藍藤唯 先生が贈る人生逆転ファンタジー。第2巻は“コローナ”が“ライラック”との
「契約」を打ち切ったその理由を追及するため、“フウタ”が抗弁の刃を振り上げます。
(イラスト:霜降 先生(Laplacian))
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まず第二幕として付けた副題のセンスがすごい。読み終えたときにそれを実感しました。
自由気ままな生き方をしながら“フウタ”の心を支えてくれていた“コローナ”。彼女の
真の姿を知ってもなお、彼女のために力をふるった“フウタ”の男気には惚れ惚れします。
冒頭で“コローナ”が“ライラック”に示した意志。その本心を察することができる彼女
だからこそ無力感を覚えたり、憤りを見せたりする行動原理も得心がいくというもので。
改悛したメイドに対して拗ねるようなそぶりを見せる王女の様子がどこか微笑ましい展開。
今回、“コローナ”が身の危険に晒されるのを救うために“ライラック”が策を巡らせる
ワケですが、それすら彼女の夢を叶えるために利用するあたりは〈奸雄〉たる所以なのか。
王女に振り回された「彼女」もお気の毒、と申し上げつつ次巻の展開にも期待しています。