竹町 先生が贈る痛快スパイファンタジー。第3巻は前巻で居残ることとなった“ティア”
たちに何が起こったのか、捜しに向かう“リリィ”たちと時系列を分けて描いていきます。
(イラスト:トマリ 先生)
【 https://fantasiabunko.jp/product/202001spy/322003001189.html 】
“屍”を斃す立場に選ばれた“ティア”たちを試す“クラウス”の意図が後々効いてくる
ワケですが、このほんわかした導入部分であの結末に影響するとは中々予想がつきません。
彼女たちなりの「連携」を活かせるか、“ティア”が背負う気苦労には同情するばかりで。
任務達成後の骨休み中に“ティア”たちの前へ突如現れた“アネット”の母を名乗る女性。
“マティルダ”の真偽を確認する術もなく、“ティア”の甘さにつけ入られる展開に俄然
緊張感が高まります。前もって“クラウス”は気づいていただけに、えげつない演出です。
仲の悪い陸軍情報部とのやっかみもあり、まさに内憂外患の状況で当事者“アネット”が
出した結論が、心を読んだ“ティア”と同様にただ驚かされるばかり。因果応報の結末に
胸をなでおろしつつ、遂に全員で「蛇」の正体を掴みに行く次巻の刊行が待ち遠しいです。