野村美月 先生が「青い鳥文庫」から児童書として贈る新作。狐の子がセーラ服を着た
少女に変身して一目惚れの男の子に会いに行き、図書館で想いを伝える顛末を描きます。
(イラスト:U35 先生)
【 http://aoitori.kodansha.co.jp/book/2020/22/4.html 】
【 http://aoitori.kodansha.co.jp/book/2020/22/5.html 】
森で暮らす狐の妖怪四姉妹の末っ子“世々”は以前、助けてくれた少年“海”を捜して
村唯一の学校にある図書館で見つける。何度も通い、盗み見るたびに高鳴る胸を抑える
彼女はある日、彼から声を掛けられる。気付かれたと怯える彼女に彼はメモを渡し──。
難しい文字が読めない“世々”は絵本を読み、“海”は成績を落とさないため勉強する。
こそばゆくてもどかしい図書館での逢瀬を重ねる2人が“由鷹”や“相沢”に応援され
絆を深める様子が微笑ましい。“相沢”の存在にも 野村 先生の作品らしさを感じます。
児童書ということで話の軸を担う絵本の選定や、漢字の開き方に対しこだわりを見せる
野村 先生の姿勢にもぜひご注目のほどを。秘密を打ち明けた“海”のように“世々”も
本来の姿を明かし、彼が受け入れてくれること、幸せな未来を掴むことを願いたいです。