2020年12月31日

『青春ブタ野郎はナイチンゲールの夢を見ない』

鴨志田一 先生が贈る青春ストーリー。シリーズ第11冊目はミニスカサンタ姿の“透子”が
思春期症候群をプレゼントした相手の一人、中学の級友“赤城”に纏わる逸話に触れます。
(イラスト:溝口ケージ 先生)

https://dengekibunko.jp/product/aobuta/321907000725.html


大学生となって変わらず“麻衣”との恋人生活を謳歌している“咲太”の姿を見ていると
思春期症候群も過去の話か、なんてことにはならないと“赤城”が行動で示してくれます。
SNSで流行する「#夢見る」のタグが関わる都市伝説も表層でしかない、というのも驚きで。

中学が同じだった。“咲太”とあの時間を共に過ごした。それだけで級友たちの生き方に
影を落としていたことが、ナース姿で人助けに明け暮れる“赤城”の秘めた胸の内からも
痛感させられます。見極める彼の気概を見守る“麻衣”の分かってくれている感もすごい。

「もう一つの可能性の世界」、基盤となる思春期症候群。その影響力を乗り越えてきた
“咲太”と“麻衣”の日常がひどく愛おしいと余韻を噛みしめる・・・間もなく“赤城”を
介して伝えられたメッセージの不穏さに気が抜けません。次巻の刊行を座して待ちます。

posted by 秋野ソラ at 00:06 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル