2020年12月30日

『プロペラオペラ3』

犬村小六 先生が贈る恋と空戦のファンタジー。第3巻は「ガメリア合衆国」の圧倒的な
国力の差を目にしてもなお“クロト”は“イザヤ”と「日之雄」を守る戦いに臨みます。
(イラスト:雫綺一生 先生)

http://www.shogakukan.co.jp/books/detail/_isbn_9784094518733


無からカネを生む魔法を元に艦隊で空を埋め尽くし、大統領の座を目前とする“カイル”。
未だ残る空虚さを埋めるべく“イザヤ”を求める彼に対し彼女の裸に劣情する“クロト”。
「……表紙の彼女は何者?」という疑問も2人の機微を示す証左に昇華させる展開が秀逸。

容赦なく日之雄へ物量作戦を展開する合衆国へ対抗するには“クロト”の存在が不可欠と
認めた“鹿狩瀬”の存在に嬉しさを覚えつつ、合衆国の油断を誘い、隙を突くために命を
賭して「迅一号作戦」に臨む軍人たちの振舞い。その熱さ、そして切なさに胸が震えます。

“イザヤ”が抱いた「直感」。それは“速夫”が覚悟を決めた「あの時」から蓄積された
運命の片鱗であったのかも知れません。ソロモン海空戦で彼女の名声が世に知れ渡る一方、
“クロト”が“カイル”に勝つための切り札に迫る窮地の行方。続きが待ち遠しいです。

posted by 秋野ソラ at 01:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | ライトノベル