健速 先生が贈る人気シリーズ。通算38冊目は“ラルグウィン”が灰色の騎士に助けられ
魔法の力を認識する一方で、“真希”がレインボゥハートの一員となる課題に臨みます。
(イラスト/ポコ 先生)
【 http://hobbyjapan.co.jp/hjbunko/lineup/detail/931.html 】
フォルサリアで発生する連続行方不明事件。その調査を任された“真希”が意外な過去へ
触れると同時に、“孝太郎”たちにも因縁のある敵と遭遇するなど人の歴史を意識させる
内容でありました。そんな中、“静香”がここぞと彼を煽っていくスタイルが面白かった。
今回、“真希”をレインボゥハートに推薦した一人である“ゆりか”が目の当たりにした
吉事をそう捉えない、“孝太郎”との関係に自信がもてない証左としての言動が印象的で。
そこをどう励ますか、という場面にも六畳間のメンバーらしさが窺えて微笑ましいもので。
“ゆりか”が望まぬ形でみんなからの信頼を集めていく裏側で、“ラルグウィン”が宿敵
である青騎士に勝てる希望を抱くなど、緊張感が高まる展開。灰色の騎士が胸に含む思惑
とは如何に、という瞬間で登場した「あの人物」がどんな鍵を握るのか次巻も楽しみです。
2020年11月16日
2020年11月13日
『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか16』
大森藤ノ 先生が贈る、一端の冒険者である少年と矮小なる女神が織り成す眷族の物語。
第16巻は“シル”からのデートのお誘いに“ベル”と周囲の女性陣が騒然となります。
(イラスト:ヤスダスズヒト 先生)
【 http://www.sbcr.jp/products/4815607562.html 】
「私、ベルさんのことが好き」一途な心を直接“リュー”に、へに恋文で届ける“シル”。
感情がせめぎ合う“リュー”、応援に回る酒場の面々、騒ぎ立てる“ヘスティア”たちと
ラブコメ全開な流れを予感させる導線がまず楽しい。“シル”の覚悟、その真意を除けば。
思いがけないサポートを受け“シル”をエスコートする“ベル”の格好良さを堪能しつつ。
2人を護衛する《フレイヤ・ファミリア》の面々によぎる感情は何だったのかを探りつつ。
ラブコメっぽい雰囲気が深刻な様相を呈していく度、読み進める手に嫌な汗が浮かびます。
“ベル”の胸を占めるのは誰か。改めて想いを伝える“シル”に、彼は誠実に答えました。
女神を妄信する人々もいれば、徹底的に抗う者もいる。喜劇が招いた決定的な悲劇を前に
ついに「彼女」が本気を見せました。「怖いもの見たさ」が募る次巻から目が離せません。
第16巻は“シル”からのデートのお誘いに“ベル”と周囲の女性陣が騒然となります。
(イラスト:ヤスダスズヒト 先生)
【 http://www.sbcr.jp/products/4815607562.html 】
「私、ベルさんのことが好き」一途な心を直接“リュー”に、へに恋文で届ける“シル”。
感情がせめぎ合う“リュー”、応援に回る酒場の面々、騒ぎ立てる“ヘスティア”たちと
ラブコメ全開な流れを予感させる導線がまず楽しい。“シル”の覚悟、その真意を除けば。
思いがけないサポートを受け“シル”をエスコートする“ベル”の格好良さを堪能しつつ。
2人を護衛する《フレイヤ・ファミリア》の面々によぎる感情は何だったのかを探りつつ。
ラブコメっぽい雰囲気が深刻な様相を呈していく度、読み進める手に嫌な汗が浮かびます。
“ベル”の胸を占めるのは誰か。改めて想いを伝える“シル”に、彼は誠実に答えました。
女神を妄信する人々もいれば、徹底的に抗う者もいる。喜劇が招いた決定的な悲劇を前に
ついに「彼女」が本気を見せました。「怖いもの見たさ」が募る次巻から目が離せません。
2020年11月12日
『オーバーライト2 ――クリスマス・ウォーズの炎』
池田明季哉 先生が贈る、創作に青春を懸ける者たちの青春譚。第2巻は“ヨシ”の前に
現れた歌姫に、そしてグラフィティを否定する音楽家の登場にブリストルが揺れ動きます。
(イラスト:みれあ 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/overwrite/322004000054.html 】
“ヨシ”に戻ってほしい“ネリナ”。自分勝手な彼女が気に入らない“ブーディシア”。
2人の板挟みにあう彼は“ガブリエル”からも厳しい現実を突き付けて悩みは尽きない。
そこへ「リバース・グラフィティ」で悪意を晒す“Z”も探す必要があり苦労も青天井。
再びグラフィティに対する風当たりが強くなる中で“ヨシ”が“ブーディシア”に対し
出来ることがあるか。ブリストルに来た意味を含めて彼が自問自答するのが実に誠実で。
しかし“ネリナ”がやって着た意味をようやく理解したあたりは余裕の無さが窺えます。
期待と不安が入り混じるクリスマスを前に、ギタリストとしての運命を担った“ヨシ”。
彼の振舞いが色々な相手の、様々な感情を上書きしてきたのが分かると感慨深いものが。
“ネリナ”の強かさに驚嘆しつつ、彼が彼女と離れてどんな結論を出すか興味津々です。
現れた歌姫に、そしてグラフィティを否定する音楽家の登場にブリストルが揺れ動きます。
(イラスト:みれあ 先生)
【 https://dengekibunko.jp/product/overwrite/322004000054.html 】
“ヨシ”に戻ってほしい“ネリナ”。自分勝手な彼女が気に入らない“ブーディシア”。
2人の板挟みにあう彼は“ガブリエル”からも厳しい現実を突き付けて悩みは尽きない。
そこへ「リバース・グラフィティ」で悪意を晒す“Z”も探す必要があり苦労も青天井。
再びグラフィティに対する風当たりが強くなる中で“ヨシ”が“ブーディシア”に対し
出来ることがあるか。ブリストルに来た意味を含めて彼が自問自答するのが実に誠実で。
しかし“ネリナ”がやって着た意味をようやく理解したあたりは余裕の無さが窺えます。
期待と不安が入り混じるクリスマスを前に、ギタリストとしての運命を担った“ヨシ”。
彼の振舞いが色々な相手の、様々な感情を上書きしてきたのが分かると感慨深いものが。
“ネリナ”の強かさに驚嘆しつつ、彼が彼女と離れてどんな結論を出すか興味津々です。
2020年11月11日
『ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編3』
衣笠彰梧 先生が贈る新たな学園黙示録。2年生編・第3巻は無人島のサバイバル試験にて
全学年が入り乱れ得点を競う中、“綾小路”を退学へ追い込む者たちが牙を剥き始めます。
(イラスト:トモセシュンサク 先生)
【 https://mfbunkoj.jp/product/youzitsu/322006000798.html 】
持参するアイテムの取捨、指定エリアへの道程、クリアする課題の選定。集団行動せずに
単独で試験に臨む“綾小路”に同道を願い出る“七瀬”。彼女の思惑はどこにあるのか、
彼を狙うホワイトルーム生なのか、探り探りの緊迫した展開で読む手にも熱が入ります。
“七瀬”以外にも、かねてから“綾小路”に目を向けていた人々の所作一つ一つに裏が
あるのではと疑うのに疲れる最中で、“高円寺”のブレない言動にはある意味安堵します。
試験中にもかかわらず“恵”のご機嫌取りをする“綾小路”には余裕すら感じられます。
“七瀬”の狙いが明らかとなった刹那、まず「彼女」たちの振舞いには驚かされました。
これも“月城”の計らいによるものか、それを見極めきれないまま意味深な挿絵と共に
次巻へと引かれて身悶えします。“綾小路”は切り抜けると信じて、その時を待ちます。
全学年が入り乱れ得点を競う中、“綾小路”を退学へ追い込む者たちが牙を剥き始めます。
(イラスト:トモセシュンサク 先生)
【 https://mfbunkoj.jp/product/youzitsu/322006000798.html 】
持参するアイテムの取捨、指定エリアへの道程、クリアする課題の選定。集団行動せずに
単独で試験に臨む“綾小路”に同道を願い出る“七瀬”。彼女の思惑はどこにあるのか、
彼を狙うホワイトルーム生なのか、探り探りの緊迫した展開で読む手にも熱が入ります。
“七瀬”以外にも、かねてから“綾小路”に目を向けていた人々の所作一つ一つに裏が
あるのではと疑うのに疲れる最中で、“高円寺”のブレない言動にはある意味安堵します。
試験中にもかかわらず“恵”のご機嫌取りをする“綾小路”には余裕すら感じられます。
“七瀬”の狙いが明らかとなった刹那、まず「彼女」たちの振舞いには驚かされました。
これも“月城”の計らいによるものか、それを見極めきれないまま意味深な挿絵と共に
次巻へと引かれて身悶えします。“綾小路”は切り抜けると信じて、その時を待ちます。
2020年11月10日
『今はまだ「幼馴染の妹」ですけど。3 3年分の「ありがとう」だよ、先輩』
かぜぱな 先生のマンガ連載も始まった、涼暮皐 先生による(考えが)甘いラブコメディ。
第3巻は“小織”という存在、彼女の願い、“伊織”に降りかかる最悪の呪いに迫ります。
(イラスト:あやみ 先生)
【 https://mfbunkoj.jp/product/osaimo/322005000759.html 】
【 https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_FS00201831010000_68/ 】
冒頭で“小織”から語られる真相の数々。それだけで驚きの連続にもかかわらず結末では
それを超える彼女の隠された想いがあらわとなります。星の涙に慈悲がある訳がないのは
重々承知していたつもりですが、すみません、読み手としても考えが甘かったようです。
“灯火”や“まなつ”の願いも否定し、その差し伸べる手をも振り払って己の身ひとつで
星の涙に抗ってきた“伊織”。今回は“小織”の夢をどう否定するのか、注意深く見届け
させてもらいました。彼が彼女を救えない、と言った意味が重くのしかかるかのようです。
流石に苛立つ感情をも冷ましてしまう“伊織”には同情を禁じ得ません・・・と言った所で
思いがけない方向から、彼の行動指針を揺るがす事の真相に触れてくる容赦ない引き具合。
翻弄される“伊織”はどこへ向かえばいいのか。救われる日が来ることを願うばかりです。
第3巻は“小織”という存在、彼女の願い、“伊織”に降りかかる最悪の呪いに迫ります。
(イラスト:あやみ 先生)
【 https://mfbunkoj.jp/product/osaimo/322005000759.html 】
【 https://comic-walker.com/contents/detail/KDCW_FS00201831010000_68/ 】
冒頭で“小織”から語られる真相の数々。それだけで驚きの連続にもかかわらず結末では
それを超える彼女の隠された想いがあらわとなります。星の涙に慈悲がある訳がないのは
重々承知していたつもりですが、すみません、読み手としても考えが甘かったようです。
“灯火”や“まなつ”の願いも否定し、その差し伸べる手をも振り払って己の身ひとつで
星の涙に抗ってきた“伊織”。今回は“小織”の夢をどう否定するのか、注意深く見届け
させてもらいました。彼が彼女を救えない、と言った意味が重くのしかかるかのようです。
流石に苛立つ感情をも冷ましてしまう“伊織”には同情を禁じ得ません・・・と言った所で
思いがけない方向から、彼の行動指針を揺るがす事の真相に触れてくる容赦ない引き具合。
翻弄される“伊織”はどこへ向かえばいいのか。救われる日が来ることを願うばかりです。