業に成長した北条グループを継がせる条件として彼女と
結婚するよう命じられる。野望ある彼はやむを得ず彼女との結婚、共同生活に臨むが──。

未経験だからこそ、恋愛に対して多少の夢を持つ“才人”と“朱音”。衝突し合う互いの
価値観の差異をどう埋めるのか。物書きとして様々な仕事を経験してきた先生だからこそ
「あとがき」で触れられた想いが2人の言動に、機微に込められているような気がします。

少しずつ変化を見せる“才人”に心ほだされていく“朱音”が可愛らしく、そんな彼女を
描く 成海 先生の挿絵も演出に一役買っている点も注目。ストッパーとして彼女を支える
“陽鞠”や意味深長な言動を見せる“才人”の従妹“糸青”も注視しつつ次巻を待ちます。

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2021年01月04日

『ナゾトキ女とモノカキ男。 未来を写すカメラと人体消失』

『札幌市白石区みなすけ荘の事件簿 ココロアラウンド』の 辻室翔 先生が贈る新作は
不思議な道具を手に日常の謎へ挑む少女と小説家を目指す少年の青春模様を描きます。
(イラスト:うなさか 先生)

https://fantasiabunko.jp/product/202012nazotoki/322007000704.html


やる事なす事すべてがプロ級な多趣味を持つ“早來”の異名は「史上最強のアマチュア」。
そんな彼女に目をつけられた、文芸部で作家デビューを目論む“壱時”は今日も今日とて
ある写真を見せつけに来る。人体消失事件が起きる未来を映した決定的瞬間らしいが──。

世界の理を超えた道具「超理具」を手に、それらに纏わる謎に挑む“早來”と“壱時”の
活躍を連作短編形式で小気味良く読ませていく構成がまず楽しい。2人の掛け合う様子や
「超理具」をどう活用するかで魅せてくる絶妙な話の流れに徐々に惹き込まれていきます。

“早來”が手にするカメラがなぜ喋るのか。そもそも「超理具」はなぜ出回っているのか。
様々な思惑の錯綜する結末から「学園青春不条理系ミステリー」と銘打ったのも頷けます。
彼女も十分に推せるキャラで、そういった面からもお薦めできる注目の一作かと思います。

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2021年01月01日

『俺、ツインテールになります。20 〜ツインテール大戦〜』

水沢夢 先生が贈るツインテール愛あふれるシリーズ。第20巻はアルティメギルとの激戦を
乗り越えた“総二”たちツインテイルズたちの新たな日常、そして闘いの日々を描きます。
(イラスト:春日歩 先生、bun150 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094518764


“テイルレッド”=“総二”、という構図が世に広まってコミカルな展開に微笑ましさを
味わう中、突如として現れた海賊船、そして属性を見失った“プロメテウスギルディ”。
ツインテールへの怨念がツインテイルズとしての存在意義すら揺らがすとは驚くばかりで。

執拗に“総二”たちを狙う“プロメテウスギルディ”への対抗策として、魔星少女たちを
再び目にすることとなるとは思いも寄らず。こうしたクロスオーバーも特撮モノならでは。
作品を超えた登場人物の掛け合いも面白く 水沢 先生ならではのアプローチを褒めたい所。

まさに「ツインテール大戦」の副題にふさわしいバトルの連続も熱く、ツインテール愛に
あふれた物語の締めくくりに大満足の巻でした。“唯乃”がイイ味を出していたのも好感。
いつかまた帰ってきて貰いたいものです。同じく読み手からも「さよなら」は言いません。

posted by 秋野ソラ at 01:34 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル